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一人暮らしのキッチンを快適に! 必要なアイテムとおしゃれ収納のコツ
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一人暮らしの物件選びでは、立地条件やセキュリティ面のチェックはもちろん、毎日の食生活を支えるキッチンの環境を重視する人も多いのではないでしょうか?

一人暮らしといっても、暮らしのスタイルは人それぞれ違います。自宅で過ごす時間の長さや自炊頻度によって、キッチンに必要なものは異なります。特に初めての一人暮らしの場合、どのようなキッチンが使いやすいのか、どのような調理器具をそろえたらいいのかなど、迷ってしまうものです。

そこで今回は、国内外のいろいろ部屋で暮らしてきた私の経験を元に、一人暮らしのキッチンについてご紹介します。

私の一人暮らしキッチン遍歴

一人暮らし歴25年、転居回数20回以上になる私は、多数の単身者向け物件に住んできました。

初めて一人暮らしをしたのは、地方の短期賃貸マンション。一時的な転勤のための仮住まいではありましたが、見知らぬ土地での一人暮らしはとても新鮮で楽しかったです。間取りはシンプルなワンルームだったものの、室内に段差があり、キッチンが独立したユニークな造りでした。

食器や調理家電を本格的にそろえられない状況でしたが、期間限定の滞在だったので簡易キッチンの一口コンロを駆使して、張り切って自炊をしていました。

自分の好きなものを選ぶ大切さ

その後は仕事の都合で、都内の短期賃貸マンションにしばらく滞在することになりました。家具はもちろん、食器や調理器具なども一式そろっているタイプのマンションで、キッチンも入居してすぐに使える状態に整っていました。

しかしこれがなかなかつらい体験となったのです。なぜなら、部屋にあるすべての備品は、自分の趣味とはまったくセンスの合わないものばかり。花柄のカーテンやキャラクターものの食器、生活感が溢れたキッチン用品などを見るたびに、自分の好きなものに囲まれて暮らすことの大切さを実感しました。

賃貸物件はあくまで借り物なので、基本的に自分の好きなようにカスタマイズすることはできません。しかし、日用品や収納方法、空間の使い方次第で、同じ部屋でも居心地が変化することを学びました。

一人暮らしのキッチンは、1日にして成らず

賃貸マンションで一人暮らしをスタートさせたときには、キッチン回りに関して多くの失敗を繰り返しました。

最初に住んだマンションでは、張り切って大きな圧力鍋や中華鍋を買ったにも関わらず使いこなせませんでした。3口コンロと食洗機付きの充実したシステムキッチン付きの部屋を選んだのに、結局食洗機は使わずじまいでした。

その後、海外でキッチンのないアパートで暮らすことになったときには、日本での失敗が懐かしく、愛おしく感じたものです。料理は得意ではないけれど、食べることや飲むことが好きな私にとって、キッチンはやっぱり暮らしに欠かせない重要なスペースだったのだと知りました。

このような失敗を繰り返しながら随分長い時間を過ごし、最近になってようやく自分らしいスタイルが確立できてきました。

一人暮らしでそろえたいキッチン用品の選び方

私が最も多かった失敗は、キッチン用品選びです。

特に一人暮らしを始めてすぐの頃は、とにかくいろいろなアイテムをそろえることが楽しくて、暇さえあれば食器や雑貨を100円ショップに通ってあれこれと買い求めていました。しかしその多くは結局使わずに放置され、破棄することになってしまったのです。

これは私の買い物の下手さが要因ではありますが、多くの一人暮らし初心者が通りがちな道ではないでしょうか。

これまでの経験から、私がようやくたどり着いたキッチン用品の選び方についてご紹介します。

一人暮らしのキッチンは「増やさない」を心がける

一般的な単身者用物件のキッチンは、さほど大きなスペースが割かれていないことがほとんどです。冷蔵庫と電子レンジを置いたらそれ以上は何も置けないような住まいも多いのではないでしょうか。

一人分の食事を作るのであれば、多くの食器や調理器具はいらないのです。そのため、収納はキッチンに備え付けのもので十分。食器も調理器具も、あれこれ欲張らずに必要最低限のアイテムを持つことを心がければ、小さなキッチンでも使いやすくなります。

必要最低限の調理器具とは

私はほぼ毎日自炊をしますが、日常的に使うのは小型のフライパンと小型の片手鍋のみ。煮込み用のホーロー鍋なども所有してはいますが、使用頻度は低いです。

一人分の料理を作るのであれば、フライパンは20cm程度のサイズで十分。やや深さのあるものを選べば、野菜をゆでたり蒸したりするときにも使えます。小さな調理器具は収納スペースが小さくても納まるところが魅力です。

