80坪の土地はテニスコート約1面分
80坪は約264平米で、テニスコート1面とほぼ同じ広さです。国の基準では大人9〜10人が快適に暮らせる広さに相当し、首都圏の敷地面積の中央値と比べると倍近い広さになります。
詳しくは、「80坪ってどのくらいの広さ?」をご覧ください。
建ぺい率50%でもゆとりの間取り
土地には建ぺい率などの制限がありますが、80坪あれば広い家が建てられます。たとえば建ぺい率50%でも、広いLDKや複数の居室、収納を確保でき、完全分離型の二世帯住宅も実現可能です。
詳しくは、「80坪の土地に建てられる家の間取り例」をご覧ください。
庭や駐車場など多様な活用が可能
広い土地を活かして、建物以外にも様々な活用ができます。ビルトインガレージや複数台の駐車場、家庭菜園やガーデニングを楽しめる広い庭を設けるなど、多様なプランを実現できます。
詳しくは、「広い土地ならではの多様な選択肢にも目を向けよう」をご覧ください。

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「80坪の土地」に家を建てるとき、どのくらいの広さの家を建てられて、どんな暮らしを実現できるでしょうか。

 

今回は「80坪の土地」をテーマに、具体的な広さのイメージや実現できる家の間取りを見ていきましょう。

一戸建て

 

普段の生活において、坪数で広さを計算するシーンはそれほど多くありません。そのため、そもそも80坪がどのくらいの広さなのかをイメージしにくいと感じる人もいるでしょう。

 

不動産公正取引協議会連合会の「不動産の表示に関する公正競争規約」によれば、1坪はおよそ「3.3平米」とされています。この数字を基に換算すると、80坪は「約264平米」と計算できます。

 

これは、テニスコート1面分(約260平米)とほぼ同じ広さにあたります。家を建てるための土地として考えると、この時点で十分な広さを持っていると判断できるでしょう。

 

なお、不動産の表示に関する公正競争規約では「1畳=1.62平米以上」と示されているので、この数字を基にすると80坪は約160畳です。

 

国土交通省では、“これくらいの広さがあると快適に暮らせる”という住宅面積の目安「誘導居住面積水準」を設定しています。

 

2人以上の世帯における都市部以外の一戸建ての誘導居住面積水準は「25平米×世帯人数+25平米」で求められます。この計算式によると、80坪は約264平米となるため、9〜10人が快適に過ごせる広さです。

 

80坪の土地に必ずしも80坪の家を建てられるわけではありませんが、仮に80坪の家を建てた場合、二世帯でもストレスなく暮らせるうえ、4〜5人の家族であれば一人ひとりに十分な空間を確保することができます。

一戸建てで快適に暮らすために必要な広さの目安

世帯人数

平米

坪数

3人

100平米

約30坪

4人

125平米

約38坪

5人

150平米

約45坪

6人

175平米

約53坪

 

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一戸建て

 

続いて、80坪の土地に建てられる家の広さについて、データと比較しながら見ていきましょう。

 

住宅金融支援機構が行っている「2021年度フラット35利用者調査」によれば、土地付き注文住宅における敷地面積の中央値(※外れ値が大きいため、平均ではなく中央値が採用されている)198.5平米となっています。

 

中央値とは、データを小さな順に並べたときに、ちょうど真ん中に位置する値のことです。先ほど計算したとおり、80坪はおよそ264平米なので、全国水準と比較しても広い値といえます。

 

また、首都圏における中央値は142.8平米とさらに狭い水準です。もし首都圏で家を建てるための土地を80坪所有していたら、水準と比較して倍近くの広さの土地を持っていると考えられます。

 

家の広さは、後ほど解説する建ぺい率や容積率によっても異なります。そのため一概にはいえませんが、80坪の土地があれば、住宅は水準と比べて倍近くの広さを確保できるといえるでしょう。

 

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建ぺい率容積率

 

土地には建築する建物の広さなどを制限するルールが設けられているため、敷地いっぱいに建物を建てられるわけではありません。

 

