システムキッチンの収納術！ 整理収納アドバイザーが片付けのポイントを紹介

整理収納アドバイザーである私は、収納に関するさまざまなお悩み相談を日々いただきます。

特に多いお悩みは、キッチン周りに関すること。システムキッチンはあらかじめ収納がついているものの、「どこに何をしまえばよいかわからない」「毎日使う場所なので、キッチンツールが出しっぱなしになりがち」と悩む方も多いのです。

キッチン周りの整理整頓については、私も苦戦した経験がありますが、整理収納のスキルを学んだ今では、すっきりとしたキッチンを維持できています。また、モノが整理されたことでキッチンの使い勝手が格段に上がりました。

そこでこの記事では、整理収納講座の講師をしている私が、システムキッチンの収納術についてご紹介したいと思います。

キッチンが片付かない原因は？

システムキッチンが散らかってしまう原因はいくつかあります。まずは、その原因を知って自分に合った片付け方を見つける糸口にしてみましょう。

収納する場所が決まっていない

散らかってしまう原因の多くは、「モノの定位置が決まっていない」ということです。片付ける＝元の場所に戻すことを示します。つまり、戻す場所が決まっていないモノはずっと片付かないのです。

特にキッチン周りは、調理器具など細かいキッチンツールも多いため、散らかりやすい場所の1つです。収納場所が決まっていない状態で無理に片付けようとすると、「適当にいれる」「詰め込む」ということをしてしまいがち。そうなると収納スペースに無駄なあまりが出たり、しまったモノを探すたびに散らかったりと見栄えも悪くなります。

また、
・どこに入れたかわからないモノは、探すのに時間がかかる
・モノの上にさらにモノを重ねて収納してしまうと出し入れがしづらくなる
・何を持っているのか把握できなくなるため、二度買いや無駄な買い物が増え、さらにモノが増える
といったことが起こり、なかなか片付かない状態が続いてしまうのです。

収納スペースとモノの量のバランスが整っていない

モノの定位置を決めるといっても、すでに所持しているキッチン周りのモノが多すぎて収納スペースに収まりきらない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。システムキッチンはある程度収納スペースが確保された作りになっていますが、収納の容量を超えるほどのモノがあると整頓が難しくなります。

・収納にモノが入りきらない
・収納には入っているものの、たくさん入れすぎて使いにくい

こんな場合はまず、モノの量を見直すことから始める必要があります。システムキッチンに備え付けてある収納スペースに収まってしまえばOK、と思う方もいるかもしれませんが、詰め込むだけでは使い勝手はよくなりません。

キッチン収納を整理しようと思ったらまずは、モノを厳選することが大切です。

収納スペースを活用しきれていない

システムキッチンの収納スペースは、大きく分けて上下に2箇所あります。

上段は、ラップなど消耗品のストックや普段あまり使用しないアイテム、軽いモノを収納するに向いています。下段の収納は、食器や鍋など重いモノを収納すると使いやすいですよ。

このように、各収納スペースに適したモノの収納ができていないと、詰め込み式の収納になってしまい、扉を開けたときにもごちゃついて見えてしまいます。

また、システムキッチンの収納は奥行きがあったり、縦の長さがあったりと空間が広い作りになっていることもあります。この空間を活用できていないと、中途半端にスペースが余ってしまうことも。せっかく備え付けの収納があるのに活用しきれないのは、とてももったいないですよね。

システムキッチンの収納のポイント

システムキッチンの収納のポイント(1)モノを厳選する

収納スペースをすっきりさせるには、まずは既存のキッチンアイテムの整理から始めましょう。

「これ、使ってる？」「これからも使う？」「最後にいつ使った？」…自分で自分に問いかけながら、この先も自分の生活で使っていきたいモノだけを選んでいくと、自分に本当に必要なモノだけが残ります。

モノが厳選されると収納のハードルが下がり、使い勝手もグンと向上します。

量が減れば収納の自由度は上がる
整理をしてモノの量が減れば、収納の自由度は上がり、結果的に「使う場所の近くに収納する」ことができるようになります。使う場所の近くに収納すると、作業が格段にラクになり、料理の作業時間も短縮できます。

料理をしているときにキッチン内を行ったり来たりせず、その場ですぐに必要なモノを取り出せたらいいですよね。そうなるためには「使う場所の近くに収納する」ことが必要なのです。

システムキッチンの収納のポイント(2)収納スペースに適したモノを入れる

多くのシステムキッチンには、上下に収納スペースがついています。それぞれの収納に適したモノを入れることで、整理しやすくなります。

ここでは、それぞれの収納スペースを活用するうえで意識すべきことをお伝えします。

システムキッチンの上段収納
上段の収納は扉収納になっていることが多く、高さのあるモノの収納に向いています。コの字ラックを入れて空間を縦に仕切って使うのもよいでしょう。ローラー付きのラックを入れると、引き出せて奥行きも有効利用できるようになります。

