和歌山市は、都会にはない豊かな自然体験や地域の人々との温かい交流の中で、のびのびと子どもを育てられる魅力的な街です。
和歌山市在住30年以上、元小学校教員の私は小学生と未就園児を育てています。親や地域のサポートのおかげで、孤独な子育てとは無縁です。和歌山市での子育てに興味がある方々に、等身大の声をお届けします。
和歌山市で子育て中
私は、夫と7歳と2歳の子どもの4人家族です。和歌山市で子育てを始めて5年になります。第一子が1〜4歳の間は夫の仕事の都合により、国外で暮らしていましたが、何の迷いもなく和歌山市に戻ってきました。
私たち夫婦は和歌山市で生まれ育ったので、ここで子育てをするのはごく自然な選択でした。親をはじめとする身近な人々のサポートを受けられるだけでなく、慣れ親しんだ環境で子どもを育てられることに大きな安心感があります。
今は、和歌山市ならではの自然の魅力を感じながら、日々のびのびと子育てを楽しんでいます。
和歌山市の概要
まずは、和歌山市の概要を紹介します。
和歌山市は、和歌山県の北部に位置する県庁所在地で、面積は約208.85平方キロメートル、人口は約35万人を誇ります。海・山・川に囲まれた豊かな自然環境が特徴で、歴史と文化が深く根付いた街です。
紀州徳川家の歴史を感じられ、国の史跡に指定されている和歌山城は、和歌山市のシンボルとして親しまれています。城の天守閣からは和歌山市内を一望でき、特に桜の季節には城を囲むように咲き誇る桜が美しく、毎年多くの観光客が訪れています。
和歌山ラーメンや花粉症に効果が期待されるジャバラ、みかん・梅・しらす・クジラなどの特産品も有名です。農業や漁業が有名な地域でもあります。
交通面では、JR阪和線や南海本線が市内を走り、関西の主要都市とつながっています。市内は和歌山バスの路線バスが走っていて、広い市内も移動しやすいです。関西国際空港へのアクセスも良好で、ビジネスや旅行に便利な立地です。
このように、和歌山市は歴史と自然が調和し、都市機能も充実した街として、子育てや生活のしやすい環境が整っています。
わが家が子育て環境に和歌山市を選んだワケ
私たち夫婦はともに和歌山市出身です。そのため、子育てをする場所として迷わず和歌山市を選びました。両親が近くにいる安心はもちろんですが、この街での子育てを決めた理由はそれだけではありません。
和歌山市は自然が豊かで、都市部に比べて時間の流れがゆっくりと感じられます。子どもたちには自然の中で遊びながら、人との関わりを大切に育って欲しいという思いがあります。そのため、海や山、川が身近にあり、子どもたちがのびのびと遊べる公園も多くて地域の人々との交流も活発な和歌山市を選びました。
また、和歌山市は大阪や京都などの近隣府県に比べて居住費が安いところも魅力でした。わが家は賃貸派ですが、一軒家に住みたいというワガママ派です。和歌山市には一戸建て賃貸が多いため、わが家の希望が叶います。最近は新築物件も多いので、引越しを検討中です。
さらに、私自身が元教員ということもあり、和歌山市の小学校の事情をある程度把握しています。地域によって学校の特色や教育環境は異なりますので、子どもが安心して通える地域を選びました。
実際どう?和歌山市の子育て
私たち家族は現在、やんちゃ盛りの子どもたちが騒いでも心配のない、賃貸の一軒家で暮らしています。私が生まれ育った和歌山市でどのような子育てをしているのかをお伝えします。
数字で見る和歌山市の子育て事情
和歌山市の子ども人口は、全国的な少子化と同様に減少傾向にあります。令和2年国勢調査では、14歳以下の子どもの人数は42,340人でした。
和歌山市の保育・幼稚園数は以下のとおりです。
● 私立保育所:17園
● 私立認定こども園:29園
● 和歌山市立保育所:13園
● 和歌山市立認定こども園:2園
● 和歌山市立幼稚園:11園
● 私立幼稚園:9園
