神戸市は兵庫県の県庁所在地であり、古くから国際的な港町として知られています。
私は生まれてから学生の間まで神戸に住んでおり、社会人になってからは大阪で一人暮らしをしていました。しかし、結婚してこれからの子育てを考えたときに、あの豊かな環境で子どもをのびのびと育てていきたいと思い、改めて神戸市に引越しをしました。
この記事では、現在神戸市で子育てしている私が思う、「神戸市での子育ての魅力」についてお伝えします。
神戸市で子育て中
まずは、神戸市の概要を紹介します。
神戸市の概要
神戸市は、中央区・東灘区・灘区・兵庫区・長田区・須磨区・垂水区・西区・北区という、9つの行政区に分かれています。海と山に挟まれた地形が特徴的で、港町らしい異国情緒と自然の豊かな環境が共存しています。
神戸は、港町としての国際性や歴史的な観光スポットが豊富で、神戸ビーフをはじめとする美食の街としても有名です。市内には多くの公園や自然スポットがあるため、休日に家族でリフレッシュできる場所が多いです。交通網も充実しており、都心部や近隣都市へのアクセスは良好です。
わが家が子育て環境に神戸市を選んだ理由
私が神戸市を子育ての地に選んだ理由は、バランスの取れた環境がそろっていたからです。都心部へアクセスしやすく、子どもがのびのびと成長できる自然環境が整っている点が決め手となりました。
特に、西区・北区は比較的のどかです。車または電車で30分~40分ほどで大阪に行けるため、通勤や家族での外出にも便利で、子育てと仕事の両立がしやすい環境です。
実際どう?神戸市の子育て
私は現在、夫と2歳の娘と3人で暮らしています。ここからは、神戸市の子育て事情についてお伝えします。
数字で見る神戸市の子育て事情
神戸市の人口は約150万人で、その内の子ども(0~14歳)の人数は約17万人ですが、約800の保育施設や幼稚園があるため、働きながらでも子育てがしやすいです。
神戸市の保育施設数は以下のとおりです。(2024年10月1日時点)
公立幼稚園(神戸市立) 32園
幼稚園(新制度) 21園
幼稚園(私学助成制度) 19園
幼保連携型認定こども園(学校(幼稚園機能)+児童福祉施設(保育所機能)) 355園
幼稚園型認定こども園(学校(幼稚園+保育所機能)) 48園
公立保育所(神戸市立の保育所) 56園
保育所(市立の保育所(保育園)) 82園
家庭的保育事業 20園
小規模保育事業 135園
事業所内保育事業 20園
神戸市の待機児童数は、2024年4月1日時点で、3年連続でゼロという結果があり、安心して子どもを預けられる環境が整備されています。
神戸市の子育て支援情報
神戸市では「未来を育むまち神戸」を掲げ、さまざまな子育て支援策を強化しています。ここでは、神戸市が提供する独自の子育て支援情報を5つ紹介します。
詳細や最新情報は、神戸市の公式ホームページで確認してください。
神戸市の子育て支援情報(1)産後ケアサポート
神戸市では、産後の母親に対して、心身のケアを目的とした「産後ケアサポート」を提供しています。産後ケア事業では、産婦の体調や育児に関する相談、助産師によるケアを受けられます。
自己負担額は利用形態によって異なりますが、利用対象期間は産後1年未満で、宿泊型やデイケア型のケアを選択することが可能です。産後の体力回復や育児不安を抱える母親にとって、大変心強いサポートといえるでしょう。
神戸市の子育て支援情報(2)のびのびパスポート
「のびのびパスポート」は、教育施設等へ無料で入場できるパスポートです。市内および対象の市町に在住または通学する小中学生を対象に配布しています。約30の教育施設等に無料で入場できるので、子どもたちは多様な学びの機会を得られます。これにより、歴史や科学、自然環境などについての理解が深まり、知的好奇心を育めるでしょう。
