整理収納アドバイザーのまどなおと申します。
毎日使うキッチンは、使いやすく効率よく整えておきたい場所ですよね。
キッチンには、食品や食器、キッチンツールなどのたくさんのモノが集まっています。とりあえず、とポイポイと投げ込んでいるだけだとすぐにごちゃごちゃになってしまい、使いにくい状態になるでしょう。
そこで今回は、キッチンの「引き出し収納」のポイントをお伝えします。キッチン収納にお困りの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
キッチン収納全体へのこだわり
一番のこだわりは「時短・ラク」
私には5歳と8歳の子どもがいるので、子育てのかたわらでブログの執筆や整理収納アドバイザーの仕事をしています。そのため、家事や毎日のごはん作りを時短できるように、キッチンを意識的に整えています。
具体的には、
・キッチンツールを極力取り出しやすいところに置く
・調味料の置き場を微調整する
などです。細々したことですが、積み重なっていくと大幅な時短効果につながりますし、家事のプチストレスも軽減できています。
ごちゃごちゃだった以前の住まい
結婚当初に賃貸マンションに住んでいた頃は、私のキッチンもごちゃごちゃでした。その頃の私はキッチンをどのように整理収納すればよいのか、まったくわかっていなかったのです。
引き出しを開けても何が入っているのかわからず、使いたい食材を探せなかったり、同じものを買ってしまったりしていました。
戻す場所が明確に決まっていなかったので、使いたいものが使いたいときにすぐに見つからず、ストレスは募るばかり。しかしこのプチストレスは、今の住まいに引越したときに、使いやすく管理しやすいキッチン収納を実践することで解消できました。
現在の住まいは小さな建売住宅です。パントリーなどのないごく普通のキッチンですが、使いやすく整えるポイントをおさえて整理収納することで、イライラすることなく、毎日スムーズに料理を楽しめるようになりました。
すっきりと掃除しやすいキッチン
皆さんの理想のキッチンは、どんなキッチンですか?
・生活感のないすっきりとしたキッチン
・オープン棚にステキな食器やカゴなどをおしゃれに並べて飾ったキッチン
など。理想のキッチンのイメージは人それぞれ違いますね。
私の理想のキッチンは、「すっきりと掃除しやすいキッチン」です。
掃除が嫌いなので、なるべく掃除の手間を減らしてきれいな状態を保てるように、モノは極力置かないようにしています。見た目のおしゃれさはあまりないキッチンですが、とにかく掃除がラクになりました。
コンロ回りやキッチントップにモノを置かないので、1日の終わりにキッチンを掃除するときには、サッと拭くだけで完了です。
キッチンツールや食器などもすべてシステムキッチンの収納やカップボードの中にしまっています。出し入れしやすい収納方法を工夫することで、すっきり掃除しやすい状態をキープできているのです。
引き出しの稼働力を上げるポイント
ここからは、私の実体験も交え「引き出し収納の稼働力を上げるポイント」をお伝えします。
しまう場所編
キッチン収納では、「どこに何を収納するのか」という配置がとても大事です。たとえば、フライパンやお鍋など火の周りで使うものは、コンロ下の引き出しに配置すると取り出しやすくなります。
一方、ザルや計量カップなど、水回りで使うものはシンク下の引き出しに定位置を作ると使いやすいです。
調理中によく使うものは立ったまま出し入れができる高さに、排水口ネットや洗剤のストックなどは低い位置に入れておきましょう。高さも意識して配置すると、毎日の料理や後片付けがぐんとスムーズになりますよ。
ツール編
毎日の調理で使うキッチンツールの収納方法には、大きく分けると、「立てる」「掛ける」「しまう」の3つの収納方法があります。
コンロの近くによく使うツールを立てたり、コンロ横のキッチンパネルにフックを取り付けて掛けておいたり。手に取りやすいというメリットを重視すると、油はねなどで汚れやすく、掃除が大変になってしまうというデメリットもあります。
わが家ではキッチン掃除をなるべくラクにするために、コンロ回りにはモノを置かず、キッチンツールは「しまう」収納にしました。
