使いやすい家を建てる上でキッチン、トイレ、浴室、脱衣室(洗面所)など水回りの計画はとても大切な要素です。

日本では、狭い土地に家を建てるケースが多く、水回りの間取り計画の自由度は低いのが実情。そんな状況下でも、“水回り”を対象に、少しでも使いやすい間取りにするための考え方やアイデアをご紹介します。

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間取り修正イメージ

 

水回りは、人が暮らすために欠かせません。ゆえに、水回りの間取り計画をする上で最も重要視しなければいけないのが「機能性」です。

 

好き嫌いやデザイン性の優先順位は「機能性」よりも下がることを、まずはしっかり認識しておきましょう。

 

その上で自分好みの使いやすい水回り計画を行うために、押さえておきたいのが「やってはいけないNG要素」を知っておくことです。いくつか代表的なNG要素をご紹介します。

 

トイレを1階と2階に設置したいときなどは、「トイレの上下配置」がとても大切なポイントになります。

 

基本的には、上下階共に同じ位置にトイレを計画するようにしましょう。異なる配置としてしまうと排水管ルート、音の問題、費用増などさまざまな課題が生じてしまうことに。

 

そしてこれはトイレに限らず、水回りすべてに共通します。上下階の水回りは、なるべく同じ配置もしくは近接配置にして間取りを計画することがポイントです。

 

キッチン、トイレ、浴室、脱衣室(洗面所)をそれぞれ離れた位置に計画するのはおすすめできません。

 

なぜなら、分散配置してしまうと余分な給排水管の経路が必要となり、費用の負担が増えたり、施工が複雑になる可能性があるからです。

 

少なくともトイレ、浴室、脱衣室(洗面所)は集約配置しましょう。

 

水回りを住宅の中心部に配置するのはNGです。すべての居室に対して湿気やカビの拡散を促してしまいやすく、家の劣化が早まる要因になるためです。

 

また、水回りの自然換気が行えず、すべて機械式換気としなければならなくなるため、費用負担増につながります。換気効率が低下し、住み心地も悪化、住宅の劣化が促進されてしまいます。

 

新築当初は、設計どおりの“壁の遮音性”が保たれていますが、壁の遮音性は素材や建材同士の接合変形などさまざまな理由で、年々劣化するもの。

 

5年以上経過すると、感覚的に遮音性の劣化が感じられるようになります。

 

そのためトイレを他居室と隣接配置してしまうと、徐々に“トイレの音”が居室内に伝わることに。原則、トイレはリビングや寝室などの居室と隣接しない間取りがおすすめです。

 

南側エリアは、直射日光の影響により一日の中でも温度や湿度が大きく変動しやすい空間です。

 

そんな南側エリアに水回りを配置してしまうと、温度と湿度変化の影響を受けやすく、特に水分放出量の増加による湿度過多を生じさせることに。

 

結露の発生やカビの増殖を招く要因なので、南側に水回りを配置しないよう注意が必要です。

 

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勝手口のあるキッチン

 

土地が狭い場合は、水回りの間取りは限定されてしまうため、アイデアをそのまま生かすことが難しくなりますが、水回りの間取り検討のご参考に、少しでも使いやすくする「水回りの間取りアイデア」をご紹介します。

 

広いキッチンスペースを確保できるときに効果的なのが、脱衣室(洗面所)とキッチンを隣接、動線を確保したプランです。

 

日常生活における大切な家事要素が食事の支度と洗濯。そんな家事をスムーズに行う上で、キッチンと脱衣室(洗面所)が扉ひとつで直接つながる間取りは、家事動線を短縮し効率を高めてくれます。

 

近年、多くの方がネットショッピングや宅配を利用していますよね。そんな買い物の中には、お米やペットボトル飲料など大きな荷物が多いもの。

 

キッチン空間に勝手口があると、キッチンに保管しておきたい商品を勝手口から受け取ることも可能に。玄関から重い荷物を運ばなくて済みます。

 

洗濯機を設置している脱衣室(洗面所)に隣接する形でサンルーム型のランドリースペース(物干しスペース)を設置するのも生活利便性を高めてくれます。

 

立地環境的に陽当りがあまり期待できない場合は、気密性を保てる空間とし、除湿器を設置・利用できるようなランドリースペース(物干しスペース)とする方法もあります。

 

近頃、都市部ではなかなか住宅用の広い土地を確保することが難しくなっています。

 

そのため、水回りの間取りは限定されてしまうことが多いのですが、水回りの機能性を理解した上で、少しでも自分にとって使いやすい間取りを検討していただければと思います。

 

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更新日: / 公開日:2019.12.13