大阪府吹田市には、太陽の塔で有名な「万博記念公園」や「エキスポシティ」、「国立循環器病研究センター」や「大阪大学医学部附属病院」などの高度な医療施設が集まっています。豊かな自然環境に恵まれながら、都心へのアクセスも非常に便利です。手厚い子育て支援が充実した教育環境があり、子育て世帯にぴったりの街です。
私は吹田市で生まれ育ち、現在もこの街に住んで子育てをしています。産前は地域の出版社で取材やイベント運営に携わり、吹田市の魅力を発信してきました。現在はそれらの経験を活かしてライター業の傍ら、子育てママサークルやママ向けイベントを運営しています。今回は、吹田市を知り尽くした私が、街の魅力が分かる情報をお届けします。
自然と都市の快適性が共存する吹田市
吹田市の概要と、わが家が子育てする街に選んだ理由を紹介します。
吹田市の概要
吹田市は大阪府の北部、北摂地域に位置する人口約38万人の中核市です。(2024年9月時点)
豊かな自然と都市機能が調和した街で、万博記念公園や太陽の塔がよく知られています。また、アサヒビール生誕の地でもあります。交通の便もよく、名神高速道路・中国自動車道・近畿自動車道の結節点がある他、交通機関で大阪市内へのアクセスにも優れています。
大阪大学や関西大学など5つの大学があり、学生と地域住民との交流も盛んな活気あふれる街です。子育て支援も充実しており、子育て世帯には特に暮らしやすい環境だと感じます。
わが家が子育て環境に吹田市を選んだ理由
私は吹田市で生まれ育ち、現在も吹田市に住み続けています。アクセスのよさや自然の豊かな住環境に加え、子育て支援や教育環境が整っていることが、私がこの街で子育てをする理由です。
これから吹田市に移住を検討している方に、おすすめポイントを紹介します。
おすすめポイント:都心までのアクセスのよさ
吹田市の最大の魅力は、交通アクセスのよさです。JRや阪急電車、大阪メトロを利用すれば、梅田や心斎橋など大阪の中心部まで電車で20〜30分程度で到着するので、通勤・通学に利用しやすいでしょう。
名神高速道路や中国自動車道吹田インターチェンジがあり、大阪市内や京都、神戸や関西全域へのアクセスも便利です。そのため、遠方への旅行や出張や休日のお出かけがしやすいです。
実際どう?吹田市の子育て
ここからは、吹田市の子育て事情について伝えます。
数字で見る吹田市の子育て事情
吹田市の0~14歳の人口は、51,408人です。(2024年8月末時点)
近年の吹田市の人口は、住宅用地の再整備を背景に増加し続け、千里ニュータウンの建て替えや新たな住宅建設により、当面の間は人口が増加すると見込まれています。
吹田市の保育施設数は以下のとおりです。(2024年10月9日時点)
・公立保育園12園
・私立保育園36園
・公立幼稚園5園
・私立幼稚園16園
・公立認定こども園11園
・私立認定こども園15園
2024年4月1日時点の吹田市の保育所等利用待機児童数は、4人です。認可保育園も多く、安心して子どもを預けられる環境が整っています。
吹田市の子育て支援情報
吹田市では「吹田市版ネウボラ」を構築し、子育てをする世帯にとって安心できる街づくりを進めています。ネウボラとは、フィンランド語で「相談・アドバイスの場所」を意味する言葉で、どれほど些細なことでも気軽に相談できる市の相談窓口を指します。
保育施設や幼稚園の充実に加え、育児相談や予防接種のサポートなど、市独自の支援プログラムが豊富に用意されているため、新米ママもパパも心強いです。妊娠中から子育て期まで、切れ目のない支援を受けることができるのが特徴です。保健センターやのびのび子育てプラザなどの子育て支援機関が連携し、安心して子育てに取り組む環境が整っています。
ここでは吹田市の子育て支援情報のうち、独自性の高いもの5つを紹介します。最新情報は、吹田市の公式ホームページで確認してください。
吹田市の子育て支援情報(1)「産後ケア事業」
吹田市では、2024年度から産後ケア事業として産後1年未満のお母さんと赤ちゃんを対象とし、心身の安定や育児に対する不安を解消するためのサポートを提供しています。
