「三鷹の森ジブリ美術館」がある東京都三鷹市。わが家がこの街に暮らし始めてから8年が経ちました。夫の出身地が三鷹市のため、私は結婚と同時にこの街に引越して来ました。成り行きで暮らし始めましたが、都心へのアクセスがよく、緑も豊かなこの街を気に入っています。
4年前に長女が生まれてからは、子育てのしやすさやサポートの手厚さにも気づきました。子どもが生まれるまでは、公園の多さなど気にも留めていませんでした。しかし、外遊びが大好きな子どもを育てている現在は、公園のたくさんある街であることを嬉しく思っています。
この記事では、利便性と自然の両方を堪能できる三鷹市での子育てのよさをお伝えします。
三鷹市で子育て中
三鷹市の基本情報
三鷹市は、東京都のほぼ中央という好立地に位置する市です。16.42平方キロメートルの面積に、2024年10月の時点で約19万人が暮らしています。
三鷹駅にはJR中央・総武線が乗り入れていて、都心へも多摩地方へも行きやすく、暮らしやすいです。その利便性の高さから駅前は常に人気があり、新しいマンションも建てられています。
実は、三鷹市の大部分は駅から離れた場所にあり、日常は車や自転車、バスで移動するエリアが多いです。緑の豊かな「都立井の頭恩賜公園」は、週末になると多くの人で賑わっています。「都立野川公園」や「都立武蔵野の森公園」も、広大な敷地を有しています。
このように、近場で豊富な自然と触れ合えるところが、子育て世代には嬉しいポイントです。
農地も多く、住宅地の中にも多くの畑があります。特にキウイの栽培が盛んで、毎年数量限定で発売されるキウイワインは人気で、すぐに売り切れます。毎年秋には市役所で三鷹市農業祭が開催されており、野菜で形作った大きな宝船は圧巻です。
また、三鷹と聞くと「三鷹の森ジブリ美術館」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。三鷹市には他にも「国立天文台」や「山本有三記念館」、「星と森の絵本の家」など、学びの機会となる施設がいくつもあります。どこも子ども向けのイベントなどを開催しているので、子どもと一緒に楽しめます。
わが家が子育て環境に三鷹市を選んだ理由
わが家は、夫が三鷹市出身で、結婚後も住み続けています。実際に暮らしていると、夫の親族や友達など、この街で暮らし続けている人の多さに気づきます。三鷹市にはそれだけの魅力があるのでしょう。
三鷹駅は、都心方面へ走る総武線の始発駅です。中央線の通勤ラッシュは激しいですが、総武線なら少し待てば座ることもできるので、働くパパママの強い味方です。
また、23区に比べると道やお店が広く、余裕があるように感じます。子どもが生まれてからベビーカーを使うようになると、三鷹市の道の広さに助けられました。
子育てして初めて気づいたのが、公園の多さです。少し歩くだけで大小いくつもの公園を見つけられますし、市内には複雑な遊具や水遊びを楽しめる大きな公園がいくつもありました。「子どもにはたくさん外で遊んで元気に育って欲しい」と考えるわが家にとって、三鷹市には十分な環境が整っていました。
保育園が充実していて、大きな病院が近いので、安心して子育てができています。わが家ははじめから三鷹市で暮らすことが決まっていたので、子育て環境が申し分なく整っていたのは幸運だったと思います。特に保育園と病院は必要な施設なので、慌てて探さなくても近くにあって助かりました。
実際どう?三鷹市の子育て
数字で見る三鷹市の子育て事情
三鷹市の0~14歳の人口は、約23,000人(2024年6月時点)です。2014年のデータでは約22,500人だったので、厳しい少子化の時代にあっても子どもが増えていることが分かります。この数字からも、三鷹市が子育て世帯にとって暮らしやすい街であることが感じられると思います。
三鷹市の保育施設の数は、以下のとおりです。(2024年10月時点)
・認可保育所 49園
・認定こども園 1園
・小規模保育施設 1園
・家庭的保育施設 5園
・東京都認証保育所 10園
・企業主導型保育施設 10園
これらの中で16園が一時預かりをしてくれ、家庭支援センターなどでも一時預かり事業を行っています。
待機児童は2024年4月時点でゼロとなっており、市としても継続を目指しています。待機児童となった場合には、東京都の認定するベビーシッター事業者を利用したときに、料金の一部が助成される「ベビーシッター利用支援事業」を活用することが可能です。待機児童となっている1歳2歳を受け入れる「三鷹市定期利用保育室ひなた」もあります。
