マイホームを建てるにあたって、土地の選定は重要なステップです。土地探しをスムーズに進めるためには、見つけるまでの手順とコツを全体像でとらえておくことが大切です。
今回は土地探しにおいて意識したい3つのコツと、購入時に確かめておくべきチェックポイントを解説します。
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土地を探す方法

土地を探す方法にはさまざまな選択肢があります。それぞれの探し方にどのような特徴があるのかを把握したうえで、目的に合った方法を活用しましょう。
インターネットを通じて探す
土地探しにおいて、もっとも手軽なのはインターネットを使った方法です。
不動産情報ポータルサイトや不動産会社のホームページなど、インターネットでアクセスできるページには膨大な情報量が掲載されているので、幅広く土地のデータを収集できるのがメリットです。
また、エリアごとの価格相場を調べたり、特定の条件に絞って物件を探したりできるのもインターネットの強みといえます。そのため、まずはインターネットで情報収集を行い、それから具体的な行動をスタートするというケースも多いです。
現地へ足を運んで探す
購入したいエリアがある程度まで絞り込めたら、実際に現地を訪れることも大切です。
自分自身の感覚や足で、直接そのエリアの治安や利便性・雰囲気を確かめられるため、購入前に一度は現地を見学してみましょう。
日中と夜間、平日と休日で状況がガラリと変わるエリアもあるので、時間に余裕があるなら、異なる時間帯・曜日を選んで複数回見学しておくのもおすすめです。
不動産会社に依頼して探す
土地の購入手続きは、その土地の仲介業務を行っている不動産会社に相談をしながら進めるのが一般的です。そのため、はじめから不動産会社に土地探しを依頼するのもひとつの方法です。
ただし、不動産会社にはそれぞれ得意分野があるという点に注意しておきましょう。「一戸建て専門」や「マンション売買に強い」など、土地以外の分野に強みを持っている会社も多いのです。
不動産会社に依頼するのであれば、少なくとも「土地の売買に強い」「該当エリアの情報に明るい」という2つの条件は確認しておきましょう。
注文住宅の施工会社に協力してもらう
ハウスメーカーや工務店などのなかには、土地探しからセットでサポートをしてくれるところも多くあります。
マイホームを建てるための土地選びでは、法令上の条件などを理解しておかないと、思いがけない制限により「プランが実現できなかった」という事態に陥る可能性があります。
施工を担当する会社であれば、プランを実現できる土地かどうかを一緒に確かめてくれるので、安心して購入手続きを進めやすいのがメリットです。
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土地探しを成功させるコツ1:実現したい暮らしから希望条件をまとめる

土地の購入ステップについては、不動産会社などの専門家にサポートを依頼できるので、特に知識がなくても手続きを進めることは可能です。
しかし、納得のいく土地探しをするためには、購入者自身もきちんと準備をしておかなければなりません。まずは、実現したい暮らしから希望の条件をまとめ、土地探しの方向性を明らかにしましょう。
ライフステージに合わせて実現したい暮らしをイメージする
マイホームの購入は、長い人生に関わる重大な決断です。それだけに、土地選びにも長期的な視野が求められます。
ライフステージによって条件が変わりやすいポイントには、以下のような項目があります。
想定しておきたいライフイベントと変化
- 結婚や出産による世帯人数の変化
- 子どもの独立による世帯人数の変化
- 両親との同居による世帯人数の変化
- 異動による勤務場所の変化
- 転職による勤務先の変化
- 子どもの進学による通学路の変化
- リタイアによる在宅時間の変化
特に、世帯人数の変化は、マイホームを建てる際に重要なポイントとなります。家族と今後のライフプランを丁寧に話し合い、土地選びの条件を少しずつ明確にしていきましょう。
希望条件に優先順位をつけておく
ライフステージについておおまかなイメージができたら、具体的な条件を洗い出しましょう。以下に条件の例をまとめているので、参考にしてみてください。
希望条件の例
- 通勤、通学に便利(〇〇駅まで徒歩〇分以内)
- 買い物に便利
- 子どもを希望の学校に通わせられる
- 公園や緑が近くにある
- 治安がいい
- 広い庭がほしい
- 日当たりを重視したい
- 夫婦の実家から近い
- 持病の治療ができる病院が近い
- ペット用の動物病院が近い
- 駐車スペースは複数台ほしい
- 子育て支援が手厚い自治体に住みたい
叶えたい条件を書き出したら、次に優先順位をつけておくことが大切です。
はじめから順位づけをするのが難しい場合は、各項目について優先度を3段階に分けて考えてみると、希望する度合いを明確にしやすくなります。
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土地探しを成功させるコツ2:土地に関する基礎知識を身につけておく

