神奈川県「大和市」での子育て体験談。子育て支援や実際の住み心地を2児のママが紹介

「ファミリーで神奈川の県央エリアに住みたいけど、どこがいい？」「大和市は子育てしやすいって聞いたけど、実際は？」「大和市は治安が悪い・飛行機の騒音がうるさいって聞いたけど本当？」といった疑問を抱いていませんか。

今回は大和市で2010年から3年間生活し、再び大和市に引越して3年目の2児の母が、大和市のリアルな住み心地、子育て支援政策、子育て世帯におすすめのエリアなどを紹介します。
神奈川の県央エリアに位置する大和市は子育て支援に力を入れている街です。治安や騒音の問題は昔より改善されています。

実は2回目の引越し前に、近隣の自治体に住むことも考えましたが、今は「大和に住んでよかった」と思っています。ここからは、大和市の魅力をたくさん伝えていきます。

大和市の概要・大和で子育てする理由

はじめに、大和市の簡単な概要を見てみましょう。

大和市の概要

大和市は、神奈川県のほぼ真ん中に位置しています。面積は27.09平方キロメートルで、神奈川県内の19市のうち5番目の狭さにもかかわらず、人口は24万人と川崎市に次いで多いです。(2024年12月18日時点)

小田急電鉄江ノ島線・東急電鉄田園都市線・相模鉄道本線の8駅があり、新宿や江ノ島・横浜・渋谷方面へのアクセスがしやすいため、電車で通勤やお出かけもしやすいです。

市内の南西部には、海上自衛隊と米軍の厚木航空基地があります。「厚木基地周辺の飛行機の音が気になる」という方もいらっしゃるかもしれませんが、激しい騒音の出る飛行機は他県の基地に移駐したため、騒音は減っています。

わが家が子育て環境に大和市を選んだ5つの理由

わが家の場合は、大和市内に親戚がいること、大和に住んでいた時期があったため親しみがあったことも理由のひとつですが、ほかの自治体と比較したうえで大和に住むことを決めました。「やっぱり大和がいい」と感じた理由を5つ上げていきます。

大和市を選んだ理由(1)市内は駅から徒歩15分圏内のエリアが多い

大和市は、南北に細長い地形をしています。市を縦断するように小田急江ノ島線が通り、さらに市内中央を相鉄本線が横断し、北部には東急田園都市線も通っているため、駅から徒歩15分以内の範囲が広いです。

以前に別の地域で生活していたときは車が必須で、駅まで行くのもバスを利用するか、バイクや自転車がないと辛いということもありました。もちろん車があると便利ですが、使用しなくても出かけやすいのは、メリットだと感じます。

大和市を選んだ理由(2)まちの起伏が少ない

大和市はほとんどが相模原台地のうえにあり、平坦な地形のところが多いです。歩きやすく自転車の移動がしやすいので、ありがたいです。

大和市を選んだ理由(3)保育園に入りやすい

大和市は9年連続で保育所入所待機児童数が0人です。利用可能な保育所などがあるにもかかわらず、特定の園を希望する場合など、特定の条件の児童は“保留児童”としてカウントされています。そのため、保育園を希望した児童全員が入園しているわけではありません。

しかし、近隣はまだ待機児童がいる状況の自治体もあるため、大和市は保育園に入りやすいエリアだと感じます。わが家も第一子・第二子ともに、保育園が空くタイミングが合い、希望する時期に入園できました。

大和市を選んだ理由(4)子どもが楽しめる施設や公園がたくさんある

子どもの図書館や室内の遊び場がある大和市文化創造拠点シリウスや、ゆとりの森や引地台公園などの大きな公園が市内に複数あります。他にも小規模の公園がたくさんあるので、小さな子どもと遊びに行きやすいことが魅力です。

大和市を選んだ理由(5)治安と騒音問題が改善したと感じた

実は独身時代に、親戚やアルバイト先の店長から「大和は軽犯罪が多いから気をつけてね」といわれていました。しかし、市が街頭防犯カメラ設置するなどの対策を強化しており、2003年の犯罪件数と比較すると、2023年は約72％減少しています。市が治安をよくするために多くの取り組みを実施していると知り、安心したています。