また、さまざまな分野に触れる機会があるので、創造力や探求心が刺激される経験をさせてあげられることが嬉しいです。家族や友達と一緒にお出かけすれば、コミュニケーションの場も広がり、子どもの社会性や協調性を養うことにもつながると感じています。
神戸市の子育て支援情報(3)子育てサロン
神戸市内には親子で交流できる「子育てサロン」が多いです。地域の子育て支援拠点として、育児の相談や同じ年齢の子どもを持つ保護者同士の交流もあります。
子育てサロンは無料で、0歳児から利用することが可能です。施設内を自由に遊ばせられるほか、食育の講師の方などを招いたお悩み相談会なども開かれています。初めて育児をする保護者にとって、情報交換や相談をする場としての大きな助けとなり、ほっと一息つけるような憩いの場でもあります。
神戸市の子育て支援情報(4)こべっこあそびひろば
「こべっこあそびひろば」は、西神中央・六甲アイランド・岡場の市内3ヶ所にあります。屋内施設のため、天候に関係なく思いきり体を動かして遊ばせてあげられます。
私は、自宅からから近い岡場のこべっこあそびひろばを利用することが多いです。0歳~1歳児向けのひろばは、乳児が安心して遊べるおもちゃが何種類も用意されていて、手作りのおもちゃも置いてあります。おもちゃの種類がたくさんあるので、子どもが飽きることなく遊び続けられる場所です。
歩けるようになってからは、範囲を広げて室内遊具で自由に遊ぶこともできます。木で作られた遊具が多く、木の質感や独特な形を楽しみながら遊ばせられるところが私は気に入っています。
神戸市の子育て支援情報(5)こべっこウェルカム定期便
「こべっこウェルカム定期便」は、子どもが生まれた世帯を応援するための取り組みです。新生児の誕生を祝うプレゼントが提供されるだけでなく、毎月1回、おむつやミルクなどの必要物資を自宅に届ける支援もあります。
さらに、配達時には育児についての声かけやアドバイスや子育てに役立つ情報の提供も行われ、子育てに不安を抱える保護者のサポートをしてくれます。
神戸市での子育て体験談
ここからは、実際に神戸市で子育て中の私が感じた「神戸市の子育てのしやすさ」について、体験談を交えて紹介します。
神戸市で子育てをする魅力
神戸市で子育てをして感じた魅力についてまとめてみました。
神戸市で子育てをする魅力(1)自然と都会どちらも楽しめる環境がある
神戸市での暮らしで最も魅力的だと感じるのは、自然と都会のバランスが取れた環境です。六甲山の緑の豊かな自然に囲まれつつも、中心部には百貨店や商業施設がそろい、日常の買い物に便利です。休日には、山でハイキングを楽しんだり、海沿いでのんびり過ごしたりするなど、子どもと一緒にさまざまなアクティビティを楽しめます。
私のおすすめは神戸市立六甲山牧場です。動物たちとの触れ合いやチーズ作り体験など、子どもが楽しめるプログラムが充実しています。都会での生活を送りながら気軽に自然の中で遊べるのは、神戸市ならではの魅力です。
神戸市で子育てをする魅力(2)四季を感じられる田園風景
神戸市に港町というイメージを持っている方も多いでしょう。しかし、実際には田園が広がるのどかな環境もあります。
わが家のある神戸市の北区エリアは、緑が多く、四季折々の美しさを楽しめるところが魅力です。春には桜が立ちならび、徐々に緑の景色が増えていき、梅雨を迎える前から田植えが始まり、秋には稲刈りを行う風景が見られます。緑だった景色がススキに変わり、木々が葉を落としていきます。日常に四季を感じられる環境があることで、子どもも自然に興味を持つようになりました。毎年四季を感じながら、自然豊かな暮らしができていることを、大変嬉しく思っています。
子どもを連れて散歩をしていると、畑で作業している近所の方々が声をかけてくれて話すことが多いので、地域全体で子どもを見守ってくれているように感じています。
神戸市の子育て環境
神戸市には、自然と都市が融合した暮らしやすい環境があります。実際に暮らしていても、家族で充実した時間を過ごしながら、安心して子育てができる環境が整っているように感じ、満足しています。
