「家を建てたいけれど、予算がない」「注文住宅は高すぎて手が出ない」と思っている方は、「ローコスト住宅」を検討してみてはいかがでしょうか。
ローコスト住宅は、注文住宅ほどの自由度はないものの、予算を抑えて家を建てることができます。家を建てるときの選択肢のひとつとして、ローコスト住宅のポイントを、榊原デザイン一級建築士事務所 所長の榊原正樹さんに解説していただきました。
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ローコスト住宅と一般的な注文住宅、建売住宅の違い

「ローコスト住宅」とは、文字どおりコストを抑えた住宅のことをいいます。ローコスト住宅も注文住宅の1つですが、ここでいうローコスト住宅とは“コストを重視し、安く建てることを目指した住宅”を意味します。
条件の厳しいローコスト住宅に対し、一般的な「注文住宅」は、ゼロから考えて自由な発想で設計していきます。どんな建築物でもコストを抑えるのは当たり前のことですが、夢のマイホームは多くの方にとって一生に一度の大きな買い物でしょう。
そのため「こだわるポイントにはある程度のお金をかけてでも、思い描いたように完成させたい」と思うのではないでしょうか。そういった要望に、柔軟に対応できるのが注文住宅のメリットです。
一方、「建売住宅」は既に出来上がっている住宅を、実際に見て、触って、体感してから購入することができます。土地と建物がセットになった完成品なので購入金額が明確です。
数棟まとまって建築されることが多く、建材をまとめて仕入れることができ、工事の手間も省力化できるので、その分、安く販売できます。
購入する側としては注文住宅に比べて安いことや、建てるまでの手間が省けることもメリットになります。自分の思い描いた理想に近い住宅であれば、建売住宅を選ぶのも選択肢の1つです。
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ローコスト住宅を実現するには?

家の価格は、材料や手間、間取り、工期などに左右されます。ローコスト住宅を実現するには、これらの要素をコストダウンするべく、努力していく必要があります。
コストアップは簡単ですが、コストダウンはとても難しい作業です。コストダウンには、これらを上手にコントロールできる設計と施工のチームワークや知識、ノウハウが必要になります。
ローコスト住宅を建てるときのポイント
無理な計画はしない
ローコスト住宅だからといって、安かろう悪かろうではいけません。厳しいコストダウンを押しつけた結果、手抜き工事が発生したら目も当てられません。
最低限の耐震性や耐久性は建築基準法でも定められているので、あまり無理な計画はしないことが大切です。極端に安い場合は、きちんとその理由を確認しましょう。
また、構造耐力のうえで主要な部分は省略することができないので、適切な構造計画が必要です。材料を安く抑えても必ずしも安くなるとは限らないので、構造については建築士とよく相談しましょう。
コストダウンするところは割り切って考える
ローコスト住宅は価格が安いということだけが注目されがちですが、自分の求めるポイントがクリアできてさえいればローコスト住宅であってもなんの問題もありません。
たとえば「価格に大きく影響する屋根や外壁などを極力安価なもので抑える」「家の形をシンプルにする」「内装に必要以上のものを求めない」「キッチン、浴室、洗面などの水回りはグレードを下げる」など割り切って考えることで、低予算であってもマイホームを手にできる可能性が高くなります。
コストばかりを追いすぎない
コストダウンを追求していくことで納得がいかない部分が多くなってくると、家づくりそのものが楽しくなくなってしまいます。
ローコスト住宅といえども大金をはたくわけですから、夢のマイホームがストレスになってしまっては本末転倒です。妥協点を見据えながら楽しくコストダウンを進めていきましょう。
また、自分のライフスタイルをローコスト住宅にあわせて工夫することも、低予算で理想的なマイホームを実現するひとつの手段でしょう。自分でできることはDIYでやるなど、住宅完成後に家づくりを継続したりするのも楽しいかもしれません。
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ローコスト住宅の事例
ローコストでありながらインナーガレージ(1階部分にガレージを取り込んだ間取り)を実現させた事例を紹介します。

建物形状は非常にシンプルな総2階建てです。ガレージ土間は玄関を兼用し、時にはリビングとして使用することができます。
浴室もシャワーで十分と割り切り、省スペースとローコストを実現させました。屋根の勾配を利用した小屋裏収納がたっぷりあるので、見た目以上の収容能力があります。
まとめ
家の建築費用を考えるときに「坪単価」という言葉がありますが、その坪単価にどこまでが含まれるかによって意味が大きく異なります。また建築物の面積が小さくなれば坪単価は割高になります。
住宅の価格は複雑です。価格の仕組みを正しく理解すれば、ローコスト住宅であっても十分に理想に近い家を建てることができます。逆に、ローコストによって生まれたデザインを格好よく生かすことができるのも設計者の腕の見せどころです。
予算を抑えて家を建てたい方は、ローコストを得意とする建築家や建築会社に相談してみてはいかがでしょうか。
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更新日: / 公開日:2020.03.24