初めての一人暮らしで、これから調理器具をそろえるのであれば、まずはこの2点の購入をおすすめします。

キッチン小物は汎用性の高いものを

フライパンと片手鍋に加えて、最初にそろえると便利だと感じたキッチン小物がこちらです。

・包丁
・まな板
・キッチンバサミ
・ボウル
・ザル
・菜箸
・トング
・木製のスプーン

包丁とまな板は材料を切るときに必要ですが、あまり料理をしない人であれば、キッチンバサミで代用することも可能です。これから自炊を始める料理初心者さんの場合は、小型の計量カップもあるといいですね。

木べらやゴムべら、フライ返しやお玉などは、使い勝手のいい木製のスプーンがあれば代用できるので、自分の自炊パターンが分かってからの購入で問題ありません。

便利小物の誘惑に気をつけて

100円ショップでよく見かける利用用途が限られた小物、例えば特定の素材に限定したスライサーやストッカーなどは、あれば便利ですがなくても困りません。本当に必要なものだけを買いそろえていくのが物を増やさないコツです。スッキリとしたキッチンを目指すためには、便利小物の誘惑に気をつけましょう。

食器やカトラリーは、お気に入りを少しだけ

食器類についても同様に、必要最低限のお気に入りに絞れば、特別な収納スペースは必要ありません。私の場合、日々の献立を固定しているので、それに応じた器を数種類だけそろえています。

・味噌汁などの汁物
・ぬか漬けなどの漬物
・和え物などの副菜
・肉や魚料理の主菜

もちろん、いろいろな食器をそろえて、日々違った食卓を作り上げるのも生活の楽しみになります。自分にとっての必要最小限の食器はどれくらいの量なのか、それぞれの趣味嗜好に合わせて考えてみましょう。

ストック食材は長期保存ができるものだけ

インスタントや冷凍食品など、食材のストックも意外と場所を取ります。緊急事態に備えて、買い物に行かなくても数回分の食事ができる程度のストックはあるほうが安心です。しかし一人暮らしの場合、消費速度が遅くなります。食材を無駄にしないためにも、あまり欲張り過ぎないほうがよいでしょう。

私が常備している食材は米とパスタ、わかめや鰹節などの乾物少々に、日持ちするツナ缶のみです。生ものは腐らせてしまうのが怖いので、あまり買い置きをしないようにしています。

また、料理をしなくてもすぐに食べられるものとして、ぬか漬けも常備しています。調理中に余った野菜の切れ端を放り込んでおけば、翌日のご飯のお供になるのでとても便利です。

最近は冷蔵庫で保存できるタイプのぬか床も多く売られているので、小さめの保存容器やジッパー付きポリ袋があれば、すぐにぬか漬け生活が始められますよ。

普段使いのものを防災備蓄に

いざというときの備えは、心強いものです。日頃から備蓄用食材を確認する習慣を持っておきましょう。私の場合、防災備蓄用の食材をストックするのではなく、日常的に食べられるものを定期的に入れ替えてストックしています。

緊急時にすぐに持ち出せるよう500mlのペットボトルの水を数本と、普段から好きでよく食べている無塩ナッツも備蓄用として常備しています。長期間保存ができるようかんやチョコレートも、防災備蓄用としておすすめです。

一人暮らしのキッチン家電で最低限そろえたいもの

一人暮らしの自炊ならば、家電は小型のオーブンレンジと炊飯器さえあれば困ることはありません。

電子レンジはオーブン機能付きで二役こなす

一人暮らしで、自分で作ったものをすぐに食べる場合、電子レンジは必要ありません。ただし、作り置きやテイクアウトの総菜を温めたりする人は、電子レンジが活躍するでしょう。

オーブン機能がついている電子レンジであれば、トーストを焼いたり、揚げ物をカリッと温め直したりできるので、トースターは不要です。

一口コンロキッチンなら炊飯器が活躍

お米は鍋で炊くと美味しくなりますが、コンロが1口しかないキッチンの場合、非効率です。

レンジで炊飯できる容器などもありますが、3合炊き程度の炊飯器なら場所も小さなスペースで収まります。お米を炊く以外の調理ができる炊飯器も多いので、効率よく料理することも可能です。

