みなさんは料理するとき、どのようなまな板を使っていますか?
まな板の素材の種類は豊富で、プラスチック製もあれば、木製やゴム製などもありますよね。
木の道具が大好きな家具コンシェルジュの私は、木製まな板を愛用しています。木製まな板は、温かみがあって手馴染みがよく、使い込みながら自分のものになっていくところが魅力です。
一方で、木製まな板のお手入れや取扱いが気になるという方もいらっしゃるかもしれません。確かに木製まな板を使う際には注意点もあります。ただし、それを上回るメリットがあり、特性を知って使えば「育てるキッチンツール」といえるのです。今回は木製まな板を長年使ってきた私が、その魅力や上手な付き合い方についてご紹介します。
- まな板は素材の特徴で選ぼう
- 木製のまな板の特徴
- 木製まな板のメリット
- カッティングボードとはどう違うの?
- わが家が木製まな板を使うワケ
- 木製まな板の魅力
- 木製まな板の使い方や注意点、使いこなすポイント
- 木製まな板は使う前にさっと水洗い
- 木製まな板の使い分けで衛生的に
- 木製まな板でやってはいけないこと
- 意外と簡単! 木製まな板のお手入れ方法
- 黒ずんだ木製まな板のリペア方法
- ひどい反りには濡れた布巾と日光
- 木製まな板をキッチンに馴染ませながら飾る
- お気に入りツールで家事が楽しくなる暮らし
- 見せる収納を楽しむ、カウンターキッチンのある住まい
- 料理好きな方にはキッチン設備が充実した住まい
- 木製まな板を愛用。キッチンツールを育てる暮らし
まな板は素材の特徴で選ぼう
まな板の種類としてよく知られているのは、木製やプラスチック製、ゴム素材のまな板もあります。それぞれの特徴をまとめてみます。
・プラスチック製
木製に比べて、軽くて手入れしやすく、色や形などのデザインが豊富。価格も手頃である場合が多いですね。ただ、プラスチック製は素材が固く、包丁を傷めてしまう場合があります。
・ゴム製のまな板
水を吸収しにくいため、カビが発生する可能性を抑えられるのがうれしいです。弾力があるため、プラスチックよりは刃こぼれしにくい素材です。
ただしゴム製のまな板は熱に弱いため、熱々のお肉をカットすると変色することがあります。また、プラスチック製や木製より重くなることもあるので注意が必要です。
それぞれの素材は一長一短であり、それらを理解した上で選びましょう。わが家では、「木製のまな板」を使っています。具体的にどのような特徴があるのか、紹介したいと思います。
木製のまな板の特徴
木製まな板のメリット
木製まな板には弾力があり、ほどよい硬さで包丁を受け止めるため、包丁の切れ味をキープしやすいというメリットがあります。また、木は水分を吸うため、調理の際に滑りにくく作業がしやすいといえるでしょう。さらに、木の種類によって使い勝手や見た目が変わるのも面白いところです。
一方で、デメリットもあり、扱い方を間違えると木割れ、黒ずみ、カビの発生を招くこともあります。
カッティングボードとはどう違うの?
