東大阪市は大阪府の中河内地域に位置し大阪市と隣接しています。JR線から近鉄線、地下鉄大阪メトロが通っており、アクセスのよい地域です。また、閑静な住宅街や公園も多く、子育て世帯にとって生活しやすい街になっています。
私は妊娠したタイミングで東大阪市に引越してきて、初めての出産・子育てを経験しました。東大阪市は子育て支援も充実しており、私自身も産後ケアや子育て支援施設でサポートしてもらっています。
東大阪市で子育て中
東大阪市はどのような街なのでしょうか。
東大阪市の概要
東大阪市は大阪府の東部、中河内地域に位置する市です。61.78平方キロメートルの面積と約47万7,000人超の人口を誇り、大阪市に隣接していて利便性が高く、豊富な自然に恵まれた地域です。
東大阪市というと、日本初のラグビー専用スタジアム「東大阪市花園ラグビー場」があり、ラグビーの聖地として知っている方も多いのではないのでしょうか。
東大阪市は全国トップクラスの工場数を誇る、モノづくりの街でもあります。製造業の事業所数は5,564の全国5位であり、事業所密度は1平方キロメートルあたり107.6で日本一です。
東大阪市は、JRおおさか東線や学研都市線、近鉄けいはんな線、奈良線、地下鉄大阪メトロなどの鉄道が通り、26ヶ所もの鉄道駅があります。また、阪神高速道路や近畿自動車道のインターチェンジがあり、大阪市内中心部や京都や神戸、奈良など近畿の主要都市へのアクセスにも恵まれた立地です。
これらの利便性の高さに加えて、自然も豊かであるため、子育てしやすい地域になっています。
わが家が子育て環境に東大阪市を選んだワケ
わが家は夫の勤務地が大阪市に移り、他県から大阪府へ引越すことになりました。勤務地は大阪市の中心であったため、電車で通勤できる利便性と子育てのしやすさを考慮して東大阪市を選びました。
東大阪市に惹かれた理由は2つあります。
子育て環境に東大阪市を選んだワケ(1)子育て支援施設・小児科が徒歩圏内
私は基本的に車を使わない生活をしていたため、子育て支援施設を兼ねた行政施設、小児科の両方が徒歩圏内にあることを魅力に感じました。
私は初めての土地で、初めての子育てということで不安もあり、すぐに相談できる病院に行けることが心強かったです。生後2ヶ月以降からは予防接種も始まり、徒歩で行ける距離に小児科があることに改めてよかったと感じました。
子育て環境に東大阪市を選んだワケ(2)ファミリー層の多い閑静な住宅街
慣れない子育てを行うためには、周りにもファミリー層の多い閑静な住宅街で生活したいという希望がありました。夫の勤務地が大阪市の中心部だったため、大阪市の近くのエリアで探した結果、隣の市でなおかつファミリー層が多い地域として見つけたのが、東大阪市でした。
東大阪市からの通勤時間は電車で30分ほど、比較的閑静な住宅街で、希望に合ったエリアを見つけられて嬉しかったです。実際に住んでみると、山や公園などの自然が豊富で、自然に触れながら子育てをするのにぴったりだと感じています。
実際どう?東大阪市での子育て
私は東大阪市内の賃貸で、息子を含めた家族3人で暮らしています。ここからは実際に住んでみて感じた、東大阪市の子育て事情です。
数字で見る東大阪市の子育て事情
東大阪市の人口は全体で約47万8,000人、年少人口(0歳~14歳)は約4万9,800人です(2024年9月末時点)。2019年の年少人口は約5万5,000人だったことから、この5年間で東大阪市は少子化傾向にあります。
東大阪市の保育施設数は以下のとおりです。
・認可保育所25園
・認定こども園48園(1号・2号・3号認定こども園44園+1号・2号認定こども園4園)
・幼稚園6園
・企業主導型保育事業所47園
・認可外保育施設10ヶ所
・ベビーホテル1ヶ所
・小規模保育施設22園
東大阪市の待機児童数は、2024年4月1日時点で5名であり、待機率は0.05%です。5年前までの待機児童数は以下のとおりで、施設・事業所数を増やして待機児童数を減らしている傾向があります。
2019年 待機児童数:137名(施設・事業所数:133)
2020年 待機児童数:38名(施設・事業所数:151)
