家を建てる前に知っておきたい50のトリビア (23)~(31) 知ってトクする編
「家を建てる前に知っておきたい50のトリビア」シリーズ3回目となる今回は、快適に暮らすために役立つ9つのトリビアをお届けします。熱中症が発生しやすい意外な場所は? 「エコ」と名の付く設備ってどんな感じ? 地鎮祭はなぜするの? など、意外と知らない豆知識が満載です。ぜひご覧ください。 住まいの窓口で相談する
※前回までの記事はこちら
・第1回 基礎知識編 1~13
・第2回 知ってトクする編 14~22
自然を制する者が
豊かな暮らしを手に入れる
高気密・高断熱化によって効率的に冷暖房機器を使える住宅が増えている中、最近はさらに一歩進んだ工夫を取り入れる例も。例えば、太陽の光や風を取り込みやすい間取りの工夫や、落葉樹で夏だけ日差しを遮るなど植樹をして、自然の力をうまく活用した暮らしの提案をしている施工会社もあります。冷暖房費を節約できるだけでなく、毎日自然の光や風を感じながら心地よい暮らしを手に入れることも目的としています。
質のよい睡眠には
東向きの寝室が理想
厚生労働省の発表「健康づくりのための睡眠指針2014」では、人間は起床後に太陽の光を浴びて体内時計をリセットすると指摘しています。さらにリセットの15~16時間後に眠気が表れるため「起床後なるべく早く太陽の光を浴びることが望ましい」という研究結果も。ということは、寝室は東向きが理想的といえそうです。東向きが難しい場合は調光機能付きの照明でも代用が可能。人生の約3分の1を過ごすことになる寝室、快眠環境にはこだわりたいものです。
熱中症になった4割以上の人は家の中にいた
東京消防庁によると、2015年の6月から9月の間に熱中症で緊急搬送された4702人のうち、43・1%にあたる2026人が「住宅等居住場所」、つまり家の中だったそう。道路等の1192人、公園・運動場等の384人と比べ、家の中の方が危険であるという結果になっていたのです。
夏の日差しで暑くならないよう窓の位置を考えたり、湿度が高くならないよう風通しをよくするなど、家づくりでも工夫が必要となっています。
吹き抜けやリビング階段があっても
熱効率を高められる
吹き抜けやリビング内に階段を設けるリビング階段は、開放感があるので人気が高い設備です。一方で、どちらも冬は1階で暖めた空気が2階へ抜けていき、夏は熱気が2階にたまりやすいなど、冷暖房の効率が悪くなりがちです。しかし家の断熱性能を高めたり、全館空調を導入したり、シーリングファンを活用することで、そうしたデメリットを解消することができるでしょう。
家づくりのハードルの一つは、
実は「家族」自身
家を建てる際、意外と時間がかかりやすいのが家族の意見の集約。パパは趣味の部屋が欲しいし、ママは広くて開放的なキッチンを備えたい、子どもは……と、家族の分だけ要望があるものです。
全ての要望を予算内で、一つの家のカタチに集約するのは結構大変なこと。まずは自分たちがどんな暮らしをしたいか、家を建てたいと思ったときから家族で話し合いを始めるようにしてみましょう。
みんな「エコ」が付くけど、
中身が全然違う高効率給湯器
一時期、省エネ機器の名前にエコを付けることが多かったが、そのおかげで高効率な給湯器はどれも「エコなんとか」に。
実際には右表の通り、使用するエネルギーも違えば設置に必要な面積も異なるので、選ぶ際には注意が必要です。この他にも発電と給湯ができるエネファーム(ガスを使用)や、電気とガスを使い分ける給湯器もあります。価格だけでなくランニングコストも見て検討しましょう。
| 名称 | エネルギー | 特徴 | 貯湯ユニット | 発電 |
|---|---|---|---|---|
| エコジョーズ | ガスエネルギー:ガス | 従来は排出していた熱を利用することで排気ロスを20%から5%まで低減した高効率給湯 | 無貯湯ユニット:無 | 無発電:無 |
| エコキュート | 電気エネルギー:電気 | 気体を圧縮すると高温になる原理を使って、お湯を沸かす。割安な深夜電力を使う | 有貯湯ユニット:有 | 無発電:無 |
| エコウィル | ガスエネルギー:ガス | 都市ガスを燃料にして発電機を回し、電気をつくる。その際に発生する熱を使ってお湯を沸かす | 有貯湯ユニット:有 | 有発電:有 |
「地鎮祭」や「上棟式」は
行う理由がある
家を建てる際に行う儀式が地鎮祭と上棟式。地鎮祭とは工事を始める前に土地の神様を祭り、工事の無事を祈る儀式のことをいう。
また上棟式は柱や梁など骨組みができて、屋根の骨組みの頂部に棟木と呼ばれる水平材を収める際に、無事棟が上がったことを神に感謝する儀式をいう。ただし2×4やプレハブ工法ではそもそも棟木を収める工程がないため、上棟式を行わない場合も。
建築中のダンドリの良さが
住み心地を左右する
今後ずっとお付き合いしていくことになる近隣の人たちだけに、事前のあいさつは重要。「騒音などで迷惑を掛けます」などと一言あいさつしておくのがよいでしょう。
また施工会社に、工事現場でのコンセント位置などの確認がいつできるかを聞いておくことも大切。なぜなら、コンセントの他、照明の位置やスイッチなどは、図面で見るよりもある程度建物が建ってからの方が、生活をイメージしながら確認しやすいから。工事中ならたいていは無料で位置を変えられるので、完成後に変更するより圧倒的に費用が安くなるので、ぜひ忘れずに。
駐車場は容積率
算定上の延床面積から除外される
ガレージやカーポートなど駐車場施設は、床面積が各階の床面積の合計の5分の1以内であれば、容積率を算定する際の延床面積から除外されます。
例えば駐車場の床面積が20m2、駐車場を除く1階と2階の床面積がいずれも50m2の場合、これらの合計は120m2。120m2の5分の1は24m2なので、この範囲に収まる駐車場の床面積20m2は、容積率を算定する際の延床面積から除かれることとなります。
いかがでしたでしょうか。健康的で快適な暮らしに必要なのは、自然と上手に付き合うための知識。住宅にちょっとした工夫をするだけで、暮らしやすさは格段にアップするようです。家づくりを考えている方はぜひチェックしておきましょう。次回も引き続き【知ってトクする編】(32)~(40)をお送りします。どうぞお楽しみに!
- 出典:家を買Walker (KADOKAWA)
- 構成·取材・文:シラスタロウ
- イラスト:岡本倫幸
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更新日: / 公開日:2018.03.16