幼稚園および幼稚園型認定こども園はあわせて15園あり、そのすべてが私立です。そのため、各園で伝統や特色が大きく異なるところが魅力です。
三鷹市の子育て支援情報
子どもの数が増加傾向にある三鷹市では、さまざまな子育てサポートが整っています。特に妊娠~幼児期の支援は手厚く、初めての出産でも安心して過ごせます。
以下ではその代表的なものをお伝えします。最新情報は、三鷹市の公式ホームページでご確認ください。
三鷹市の子育て支援情報(1) 三鷹市子育て支援サイト みたかきっずナビ
「みたかきっずナビ」は、三鷹市の子育ての情報を網羅したポータルサイトです。妊娠時・出産時・保育園入園時など、年齢ステージ別に必要な手続きを調べたり、「相談したい」「病院へ行きたい」など、目的別に検索したりすることが可能です。ここを見れば三鷹市の子育て支援のすべてが分かる、頼もしいサイトです。
他にも、子育ての悩みに関するQ&A、三鷹市内の公園やあそび場、保育園などの施設の検索もできます。
三鷹市の子育て支援情報(2)乳児家庭全戸訪問
「乳児家庭全戸訪問」では、地域の民生・児童委員の方が、生後4ヶ月までの子どものいる家庭を訪問します。その際に、子育て支援の情報やリーフレットと共に貰えるのが、ブックスタートの絵本です。子ども1人につき1冊、かわいい0歳児向けの絵本がプレゼントされます。
三鷹市の子育て支援情報(3)小児科の運営で安心、産後ケア施設
三鷹市の産後ケア「ゆりかごプラス」で使えるメインの施設は、地元の小児科が運営しているため、安心感があります。利用申請をして承認通知書が発行されると、産後1年までの間、育児・授乳の相談や休息などのサポートを受けられます。
また、日帰りや宿泊で利用できる産後ケア施設とは別に、助産師さんたちの訪問をお願いすることも可能です。
三鷹市の子育て支援情報(4)子どものお世話や家事のお手伝いも。「三鷹市子ども家庭支援センター」
三鷹市の支援センターでは、あそび場で遊べる他、育児支援ヘルパーの支援も受けられます。1歳未満の子どもがいる家庭が依頼でき、研修を受けた有償ボランティアが育児や家事の手伝いをしてくれます。
また、支援センター主導でのファミリー・サポートもあります。小学校4年生までなら一時預かりや学校などへの送迎の支援をしてくれます。通常の一時預かりや緊急時のショートステイ、育児講座などもあり、困ったらいつでも相談できます。
三鷹市の子育て支援情報(5)保健師や助産師がしっかりサポート、ゆりかご面接&新生児訪問
妊娠時には「ゆりかご面接」、生まれてすぐには「新生児訪問」があります。市の保健師や助産師としっかり面談をして不安を解消できる他、産前・産後に必要な申請や受けられるサポートをすべて教えてもらえます。
面談時には東京都の「赤ちゃんファースト」のポイントだけでなく、三鷹市独自の取り組みとして、こども商品券を受け取れます。(2024年10月時点)
三鷹市の子育て支援情報(6)充実の親子ひろばと触れ合い遊び
主に乳幼児を対象としている市内の親子ひろばは、2024年11月時点で18ヶ所あります。(うち2ヶ所休止中)
それぞれの親子ひろばで、育児講座や相談、ベビーマッサージやダンスなど触れ合い遊びなどを実施しています。支援センターや保育園、企業など運営が異なるので、さまざまなプログラムを楽しめるでしょう。
三鷹市での子育て体験談
ここからは、実際に三鷹市で子育てしていて気づいた魅力や、おすすめしたい子育て環境を紹介します。わが家が利用している施設もありますので、参考にしてみてくださいね。
三鷹市で子育てをする魅力
三鷹市の住宅地では、あちこちで公園を見かけます。少し遊んでみて飽きたら次に移動するなど、公園巡りが気軽にできます。遠出をしなくても、日々の公園遊びを楽しめるのは、小さな子どもがいる家庭にとって魅力的な環境といえるでしょう。毎日のことなので、無理せず外遊びをさせられて助かりました。
雨の日は図書館や親子ひろばで遊べます。三鷹図書館には、靴を脱いでのびのび絵本を楽しめるコーナーがあり、休日や天気の悪い日は、たくさんの子どもたちで賑わっています。
市役所と隣接しているスポーツセンターで開催されるイベントには、毎回たくさんの子どもたちが集まっています。毎年10月に行われるスポーツフェスティバルは特に人気です。弓道やボルダリングなどの珍しい競技に挑戦できるだけでなく、バルーンの遊具が出現したり乗馬体験があったりと、市内にいながら豊かな体験ができます。
また、子どもが多い三鷹市には小児科も多く、かかりつけの病院を複数持つ人もいます。大きな病院は、「武蔵野赤十字病院」と「杏林大学医学部附属病院」の2つが近いです。