神戸市の子育て環境(1)神戸須磨シーワールド
神戸須磨シーワールドは、2024年6月にリニューアルオープンされ、神戸市内で現在特に子育て世帯におすすめのスポットです。1番の見どころは、シャチの大ジャンプです。
神戸須磨シーワールドは西日本では唯一、シャチのパフォーマンスを見られる場所で、シャチの水槽を眺めながらビュッフェを楽しめるレストランもあります。
神戸須磨シーワールドホテルは全室オーシャンビューで、6室のみ水槽付きの部屋があります。お風呂に入りながら水槽を眺められるので、子どもが喜ぶこと間違いなしです。
施設名:神戸須磨シーワールド
所在地:兵庫県神戸市須磨区若宮町1丁目3-5
アクセス:JR「須磨海浜公園駅」から徒歩約5分
営業時間・休館日:季節により変動があるためホームページをご確認ください。
神戸市の子育て環境(2)六甲山牧場
先ほども少し紹介しましたが、六甲山牧場は子どもとのお出かけにおすすめです。たくさんの動物たちがのびのびと暮らしている姿が見られ、子どもと一緒にかわいい動物たちと触れ合えます。高台に上ると六甲山系の絶景を楽しめるので、子どもも大興奮でした。
ランチタイムには牧場自家製のチーズやワインなど、神戸のおいしいものを堪能できるおすすめスポットです。また、馬やポニーの乗馬体験もできます。4歳までの子どもは保護者と一緒に乗馬できるので、小さい子ども連れでも安心して楽しめます。
アイスクリームやバター、チーズなどの手作り教室への参加も可能です。親子で行う食育としてもおすすめです。また、羊の毛を使って体験できるウールクラフト教室もあります。完成品はお土産としても喜ばれます。
施設名:神戸市立六甲山牧場
所在地:兵庫県神戸市灘区六甲山町中一里山1-1
アクセス:「阪神御影駅」・「JR六甲道駅」・「阪急六甲駅」から六甲ケーブル下行きバスに乗り、「六甲ケーブル下」バス停で下車したら六甲ケーブルに乗り、「山上駅」で下車、その後スカイシャトルバスに乗車して六甲山牧場へ
営業時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
定休日:火曜日
神戸市の住まい事情
神戸市での住まいを考える際に、家賃や住環境について気になる方も多いのではないでしょうか。エリアによって家賃相場が異なるため、自分のライフスタイルに合った地域を選ぶことが重要です。私は神戸市に引越す前に大阪府内で生活していましたが、同じ関西圏でも家賃に違いがあると感じます。たとえば、神戸市の中心部に近い三宮エリアは2LDKで14万円ほど。交通の利便性が高く、商業施設やレジャー施設が充実しているため、ショッピングや通勤の利便性を考えると、コストに見合うと感じる人も多いでしょう。
神戸市に隣接する市の家賃相場を比べてみると、芦屋市は、ファミリー向けの間取り2LDKで15.65万円。西宮市は2LDKで12.05万円でした。一方で、大阪市内の中心地である北区では同じ2LDKで25万円を超えていました。三宮と比較すると、10万円程の差があります。
神戸市は他の主要都市と比べて、交通アクセスが良好でありながら、家賃が抑えられるエリアも多いのが魅力的です。特に、共働き世帯や子育て世帯にとって、保育施設や教育機関へアクセスしやすい地域が多く、安心して暮らせる街といえるでしょう。
神戸市の子育て世帯におすすめエリア
ここでは、子育て世帯がよく利用する、神戸市内のおすすめエリアについてご紹介します。
神戸市の子育て世帯におすすめのエリア(1)イオンモール神戸北周辺
イオンモール神戸北は、神戸市北区に位置する大型ショッピングモールです。モール内には広々とした授乳室やおむつ替えスペースが完備され、赤ちゃん連れでも安心して過ごせる環境です。授乳室には、ミルクを作るための温水設備や、おむつの販売機も設置されているので、非常に助かりました。
