豊川市は、愛知県南東部に位置する街です。自然の豊かな田舎ですが、買い物や交通の利便性はきちんと確立されており、生活のしやすい環境が整っています。
わが家は夫の転勤により、1歳の娘と一緒に豊川市に引越してきました。実際に子育てを始めて感じたのは、豊川市は子育てがしやすい地域づくりがされているということです。
この記事では、現在豊川市に住んでいる私が実感した「豊川市での子育ての魅力」についてお伝えします。
豊川市での子育て
まずは、豊川市の概要をご紹介します。
豊川市の概要
豊川市は愛知県南東部、東三河地方に位置する市です。161.14平方キロメートルの面積と約17万7,000人超の人口(2024年10月末時点)を誇り、温暖な気候と豊かな自然に恵まれています。
豊川市と聞くと、日本三大稲荷である豊川稲荷をイメージされる方も多いのではないでしょうか。観光資源が豊かで、豊川稲荷をはじめとした多くの神社仏閣・史跡があり、歴史や文化を体感できます。
「とよかわブランド」と認定される地域資源も豊富です。豊川市はバラの栽培面積・出荷量ともに日本一。ほかにも新幹線車両の製造数や、養殖鮎の生産量が日本一です。
豊川市はJR飯田線、名鉄豊川線の鉄道が通り、国道1号や151号などの幹線道路、東名高速道路の2つのインターチェンジがありアクセスに恵まれた地域です。その便利さから、豊川駅前ではマンションの建設が進むなど、子育てがしやすい場所へと日々変化しています。
わが家が子育てに豊川市を選んだワケ
夫の転勤先が東三河地方に決まったとき、わが家は豊川市のほかにも、豊橋市など近隣の市への引越しも検討していました。しかし、子育てのしやすさを判断軸に、豊川市を選びました。特に決め手となった項目を3つご紹介します。
東名高速道路へのアクセスがいい
私も夫も実家が関西方面にあり、帰省は車で移動します。そのため、高速道路へのアクセスがいい場所を考えていました。豊川市内には東名高速道路のインターチェンジが2ヶ所あり、希望と合ったのが現住所でした。
豊川市の住宅・不動産を探す
新しくイオンモール豊川ができた
2023年4月に愛知県最大級のイオンモール豊川がオープンしました。約190のテナント店舗が入っており、ファミリー層に人気の高い店舗も多いです。
私は土地勘のない豊川市への引越しに不安を感じていましたが、イオンモールがあれば買い物には困らないという安心材料になりました。実際に、子どもの衣服や生活用品はすべてイオンモールでそろえているので助かっています。
治安がいいイメージがあった
引越す前に夫の職場の方から、豊川市は人口が密集している場所がなく、犯罪の発生率が少ないと聞きました。確かに目立った繁華街がないため、局地的に人が集まる場所はありません。
豊川市に住んでから、自治体の広報誌や街の様子を見ていると、地域のコミュニティ活動や防犯パトロールが活発だと感じました。住民同士の連携が取れていて、地域の雰囲気がよく、安心して子育てができる環境です。
実際どう?豊川市の子育て
私は現在、豊川市内の賃貸マンションで、夫と1歳の娘と暮らしています。ここからは実際に住んでみて感じた、豊川市の子育ての実情についてお伝えします。
数字で見る豊川市の子育て事情
豊川市の人口は、ここ10年ほど横ばい傾向が続いています。現在、豊川の年少人口(0~14歳)は約2万4,000人です(2024年3月時点)。2014年の年少人口は約2万7,000人だったことから、この10年間で豊川市は少子化傾向にあります。
豊川市の保育施設数は以下のとおりです。(2024年9月18日時点)
・認可保育所47園(公立23園+私立24園)
・認定こども園2園
・企業主導型保育事業所2園
・認可外保育施9ヶ所
・小規模保育事業所4園
・事業所内保育事業所1園
2024年8月27日時点の豊川市の保育所等利用待機児童数は、どの年齢でも空きのある保育園があり、0人です。認可保育園も多く、安心して子どもを預けられる環境が整っています。
豊川市の幼稚園は2024年9月時点で5園。幼稚園によっては3歳児から受け入れ可能です。
豊川市の子育て支援情報
豊川市では「こどもまんなか社会」の実現を掲げ、子育て支援の強化に取り組んでいます。
ここでは豊川市の子育て支援情報のうち、独自性の高いものを5つご紹介します。最新情報は、豊川市の公式ホームページで確認してください。
豊川市の子育て支援情報(1)産後ケア事業の充実
行政が行っている産後ケアは、産婦が助成を受けられる場合が多いのですが、それでも自己負担額は高くなりやすいです。近年、産後ケアの必要性が重視されているにもかかわらず、費用面でサポートが受けにくいことが全国的な課題です。
そこで豊川市では、多くの産婦が利用できるよう、産後ケア事業の利用対象期間と、利用料金を2024年度から改定しました。