● 事業内保育施設:34園(内、企業主導型:20園)
● その他:16園(病児保育施設、ベビーホテルなど)
2024年4月1日時点での和歌山市の保育所入所待機児童数は、22人でした。市としては、保育の受け皿確保の整備が必要であるとし、待機児童解消に向けて取り組んでいます。
和歌山市の子育て支援情報
和歌山市は「みんなで子育て 子どもが健やかにきらきらと育つまち 和歌山市」を基本理念として、子育て支援事業計画を策定し、取り組んでいます。
ここからは、和歌山市の子育て支援情報のうち、独自性の高いものを5つ紹介します。最新情報は、和歌山市公式ホームページなどで確認してください。
和歌山市の子育て支援情報(1)「つれもて子育て応援ブック」という情報を集約した冊子がある
「つれもて」とは、和歌山弁で「一緒に」という意味です。この冊子は、子育てをするための情報を集めた総合情報誌です。妊娠中から役立つ和歌山市の行政の施策や知っておくと役立ちそうな内容がギュッとつめこまれています。
和歌山市の子育て支援情報(2)わかやま子育て支援パスポート
わかやま子育て支援パスポートは、18歳未満の子どもがいる世帯、または妊娠中の方がいる世帯が協賛店舗を利用したときに、割引や特典等の優待サービスが受けられる制度です。専用ウェブサイトで簡単に申請でき、スマホ画面でパスポートを提示するだけで利用できます。
わが家は毎週末に外食をしているので、ありがたく利用しています。
和歌山市の子育て支援情報(3)子育て支援拠点施設
和歌山市内各所にある10ヶ所の子育て支援拠点施設は、乳幼児とその保護者が遊びに行ける室内施設です。子どもたちがすくすくのびのびと成長していって欲しいという願いのもと、親も支える活動をしている団体によって構成されています。
子どもを安心して遊ばせられるように、駐在しているママスタッフがさまざまな情報提供をしてくれたり、ママ友のように相談に乗ってくれたりします。私は毎日違う施設に子どもと遊びに行き、たくさん友達ができました。
和歌山市の子育て支援情報(4)きしゅう君の家
「きしゅう君」は、和歌山県警のシンボルマスコットです。「きしゅう君の家」とは、子どもが緊急時に駆け込み、助けを求めることができる場所です。民家や商店が協力し、ステッカーが目立つところに貼られています。これは通学路の安全確保を主な目的としていますが、地域の子どもたちの見守り活動としても機能しています。
和歌山市の子育て支援情報(5)公園に幼児プール(夏季限定)
市が管轄する公園16ヶ所では、夏季限定で幼児プールを無料で開放しています。水深が浅く、いつも利用している公園にあるため、お子さんのプールデビューに向いています。
わが家は、開放されている時期は週に1度は利用していました。子どもは楽しく遊んでいます。見守る親は日焼けと熱中症対策を忘れないようにしましょう。
和歌山市での子育て体験談
ここからは、和歌山市で子育て中の私の体験や感想などをお伝えします。
和歌山市で子育てをする魅力
生粋の和歌山人の私が感じている、和歌山市で子育てをする魅力は、「地域の温かさ」と「都心へのアクセスのよさ」です。
和歌山市で子育てする魅力(1)地域の方の温かさ
和歌山市は、昔ながらの近所の付き合いが今でも残っている温かい地域です。子どもたちを見守ってくれているだけでなく、子どもに寛容な優しい方が多く、安心して子育てができる環境が整っているように感じます。
また、市内各地にある子育て支援センターや託児サービス、ファミリー・サポート・センターの方々のおかげで「孤独な子育て」にはなりません。県外から引越してきた親子同士が交流できるコミュニティや双子のコミュニティ、発達に不安がある子のために、発達支援の保育士がいる広場もあります。
孤立しがちな子育て環境をなくし、新しい環境でも孤独にならないための支援が整備されています。詳しくは、支援センターのスタッフさんに聞いてみてくださいね。