ここでは、土地の活用を考えるうえで知っておきたい「建ぺい率」と「容積率」について解説します。

 

土地にはそれぞれ、おおむね30~80%の範囲で建ぺい率が定められています。建ぺい率とは「敷地面積に対する建築面積の割合」のことです。

 

建築面積とは、建物を真上から見たときの広さであり、たとえば1階と2階で面積が異なるときには、より広い方の数値を基準にします。

 

仮に80坪の土地で建ぺい率が50%となっている場合、建物を真上から見たときの面積は40坪以内に収めなければならないということです。

 

建ぺい率を定めることで適度な隙間をつくり、日照や通風を確保するとともに、火災時の延焼防止や景観の保護といった目的もあります。

 

そのため、防火地域で防火性の高い建物を建てる場合などは、条件によって建ぺい率が緩和されるケースもあります。

 

容積率とは「敷地面積に対する延床面積の割合」のことです。

 

延床面積とは、各階フロアの面積を合計した広さのことであり、バルコニーやロフトなどを除いた居住スペース全体の面積と考えて問題ありません。おおむね50~300%の範囲で定められていることが多いです。

 

たとえば、80坪の土地で容積率が100%となっていた場合、2階建て以上の建物を建てるなら、全フロアの合計面積を80坪以下に収めなければなりません。

 

仮に3階建てを建てる場合でも、合計面積の上限は変わらないので、その分だけ各フロアの広さを細かく調整する必要があります。

 

このように、特に2階建て以上の建物を建てる際には、建ぺい率だけでなく容積率のチェックも重要です。

 

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間取り図

 

ここでは、実際に80坪の土地でどのような家を建てることができるのか、仮の条件を設定して、間取りをシミュレーションしてみましょう。

 

今回は以下の条件を基にシミュレーションを行います。

シミュレーション条件

  • 80坪の土地に2階建ての家を建てる
  • 建ぺい率50%、容積率100%
  • 1階と2階、同じ広さを想定

まず、80坪の土地で建ぺい率50%なら、建築面積は最大で40坪まで広げることができます。続いて、容積率は100%なので延床面積は最大80坪まで確保することが可能です。

 

この条件下でもっとも広い家を建てようとすると、1階部分40坪、2階部分も40坪が妥当な組み合わせとなります。なお、1坪は約2畳なので、畳数換算するとそれぞれ80畳ずつとなります。

■1階部分の組み合わせ

 

40坪(80畳)の広さがあれば、1階部分だけでもかなりの部屋数を確保することができます。

 

今回は想定していませんが、これだけの広さがあればキッチンやトイレ、バスを2つ設けた「完全分離型の2世帯住宅」も十分に実現可能です。

 

イメージしやすいように住宅に必要と思われる機能、およびその一般的な広さを基にシミュレーションすると、各部屋の広さは下表のようになります。。

 

1階部分には基本的な住宅機能に加えて、30畳近い広さを持つLDKと2つの居室、ウォークインクローゼット、玄関収納を設けることができます。

 

坪数

畳数

玄関

2

4

玄関収納

0.5

1

バス

1.5

3

洗面所

1

2

トイレ

0.5

1

収納(各部屋分の合計)

3

6

廊下

3

6

階段

2

4

リビング

8

16

ダイニング

3

6

キッチン

3

6

和室

8

16

居室1(客間)

3

6

ウォークインクローゼット

1

2

その他

0.5

1

合計

40

80

■2階部分の組み合わせ

 

今回の例では、2階部分は家族それぞれのプライベート空間をメインにし、6~8畳の居室を4つと、16畳の大きな部屋を1つ確保しました。

 

坪数

畳数

トイレ

0.5

1

収納(各部屋分の合計)

3

6

廊下

3.5

7

階段

2

4

居室2

4

8

居室3

4

8

居室4

4

8

居室5

3

6

居室6(大部屋)

8

16

ウォークインクローゼット

4

8

ルーフバルコニー

4

8

合計

40

80

 

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ビルトインガレージ

 

80坪は住宅用地としてかなり広い水準になるため、以下のようにさまざまな住宅プランが実現可能です。

 