実家の手助けが受けられなかったり、産後の体調不良があったりすると、不安になることも多いでしょう。利用には審査がありますが、デイサービス型か宿泊型の支援を最大7日間まで利用可能です。
対象者
吹田市民で以下のすべてに該当する産後1年未満のお母さんと赤ちゃん。
1. 家族等から十分な援助が受けられない
2. お母さんの体調不良や育児不安等がある
3. お母さん、赤ちゃんともに病院等への入院を要しない(医療管理が必要な方は利用できません)
自己負担額
1. 宿泊型
4,000円、その後1日ごとに2,000円増
2. デイサービス型
1,500円
吹田市の子育て支援情報(2)「産後家事支援事業」
産後は家事をするのもひと苦労でしょう。吹田市では、家事を支援するために「産後家事支援事業」を実施しています。
この事業では、家事の負担を軽減するために専門スタッフが自宅を訪問し、掃除や洗濯、食事の準備などをサポートしてくれます。対象は生後6ヶ月未満の赤ちゃんがいるご家庭で、目的は育児や体調の回復に専念できる環境づくりです。利用には一定の条件があります。
吹田市に住民票があり、生後6ヶ月未満の赤ちゃんがいるご家庭で、次の項目のすべてに該当する方。
1. お母さんの体調不良や育児不安等がある
2. 家族等から十分な家事及び育児等の援助が受けられない
3. お母さん、赤ちゃんともに病院等への入院を要しない
自己負担額:500円/時間
吹田市の子育て支援情報(3)「公立保育所等の一時預かり事業」
急な看護、介護などで育児ができなくなった場合、預け先に困るでしょう。また、育児負担の軽減やリフレッシュをしたい際にも、一時預かりを利用することが可能です。
私は、わが子がイヤイヤ期で子育てに息詰まったときに一時預かりを利用して、ずいぶんと心が軽くなったのを覚えています。利用には一定の条件があります。
1.保護者の断続的な就労や職業訓練、就学などの理由による一時預かり
2.保護者が災害や葬儀、看護・介護などで緊急に育児ができない場合。
3.育児負担の軽減やリフレッシュを目的として一時的に保育が必要なとき。
利用条件
1. 吹田市に居住していること
2. 生後6月から小学校就学の始期に達するまでの児童であること
3. 集団保育が可能なこと
※保育園、認定こども園に通われている場合を除く
吹田市の子育て支援情報(4)「出産・子育て応援ギフト」
妊娠届や出生届を提出した妊婦の方に対し、合計約5万円相当のAmazon育児支援券及び、妊産婦・子育てはぐくみクーポン(はぐくみクーポン)が支給されます。
Amazon育児支援券とは、Amazonの「ベビー」「マタニティ」のカテゴリーで利用可能な電子ギフト券です。自宅で気軽にオムツや粉ミルクを注文できて、非常にありがたかったです。はぐくみクーポンとは、助産師ケアサービスや家事代行サービスや、タクシー料金にも利用できる電子クーポンです。
これらは、出産や育児について一緒に計画を立てる「伴走型相談支援」の一環であるため、受給には保健師や相談機関との面談が必要になります。子育て応援と経済的な支援が一体化した取組みです。
出産応援ギフト(妊娠時)
Amazon育児支援券3万円相当+
はぐくみクーポン2万円相当
子育て応援ギフト(出産時)
Amazon育児支援券5万円相当
吹田市の子育て支援情報(5)「すいたファミリー・サポート・センター」
すいたファミリー・サポート・センターは、子育ての応援をしてほしい人とサポートできる人をつなぐ、相互援助を行うための組織です。会員登録をした生後3ヶ月から小学校6年生までの子どもをもつ保護者(依頼会員)が、子育ての応援をしたい市民(援助会員)に、さまざまな支援をしてもらうことが可能です。
<主な支援内容>
・保育園や幼稚園の開始時間まで、または保育終了後に子どもを預かる。
・保育園や幼稚園の送り迎え。
・学校の放課後に子どもを預かる。
子育てを地域全体で支えることを目的としているため、事前に面談や研修をしながら安心して利用できる体制を整えています。
吹田市での子育て体験談
ここからは、実際に吹田市で子育て中の私が感じた「吹田市の子育てのしやすさ」について体験談を交えて紹介します。
吹田市で子育てをする魅力