最近では厚木基地の飛行機の音も軽減されているので、騒音が原因でお昼寝中の子どもが起きるなどのトラブルがわが家で起きたことはありません。

実際どう？大和市の子育て事情

ここでは、大和市の子育て情報をまとめて紹介します。

大和市の人口と保育園・幼稚園情報

大和市の人口は少しずつ増加しています。現在の0～14歳の年少人口は、29,131人です。（令和6年12月時点）2010年の年少人口は30,352人で、この14年間で大和市は少子化が進んでいる傾向にあります。

大和市の保育施設数は、以下のとおりです。（2024年12月17日時点）

・認可保育所59園（公立4園・私立55園）
・認定こども園4園（幼保連携型1園・幼稚園型3園）
・小規模保育事業28園
・認定保育施設4園
・認可外保育施設3ヶ所
・事業所内保育事業所6ヶ所

認可保育所も多いですが、小規模保育事業も28園あり、一般的に待機児童が多いといわれる、0～2歳児クラスの子どもたちの受け皿になっています。

大和市の幼稚園は、2024年12月時点で13園です。3年保育が主で、園によっては4年保育のクラスを設けている園もあります。

保育園・認定こども園・幼稚園のほかにも、以下の子育て支援サービスがあります。

・送迎ステーション
・ファミリーサポート事業
・病児保育室2ヶ所

大和市の送迎ステーションは、幼稚園の教育時間前後に預かり保育を実施し、保育所と同様の保育時間を確保する施設です。そのほかにも、ファミサポや病児保育を利用できるのは助かります。

大和市の子育て支援情報5選

「子育て王国　大和市」を掲げている、大和市の子育て支援を厳選して5つ紹介します。最新の情報は、大和市の公式ホームページでご確認ください。

大和市の子育て支援情報(1)大和市不妊治療（先進医療）費助成事業

大和市には体外受精・顕微授精（保険治療）と併用して実施した先進医療にかかる費用を、市が助成してくれる制度があります。2022年4月から不妊治療は保険適応になりましたが、保険治療と併せて行われた先進医療の治療費は10割負担なので、金銭的な負担が大きいことが問題でした。

大和市不妊治療（先進医療）費助成事業は、10割負担分の治療費が助成される制度で、回数に制限はあるものの、先進医療分の治療費10分の7（上限5万円）が助成対象になります。

対象となる要件は市の公式ホームページをご確認ください。

大和市の子育て支援情報(2)大和市出産・子育て応援事業

大和市の妊娠・子育て支援として、妊娠・出産の届け出をした方に、合計10万円（妊娠時・出産時に各5万円）の給付金が支給されます。私も、第2子は大和市で妊娠・出産したので、給付金をいただきました。

赤ちゃんのものを買いそろえようとなるとお金がかかるので、とても助かりました。商品券などでなく、銀行口座に振り込まれるので、使い方の自由度も高くてありがたかったです。金額などが変更される場合もあるので、最新の情報は市の公式ホームページをご覧ください。

大和市の子育て支援情報(3)大和市安否確認メールサービス（赤ちゃんまもるくん）

以前住んでいた自治体で、夫が仕事で長期不在だったときに「自分1人で子育てをしているから頼れる人もいない、私に何かあったら子どもはどうなるのだろう」という不安があったことを覚えています。

大和市では、0～2歳のお子さんなどを養育する方に、安否確認メールサービス（赤ちゃんまもるくん）を実施しています。登録したメールアドレスに毎日（年末年始を除く）届く安否確認メールにクリックして応答します安否確認サイトへのアクセスがない場合は、必要に応じて市が緊急先への連絡や自宅訪問をしてくれます。おうちの方に何かあった場合に小さいお子さんを危険にさらすことになるので、このようなサービスがあると安心できます。