80坪の土地があれば、車両を雨風から守れるビルトインガレージを設けることもできます。ガレージがあれば作業場としても活躍するのに加えて、セキュリティ上の安心感もあります。

 

なお、ビルトインガレージは広さが延床面積の5分の1以内であれば、容積率の計算時に延床面積としてカウントされないという緩和措置があります。

 

屋外にも広さがあるため、庭のつくり方にも豊富な選択肢があります。家庭菜園やBBQを楽しめる庭はもちろん、本格的な日本庭園やイングリッシュガーデンの造作も可能です。

 

間取り事例で紹介したように、80坪の広さがあれば1階部分だけでも十分な居住スペースを確保できます。広さを生かして、2階建てではなく平屋を選ぶのも選択肢のひとつです。

 

平屋はバリアフリー性が高く、家族同士のコミュニケーションを図りやすいのが魅力です。

 

80坪の土地は、広い建物を建てても、まだ複数台の駐車場を設けるゆとりがあります。

 

駐車場の広さは、国土交通省の基準によれば、普通自動車用で長さ6.0m、幅員2.5mとされているため、1台あたり15平米が目安です。

 

80坪(約264平米)の土地があれば、仮に4台分のスペース(60平米)を確保してもまだ200平米残っているので、十分に広い住宅を建てることができます。

 

ただし、車両をおおう屋根を設けたカーポートを設けると、建ぺい率の計算に含まれてしまう場合もあるので、建て方や大きさには注意が必要です。

 

80坪の土地は広いだけに豊富な選択肢があるので、具体的な設計プランは建築士などの専門家に相談をしながら決めていきましょう。

 

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一戸建て

 

  • 80坪(約264平米)の土地はテニスコート1面分に相当する広さ
  • 首都圏水準と比べて倍近く広い家を建てることができる
  • 土地の活用を検討するときには、建ぺい率と容積率のルールを理解しておく
  • 建ぺい率50%であったとしても、十分に広い住居を建てることが可能
  • 屋外のスペースにも豊富な活用方法があるので、専門家にも相談しながらプランを練ろう

 

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Q1:80坪の土地は、具体的にどのくらいの広さですか?

A1: 80坪は、およそ264平米に相当します。これはテニスコート1面分とほぼ同じ広さです。また、不動産の表示に関する公正競争規約に基づくと、約160畳の広さになります。

Q2:80坪の土地で、何人くらいが快適に暮らせる家を建てられますか?

A2: 国土交通省が定める誘導居住面積水準によると、80坪(約264平米)の広さがあれば、9~10人が快適に過ごせるとされています。必ずしも80坪いっぱいに家を建てられるわけではありませんが、二世帯でもストレスなく暮らせる広さを確保しやすいでしょう。

Q3:80坪の土地に家を建てる際、広さに関して知っておくべきルールはありますか?

A3: はい、「建ぺい率」と「容積率」という2つの重要なルールがあります。「建ぺい率」は、土地を上から見たときに建物が占める割合を指し、「容積率」は、土地に対する延床面積(各階の合計面積)の割合を指します。これらの制限内で家を建てる必要があります。

Q4:建ぺい率と容積率を考慮すると、80坪の土地にどのくらいの広さの家を建てられますか?

A4: たとえば、建ぺい率50%、容積率100%の80坪の土地であれば、建築面積は最大40坪(1階部分)、延床面積は最大80坪(1階と2階の合計)まで確保できます。この広さがあれば、家族構成に合わせて十分に広い間取りを実現可能です。

Q5:80坪の広い土地ならではの、おすすめの活用方法はありますか?

A5: 80坪の土地は広いため、さまざまな選択肢があります。たとえば、雨風から車を守るビルトインガレージや、家庭菜園やバーベキューを楽しめる広い庭、本格的な日本庭園やイングリッシュガーデンをつくることも可能です。また、階段の昇り降りがなくバリアフリー性の高い平屋や、複数台分の駐車場を設けるゆとりもあります。

更新日: / 公開日:2020.03.27