大阪府「豊中市」での子育て体験談。転勤族ママが子育て支援情報やおすすめエリアを紹介

大阪府豊中市は大阪市の北に位置します。下町感のある南部エリアと、住宅街のある北部エリアがあり、ベッドタウンとして発展しました。市内には府内最大級の服部緑地公園をはじめ、多くの公園があります。

わが家は夫の転勤で豊中市に引越して6年間住み、その間に2人の子を妊娠し、上の子が3歳になるまで豊中市で子育てをしました。引越し当初は子どもがいなくて、利便性と転勤族が多いという理由で豊中市を選びました。

実際に豊中市で子育てを始めたところ、公園や習い事の教室が多く、子育て支援も充実しているので「豊中市で子育てできてよかった」と感じています。この記事では、転勤族ママの私が感じた「豊中市で子育てする魅力」を伝えます。

豊中市で子育て中

豊中市の概要

豊中市は大阪府の北部にあり、面積は36.6km2、人口は約39万8,000人です。大阪市・吹田市・池田市・箕面市、兵庫県の尼崎市・伊丹市に接し、大阪府の中でも郊外住宅地として発展しています。合併を繰り返し、1955年に現在の市域になりました。高校野球発祥の地として知られ、市内には記念公園があります。

市の南北に国道176号と423号線が通り、阪急宝塚線・大阪モノレール・北大阪急行など、交通網が発達しています。市内は阪急バスの路線が充実し、市内・市外へのアクセスが良好です。

2024年3月に豊中市北部にある千里中央駅の路線が箕面市まで延伸し、さらに利便性が高まりました。空の便は大阪国際空港が使えるので、出張・旅行などに便利です。空港が近くて便利な一方、地域の人の中には騒音が気になる人も一定数いるようです。

市内には大阪大学豊中キャンパス、大阪音楽大学があり、学生が多く行き交います。大きな商業施設は少ないですが、他エリアへのアクセスがよく、市内にスーパーやドラッグストアが充実しているので、生活するうえで不便はありません。

南北格差があり北部は人口が増えていますが、南部は人口が減っています。南部エリアの小中学校を統合して小中一貫校をつくったり、公共施設を建て替えたりと、住みやすい街へと変化している最中です。

わが家が子育て環境に豊中市を選んだワケ

私は夫の転勤先が大阪に決まったときに、治安のよいイメージがあった北摂エリアに住もうと決めていました。他にも候補のエリアがあったのですが、「夫の地元」「転勤族が多く住むエリア」「交通の利便性がよい」という点から、豊中市を選びました。

豊中市は夫の地元であり、私の親戚も居住しています。夫には土地勘があり、私も知り合いがいたので、安心できました。転勤族が多く住むエリアと聞き、今後子どもが産まれても学校や周囲の方が転校生に抵抗がなく、住みやすそうに感じたことも決め手の1つです。

引越し当初は車を持っていなかったため、利便性のよい物件を探していました。豊中市は大阪中心部からある程度離れていて住宅が多いエリアですが、鉄道・空港などの交通網が発達しています。

私の地元への帰省や、夫の通勤のしやすさが魅力的でした。ちょうどよい物件が見つかったこともあり、豊中市に住み始めました。

実際どう？豊中市の子育て

私は豊中市に住んでいたとき、賃貸マンションで夫と息子の3人で暮らしていました。現在は転勤で別の地域に住んでいます。息子が3歳になるまで住んで感じた、豊中市の子育て事情をお伝えします。

数字で見る豊中市の子育て事情

豊中市の保育施設数は以下のとおりです。（2024年11月13日時点）

・公立認定こども園24園
・民間保育所49園
・事業所内保育事業1園
・小規模保育事業14園
・家庭保育所2園
・認定こども園35園
・認可外保育施設39ヶ所
・病児保育事業3ヶ所

2024年4月1日時点の豊中市の保育所等利用待機児童数は28人でした。1歳児が最も多く、3歳未満児が全体の80％を占めています。

豊中市では保育ニーズの増加をふまえて、既存の保育所・認定こども園の受け入れ枠を増やしたり、民間保育所を新増設したりと、対策をしています。

豊中市の子育て支援情報

豊中市では子育て世帯が「ずっと住み続けたい」と思う街にするため、社会全体で子育てをしようと取り組んでいます。「小1の壁」を解消するための政策や、一人ひとりに寄り添った支援などを私の体験談も交えながら5つ紹介します。最新情報は豊中市の公式サイトを確認ください。

豊中市の子育て支援情報（1）午前7時からの小学校の校門開放

午前7時からの小学校の校門開放は、2024年4月から始まった子育て支援です。出勤時間などの都合で朝、子どもの登校を見送れない保護者のために、午前7時に学校の門を開放します。警備員や見守り員を配置し、働く人のために学校や市が協力して子どもを見守ります。事前申し込みと、見守り場所まで保護者の付き添いが必要です。