英語のcutting board(カッティングボード)はまな板を指すことがありますが、日本でこの2つは違うものという認識が広がりつつあります。
まな板は、食材をカットするときに使うため、柔らかすぎず硬すぎない木が使われます。例えばイチョウやヒノキなど。一方、カッティングボードはパンやチーズなどをのせてそのまま食卓に出すため、硬くて傷つきにくいオリーブやサクラなどが使われます。 つまり、まな板とカッティングボードは、日本では用途や使われる木の種類が異なるといえるでしょう。
わが家が木製まな板を使うワケ
さまざまな素材のまな板を使ってきた私が最終的に選んだのは、木製のまな板でした。高級なものでなく、安価でほどよい硬さのゴムの木でできたものです。
実は、これまで木製のまな板の扱いやお手入れに失敗したこともあります。知識がなく、カビを発生させ木割れを起こしたこともありました。それでも木製に行き着いたのは、デメリットを上回る魅力があったからです。
木製まな板の魅力
木製まな板の魅力は、刃当たりのよさと、使い込むほど生まれる味わいです。包丁で食材をカットするとき、コンコンといい音がして気持ちよく作業できます。そしてほどよい硬さで包丁の刃を受け止めてくれるため、プラスチック製を使っていたときよりも包丁の持ちがよくなりました。
また、傷はたくさんできますが、使い込むうちに味になっていきます。扱い方やお手入れ方法も覚えたため、プラスチックより長持ちさせられるようになりました。
このまな板はもう7年以上使っていますが、時間が経つほどいい味が出てきています。新品のプラスチック製やゴム製にはない、自分らしいお気に入りの道具ならではの魅力といえるでしょう。
木製まな板の使い方や注意点、使いこなすポイント
それでは、数々の失敗を経て木製まな板を長く使えるようになった私が、使いこなすためのポイントをお伝えしましょう。これからキッチンアイテムに木製まな板を取り入れたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
なお、ここで紹介する方法は無塗装の木製まな板の扱い方です。ウレタン塗装などの特殊加工が施された木製まな板の場合は、購入時の説明書を参考にしてくださいね。
木製まな板は使う前にさっと水洗い
まず、木製まな板を使う前に、さっと水洗いして拭いておきましょう。こうすることで表面に膜が張り、食材の色や匂いがつきにくくなります。
木製まな板の使い分けで衛生的に
木製まな板を衛生的に使いたいなら、2〜3枚用意して使い分けるとよいでしょう。「場所をとるから枚数は増やしたくない」という場合でも、2枚はあると安心です。一つは野菜用、一つは肉・魚用にすると、なまものが野菜に触れずに済みます。
まな板を1枚に抑えたい場合は、料理バサミや牛乳パックの活用がおすすめ。これは実際にわが家でやっている方法で、洗って干して開いた牛乳パックをまな板の上に置き、お肉や魚を切ります。以前は1枚のまな板でそのままお肉も野菜も切っていましたが、道具を長持ちさせるために使い分けるようになりました。
木製まな板でやってはいけないこと
まず、長時間水に浸けたり水分がついたままにしたりするのは避けましょう。カビが生える原因になるので、注意が必要です。
また、基本的に食器洗い乾燥機の使用や直射日光は避けましょう。木は乾燥すると縮む性質があり、急激な乾燥や直射日光で反りや割れを起こすことがあるからです。実際にわが家でも、何も知らなかったときに乾燥機に入れてしまい、割れを起こしたことがあります。ただ、中にはウレタン塗装された食器洗い乾燥機対応の木製まな板もありますから、手間を省きたい場合はそういったものを選ぶのもよいでしょう。
そして塩素系漂白剤もおすすめしません。変色してしまうことがあり、実際にさせたこともあります。汚れがひどい場合は、重曹などのナチュラル系洗剤を使うか、後ほど紹介する”削り”によるリペアがおすすめでしょう。
さらに意外な落とし穴に、熱湯消毒があります。熱湯消毒自体は木製まな板のお手入れ方法の一つですが、その順番が肝心。お肉や魚などの生ものを切ってすぐに熱湯をかけると、タンパク質が凝固して逆に不衛生になることがあります。一度汚れを落としてからの消毒がおすすめです。
意外と簡単! 木製まな板のお手入れ方法
ここまでお手入れの際の注意点を紹介してきましたが、お手入れ自体のポイントは意外とシンプル。こまめに洗うことと、しっかりと乾かすことです。
カットする食材を変えるときにさっと洗い、使い終わったら食器用洗剤で洗います。このとき、素材や製品によっては食器用洗剤を推奨しないものもありますから、最初に説明書などで確認しておきましょう。
そして洗い終わったら、風通しのよいところで乾かします。わが家ではシンクのかごで干しています。このとき、直射日光に当てると反りを起こすことがあるため、日当たりに注意しましょう。