ただ、上段に入れておくと頻繁に使うモノの出し入れには不便なことも。ラップやキッチンペーパーといった消耗品のストック収納が向いています。

システムキッチンの下段収納 下段収納は、引き出し収納になっていることが多いです。そのため、上から全体を見渡せるような収納にすると探しやすく、出し入れもしやすいですよ。下段の引き出し収納を有効活用するには、高さのあるモノ、重ねて収納できるモノを入れるとよいでしょう。 また、平皿など厚みの少ないアイテムは、引き出し収納の中に「立てて収納」すると使いやすくなります。書類ケースなどに入れて並べると上から見やすく、取り出しやすいですよ。お皿を上下に重ねずに収納できるので、割れにくくなります。

システムキッチンの収納アイデア！ わが家の事例紹介

システムキッチンは、作業場所を大きく分けて考えると、シンク周り、作業スペース周り、コンロ周りの3箇所に分けられます。それぞれの場所で使うモノに分けて収納すると、すっきりとさせることができます。

続いては、わが家での収納例を挙げながら、システムキッチンの収納アイデアをご紹介していきます。

シンク周り

シンク周りには、水を使う作業に使うモノを収納すると使いやすくなります。例えば、ザルやボウル、スポンジや洗剤のストック、まな板や包丁など。その他水回りで使うモノをしまうようにすると取り出しやすくなります。

わが家では、サラダを作る際にサラダスピナーを使って水切りをするのですが、これがなかなか幅をとるのです。また、頻繁に使うため、出しっぱなしにしてしまうこともありました。そこで、シンク下の収納スペースにしまうようにしたところ、出し入れがしやすくなり、こまめに片付けられるようになりました。

作業スペース周り

作業スペースには、ラップやアルミホイル、保存容器などを収納すると使いやすくなります。ハンドブレンダーや計量カップもこちらのスペースに収納。また、ごみ袋なども作業スペース近くに収納しておくと便利です。

写真右側が袋関連の収納になりますが、上から1枚ずつ取り出しやすいようにしています。

また、わが家では保存容器専用に収納スペースを確保しています。重ねて収納できるように同じメーカーで保存容器を購入しました。

前は蓋と容器がバラバラになってしまい、探す手間がかかっていたのですが、容器と蓋を分けてそれぞれ収納することで見やすく、取り出しやすくなりました。

コンロ周り

コンロ周りには、鍋やフライパン、キッチンツールといったコンロ回りで使うモノを収納しましょう。また、油類や調味料も一緒に収納しておくと使いやすいです。わが家の場合は、しょうゆや砂糖といった調味料をコンロ下の収納に入れています。

瓶やボトルに入っている調味料は、そのまま引き出し収納に入れると開けたときに倒れやすくなるため、書類ケースに入れています。多くのキッチン収納は仕切りがないため、私はスペースを区切るために書類ケースをよく利用しています。100円ショップで購入できるため、手に入れやすく使い勝手もよいのでぜひ使っていただきたいアイテムですね。

キッチン周りを整理したいなら、収納を意識して住まいを選ぼう

細かいキッチンツールや鍋、フライパン、調味料など、収納場所を確保できていないとキッチン周りは散らかりがちになります。あらかじめキッチンにある程度の収納スペースがあれば整理もしやすくなるため、住まい選びの際は下記の点に注目してキッチンを見てみましょう。

システムキッチンのどこに収納スペースがあるかに注目

システムキッチンは、シンクや作業スペース、コンロが一枚板でつながっています。そのため、調理の流れに沿って使いやすい作りではありますが、賃貸物件の場合、収納場所の確認も忘れずに行いましょう。

特に注目したいのは、シンク、コンロ、作業スペース周りにそれぞれ収納できる場所があるか、収納スペースの奥行きや深さはどのくらいかなどです。モノを使う場所と収納する場所が近い方が出し入れや整理もしやすくなるため、自分に合ったキッチンを見つけてみましょう。

パントリーが付いていると便利

システムキッチンの収納以外にも、パントリーのある住まいであれば食品ストックや食器なども収納することができます。パントリーには、キッチンでの使用頻度が低いホットプレートやカセットコンロなどを収納しておくとよいでしょう。

パントリー付き物件は収納の幅が広がるのでおすすめです。

システムキッチンは収納スペースを有効活用して整理しよう

システムキッチンの収納を活用するためには、モノの整理をして必要なキッチンツールを決めることから始まります。そして、使うモノと場所を一致させることで、収納場所が決まります。

収納の定位置が決まってしまえば、使ったモノを同じ場所に戻すだけなので片付けも簡単。また、システムキッチンは収納スペースが備わっている場合が多いですが、スペースの空間が区切られていないことも。必要に応じて書類ケースやラックなどを活用して区切ると整理しやすくなります。

新しく住まいを選ぶ際は、あらかじめキッチンツールの整理をしておくとモノの量と内容が把握でき、「どんなキッチンがいいのか？」「どんな収納が必要なのか？」というのが見極めやすくなります。

ぜひ、自分に必要なキッチン収納のある住まいを見つけてすっきりとしたキッチンを目指しましょう。