和歌山市で子育てする魅力(2)都心部へのアクセスのよさ
和歌山市から大阪までは、電車で約1時間20分とアクセス良好です。自然と都市のバランスが取れた環境で、利便性と落ち着いた生活の両方を叶えられる環境です。
和歌山での生活は、車移動がメインになります。バスや電車も通っていますが、車の方が圧倒的に速いです。他府県から引越してきたママの中には、距離感がわからず、自転車移動を考える方もいますが、実際には車の方が便利だと思います。駐車場に困ることはほとんどなく、道幅も広いため、運転がしやすいです。
和歌山市は、地域の温かさと快適性が共存する子育てのしやすい街なので、安心して子どもを育てたい方には、ぜひおすすめしたいです。
和歌山市の子育て環境
和歌山市は自然が豊かで、子どもがのびのびと遊べる環境が整っています。虫捕りや川遊び、海での貝拾いや季節の果物の収穫など、自然と触れ合う機会が多く、子どもたちは都会では味わえない体験をすることができます。
少子化の影響で和歌山市も子どもの数が少ないですが、エリアによっては近所に子どもが多いので、自然に交流の機会を増やせます。実際、私の家の周りでも、就学前の子ども同士がすぐに友達になり、一緒に遊ぶことが多いです。
エリアによっては、就学前の子どもがいる家庭は専業主婦の方が多い印象です。そのため、平日の日中に遊び相手を見つけやすく、ママ友を作りやすい環境といえます。
和歌山市は、子どもが自然の中でのびのび遊べるだけでなく、子育て世代同士のつながりも生まれやすい街です。
ここからは、子育て世代におすすめのスポットを3つ紹介します。
和歌山市の子育て環境(1)交通公園
交通公園は、信号機や横断歩道などが整備されていて、遊びながら交通ルールを理解できる公園です。
無料で貸し出される自転車やゴーカートに乗り、広々としたコースを思いきり走れます。小さな子ども向けの遊具や芝生広場もあり、家族でゆっくり過ごせるのもうれしいポイントです。
公園のそばを電車が走っているので、電車好きなわが家の子どもたちは、電車を見に行くのを楽しみにしています。
施設名:県立和歌山交通公園
所在地:和歌山市西18-1 (交通センター隣)
アクセス:わかやま電鉄貴志川線「交通センター前駅」下車すぐ
営業時間:9:00~17:00
定休日:12月29日~1月3日
和歌山市の子育て環境(2)和歌山城公園動物園
和歌山城公園内にある和歌山城公園動物園は、入園無料で楽しめる子連れに優しいスポットです。
ヤギ・ヒツジ・クジャクなどの身近な動物たちと触れ合え、ペンギン・フラミンゴなどのさまざまな鳥を観察できます。動物との距離が近く、コンパクトな園内は歩きやすく、ベビーカーでも安心です。
すぐ隣には和歌山城や広々とした芝生エリア、大きな滑り台がシンボルの岡公園もあるので、動物園のあとは公園でのんびりピクニックも楽しめます。
施設名:和歌山城公園動物園
所在地:和歌山県和歌山市1番丁3(和歌山城内)
アクセス:JR和歌山駅から「和歌山城前」バス停下車、約5分
営業時間:9:00〜17:00
定休日:6~9月、12~2月の火曜日(祝日の場合は直後の平日)
和歌山市の子育て環境(3)和歌山マリーナシティ
和歌山マリーナシティは海に囲まれたロケーションにテーマパークや市場、温泉施設やホテルがある複合型シティリゾートで、子連れでのお出かけにぴったりのスポットです。
ポルトヨーロッパでは中世ヨーロッパの街並みを楽しみながら、アトラクションで遊べます。3歳以下の子どもも保護者同伴で乗れるアトラクションが12機種あり、遊具もあるので十分に楽しめました。
黒潮市場では、マグロの解体ショーが毎日行われています。新鮮な海鮮やグルメを満喫でき、和歌山の特産品が買えます。さらに、隣接する天然温泉「紀州黒潮温泉」で1日の疲れを癒やせます。