わが家は長女が大怪我をしたときに、夜間救急に駆け込んで事なきを得ました。子どもは急に体調を崩したり怪我をしたりするため、大きな病院が近くにあると安心できます。
三鷹市では、遊ばせる場所や必要な支援が利用しやすく、大きく困ったことがありません。必要なものが十分そろっていることが、三鷹市での子育てのしやすさにつながっているのだと思います。
三鷹市の子育て環境
三鷹市の子育て環境(1)アクセスのよさ
三鷹駅を走る中央線は都内のどこへでも行きやすく、レジャーや通勤・通学に便利です。一番早い中央特快も三鷹駅に停車し、本数も多いです。
三鷹駅前には商店街があり、複数のスーパーやドラッグストアが軒を連ねています。仕事の帰りにパッと買い出しができるので助かります。駅中にはお惣菜屋さんが多いです。
また、すぐ隣におしゃれで人気の街、吉祥寺があります。ショッピングはもちろん、井の頭公園で散歩を楽しめるので、遠出をするのが大変な子育て世代の味方です。
三鷹市の子育て環境(2)自然が豊富
深大寺や大沢などの駅から離れたエリアには、豊かな自然が残っています。田植えや稲刈りの体験ができ、ホタルも見られる「大沢の里」と、敷地が広く小川で水遊びができる「都立野川公園」が特に人気です。東京で暮らしながら、子どもたちに身近な自然と触れ合う日々を楽しませられるのは、この街の魅力です。
「都立井の頭恩賜公園」には動物園や水生園があり、隣接する調布市には「神代植物公園」や鬼太郎茶屋で有名な「深大寺」があります。外遊びを楽しめるスポットも豊富で、お出かけに飽きることはないでしょう。
緑の溢れる三鷹市は、都心へ通勤する人たちのベッドタウンとして人気があり、子育て世帯が暮らしやすい街です。公園だけでなく、保育施設や親子ひろば、子育て支援のサービスも充実しています。行政を頼りながら子育てができる環境が整っているので、実家が遠方にあり、近くに頼れる人がいない家庭でも、安心して子どもを育てられるのではないでしょうか。
三鷹市の住まい事情
実際に、三鷹市に住むことを考えるときに気になるのが家賃相場です。小さな子どもがいることを想定して、2LDK・3K・3DKの家賃相場を見てみると、三鷹市では19.35万円でした。お隣の武蔵野市では同じ広さで21.56万円なので、家賃を少し抑えられます。
駅で見ると、吉祥寺駅が24.65万円、三鷹駅が19.31万円、武蔵境駅が19.79万円でした。武蔵境駅の方が都心からひと駅離れますが、吉祥寺駅と同じ武蔵野市であることと、西武多摩川線が通っていることから、家賃相場は少し高めのようです。
通勤が都心方面なら、総武線の始発駅である三鷹駅の方がおすすめです。中央線に比べると混雑が控えめなので、少し待てば座って通勤できます。
自然を求めて三鷹駅から少し離れたエリアを選べば、家賃はさらに抑えられますし、調布方面へ出て京王線を利用するなど、三鷹駅以外を最寄り駅にすることも可能です。
三鷹市の子育て世帯におすすめエリア
最後に、三鷹市内で子育て世帯におすすめのエリアを2つご紹介します。
三鷹市の子育て世帯におすすめのエリア(1)下連雀エリア
三鷹市の中でも最も中央線沿線に近いのが、下連雀エリアです。三鷹駅はもちろん、吉祥寺駅や武蔵境駅にも出やすく、活気があり住みやすい地域です。ファミリー向けのマンションも多く見かます。通勤に便利なのはもちろん、ショッピングにも徒歩で出やすいので、子育ての合間の息抜きもしやすいです。
駅の近くにも公園が多く、特に中央線の高架下の公園は、雨の日でも楽しめるので人気です。
三鷹市の子育て世帯におすすめのエリア(2)大沢エリア
下連雀とは真逆で、どの駅からも少し距離があるのが大沢エリアです。その分、三鷹市の中でも特に自然に恵まれており、のびのびと暮らせます。「都立野川公園」や「大沢の里」があるのもこの地域です。
一戸建てが多い印象で、車も持ちやすいので、車移動がしたい子育て世帯におすすめです。駅から少し離れているため、家賃も抑えられるでしょう。
利便性と豊かな自然の両方を手に入れられる三鷹市の子育て
東京で暮らしていると都心へのアクセスを重視することが多いですが、子育てが始まると、子どもには花や土、虫と触れ合いながら育ってほしいと思うものではないでしょうか。都心での子育てが少し窮屈に感じたら、ぜひ三鷹で暮らしてみてください。
三鷹市で子育てをしていると、吉祥寺や新宿に出やすいのでおしゃれな暮らしを楽しみながら、子どもたちを緑に囲まれた場所でのびのび遊ばせられます。利便性と豊かな自然のどちらも諦めない子育てが、三鷹市での子育ての魅力です。