2021年 待機児童数:0名(施設・事業所数:162)
2022年 待機児童数:0名(施設・事業所数:174)
2023年 待機児童数:0名(施設・事業所数:177)
2024年の保育事業所数は、199ヶ所でした。2023年に比べても20ヶ所以上増えており、待機児童を減らせるように積極的に取り組んでいるように感じます。
東大阪市の子育て支援情報
東大阪市は子育てのしやすい街作りに力を入れているため、助成制度や子育て支援強化に取り組んでいます。ここでは、東大阪市の助成制度・子育て支援の特徴を5つ紹介します。最新情報は、東大阪市の公式ホームページで確認してください。
東大阪市の子育て支援情報(1)充実した産後ケア事業
東大阪市の産後ケア事業は以下のような充実した内容になっています。
対象期間:産後1年未満(ショートステイとデイサービスは産後4ヶ月未満)
利用料金:
【ショートステイ(宿泊型)】1泊2日5,600円(昼夕朝3食付き)
【デイサービス(日帰り型)】2,800円(昼夕2食付き)
【訪問型】1,400円(1回90分程度)
東大阪市では産後ケア利用希望の申請をすると、産後ケアの利用料金補助として2,500円のクーポンを5枚もらえ、支払いに充てられます。
私も実際にデイサービス(日帰り型)の産後ケアと訪問型を利用しましたが、2,500円クーポンを利用したため、自己負担額は日帰り型が300円、訪問型は0円でした。料金補助クーポンを利用することで、自己負担を減らせるため、利用をおすすめします。
産後ケア事業の内容は変わることがあるため、最新情報を東大阪市の産後ケア事業公式サイトにて確認してください。
東大阪市の子育て支援情報(2)子育て支援施設が多い
東大阪市では、地域ごとに子育て支援センターがあり、遊びに行くだけでなく、相談やサポートを受けられるようになっています。リトミックやクリスマスなどの季節の催し物イベントが開催されていて、地域の親子同士で交流することも可能です。
私は自宅から徒歩圏内に子育て支援センターがあったので、生後3ヶ月頃から気分転換のために何度か通っていました。私が通っている子育て支援センターでは、赤ちゃんタイムという未歩行児のみの時間が設けられていたため、生後3ヶ月でも安心して遊ばせられました。
東大阪市の公式サイト「ひがしおおさかし子育て応援ナビ」では、各施設の利用時間、行事予定などの最新情報を確認できます。
東大阪市の子育て支援情報(3)一時預かり事業
東大阪市では、自宅保育の子どもを対象とした一時預かり事業も行われています。不定期の就労やリフレッシュといった目的で一時的に預けたい場合に、保育所等の施設で預かりをしてもらえるシステムです。
「就労型」と「リフレッシュ型」に分けられています。
【就労型】
目的:就労・求職活動・妊娠出産等・介護看護・疾病障害・就学
利用時間:1日最大8時間
利用料金:0~2歳 4時間以内1,200円 4時間超2,400円
3歳 4時間以内600円 4時間超1,200円
4歳以上 4時間以内500円 4時間超1,000円
【リフレッシュ型】
目的:リフレッシュや保護者の私的理由
利用時間:1時間単位で利用可能
利用料金:0~2歳 1時間あたり400円
3歳 1時間あたり250円
4歳以上 1時間あたり200円
一時預かりを希望する場合は、区分にあわせて事前登録が必要です。事前登録では、子どもの成長・健康状態、自宅での様子などについて面接や施設見学が行われるので、安心して預けることができます。
また、一時預かり事業所数は59施設(2024年9月時点)あり、保育園や子育て支援センターなどを含めて各地域で実施されています。リフレッシュ目的でも利用できるため、初めての子育て中の方や、ワンオペ子育ての方にもおすすめです。
東大阪市の子育て支援情報(4)産前・産後の教室・講習会が豊富
東大阪市では、産前・産後の教室や講習会など子育て世帯への情報発信も豊富です。
妊娠中の方向けのマタニティ教室やプレママ・プレパパセミナーなど、出産や初めての子育てに向けた講座から離乳食講習会やぜんそく予防教室、ふたごの教室・交流会など幅広い内容で開催されています。子育て向けの教室や講習会は、保健センターや子育て支援センターで実施されていて、他の方との交流もできます。