調理家電は増えるとかさばりますし、一旦収納してしまうと面倒で使わなくなってしまいます。キッチン用品と同様に、最初からすべて買いそろえるのではなく、まずは自分の食生活をじっくりと観察した上で選んでいきましょう。

一人暮らしのキッチンをおしゃれにする収納アイデア

キッチン収納にはいろいろなアイデアがありますが、ものが多過ぎるとどうしてもごちゃごちゃしてしまいます。スッキリとしたおしゃれなキッチンを目指すためにはどんなことに気を付ければよいでしょうか。

持つ量を決める

一人暮らしのキッチンでは使える収納スペースが限られています。まずはキッチン用品、カトラリー、食器類、調味料、ストック食材など、それぞれの置き場所の見当をつけてから、そこに収まる量以上は持たないと決めてしまいましょう。

色味やサイズをそろえる

カトラリーや保存容器など、複数で使うものについては、色味やサイズをそろえると収納しやすく、見た目もスッキリします。最近はスタッキングできる機能的なデザインの食器もあるので、好みに合わせて取り入れてみるのもおすすめです。

見せる収納より隠す収納を

システムキッチンの収納をうまく使い、なるべく見えるところにものを置かないことが、スッキリしたキッチンを保つポイントです。

鍋やフライパンを吊るしたり調味料を並べたりする「見せる収納」はおしゃれですが、管理が大変で、調理中の油が飛んで埃がつきやすいので不衛生になりやすいです。

特に、片付けが苦手だったり収納センスに自信がなかったりするタイプの人は、チャレンジをせずに潔くすべて収納しましょう。

生活スタイルに合わせたキッチンで物件を選ぼう

一人暮らしでも毎日凝った料理をしている料理好きな人もいれば、外食がメインでキッチンに立つのは月に数回という人もいるでしょう。「一人暮らし」の枠にとらわれず、自分の生活スタイルに合ったキッチンを選ぶことが何よりも大切です。

料理好きな人におすすめの物件

ほぼ毎日自炊、しかも凝った料理を楽しみたい料理好きさんには、一人暮らしでも思う存分料理を楽しめるキッチンがある物件がおすすめです。

効率よく調理ができるように、コンロは二口以上欲しいところ。調理家電や食器をたくさんそろえられる、収納スペースが広めの物件であれば、思う存分料理を楽しめます。

週に数回料理するだけのシンプル自炊派におすすめの物件

料理はするけれど、凝ったものは作らないし、人を呼んで料理を振る舞うこともないシンプル自炊派の人もいるのではないでしょうか。私自身がまさにこれに当てはまります。

シンプル自炊派なら最低限の調理ができればいいので、一口コンロの簡易キッチンでも十分乗り切れるでしょう。私も以前一口コンロのマンションに住んでいたことがありますが、炊飯器とオーブンレンジを駆使して工夫していました。限られた条件下で料理するのは意外と楽しかったです。

キッチン環境にこだわりすぎないことで、部屋選びの幅が広がるかもしれません。

毎日外食の人におすすめの物件

家でまったく自炊をしない、食事は外食かテイクアウト、デリバリーという割り切り型の人であれば、キッチン以外の条件を重視しましょう。

コーヒーやお茶を飲んだり、カップラーメンを作るためにお湯を沸かしたりするのなら、キッチン設備がなくても電気ポットがあれば十分です。部屋の広さや立地条件を優先するなら、いっそのことキッチンのない物件を選ぶのもいいかもしれませんね。

一人暮らしでも、キッチンに求めるものは人それぞれ違う

今回は一人暮らしのキッチンについてご紹介しました。家族にもいろいろな形があるように、一人暮らしのスタイルも人それぞれ。年齢や性別で簡単にカテゴライズできるものではありません。同じ物件の同じサイズのキッチンでも、住む人が変わればその様相はガラリと変わるものです。

大切なのは、自分の生活スタイルをよく分かった上で、それにふさわしいキッチンを自分の手で作り上げていくこと。自分にとって心地いい住まいとキッチンとは何なのか。引越しや模様替えのタイミングで、改めて生活スタイルを見つめ直してみてはいかがでしょうか。

crispy-life

「カリッとした毎日。」で持たない暮らしについて綴るフリーランスブロガー。放浪欲が強く、国内外の引越し回数やや多め。旅と酒場、家飲みをこよなく愛し、週5は飲酒、週2は休肝。著書に大人の家飲みエッセイ「ひとりぜいたく晩酌帖」(セブンアンドアイ出版)など。

※掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください

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