安いけど大丈夫?「納得のローコスト住宅まるわかり講座」 【第2回】5つのコストカット術
できるだけ予算を抑えてマイホームを建てたいのなら、ローコスト住宅は魅力的な選択肢のひとつです。しかし、ローコスト住宅といえどもオプションを追加していけば、それなりの費用がかかることも事実です。
そこで第2回の今回は、不動産コンサルタントの畑中 学先生に、ローコスト住宅のコストカット術を教えていただきました。 住まいの窓口で相談する
ローコスト住宅で使える
5つのコストカット術
床面積はなるべく小さくする

広さとのバランスを考え
全体費用を抑える
ローコスト住宅の場合、坪単価(本体工事費)に含まれない別途工事費や、何かしらのオプションメニューを追加していくと、想定額よりも全体費用が高くなります。当然、オプションを減らすのもコストカットには有効ですが、もし、外構費やオプションメニューは残しつつ費用を抑えたい場合は、家の床面積を小さく設計してみましょう。建築に必要な柱などの部材や工事の手間が減らせ、全体費用が抑えられます。例えば、真四角の家の角を一部取り、1階は台形のように、2階部分をバルコニーにするだけでも、数十万円単位で費用が変わる場合も。
また、土地を広く活用したい場合は、ワンルームのようなシンプルな間取りがおすすめです。こちらも部材や工事の手間が減り、コストカットにつながります。ただし、最初に大きな面積で設計した家を、後から小さく設計し直すのは時間も労力もかかるので要注意。
凹凸の少ない家の形で
デザインする

理想は2階建てで
シンプルなデザインの家
家のデザインを考える場合、なるべくシンプルな正方形の家を目指すと全体費用を抑えられます。例えば、同じ総床面積でも角の多い複雑なデザインの場合、作業工程や部材が増え、費用も増えてしまいます。特に費用がかかるのが、基礎や外壁、屋根などの「基本構造」。構造が複雑なほど、数十万円単位で費用が変わることもあるので注意してください。
また、同じ“床面積”で2階建てと平屋を比較すると、単純に平屋の方が家を建てる“敷地面積”が横に広がってしまいます。そうなると、こちらも住宅の基礎部分や屋根の面積が大きくなるため、大幅なコストアップにつながります。さらに、3階建ての場合は、構造計算なども必要になり材料や工期などにも影響するため、シンプルなデザインの2階建ての家がおすすめです。ローコスト住宅の多くは、トレンドの2階建てを想定した規格が多いため、なるべく規格から外れないような住宅をデザインしましょう。
浴室・トイレなどの
水まわりをまとめる

配管と設備グレードが
水まわりのポイント
水まわりを設計する上で気にしたいのが配管です。浴室やキッチン、トイレなどをバラバラに配置すると配管が複雑になり、作業や部材の面でコストアップになりやすいため、なるべく上下階も含め一カ所にまとめるといいでしょう。
なお、ローコスト住宅の場合トイレやキッチンのグレードがある程度限られていることが多く、規格外の設備はオプションとなることもあります。また、2階建てでトイレを2カ所設置したいという方も多いですが、子どもの独立後など、家庭環境が変化した場合も想定し、本当に必要な水まわり設備を考えましょう。
空間を仕切る
ドアや壁を減らす

子ども部屋や和室などは
必要最小限で区切る
一般的な注文住宅にもいえることですが、コストを抑えて家を建てたい場合、必要以上に部屋数を増やすことはNGです。部材や工事工程が増えてコストがかさむだけでなく、限られた床面積の中に小さい部屋を増やしても使い勝手が悪く、メリットは少ないでしょう。
特に子ども部屋は、子どもの独立後は使用しない無駄な空間になりがちです。もし、どうしても子ども部屋などを細かく作りたいのであれば、この図のように、扉や内壁をなるべく減らす工夫をしましょう。子ども部屋の扉のひとつをカーテンに変えるだけで、5~10万円のコストカットになる場合もあります。また、障子や畳など異なる部材が必要な和室や客間もコストアップになるので、特にこだわりがないのであれば避けたいところです。
屋根裏空間を
収納などに有効利用する

コストをかけずに
使い方で居住空間も広がる
2階建てが主流のローコスト住宅。3階建てを希望すると、部材や工事工程によるコストアップは不可避です。そんなときは、屋根裏空間を利用し、収納や休憩スペースなどに利用しましょう。居住空間のスペースを削りクローゼットを作るくらいなら、屋根裏を家族全員の衣類収納などにすると、結果的に2階建てでも各部屋の空間が広がります。
安くなる時期を狙う
高い買い物だからこそ
時期の見極めも重要
モノの値段は需要と供給の量で決まります。もともと低価格のローコスト住宅も決算期や閑散期は狙い目で、営業担当者がノルマ達成のために焦っている時期や、逆に顧客の話をじっくり聞く時間がある時期は、値引き交渉をできる可能性が高くなります。
決算期以外にも4月ごろは狙い目。年度末の3月入居に向けて準備する人が多く、新年度の4月以降はニーズの低下が想定できます。

コンパクトでシンプルな設計を
心がけよう
ローコスト住宅の5つのコストカット術はいかがでしたでしょうか。「なんとなくこんな空間にしたい」という理想が、思わぬ費用を生み出す可能性があることをおわかりいただけたのではないでしょうか。
ローコスト住宅をより低コストで購入したいのであれば、できるだけ面積はコンパクトにし、シンプルな設計や仕様を心がけ、購入時期を見極めることが大事です。
「ローコスト住宅」まるわかり講座 第3回では、ローコスト住宅のメリットとデメリットをご紹介。失敗しない家づくりのために、知っておきたいローコスト住宅の特徴をわかりやすく解説します。ローコスト住宅の購入を検討している人は、ぜひお見逃しなく!
- 出典:家を買Walker (KADOKAWA)
- 取材・原稿 = 惠藤修平
- イラスト = あべかよこ
- 監修 = 畑中 学
- 編集 = LIFULL HOME'S
更新日: / 公開日:2019.09.05