基本的にはこれだけです。つまり、扱い方の注意点を知っておけば、実は毎日のお手入れは難しくありません。 ただ、日本は湿度が高い地域のため、どんなに丁寧に扱っても長年使っていると黒ずみやカビができてしまうことがあります。そのような場合のリペア方法を次でお伝えしましょう。
黒ずんだ木製まな板のリペア方法
黒ずみやカビは、サンドペーパーで削って取ってしまいます。汚れや傷の程度に合わせ、100〜1,000番で削って落としましょう。サンドペーパーは数字が低いほど粗く、数字が高いほどなめらかです。
例えばわが家で以前リペアしたときは、100番や240番でしつこい黒ずみを落とし、400番や800番で磨いて仕上げました。
ポイントは、初めから粗いサンドペーパーを使わないことです。80番や100番はかなり粗く、大きな傷を作ってしまうことがあります。例えば400番を試して落ちないなら240番にするなど、削る箇所を観察しながらじっくりとすすめましょう。
また、それでも落ちない黒ずみにはかんなを使うという方法もあります。ただ、かんなの扱いはDIYが不慣れな方にとって難しいもの。地道にサンドペーパーで頑張るか、どうしてもひどい場合は買ったお店に相談することをおすすめします。
ひどい反りには濡れた布巾と日光
うっかり直射日光に当てたり食器洗い乾燥機に入れたりして、ひどい反りができることがあります。その場合、やってはいけないことの逆をすると直ることがあります。
その方法とは、あえて濡れたふきんをかけて日光に当てること。これはわが家の木製家具や無垢床でもやっている方法で、逆をおこなうことで、反りが元に戻る場合があります。
ただし、即完璧に戻るというわけではありませんから、本当に反りがひどい場合にのみおすすめです。普段使っている中でできた軽い反りなら、立て掛けておくだけで直ることも。実際、わが家のまな板も軽い反りなら気づかないうちに直っていることがほとんどです。
木製まな板をキッチンに馴染ませながら飾る
木製まな板はキッチンに溶け込みやすいアイテムです。また、木の種類や木目によっても表情が変わるので、インテリアの雰囲気に合わせて選ぶのもよいでしょう。
置き方は、そのまま立て掛けてもいいですし、吊るして飾るという方法もあります。ただし、高い場所やレンジフード下に吊るすのはおすすめしません。というのも、実際に賃貸で高いところに吊るし、落下させて自前の簡易IHを破損させたことがあるからです。
わが家の場合、使った後はしっかりと乾かしてからかごに入れて保管しています。振動で倒れてくることもなく、ちょっとしたディスプレイにもなっていますよ。
お気に入りツールで家事が楽しくなる暮らし
まな板や包丁など、お気に入りでキッチンツールをそろえると、毎日の家事が楽しくなります。自分に合った道具はストレスを感じさせにくく、当たり前の作業をスムーズにしてくれるでしょう。
また、視覚的な効果もあり、お気に入りを使っていると気分がよくなります。特にインテリアと合わせながら選ぶと統一感が生まれ、すっきりとした空間で作業できるでしょう。普段の生活のちょっとしたことが、暮らしを豊かに楽しくしてくれます。
そしてそういった暮らしを実現するためには、住まいの間取りや設備が重要です。ここでは、お気に入りのキッチンツールを使って料理や食事を楽しめる物件を紹介しましょう。
見せる収納を楽しむ、カウンターキッチンのある住まい
料理好きな方にはキッチン設備が充実した住まい
お気に入りのキッチンツールをそろえて自宅で本格的な料理を楽しみたいなら、コンロ3口以上のシステムキッチンがある物件がおすすめです。こだわりの道具を少しずつ集め、自宅で絶品料理を作りましょう。
また、生ゴミを入れる三角コーナーをシンクに置きたくないなら、ディスポーザー付きの物件がおすすめ。ディスポーザーとは、シンク下に設置された生ゴミ処理機のことで、生ゴミを入れると粉砕してくれます。部屋が匂いにくくなり、お気に入りのキッチンを綺麗にキープしやすくなります。
木製まな板を愛用。キッチンツールを育てる暮らし
木製まな板は、日本で弥生時代ごろから使われている道具です。そして、その相棒である包丁も、木製まな板の硬さや特性に合わせて進化してきました。そういう意味では、木製まな板と包丁のコンビは昔から日本人の生活に寄り添ってきたツールといえるでしょう。
扱いにくいと思われがちな木製まな板ですが、注意点やコツを押さえれば使いこなすのも難しくありません。一度その扱い方を覚えてしまえば、包丁もまな板も長く使えます。使い込むほど味が生まれて馴染んでいく木製まな板は、まさに「育てるキッチンツール」です。
木製まな板を取り入れるときは、お伝えしたアイデアを参考に、ぜひ長く大切に愛用してみてくださいね。お気に入りのアイテムで自分らしい素敵な暮らしが実現しますように。