子育て支援センターでは、月齢が近い子同士の交流会やベビーマッサージ教室なども開催されていて、私たちは生後2ヶ月対象の教室に参加しました。ベビーマッサージのやり方から体を使った遊び方、子育てについての相談などができて、楽しみながら学べました。
東大阪市の子育て支援情報(5)子育てアプリが便利
ひがしおおさか子育て応援アプリ(すくすくトライ)、といわれる東大阪市独自の子育て情報発信アプリがあります。東大阪市の子育てに関するイベント情報や行政情報の発信から、予防接種管理など役立つ機能が搭載されています。
市関連施設や病院・診療所、公園や広場などの位置が分かる施設マップも見られるため、現在地からのルート表示も可能で、非常に便利なアプリです。子育て中は何かと忙しく、市からもらったガイドブックをじっくり見ることは難しいですが、このアプリだと手軽に確認できるので、ぜひ使ってみてください。
情報は定期的に更新されているので、最新の情報を確認するために使うこともできます。
東大阪市での子育て体験談
ここからは、実際に東大阪市で子育てをして感じた魅力と環境の素晴らしさを伝えていきます。
東大阪市で子育てをする魅力
東大阪市で子育てをする魅力は、産後ケア事業や子育て支援の内容が充実していることだと思います。
私は東大阪市で初めての子育てをしていますが、実家が遠方で頼ることができないので、産後ケアや子育て支援センターを利用しました。産後の体のケアから、子育てについての不安や分からないことの相談などで助けてもらうことができ、利用してよかったと感じています。
また、東大阪市は大阪市に隣接していて、電車で大阪市の中心や京都・神戸・奈良などへの移動が1時間以内でできる、アクセスの良好な立地です。利便性の高い立地でありながら、閑静な住宅街や公園、子育て向けの施設が多く、子育てがしやすい街といえます。
東大阪市の子育て環境
東大阪市は子育て世帯向けの施設が豊富にあり、それぞれの地域に子どもが楽しめる場所があります。
東大阪市の子育て環境(1)各地域にある子育て支援センター
東大阪市には、子育て支援センターが各地域に設立されていて、市内には全部で7つあります(2024年11月時点)。東大阪市民であれば、どの子育て支援センターでも利用できるようになっていて、妊婦の方も利用可能です。
各施設では、イベントや育児講座、子育てサークルなどさまざまな活動が行われていて、親子同士での交流も楽しめます。
施設名:旭町子育て支援センター(あさひっこ)
所在地:東大阪市旭町1番5号
アクセス:近鉄「瓢箪山駅」から徒歩約10分、近鉄バス「東体育館前」から徒歩約2分
開設時間: 火曜日から土曜日、第2・4日曜日 9:00~17:00
休館日:月曜日、第1・3・5日曜日、祝日、年末年始(12月29日から1月3日)
施設名:楠根子育て支援センター(ももっこ)
所在地:東大阪市楠根1丁目12番12号
アクセス:JR「徳庵駅」から徒歩約20分、地下鉄長田駅から徒歩20分、近鉄バス「鷺島橋」下車すぐ
開設時間: 月曜日から土曜日 9:00~17:00
休館日:日曜日、祝日、年末年始(12月29日から1月3日)
施設名:布施子育て支援センター(ゆめっこ)
所在地:東大阪市長堂1丁目8番37号(ヴェル・ノール布施4階)
アクセス:近鉄「布施駅」から徒歩約5分
開設時間: 月曜日から日曜日 祝日も実施 9:00~17:00
休館日:年末年始(12月29日から1月3日)
施設名:石切子育て支援センター(そらっこ)
所在地:東大阪市中石切町4丁目12番28号
アクセス:近鉄「新石切駅」から「南日下バス停」下車徒歩約5分
開設時間: 月曜日から土曜日 9:00~17:00
休館日:日曜日、祝日、年末年始(12月29日から1月3日)
施設名:鴻池子育て支援センター
所在地:東大阪市東鴻池町4丁目5番8号
アクセス:JR「鴻池新田駅」から徒歩約20分、近鉄バス「楠風荘」下車徒歩約8分
開設時間: 月曜日から土曜日 9:00~17:00
休館日:日曜日、祝日、年末年始(12月29日から1月3日)
施設名:長瀬子育て支援センター
所在地:東大阪市長瀬町3丁目6番3号