施設名:和歌山マリーナシティ
所在地:和歌山県和歌山市毛見1527
アクセス:JR和歌山駅から和歌山バスで約40分
営業時間:10:00〜17:00(施設によって異なる)
定休日:各施設で異なるため、各施設のホームページ営業カレンダーでご確認ください。
和歌山市の住まい事情
ここからは、和歌山市の家賃などの住まい事情を見ていきましょう。
和歌山市の1LDK・2K・2DKの、マンション・アパート・一戸建ての平均家賃は6.21万円ですが、泉佐野市の2DKは6.58万円と少し高めです。
さらに、2LDK・3K・3DKの平均家賃は和歌山市が6.98万円なのに対し、泉佐野市では2LDKが8.41万円で3DKが6.60万円、3LDKが7.84万円でした。和歌山市の住宅事情は、近隣の泉佐野市と比べて家賃相場が低めです。
和歌山市は都市機能が充実していて、商業施設や医療機関、子育て支援センターなどがそろっています。泉佐野市は関西国際空港にアクセスしやすいというメリットはありますが、家賃相場を考えると和歌山市の方が広い住居を確保しやすく、家計にも優しい環境ではないでしょうか。
大阪市までは電車で約1時間20分とアクセスしやすく、通勤やお出かけも可能です。和歌山市は、手頃な家賃で快適な住環境を確保しながら、アクセスも便利なバランスの取れた街といえます。
和歌山市の子育て世帯におすすめエリア
和歌山市民の私が感じる、子育て世帯におすすめのエリアを紹介します。
和歌山市の子育て世帯におすすめエリア(1)藤戸台
和歌山市藤戸台(ふじと台)は、和歌山市北部に位置するニュータウンで、「学園城郭都市」として開発されました。高台に位置し、地震や津波のリスクが低い安全な地域です。
南海本線「和歌山大学前駅」ステーションビルやイオンモール和歌山があり、商業施設が充実しています。さらに医療機関もそろっているので、街内で生活を完結できます。また、大阪へのバイパスが通っているので、交通アクセスも良好です。
山の上のため、周辺には緑が多く、静かで落ち着いた環境で、子どもたちはのびのびと過ごせています。新興住宅街ということもあり、街全体が明るく清潔な印象です。
和歌山市内でアクセス性と自然環境のバランスを重視したい方には、藤戸台はとてもおすすめのエリアです。
和歌山市の子育て世帯におすすめエリア(2)和歌山市駅周辺
和歌山市駅周辺は、南海本線「和歌山市駅」を中心としたエリアです。大小多くの公園が点在していて、ボール遊びやピクニックを楽しむ家族の姿をよく見かけます。
このエリアは和歌山市のほぼ中心に位置し、各方面の施設への移動がしやすいため、通勤やお出かけにも便利です。市役所や病院、スーパーに飲食店など、生活に必要な施設もそろっていて、日々の暮らしに不便を感じることはありません。
特に注目したいのが、和歌山市駅に直結している「キーノ和歌山」です。図書館・子育て支援センター・商業施設が集まっているので、子連れで1日中快適に過ごせます。
さらに、人気の保育園や幼稚園が集中しているエリアでもあり、市立義務教育学校(小中一貫校)や和歌山大学附属小中学校があるため、教育に力を入れたい家庭にもおすすめです。
自然豊かな和歌山市で「のびのびつれもて子育て」
和歌山市は、海や山に囲まれた自然の豊かな環境と都市機能がバランスよく調和した子育てがしやすい街です。昔ながらの温かな人付き合いがあり、自然と触れ合いながら子どもの感性を育めます。
家賃や住宅の広さの面でも無理のない生活が可能で、大阪方面へのアクセスも良好です。子育て支援制度も充実していて、県外から移住してきた家庭でも安心して暮らせます。
和歌山弁の「つれもて(=一緒に)」という言葉のように、家族や地域みんなで一緒に子育てをしていく文化が根付いていて、のびのびと子どもを育てたい方におすすめです。
和歌山へのお引越しをお考えの方は、ぜひ参考にしてくださいね。