大和市の子育て支援情報(4)やまと24時間健康相談

看護師などの資格を持った相談員に、24時間体制で電話健康相談を実施しています。医療・健康・育児・介護・メンタルヘルスなど、健康に関する幅広い相談が可能です。わが家はこれまでに子どもが夜間に発熱したときに、すぐ受診をすべきか、朝まで待つか相談をしたことがあります。

子どもの急な病気やケガのときは慌ててしまいますが、専門家にすぐ相談できるのはありがたいです。

大和市の子育て支援情報(5)学校図書館を充実

大和市では、全市立小・中学校の学校図書館をリニューアルし、学校司書を配置しています。子どもの読書活動優秀実践校として、市内の複数小・中学校が文部科学大臣表彰を受賞しました。蔵書の充実や蔵書管理システムを導入して、スムーズに本の検索・貸出を行えるなど、子どもたちが本を手に取りやすい環境を作っています。

大和市在住2児ママの子育て体験談

ここでは、体験談を交えて大和市の子育ての様子を伝えます。

大和で子育てをする魅力3選

大和市で子育てする魅力は3つあります。

大和市で子育てする魅力(1)都会すぎない適度な田舎感

大和は高層ビルが少なく、都会すぎないのんびりとした雰囲気の街です。生活に必要なスーパーマーケットなどはしっかりあるので、日常の買い物には困らないのがよいです。

大和市で子育てする魅力(2)都心や観光地へのアクセスがしやすい

小田急江ノ島線・相鉄本線・東急田園都市線の3路線が通っているので、出かけやすいです。いろいろなお店で買い物したいときやよいものを買いたいときは、横浜・新宿へ出かけたり、家族で江ノ島や箱根にプチ旅行に行ったりしています。都心へのアクセスだけでなく、観光地へアクセスしやすいこともうれしいポイントです。

大和市で子育てする魅力(3)自治体の子育て支援が手厚い

先述のとおり、自治体の子育て支援が手厚いです。大和市の前に住んでいた自治体では、ここまでの支援がなかったので、引越してきて「こんなに支援が手厚いのか」と驚きました。公園や施設もしっかり整備されているので、安心して子どもたちと過ごしています。

子育て中におすすめ！大和市のお出かけスポット3選

お子さんとのお出かけにおすすめのスポットを紹介します。

大和市のお出かけスポット(1)大和市文化創造拠点シリウス

大和市文化創造拠点シリウスは、図書館、芸術文化ホール、生涯学習センター、屋内こども広場などを有する複合施設です。3階はこども図書館と屋内こども広場のフロアで、多くのお子さん・親子が利用しています。

特に3歳～小学2年生が利用できるげんきっこ広場（有料）は、安価でボーネルンドプロデュースの遊具を使って遊べるので、週末には多くの親子連れが訪れます。

げんきっこ広場利用料金
［こども］2時間につき　市内在住者200円／大和市外の方 300円
［おとな］1日につき　市内在住者300円／大和市外の方 400円

施設名：大和市文化創造拠点シリウス
所在地：神奈川県大和市大和南1丁目8−1
アクセス：小田急江ノ島線・相鉄本線　大和駅から徒歩3分
閉館時間：施設によって異なります。こども図書館・屋内こども広場は9:00～19:00
定休日：施設によって異なります。こども図書館・屋内こども広場は12月31日・1月1日

大和市のお出かけスポット(2)泉の森

ゆとりの森や引地台公園など、大きな公園が市内に複数ありますが、わが家のイチ押しは泉の森です。公園の名前のとおり、森のような公園で自然散策を楽しめます。遊びの小川は、水遊びやザリガニつりを楽しめるので、特に暑い時期は子どもたちでにぎわっています。

生き物や植物が好きな子どもたちは特に楽しめる、おすすめスポットです。

施設名：泉の森
所在地：神奈川県大和市上草柳1728　
アクセス：相鉄本線　相模大塚駅から徒歩15分 / 無料駐車場あり
開園時間：24時間開園 / ただし各駐車場の利用時間は異なるため注意
休園日：なし