吹田市で子育てする魅力(1)子育てコミュニティに入りやすい
吹田市内にある12ヶ所の児童会館の多くでは、幼児教室が開催されています。月齢ごとに開催日が細かく分かれているので、同年代のママ友ができやすく、引越してきたばかりの方でも友達が作りやすい環境です。
その他にも、各保育施設や認定こども園でも育児教室が随時開催されていて、自然と地域に溶け込む機会がたくさんあります。特に子育て中の家庭にとって、地域のつながりは大きな支えとなるでしょう。
吹田市で子育てする魅力(2)公園や児童会館、習いごと施設が豊富
吹田市内の0~18歳までの子どもは、約6万5,000人(2024年9月末現在)、公園は大小含めて約500ヶ所もあります。
市内に12ヶ所ある児童会館・児童センターでは、幼児教室や仲間遊びなどの楽しい催しが日々開催されています。小学1年生以上は保護者の付き添いなしで遊べて、児童厚生員さんが仲間づくりや遊びの指導をしてくれるので、安心できます。
小学2年生のわが子は、放課後によく児童会館へ足を運んでいます。児童厚生員さん(子どもたちは先生と呼んでいます)に、竹馬やけん玉などの昔ながらの遊びを教えてもらったり、一輪車の乗り方を教えてもらったりと、体を使った遊びを楽しんでいます。夕方になるとチャイムが鳴り、帰宅時間を促してくれるところも、保護者にとっては大変ありがたいです。
シニア層が多いため、子どもたちの見守りのボランティアをしてくださったり、保護者による登下校の見守り当番があったりと、街全体で子どもを守る体制ができています。このような地域のつながりが、治安のよさを生み出しているのでしょう。
習いごとの施設も非常に充実していて、スポーツ教室・音楽教室・学習塾など、さまざまなジャンルの施設があります。吹田市を本拠とするサッカークラブ「ガンバ大阪」のジュニアスクールや、プロ野球選手を輩出した少年野球チーム「山田西リトルウルフ」が有名です。
スイミング教室やプログラミング教室などもあるため、気に入った習いごとを見つけられるでしょう。
吹田市の子育て環境
吹田市の子育て環境(1)自然豊かな住環境
自然の豊かな住環境も、吹田市の魅力です。万博記念公園では、広大な芝生で遊べて季節ごとの花や風景を楽しめます。
園内には小川が流れるエリアや大型遊具やバーベキュー場もあり、休日は家族連れで大変賑わっています。昆虫の観察会やザリガニ釣りなどの催しも盛んです。
吹田市の子育て環境(2)整った教育環境
吹田市は教育環境が整っています。市内には大阪大学や関西大学など5つの大学があり、学習塾などの学習施設も充実しています。「学力・学習状況調査結果」(令和5年度)においては、小学校(算数・国語)、中学校(数学・国語・英語)で全国平均を上回る結果となり、教育に熱心な様子がうかがえます。
各学校のホームページを見てみると、校内行事に関する情報などが積極的に発信されています。地域との連携が取れていることが分かって、安心して子育てができます。
吹田市の子育て環境(3)家族向けのイベントが充実
吹田市では、家族向けのイベントが盛んに開催されています。
万博記念公園で開催される「ロハスフェスタ」をはじめ、季節ごとのお祭りや親子向けのワークショップなど、毎週のようにどこかでイベントが開催されています。そのため、子どもとのお出かけ先に困ることはありません。児童会館や図書館も充実しており、親子で利用できる施設もたくさんあります。
吹田市の子育て環境(4)優れた生活利便性
吹田市内には、スーパーマーケットや医療機関が多く、生活利便性の面でも優れています。特に万博記念公園に隣接するエキスポシティは、ショッピング・レジャー・飲食店が一体化した大規模な商業施設で、家族で一日中楽しめる場所です。小さなお子さん向けの遊園地や室内遊技場、映画館もあるので休日のお出かけ先としてもぴったりです。
小児科も68件あって、人口10万人あたり施設数は全国平均より多くなっています。インフルエンザなどの流行期に予防接種の予約が取れなくて困ったこともありません。
施設名:EXPOCITY
所在地:大阪府吹田市千里万博公園2-1
アクセス:万博記念公園駅から徒歩2分
営業時間:※各施設により異なるため、詳しくはHPをご覧ください。