こだわりたいポイントは異なるので、利便性重視なら「立てる」や「掛ける」収納に。掃除をとにかくラクにしたい方は「しまう」収納にするなど、こだわりたいポイントに合わせて収納方法を選びましょう。
「しまう」収納にする場合は、コンロ周りでの使用頻度の高いツールをコンロ脇の引き出しを使うと便利です。
ただし、このときに多いお悩みの一つが、キッチンツールを入れすぎて取り出しにくいというお悩みです。
そのようなときは、使用頻度でキッチンツールを分けてみましょう。お玉や菜箸、大さじ小さじなど、毎日のように使うものは、一軍のキッチンツールとしてコンロ脇の引き出しに収納します。
一番取り出しやすいコンロ脇の引き出しには、使用頻度の高いものだけを集め、すぐに使えるようにしておくのがおすすめです。
一方、泡だて器やピーラー、ハケなどのキッチンツールは、使用頻度が低いというご家庭が多いでしょう。使用頻度が低いものは二軍のキッチンツールとして別の場所に置きましょう。
わが家の場合は、シンク下の深い引き出しに、キッチンツールスタンドを置き、そこに立てて収納しています。
この場所は、コンロ脇の引き出しに比べると少し離れた場所になるので、調理中に取り出しにくいです。しかし、二軍のツールであれば使用頻度は低いため、問題ないでしょう。
このように使用頻度によって分けて収納すると、毎日の料理がスムーズになり、時短につながりますよ。
出し方、しまい方のコツ編
引き出し収納ではできるだけモノを重ねないように注意しましょう。
引き出し収納は、上から中身をのぞき込む形になります。モノを重ねて収納すると下に入っているものが見えにくくなり、取り出すときにも手間がかかるからです。
ボウルなどをシンク下の引き出しに収納するときも、重ねていると下のボウルを使いたいときに上のボウルをどけなくてはいけません。
そのため、わが家では、引き出しの中にファイルボックスを置いて、ボウルやザルなどを立てて収納しています。まな板やトレーなども、引き出しの中にスタンドを置いて、立てる収納にしています。
フライパンやお鍋を収納するときも、ファイルボックスやフライパンスタンドなどを使って立てて並べておくと、取り出しやすいです。こうすることで、引き出しを開けるだけで中身が見やすく、使いたいものをすぐに手に取り出せるので時短につながります。
引き出しと吊戸棚の役割分担は?
引き出しは高さが腰~足元で出し入れしやすい高さなので、よく使うものを入れるのに適しています。
一方、吊戸棚は、高い位置で手が届きにくいため、使用頻度が低めのものを配置するのがおすすめです。
ただし、吊戸棚の場合は、そのままモノを棚に直接並べて置くと奥のモノが取り出しにくくなってしまいます。吊戸棚では持ち手付きのボックスなどを使って引き出しやすい工夫をしておくと、奥の空間まで有効活用できます。
開き扉の有効活用
最近は、賃貸物件でも引き出し収納のキッチンが増えてきていますが、開き扉のキッチン収納が設置されていることも多いです。
開き扉のメリット、デメリット
開き戸タイプのキッチン収納には、大きなものや重いものを置けるというメリットがあります。一方、デメリットとしては奥にあるものが出しにくく、空間を有効利用しにくい点が挙げられます。
このような開き戸タイプには、開き戸の中に棚を置いたり、スライドラックを設置したりする方法が有効です。開き戸の中に棚を置いてスペースを上下に分けると、モノを重ねずに入れられますし、出し入れがしやすくなります。
スライドラックを開き戸の中に置けば、高さを活かしてポリ袋や排水口ネットなどのバラバラしたキッチン消耗品を整理できます。
このように、開き戸タイプのキッチン収納でも工夫次第で使いやすいキッチン収納できますので、うまく取り入れてみてくださいね。
まとめ
今回は、キッチンの引き出し収納を使いやすくするコツとアイデアをご紹介しました。
引き出し収納は、「モノを重ねない」「立てて収納する」のがポイントです。この2つのポイントを意識して収納することで、見渡しやすく、使いたいものがすぐに取り出せるキッチン収納を作れます。
また、使用頻度によって置く場所を分けたり、スペースに余裕をもって収納したりすることで、使いやすく時短につながるでしょう。快適なキッチンづくりの参考に、ぜひ取り入れてみてくださいね。