大和市のお出かけスポット(3)やまとオークシティ

やまとオークシティは、イトーヨーカドーとイオンモールが連絡通路でつながった、大きなショッピングモールです。買い物は、オークシティに行けば大体は済ませられます。子ども用品のフロアも充実しているので、子ども服・離乳食・おもちゃなどをそろえられます。

施設名：やまとオークシティ
所在地：イトーヨーカドー大和鶴間店　神奈川県大和市下鶴間1-3-1
　　　　イオン大和鶴間店　神奈川県大和市下鶴間1-2-1
アクセス：小田急江ノ島線　鶴間駅から徒歩11分 / 駐車場無料
営業時間：店舗・フロアにより異なる。イトーヨーカドー 9：00～21:00 / イオン1階 8:00～23:00
定休日：年中無休

子育て世帯におすすめする大和市の住まい

実際に大和に住もうと思ったときに気になるのは、家賃などの住まい事情でしょう。わが家は、2度目の引越し前に近隣の自治体に住むことも検討していました。そのときの経験を交えた住まい事情を伝えていきます。

大和市の住まい事情

大和市と近隣4市の2LDK・3K・3DKの家賃相場を比較します。

・大和市　12.22万円
・藤沢市　15.74万円
・座間市12.83万円
・海老名市　11.03万円
・綾瀬市　9.28万円

近隣自治体と比較すると、大和は家賃相場が極端に高い・低いというわけではありません。藤沢市は江ノ島など自然も多いですが、買い物をしやすく、交通の便がよいので、家賃相場が高いようです。

大和市よりも海老名市・綾瀬市の方が家賃相場は低いのですが、綾瀬市・海老名市は駅から遠いエリアも多いので、普段から車の利用も検討した方がよいでしょう。子連れで長距離の移動は一苦労であり、毎日通勤で電車を利用する場合は、特に駅までのアクセスのよさもポイントになります。

わが家は、家賃の安い綾瀬市や海老名市も検討しましたが、交通の便のよさと子育て支援の手厚さで大和市に決めました。私がペーパードライバーということもありますが、車を運転しなくても子どもと外出を楽しめることが嬉しいです。

大和市の子育て世帯におすすめエリア3選

大和市の中でも、特に子育て世帯におすすめのエリアを3つ選びました。

大和市の子育て世帯におすすめエリア(1)鶴間駅周辺

小田急江ノ島線 各駅停車の駅で、先述したオークシティの最寄り駅です。オークシティのほかにも、市役所や大和市立病院の最寄り駅でもあるため、大和市で生活するには便利なエリアといえます。大和市立病院は、小児科医が365日24時間常駐しているので、お子さんの急な病気やケガのときに受診しやすいのは安心できるでしょう。

大和市の子育て世帯におすすめエリア(2)中央林間駅周辺

小田急江ノ島線と、東急田園都市線の2路線を利用可能です。駅前の東急スクエア3階に、市役所の分室や小さめの図書館があるので、市役所やシリウスまで行かなくても、手続きを済ませたり読書を楽しんだりできます。

駅から徒歩3分のところには、大和市市民交流拠点ポラリスがあり、子育てセンターの役割も果たしています。

大和市の子育て世帯におすすめエリア(3)大和駅周辺

小田急江ノ島線と、相鉄本線の2路線を利用可能です。大和市文化創造拠点シリウスの最寄り駅なので、お子さんに日常的に本や芸術に親しんでほしいと考えるご家庭にぴったりです。

神奈川・県央エリアで子育てするなら大和がおすすめ

大和市に転入する前は他県で子育てをしていましたが、物件探しの段階で大和市について調べると、充実した子育て支援や施設・設備に驚きました。交通の便がよいにもかかわらず、公園や緑の多い大和市で安心して子育てができています。

神奈川県の県央エリアで引越しをお考えの方は、ぜひ大和市も候補に入れてみてください。