理想の土地をスムーズに見つけるためには、購入者自身もある程度土地に関する基礎知識を身につけておくことが大切です。ここでは、特に重要度の高い項目について解説します。
角地・中地の特徴
土地の種類を大きく分類すると、角地と中地に分けることができます。角地とは、交差している2つの道路に接した角の区画にある土地です。
それに対して、中地は正面を除く3方向が囲まれた区画の土地を指します。両者には、それぞれ以下のような特徴があります。
| メリット | デメリット |
|---|---|---|
角地 | ・日当たりを確保しやすい ・開放感が生まれやすい ・玄関や駐車場の向きが選べる ・建ぺい率の緩和がある | ・価格が高くなりやすい ・車の往来が気になりやすい ・外構工事が2面分必要 |
中地 | ・角地に比べて価格は安い傾向 ・プライバシーを守りやすい | ・玄関や駐車場の向きが限定される ・角地と比べて開放感が少ない |
角地は少なくとも2面が開放されているため、中地にはない特徴が生まれます。玄関や駐車場の向きを2方向から選べるので、方角に合わせた間取り設計が可能なのです。
一方、中地に比べると数が少なく、人気も集まりやすいため、価格は相場と比べて高くなりやすい傾向にあります。
角地を購入するのであれば、周辺相場をしっかりと確かめたうえで、価格にどのくらいの差が出るのかを確かめておきましょう。
用途地域
用途地域とは、市街化区域内(すでに街の整備が進められて市街地となっている区域、あるいはおおむね10年以内に市街化を図るべきとされる区域)において、用途別に分けられた土地のことです。
市街化区域内では、エリアごとに土地の用途が「住居系」「商業系」「工業系」の3種類13区分に分けられています。
用途地域の種類は以下のとおりです。
住居系
住居の環境を最優先した地域
・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
住居の環境を守るための地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
道路沿い等で自動車関連施設などと住居が調和した環境を守るための地域
・準住居地域
農業の利便の推進を図りつつ、良好な低層住宅の環境を保護する地域
・田園住居地域
商業系
映画館や倉庫、車庫なども建てられる地域
・近隣商業地域
・商業地域
工業系
住居も建てられる地域
・準工業地域
・工業地域
住居は建てられず工場等を建てられる地域
・工業専用地域
エリアによっては住宅が建てられない、あるいは高さや敷地の使い方に制限があるケースもあるので、必ず購入する土地の候補については用途地域をチェックしましょう。
建ぺい率・容積率
土地にはそれぞれ「建ぺい率」と「容積率」と呼ばれる面積・容積の制限が設けられています。
建ぺい率とは、敷地面積に対してどのくらいの面積割合まで建物を建てられるのかを示す数値であり、30~80%の間で設定されるのが一般的です。角地など土地の条件によっては、本来設定されている建ぺい率よりも緩和されるケースがあります。

建ぺい率
容積率とは、敷地面積に対する最大延床面積の割合を示す数字です。マンションなどの複数の階層を持つ建物にも適用されるため、50~1300%までの間で設定されるのが一般的です。

容積率
建築制限
建築制限には、建てられる住宅の高さを制限する「高さ制限」や、周辺の道路や隣家への日当たりを遮らないように高さや屋根の形状を制限する「道路斜線制限」や「隣地斜線制限」などがあります。
制限を意識せずに購入してしまうと「3階建てが建てられなかった」「希望する屋根の形状が実現できなかった」といった問題が起こる可能性もあるので、事前に確認しておきましょう。
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土地探しを成功させるコツ3:土地価格について調べてみる

なかなか予算に合った土地が見つからない場合は、土地の相場について調べてから計画を見直してみることも大切です。
土地の価格は「立地条件」「周辺環境」「用途地域」「敷地の形状」「道路条件」になどによって決まります。購入したい土地と似たような条件を持つ土地の価格を調べれば、自然とどのくらいの予算を見込んでおくべきかが分かるでしょう。
土地相場の具体的な調べ方としては、国土交通省の「土地総合情報システム」を使ったものが挙げられます。土地総合情報システムでは、過去に行われた不動産取引に関する情報がデータベースで詳しく記載されています。
土地の広さや立地条件はもちろん、形状や方位、建ぺい率・容積率などの情報も掲載されているので、似たような土地の取引価格を複数チェックすると、おおまかな相場感をつかむことができます。
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土地の購入を決断する前に確認したいチェックポイント

最後に、土地の購入前に確認しておきたいチェックポイントを4つに分けて見ていきましょう。
立地
立地については、主に以下のようなチェックポイントがあります。
チェックポイント
- 最寄り駅やバス停までの距離
- 商業施設までの距離
- 公共施設までの距離
- 教育機関までの距離
- 周辺の嫌悪施設の有無
- 周辺道路の交通量、歩道の広さ
- 防犯面での不安がある場所はないか(街灯の数、人通りなど)
高低差
土地に高低差がある場合、平面のケースとは違って建物の設計にさまざまな工夫が求められます。
周辺道路よりも土地が低い場合は、浸水のリスクが高くなるなどのデメリットがあります。道路と同じ高さまでそろえるには、大規模な盛土工事が必要になるため、その分のコストまで見込んでおかなければなりません。
反対に、道路に対して土地が高い場合には、必要に応じて階段などを設けることとなります。さらに、極端に高くなっている場合は、擁壁工事が必要です。
境界線
土地の購入時には、念のため隣地との境界線も確認しておきましょう。土地の売主には、買主に対して境界を明示する義務が生じますが、不明瞭なまま手続きが進んでしまうケースもないとは言い切れません。
特に、ブロック塀や垣根などが設けられている場合は、どちらの所有物に該当するのかを確認しておくことが大切です。
災害リスク
土地の購入時には、浸水や土砂崩れといった災害リスクを確かめておきましょう。ハザードマップでは、浸水のリスクや深度、土砂災害のリスク、津波の想定規模などを地図上でチェックできます。
基本的には、土地の売買契約時に行われる重要事項説明において、不動産会社によるハザードマップの説明が行われる決まりとなっています。
しかし、その段階ではすでに購入手続きが進んでしまっているので、なるべく検討段階で確認しておくことをおすすめします。
まとめ

- 土地探しにはさまざまな方法があり、必要に応じて組み合わせることが大切
- 具体的なライフプランを想定して、条件整理を行おう
- 角地と中地、用途地域、建ぺい率・容積率などの意味を押さえておこう
- 土地の相場を調べておくと、予算決めやエリア決めがしやすくなる
- 立地や高低差、災害リスクなどを土地購入前に確認しておこう
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更新日: / 公開日:2019.10.21