【対象者】
小学1年生をはじめ、就労等の諸事情により当事業の利用を希望するご家庭の児童
市立小学校・義務教育学校（前期課程）全校

豊中市の子育て支援情報（2）こども園と放課後こどもクラブの入会要件を統一

求職活動中や育休中でも、放課後こどもクラブが利用できるように、こども園と入会要件を統一しています。子どもの就学と同時に働き方を変えたい方に寄り添った支援です。

豊中市の子育て支援情報（3）子ども医療費助成制度

大阪府内で診療を受けるときに健康保険証と医療証を提示すると、自己負担金が1日500円、最大2日1,000円になる、一部の医療費を助成する制度です。

わが家は帰省中（他県）に受診し、3割の自己負担分の医療費を支払いましたが、豊中市に所定の手続きのうえで申請すると、差額が返ってきて助かりました。

豊中市の子育て支援情報（4）出産・子育て応援事業

妊娠届を出したときに出産応援金5万円、出産後に新生児訪問を受けたときに子育て応援金5万円が現金で給付されます。

わが家も第2子妊娠中に該当しましたが、出産前に引越したため、出産応援金の5万円のみ受給しました。

豊中市の子育て支援情報（5）とよなか子育て応援団

乳幼児連れに優しいお店を「とよなか子育て応援団」として登録しています。

・授乳スペース、キッズスペース（遊び場）、多目的トイレなどを設置している
・子ども向けメニュー、子ども用の食器などがある
・子ども用移動カート、絵本・おもちゃの貸出し、託児サービスなどがある
・無料、低額の親子サークルを開催している

これらのサービスを提供している店頭にはステッカーが貼られています。私は子どもを連れて外食するときに、ステッカーがあると安心できました。

豊中市での子育て体験談

豊中市での子育てに魅力を感じる一方で、住んでから感じたギャップもありました。

住んでみて分かった豊中市での子育て

実際に住んでどんなことを感じたのか紹介します。

住んでみて分かった豊中市での子育て(1)南部エリアと北部エリアでは雰囲気が違う

「豊中市は閑静な住宅街」というイメージでしたが、学生が多かったり下町感があったりするエリアもあります。大きく分けると南部エリアは市場や飲食店が並んだ活気があるエリア、北部は住宅街や大阪大学豊中キャンパスのある閑静なエリアだと感じました。

住んでみて分かった豊中市での子育て(2)意外と車社会

豊中市は鉄道やバス・空港など移動手段が多く、交通網が発達しています。しかし意外と車を所有し、車移動をする人も多かったです。園の送迎や日常的な買い物は、電動自転車を利用する方が多い印象です。車がなくても通勤・通園には困らず、わが家は休日にはカーシェアを利用していました。

住んでみて分かった豊中市での子育て(3)転勤族に優しい街

豊中市は転勤族が多いエリアです。豊中市に知り合いがいない方のために「転勤族カフェ」を開催し、転勤族同士の交流の場を提供したり、行政サービスガイド「とよふぁみ」で子育て応援情報を提供したりしています。

多くの学校で私服登校、体操服の指定がない（白シャツであればOK）など、学校用品の買い足しが少なく、転勤族には助かります。先生方や友達が転校生に慣れていることが、親としては安心材料になりました。

住んでみて分かった豊中市での子育て(4)一人ひとりに寄り添った支援

豊中市では子どもが1歳6ヶ月や3歳6ヶ月のときに集団健診を行います。

当時の私は頼れる人が少ない環境の中、初めての子育てで不安でした。しかし集団健診のときに保健師さんが子育ての悩みに親身になってくれ、健診後も電話でその後の様子を聞いてくださいました。相談できる人がいると不安が減り、一人ひとりに寄り添った支援をしていることを実感しました。

豊中市の子育て環境

豊中市には子育てをするのによいと感じた環境やポイントがあります。

おすすめポイント(1)飛行機が身近に感じられる

豊中市内には伊丹空港があるため、日常的に飛行機を見ることができます。空港内には展望台の近くに室内の遊び場や噴水があり、飛行機と一緒に楽しめました。

空港まで行かなくても、エリアによっては公園などでも着陸間近のダイナミックな飛行機を見ることができるでしょう。ここでは、飛行機を近くで見られるおすすめの公園を2つ紹介しています。

施設名：スカイランドHARADA
所在地：大阪府豊中市原田西町1－10
アクセス：名神高速からは「豊中IC」、阪神高速からは「豊中南IC」を降りて車で約15分
営業時間：9:00～17:00
定休日：毎週木曜日・年末年始（祝日は開園・臨時休園あり）

施設名：ふれあい緑地　遊戯広場
所在地：大阪府豊中市服部西町5丁目、服部寿町3・5丁目地内
アクセス： 阪急宝塚線「服部天神」駅下車、南西へ徒歩15分

おすすめポイント(2)図書館が多く、子ども向けのイベントが開催されている

豊中市内には8つの図書館と1つのセンター図書室、2つの図書サービスポイント、移動図書館があります。図書館では定期的に乳幼児向けのおはなし会やお料理教室などを行っていました。わが家も図書館をよく利用していて、お母さん方との交流の場になっていました。