吹田市の住まい事情
実際に吹田市に住むために気になるのが家賃事情でしょう。吹田市に隣接する茨木市・豊中市・箕面市も人気のあるエリアです。実際に家賃を比較してみました。
2LDK・3K・3DKの平均家賃相場を見てみると、吹田市は13.13万円です。近隣の茨木市は11.93万円、豊中市は12.79万円、箕面市は12.07万円でした。近隣の都市の中では一番家賃相場が高い結果でしたが、これは吹田市が暮らしやすく人気であるということではないかと思います。
吹田市の子育て世帯におすすめエリア
続いては、実際に吹田市内で子育て世帯におすすめしたいエリアです。
吹田市の子育て世帯におすすめエリア(1)万博記念公園周辺
万博記念公園の周辺は、閑静な住宅街で治安もよく自然も豊かなエリアです。交通の便もよく、大阪モノレール万博記念公園駅からは大阪空港駅へ直結しており、非常に便利です。
このエリアにある日本最大級の大型複合施設ららぽーとEXPOCITY(エキスポシティ)は、ショッピングからエンターテインメントまでがそろう場所なので、土地勘のない方でもこの施設で完結できそうです。
施設名:ららぽーとEXPOCITY(エキスポシティ)
所在地:大阪府吹田市千里万博公園2-1
アクセス:大阪モノレール「万博記念公園駅」すぐ
営業時間:(平日)10:00~20:00、(土日祝)10:00~21:00
※レストラン街など一部、営業時間の異なる店舗がありますので、詳しくはららぽーとEXPOCITY(エキスポシティ)HPをご覧ください。
阪急電鉄山田駅の近くには「夢つながり未来館(ゆいぴあ)」があります。この施設は、「であう場・はじまる場・ひろがる場」を基本コンセプトに、地域の青少年や子育て世代を支援する施設です。
青少年や青少年団体の活動をサポートする「青少年活動サポートプラザ」、子育て親子が安心して交流や学びができる「のびのび子育てプラザ」、多くの本を所蔵する「山田駅前図書館」の3つの機能がそろっています。
施設名:夢つながり未来館(ゆいぴあ)
所在地:大阪府吹田市山田西4丁目2番43号
アクセス:阪急電鉄「山田駅」または、大阪モノレール「山田駅」すぐ
開館時間:(平日)10:00~22:00 (日祝)10:00~18:00
一部、開館時間の異なる施設もありますので、詳しくは夢つながり未来館(ゆいぴあ)のHPをご覧ください。
吹田市の子育て世帯におすすめエリア(2)江坂地区
吹田市江坂地区は都心までのアクセスが良好で、大企業が点在するビジネス街でありながら、公園の豊かな自然も楽しめるエリアです。交通面は、大阪メトロ御堂筋線「江坂駅」が中心にあり、梅田や難波まで乗り換えなしでアクセスが可能です。北大阪急行線が延伸しているので、箕面市へのお出かけにも便利です。
江坂駅周辺には、子どもがのびのびと遊べる江坂公園があります。大型遊具やおしゃれなカフェが併設されているため、休日には多くの家族連れで賑わっています。教育環境も整っており、習いごとの施設や学習塾が多く、子育て世代にとっても嬉しい環境といえるでしょう。
「ハンズ江坂店」や「カルディコーヒーファーム」がテナントに入ったショッピングモール「カリーノ江坂」など、日常の買い物に便利な施設が充実しています。
施設名:カリーノ江坂
所在地:大阪府吹田市豊津町9-40
アクセス:大阪メトロ御堂筋線「江坂駅」4・8・9号出口より徒歩1分
開館時間:10:00〜20:00
一部、営業時間の異なる施設もありますので、詳しくはカリーノ江坂のHPをご覧ください。
子どもの成長を支え、教育と自然が充実した街・吹田市
吹田市は「子どもの成長を支え、教育と自然が充実した街」として、多くの子育て世帯に人気を誇っています。交通アクセスが非常によく、実家が遠くて助けが受けられない場合でも、安心して子育てができる環境が整っています。
私は30年間、吹田市で生活していますが、子どもがのびのびと成長できる環境だと改めて実感しました。今後もこの街はますます子育てに適した環境へと進化し、より魅力ある街になることでしょう。大阪府北摂地域へお引越しをお考えの方は、吹田市を候補に検討してみてはいかがでしょうか。