アクセス:JR「長瀬駅」から徒歩約3分、近鉄「長瀬駅」から徒歩約7分
開設時間: 月曜日から土曜日 9:00~17:00
休館日:日曜日、祝日、年末年始(12月29日から1月3日)
施設名:荒本子育て支援センター
所在地:東大阪市荒本2丁目6番35号
アクセス:近鉄「荒本駅」から徒歩約7分
開設時間: 月曜日から土曜日 9:00~17:00
休館日:日曜日、祝日、年末年始(12月29日から1月3日)
東大阪市の子育て環境(2)花園中央公園
花園中央公園は東大阪市の中でも、トップクラスの規模を誇る大型施設です。園内には、東大阪市花園ラグビー場・花園セントラルスタジアム(野球場)・トライスタジアム(多目的球技広場)、子育て世帯向けのラガーステーション(遊具広場)などがあります。
遊具広場は、長い滑り台やロケットタワーなどさまざまな大型の遊具が子どもたちに人気です。小さなお子さん向けの幼児遊具もあり、多くの子育て世帯で賑わっています。
また、花園中央公園内には、プラネタリウムや科学展示室、室内の遊戯広場などがある「ドリーム21」という児童文化スポーツセンターがあります。小さなお子さんから学生まで、それぞれの年齢に応じて楽しむことのできる施設です。
施設名:東大阪市花園中央公園
所在地:東大阪市松原1丁目1-43
アクセス:近鉄「東花園駅」から徒歩約12分、阪神高速道路13号東大阪線 水走出口から約10分、近畿自動車道 東大阪南ICから約20分
東大阪市の住まい事情
東大阪市の家賃相場を見てみると、子育て世帯向けの2LDK・3K・3DKは10.47万円でした。同じ間取りの近隣地域の家賃相場を比べてみると、以下のようになります。
・東大阪市:10.47万円
・大阪市鶴見区:10.58万円
・大阪市東成区:14.39万円
・大東市:8.94万円
・八尾市:8.06万円
隣接している大阪市内に比べると、家賃相場は低めです。八尾市や大東市よりも高めとなっている理由は、大阪市内の中心や近畿の主要都市へ移動しやすいからだと思います。
わが家は、JR沿線の駅から徒歩15分以内の2LDKに3人で住んでいますが、家賃は東大阪市の相場よりも低めでした。閑静な住宅街で、電車・車で移動しやすいため、子育て世帯にもおすすめの地域だと感じます。
東大阪市の子育て世帯におすすめのエリア
ここでは、子育て世帯がしやすいエリアを紹介します。
東大阪市の子育て世帯におすすめのエリア(1)徳庵駅周辺
徳庵駅周辺は、ケーキ屋・パン屋・魚屋などのお店が立ち並ぶ商店街と住宅街があり、ちょっとした買い物であれば徒歩や自転車で行けて便利です。徳庵駅から車で約10分以内の場所に、フレスポ東大阪やカインズ東大阪店などの大型商業施設があります。
フレスポ東大阪には、スーパーのイズミヤや100円ショップのセリアがあります。スタジオアリスやベビーザらスなど、子どもと一緒に行きやすい店舗もあり、子育て世帯が生活しやすい場所です。
連休や夏休みシーズンには、施設内で子ども向けイベントなども開催されていて、非常に賑わっています。
東大阪市の子育て世帯におすすめのエリア(2)東花園駅周辺
東花園駅周辺は、自然に恵まれていて住宅街の多いエリアです。東花園駅の近くからは生駒山を見て自然を感じ、北側は東大阪市花園中央公園で楽しむことができます。
住宅街の中にも、新家第一公園や新家第二公園、新池島町児童公園など複数の公園があり、子どもを連れて気軽に遊びに行けます。
東花園駅から徒歩約15分の場所に、東大阪市立花園図書館があります。花園図書館では、紙芝居や絵本の読み聞かせなどのイベントも行われていて、小さなお子さんから大人まで楽しめる場所です。
東大阪市はのびのびと子育てをしたい人にぴったりな街
東大阪市は、自然に恵まれた利便性の高い地域です。市内には子育て支援センターや子連れで遊びに行ける大型施設や緑のある公園などが多く、自然に触れながらのびのびと子育てをしたい人にぴったりの街といえるでしょう。
また、子育て支援も充実していて、産後ケアや子育て相談など困ったときにサポートを受けられるところも魅力です。近畿地方に引越しをお考えの方は、ぜひ東大阪市も候補に入れて検討してみてくださいね。