おすすめポイント(3)公共の運動施設で習い事をリーズナブルに利用できる

市の体育館や武道館などで、トランポリンや体操、ダンスや武道などの短期教室が開催されています。全10回のプログラムで3,000円など、リーズナブルです。

このような短期教室は、ここ以外にも柴原体育館・庄内体育館・豊泉家千里体育館・武道館ひびき、高川スポーツルーム・マリンフード豊中スイミングスタジアム・二ノ切温水プールでも開催しています。最新情報は豊中市の公式サイトを確認ください。

おすすめポイント(4)南部エリアの開発が進んでいる

豊中市の南部エリアは人口が減少しています。対策として、南部エリアの小中学校を統合して小中一貫校を新たに創立したり、子育て支援センターなどの公共施設を建て替えたりと、開発が進んでいます。

施設名：子育て支援センターほっぺ南部分室
所在地：大阪府豊中市庄内幸町4丁目29番1号
アクセス：阪急高塚線「庄内駅」より徒歩約15分
営業時間：9:00～17:15（プレイルームは9:00～17:00）
定休日：日曜日、祝日、年末年始（12月29日から1月3日まで）

豊中市の住まい事情

豊中市に住みたいと思ったときに気になるのが、家賃などの住まい事情です。LIFULL HOME‘Sのデータによると、豊中市では標準的な賃貸マンションの賃料は上昇します。(2024年11月時点)

【豊中市の家賃相場】
2LDK：13.29万円、3DK：9.31万円、3LDK：15.65万円

市内でもエリアごとに少し家賃相場に差があったので、駅ごとの家賃も見てみましょう。

【豊中市の駅ごとの家賃相場（2LDK）】
庄内駅9.81万円、豊中駅14.52万円、千里中央駅18.04万円

【近隣の市の家賃相場（2LDK）】
吹田市14.79万円、池田市12.73万円、箕面市11.50万円

豊中市の家賃相場は2LDKで13.06万円です。南部の方が大阪市に近いにもかかわらず、豊中市内では北部より家賃相場が低くなっています。モノレールや北大阪急行が通る千里中央駅は、豊中市内で最も家賃相場が高く、2LDKで18.04万円です。同じ豊中市でもエリアによって家賃相場に大きな違いがありました。

大きな商業施設があり、新大阪駅にアクセスがよい吹田市は、豊中市よりやや家賃相場が高い印象です。池田市や箕面市は豊中市より大阪中心部から離れているため、家賃相場が低くなっています。

ライフスタイルや予算に合ったエリアを選び、最適な住まいを見つけましょう。

豊中市の子育て世帯におすすめのエリア

豊中市の子育て世帯におすすめのエリアをピックアップしました。

子育て世帯におすすめのエリア(1)服部緑地公園周辺

服部緑地公園は豊中市内で最も大きく、府内でも最大級の公園です（甲子園球場の約33倍）。緑地公園内には自然の豊かな森があり、コスモスやひまわりなど、季節の花を楽しめます。遊具が充実し、定期的にイベントが開催されているので、子連れのおでかけにぴったりです。

緑地公園の東側に北大阪急行緑地公園駅、西側に阪急宝塚線曽根駅があり、利便性が高いです。周辺に飲食店は少ないですが、そのぶん静かな環境で子育てできます。

施設名：服部緑地公園
所在地：大阪府豊中市服部緑地1-1
アクセス：北大阪急行（御堂筋線直通）「緑地公園駅」から徒歩5分（東中央広場まで）
阪急電鉄（宝塚線） 曽根駅から徒歩20分（西中央広場まで）

子育て世帯におすすめのエリア(2)千里中央駅周辺

千里中央駅は、北大阪急行とモノレールが乗り入れる、交通の便がよいエリアです。千里中央駅からは伊丹空港・新大阪駅・万博公園・箕面・梅田・なんばなど、多くのエリアに乗り換えなしで行けます。駅には百貨店が隣接し、ベビー・子ども服売り場や子連れでも行きやすいレストランがあり、買い物や食事に便利です。

駅から徒歩15分のところには自然の豊かな千里中央公園があり、150ｍもの長さがあるローラーすべり台が名物になっています。

豊中市は子育て支援が充実！利便性が高く、転勤族に優しい街

豊中市には自然の豊かな公園があり、利便性が高いエリアです。もともと交通網が発達していて住みやすい街でしたが、昨今の北大阪急行の延伸や南部エリアの開発などにより、さらに住みやすさが向上しています。

実際に住んでみて感じたのは、豊中市は転勤族などの他のエリアからくる人を温かく迎え入れ、気持ちに寄り添っているということです。新たに豊中市に住んだ人が取り残されないよう、イベントの開催や情報提供がされていました。また、子育て世代の働き方の多様性に寄り添った支援が充実し、子育てに不安を抱えても相談できる場所があります。

この記事を読んで、大阪で子育てするなら、豊中市に住んでみようかなと思うきっかけになれば嬉しいです。