現在、日本の住宅は2階建てが主流ですが、最近では平屋も人気があります。とはいえ、平屋はそれなりに広い面積がなければ建てられないようなイメージがあります。
では、30坪程度の広さで平屋を建てることは可能なのでしょうか。建てる場合、どのような間取りにすればいいのでしょうか? 数多くの住宅建築を手がける一級建築士の佐川旭さんにお話を伺いました。
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平屋の特徴とは?

平屋とは、1階建ての住宅のことです。平屋は昔の日本家屋などには多かったものの、現在の日本では2階建てや3階建ての住宅のほうが主流です。
しかし最近では、あえて平屋の住宅を選ぶ人も増えてきています。
平屋のメリット
人気の理由のひとつは、バリアフリーの観点です。
基本的には、2階以上がないため階段を設置する必要がありません(一部、ロフトがあるなど、階段やはしごがある住宅もある)。そのため、高齢者や車いすを使用している人などにも生活しやすいことは大きなメリットです。
さらに、構造的にも安定し、耐震性にも優れています。柱や壁などをたくさんつくる必要がなく、廊下や階段もいらないので、設計の自由度も高くなります。
また、2階建て以上になると、階によって明確に空間が区切られますが、平屋であれば、家族全員が常に同じ階にいるので、どこにいてもお互いの気配を感じやすいといえるでしょう。
家族間のコミュニケーションがとりやすく、小さな子どもがいる家族や高齢の夫婦などにも安心です。
平屋のデメリット
一方、同じ面積の土地に建てるのであれば、2階以上がある住宅に比べて居住空間として利用できる面積は少なくなります。
そのため、平屋で快適に生活するためには、それなりの広さが必要になります。また、日当たりの面でも不利になることがあります。
たとえば、2階建ての住宅であれば、1階にも2階にも南向きの日当たりの良い部屋を設けることができますが、平屋の場合は、1ヶ所だけになります。
30坪の平屋とはどのくらいの広さ? 何人くらいで住むのに適している?

まず、今回は建物面積30坪程度で平屋を建てると想定します。
土地に対して、建ぺい率(土地面積に対する建築面積の割合)が定められているため、建物面積30坪の平屋を建てるためには、それ以上の広さの土地が必要です。
たとえば、建ぺい率50%の土地であれば、60坪前後の広さの土地が必要になります。1坪は約3.3m2で、畳では2畳分の広さです。つまり、30坪は99m2で、60畳分の広さになります。
世帯人数に応じて、豊かな住生活を実現するために必要な住居の広さとして「誘導居住面積水準」という基準があります。
これによると、単身であれば40〜50m2、2人であれば55〜75m2、3人であれば75〜100m2、4人であれば95〜125m2程度が目安とされています。
この基準で考えると、30坪(99m2)は3人家族くらいまではゆとりを持って居住することができ、4人家族でも、間取りなどを工夫すれば十分生活することができるでしょう。
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30坪の平屋を建てる場合はどんな間取りがいい?

住宅には必ず設置しなくてはならないスペースがあります。玄関(約2畳)、トイレ(約1畳)、洗面脱衣室(約2畳)、浴室(約2畳)などがそれにあたります。
30坪(60畳)からこれらのスペースを引いた53畳相当のスペースを、キッチン・ダイニング・リビングなどの共有スペースや、寝室など個人のスペースに割り当てることになります。加えて、廊下や収納、そのほかのスペースを設けることも考えられます。
4人家族で住むのであれば、キッチンに4畳、リビングダイニングは15〜18畳、夫婦の部屋に8畳、子ども部屋は4.5〜6畳の部屋を2つ程度とし、残りのスペースをそのほかの部屋や廊下、収納として考えるといいでしょう。
間取り事例1

たとえば、こちらはLDKが16畳、寝室は8畳の部屋1室と、6畳の部屋が2室の3LDKの平屋。建物面積は約25坪(83m2)です。
間取り事例2

こちらの間取りは、もう少しスペースに余裕がある、建物面積約27.5坪(91.09m2)の住宅です。
7畳の寝室と、5.8畳と5畳の洋室を1つずつ。LDKは広めに19畳とり、ウッドデッキとつなげて家族団欒の空間としています。
30坪の平屋を建てるときの予算の目安は?
それでは、予算の目安はどのくらいになるのでしょうか。新築で平屋を建てる場合、依頼する住宅メーカーや希望する間取り・住宅設備などによって価格は変わります。
住宅の価格は1坪当たりの建築費である「坪単価」が目安となりますが、仮に坪単価が65〜75万円だとすると、30坪の平屋なら、1,950~2,250万円くらいからと試算できます。
なお、同じ床面積であれば、基本的には2階建て以上の住宅よりも平屋のほうが割高になります。
たとえば同じ30坪でも、平屋で建てるのと、2階建てで1階当たり15坪にするのとでは、前者のほうが費用は高くなると考えられます。
それは、1階当たりの床面積が広がる分、基礎工事をする範囲が広くなり、屋根も大きくつくる必要があるためです。
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30坪の平屋を建てるときの注意点は?

平屋は2階建て以上の住宅と違って南向きの部屋が1面しか取れないため、光を取り入れられるような工夫をする必要があります。天窓をつけたり、家の中央部分に小さな中庭をつくったりするのもおすすめです。
特に家族2人などで住む場合には、スペースにある程度余裕があるため、3〜4畳くらいの広さのある中庭をつくってみるのもいいでしょう。洗濯物を干すこともでき、人目を気にせず太陽の光や風を感じながらくつろぐスペースとして活用することもできます。
また、外からの視線が気になることがあります。2階以上の部屋よりも侵入しやすくなるので、防犯ガラスや防犯フィルムなどを採用しあらかじめ対策をしておきましょう。
まとめ
30坪の平屋は、2〜3人程度の家族であれば、十分にゆとりを持って暮らすことができます。
ただし、平屋には特有のメリットやデメリットがあるので、間取りを考える際には、それらを把握したうえで検討しましょう。
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更新日: / 公開日:2019.04.03










