構造上安定感があり、広々とした印象になる平屋。一方で、単調になりがちという懸念事項もあります。

そんな平屋の雰囲気を変えてくれるスキップフロアについて、メリット・デメリット、費用感などをご紹介します。

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このところ平屋の良さが見直されています。筆者が実際に手掛けている案件も、少し前までは総二階などの2階建てが大多数を占めていましたが、最近では平屋や、平屋に小屋裏収納のみといった間取りの依頼が増えてきています。

 

平屋で建物の計画を考える際、いちばん注意したいのは、「基本的に単一階層になるため、平面計画が単調になりがち」ということです。

 

単調になりがちな平屋の平面計画で、一階層の空間に広がりを持たせたいとき、有効な方法が2つ考えられます。

 

まずひとつが勾配天井、いわゆるスロープシーリングと呼ばれる手法です。これは単純に、開放感を感じさせたい場合や高さに広がり感を持たせたい場合に有効です。

 

そしてもうひとつが「スキップフロア」という考え方です。スキップフロアとは、床の高さを一部変えることを指します。今回は、このスキップフロアについて掘り下げていきたいと思います。

スキップフロアの例

 

まず、そのメリットに着目してみましょう。

 

1つ目は、空間をリズミカルに演出することができるこということです。先にも少し触れましたが、単調になりがちな平面計画において、スキップフロアはアクセントになります。

 

そしてリビングを一段下げたダウンリビングなどは、空間を下げることによりくつろぎ感が増します。堀りごたつに足を入れる感覚に似ているかもしれません。

 

また、床の高さを変えることで、壁を設けずともゆるやかに空間を分けられるという効果があります。さらに、あえて数段の段差を設けることで、段差部分を活かした収納などを計画することもできます。

 

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では、スキップフロアを取り入れることによるデメリットは何があるのでしょうか。

 

まず、バリアフリーという観点ではスキップフロアをおすすめできません。たとえ数段でも段差は段差。足腰が衰えてくる高齢期や、けがをした場合にはどうしても不便です。

 

また、昨今普及しているロボットタイプの掃除機に、一度でスキップフロア部分までの掃除を担わせることは不可能です。加えて、コスト面の問題がデメリットとして挙げられます。これは次の章で詳しく触れていくことにします。

 

やはり物事にはメリットがあればデメリットもありますので、スキップフロアを導入するかは慎重に検討したいところですね。

スキップフロア例

 

気になるのが、スキップフロアの費用感です。近年、新築住宅では断熱性能が非常に重視視されています。

 

フロアから下をどのように設計するかによって、住宅全体の断熱性能にも影響してくるのですが、スキップフロア(ここではダウンフロア)の場合、最低限その部分だけは基礎断熱を計画する必要があるでしょう。そのため、費用アップは免れません。

 

ハウスメーカーによって仕様が異なるため、具体的な価格を提示することはできませんが、20~40%程度コストアップするとイメージしておくと良いでしょう。

 

ダウンフロア部分だけを基礎断熱にするのか、いっそのこと全体を基礎断熱に仕様変更するのかによってもコストアップ幅は異なってきます。

 

ほかにも、框(かまち)部分(角の部分のこと)のデザインによってもコストは多少上下します。

 

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ダウンリビング例

 

スキップフロアの実例をご紹介しましょう。こちらは、いわゆるダウンリビングにスクエアタイプのソファを設置した事例です。

 

ソファのシートの高さと、高いほうの床面のレベルができるだけ合うようにソファのサイズをセレクトするのが空間利用のコツです。

 

スキップフロアは、アングルによっては空間に演出されたリズムを強調することもできるので、いわゆる“インスタ映え”も期待できるステキなアイデアです。新築をご計画の場合、一度は検討してみたくなるポイントではないかと思います。

 

ここでは書ききれないメリット・デメリットもいろいろありますので、十分リサーチした上で、ステキなマイホーム計画を実現してくださいね。

 

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更新日: / 公開日:2019.12.16