”収納”というと「隠す収納」を想像されると思いますが、「見せる収納」方法もあります。
収納を考えるときのポイントのひとつは、「使う場所の近くに収納する」ということ。
そして、よく使うものほどしまいこまずに「すぐに手が届く」「出し入れがしやすい」ことに注意して収納にすると、日々の暮らしは楽に快適になっていきます。
今回の記事では、整理収納アドバイザーの資格を持つ私の家の事例をもとに、「見せる収納」のコツやポイントを紹介します。
見せる収納のポイントは? 我が家の事例を大公開
見せる収納の一番のメリットは、もともと収納スペースが少ない物件であっても簡単に増やすことができる点です。
例えば洗面台やキッチンなど、普段からよく使う場所の近くに収納スペースがなかったり、収納用品を置くスペースがなかったりしても、「壁に棚を設置する」「壁にフックを設置する」という方法で収納手段を増やすことができます。(壁に棚やフックを設置するといっても、賃貸でも使える壁に跡が残りにくいグッズもあるので傷つける心配はありません)
その他に使う場所の近くに棚やカウンターなどがあれば、その上も見せる収納として活用することができます。
ここからは、我が家の見せる収納を活用したお部屋の様子をご紹介したいと思います。
見せる収納実例:収納スペースが少ない玄関は飾り棚を活用
見せる収納といっても、コンセントや電源スイッチなどは見えてしまうと、インテリアテイストに合わなかったり、生活感が目立ってしまったりします。また、玄関はあまり収納スペースがない場合も多いでしょう。そんな時には、見せる収納術が役立ちます。
我が家では、玄関の電気スイッチの上に飾り棚を設置して電源スイッチの生活感をカバー。さらにその上に見た目の好きなクラフトバッグを置き、中に「マスク」を収納しています。
外出する時に使用することが多いマスクは玄関に置いてあると便利です。
見せる収納実例:キッチンの食器棚の飾り棚スペースを活用
飾り棚付きのキッチンでは、お気に入りの鉄瓶やコーヒーミルを見せながら収納しています。
もともとインテリアとして置いてあってもおしゃれに見えるものは、しまわずにあえて見える所に置いてみてください。色や質感などを合わせると統一感がでて、さらにおしゃれに見せることができます。
見せる収納実例:洗濯用品はボトルを詰め替えて統一感をだす
洗濯洗剤や柔軟剤などはボトルデザインがバラバラなものが多いので、100円ショップやバラエティショップなどに売っている容器へ詰め替えるのがおすすめです。
洗濯機の上に棚を設置して、お気に入りの詰め替え容器に入れた洗濯洗剤、柔軟剤を見せながら収納。
頻繁に使うものなので、おしゃれなだけでなく、使い勝手もよくなります。
見せる収納実例:食洗機前の棚に容器をそろえた洗剤や重曹を置く
キッチン周りは、料理道具やお掃除用具など、何かと収納したいものが多い場所になります。
そんなときにも見せる収納は役立ちます。食洗機用洗剤や重曹など、さっと使いたいものは容器を詰め替えて並べておくと必要な時に手が届きやすく、残量も確認しやすくなります。
このように見せる収納では、「使う場所の近くに収納する」「すぐに手が届く」「出し入れがしやすい」ということが実現しやすくなるのです。
「見せる収納」のポイント
何でもかんでも外に出してしまえばいいのかというと、そうではありません。
たくさんのものが外に出すぎてしまうとごちゃごちゃして見えたり、必要なものが埋もれてしまったり、生活感も前面に出てしまい、うまくいきません。
私が心掛けているポイントとしては、以下の3つです。
・出すものは厳選すること
・生活感のあるパッケージは隠すこと
・並べて置くときは容器の色や形や素材を統一すること
外に出すものの判断基準は「見たときに気持ちが上がるか」「そもそも見た目が好きか」ということです。生活感のあるパッケージのものは、お気に入りの容器に入れるだけで見た目は変わります。
見せる収納をより楽しむ間取りや条件
見せる収納というのは、実はどんな物件でも活用することができます。
ここではいくつか物件の条件と組み合わせてご活用いただきたい、見せる収納術についてご紹介していきます。
ワンルーム・1K×壁に棚やテレビを設置する見せる収納
ワンルームや1Kなどの収納スペースが少ない間取りは、テレビや棚を壁掛けにすることで、スペースを有効に活用しシンプルを際立たせた部屋として楽しむことができます。
無印良品の「壁につけられる家具」シリーズは壁の穴も小さく、インテリアと収納を両立させるのに便利ですよ。
カウンターキッチン×料理グッズを見せる収納
日々使う麦茶パックなど、頻繁に利用するものはすぐに取り出せる場所に置いておきたいですよね。
ティーバッグなど常温保存が可能なものは、お気に入りの瓶に入れてカウンター上に置くと綺麗に収納ができます。調味料は容器を揃えて、カウンター上にお気に入りのスパイスラックを置き並べ収納しましょう。朝食用のパンやグラノーラなどはブレッドケースに入れ、カウンターに置くと、食事をするダイニング側からも出し入れしやすくなります。
コンクリート打ちっ放し×見せる収納
収納スペースの作りにくいコンクリート打ちっ放しは、部屋に置いてあってもおしゃれに見えるハンガーラックやオープンラックなどを選び、ショップのような衣類のディスプレイを楽しんでみてください。
ハンガーは使い勝手と見た目が共にいいものを選び、掛けて見せる収納を。畳んで並べる収納などがおすすめです。ハンガーラックも部屋のインテリアに合わせ、木製やアイアンのものを選ぶなど、ラックも含めたインテリアにすると部屋になじみやすいです。
見せる収納を活用することでお部屋を広く使うことができるため、ワンルームや収納が少ない場合にはぜひ活用していただきたいと思います。
また、日用品は生活感が出てしまうため、普段は隠しておきたいと思う方も多いかもしれませんが、なんでもかんでも見えないようにしてしまうのではなく、あえて見せることでインテリアの一部として楽しむこともできます。今回ご紹介した見せる収納術を使って、快適生活を楽しんでみてくださいね。