また、3階には大型室内遊具やゲームセンターなどのキッズスペース「モーリーファンタジー」があり、子どもが楽しめる場所になっています。週末になると子どもたちが集まり、にぎやかに遊んでいる光景が見られます。
イオンモール神戸北周辺には、アウトレットモールや大自然が広がる有馬温泉も近く、子育て世帯には嬉しいエリアです。
施設名:イオンモール神戸北
所在地:兵庫県神戸市北区上津台8丁目1-1
アクセス:神戸電鉄「三田駅」からバスで約15分
営業時間:10:00~21:00(店舗により異なる場合があります)
神戸市の子育て世帯におすすめのエリア(2)神戸駅周辺
神戸の中心部である神戸駅周辺は、公共交通機関が充実していて、子育て世帯にとって便利なエリアです。市役所や病院、大型ショッピング施設が集中し、生活に必要な施設が徒歩圏内にそろっています。
わが家のお気に入りは、神戸市中央区にある「神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール」です。アンパンマンの世界を体験できるテーマパークで、神戸ハーバーランドに位置している、家族連れで楽しめるスポットです。
ミュージアムの中には、アンパンマンや仲間たちの世界を実際に体験できる展示やアトラクションがたくさん用意されています。特に、キャラクターたちが登場する「アンパンマンショー」が始まると、わが家の子どもは大興奮です。また、館内にはジオラマなどの展示もあり、子どもにとっては夢のような世界ではないでしょうか。
施設名:神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール
所在地:兵庫県神戸市中央区東川崎町1-6-2
アクセス:JR「神戸駅」から徒歩8分
営業時間:10:00~17:00
神戸駅周辺は、交通アクセスの利便性が高く、駅周辺にある公共施設やショッピングモールは家族連れにとって特に重宝する場所です。
神戸市の子育て世帯におすすめのエリア(3)垂水区周辺
垂水区は、神戸市の西部に位置するエリアで、海と山に囲まれた自然の豊かな環境が魅力です。垂水駅周辺には大型商業施設「三井アウトレットパーク マリンピア神戸」があります。2024年11月26日にリニューアルオープン、BBQやキッズ広場など家族連れで楽しめる施設が集まっています。
施設名:三井アウトレットパーク マリンピア神戸
所在地:兵庫県神戸市垂水区海岸通12-2
アクセス:JR「垂水駅」から徒歩約9分
営業時間:10:00~21:00
また、垂水区の「兵庫県立舞子公園」には瀬戸内海を眺めながらのんびりと過ごせる環境が整っています。公園内には広い芝生エリアや遊具が設置されていて、休日に家族で訪れるのにぴったりの場所です。
施設名:兵庫県立舞子公園
所在地:神戸市垂水区東舞子町2051番地
アクセス:JR山陽本線(神戸線)「舞子」駅、山陽電鉄「舞子公園」駅下車、南へ徒歩約5分
自然と都市の魅力を感じられる神戸市で子育てしよう
神戸市で子育てをしていると、自然と都市の両方の魅力を存分に味わえます。都市部の利便性がありながら、周囲には美しい山々や海が広がり、子どもたちが自然と触れ合う機会も豊富です。休日には六甲山でのハイキングや、海岸での遊びが楽しめます。
また、神戸市は子育て支援の取り組みが充実しており、教育環境も整っています。公立・私立の保育園や幼稚園が数多くあり、地域の子育て支援センターの運営も活発です。こうした環境が整っていることで、安心して子育てをしながら、地域コミュニティとのつながりも深められるでしょう。
神戸市は、都市の利便性と自然の美しさが共存する、子育てに理想的な場所だと思います。新たに家族を持つ方や、引越しを考えている方は、ぜひ引越し先の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。