対象期間:産後1年未満
利用料金:
【宿泊型】1泊2日 4,800円
【デイサービス型(日帰り)】1,300円
【アウトリーチ型(自宅訪問)】800円
改定前の対象期間は産後6ヶ月未満、利用料金はそれぞれ上記の約2倍の金額だったので、大幅に改定されたことがわかります。
豊川市の子育て支援情報(2)ファーストバースデーお祝い金
ファーストバースデーお祝い金とは、1歳を迎えた子ども1人につき、3万円の子育て応援金が支給される制度です。わが家も該当し、お祝い金をいただきました。対象者は以下のとおりですが、近年できた制度のため、今後変更になる可能性が高いです。最新情報は、豊川市の公式サイトでご確認ください。
対象者
・2023(令和5)年4月1日から2027(令和9)年3月31日までに出生した子ども
・満1歳に達する日の属する月の初日に豊川市の住民基本台帳に登録されている子ども
豊川市の子育て支援情報(3)つどいの広場MAH(まぁ)・子育てサロン
豊川市の子育て支援の中には、市から業務委託を受けている「特定非営利活動法人 とよかわ子育てネット」が主催しているものがあります。「とよかわ子育てネット」は1996年より「豊川に寂しいママがいなくなるように」とネットワークづくりを始めた団体です。
「とよかわ子育てネット」が運営する「つどいの広場『MAH(まぁ) 』」は、他の市町村にある子育て支援センターの室内遊び場の役割を担っています。平日の10:00~15:00に利用可能です。
子どもたちが遊ぶ広場には地域の子育て情報も置いてあり、私が引越してきたときには、情報収集に役に立ちました。先輩ママスタッフが常駐していて、お話やイベントの案内をしてもらえます。
「とよかわ子育てネット」はほかにも親子が集まれる子育てサロンを開催しています。市内各所の生涯学習センターなどで定期的に開催していて、予約なしで、参加費は200~300円の場合が多いです。
豊川市には、乳幼児の子どもを持つ親が集まれる場所が多く、遠方から引越してきたわが家のような状況の方も、寂しい思いをしません。
豊川市の子育て支援情報(4)子育て相談事業の充実
豊川市は、子育てについて気軽に相談できる場所が多いです。子育て支援センターや保健センターへの来所以外にも、市内各所の保健センターや児童館への来所、電話相談や家庭訪問も選べます。自分にとって利用しやすい方法で相談できるため、おすすめです。
産前産後サポートセンター「くるみ」は、産前の電話相談も可能です。ワンストップで相談を受けてくれて、すぐ支援につなげてくれます。
また、利用者支援事業「るりあん」は家庭訪問をしてもらえるので、外出が難しい場合にも対面で相談にのってもらえます。私は豊川市に引越してきた際に、転入の案内で「るりあん」を教えてもらいました。相談以外にも、豊川市内の子育て情報やお出かけできる場所を紹介してもらえるのでおすすめです。
豊川市の子育て支援情報(5)市内に11ヶ所もの児童館がある
豊川市内には、各中学校区に1ヶ所以上、計11ヶ所の児童館があります。児童館によって施設や設備が異なり、イベントも随時開催しています。わが家は各地の児童館を巡り、お気に入りの場所を探すことを楽しみました。詳細は、毎月各児童館から発行される「児童館だより」で確認できます。
豊川市での子育て体験談
ここからは、実際に豊川市で子育て中の私が感じた「豊川市の子育てのしやすさ」について体験談を交えてご紹介します。
豊川市で子育てをする魅力
豊川市で子育てしてみた感じた魅力についてまとめてみました。
豊川市で子育てをする魅力(1)子育て世帯に優しい買い物事情
豊川市に住み始めて最初に感じたのが、地元スーパーマーケットの品質の高さです。昨今の物価高騰の中でも、新鮮でおいしい生鮮食品を適正価格で手に入れられます。子どもに安心して食べさせられるので、わが家は地元スーパーをよく利用しています。
一押しは東三河にしかないスーパー「サンヨネ」。豊川市内には1店舗あり、週末は大勢の人が箱で買っていく様子が見られます。お総菜もとてもおいしくて人気です。
施設名:サンヨネ豊川店
所在地:愛知県豊川市金塚町2-1
アクセス:名鉄豊川線「稲荷口」駅から徒歩2分
営業時間: 10:00~19:00(土日祝日は9:30開店)
豊川市で子育てをする魅力(2)子育てコミュニティに溶け込みやすい
私は以前、同じ愛知県内の別の市で子育てをしていました。その頃も子育て支援センターや児童館によく通っていましたが、当時はママ友をつくるのが難しかったです。
しかし豊川市では、「とよかわ子育てネット」主催のイベントが多く、ほかのママさんと積極的に知り合える機会が多数あります。私が今までに参加したのは「他県・他市町村から来たママの会」や「託児付きの子育て講座」。
イベントでは、スタッフさんが子どもの面倒を見てくださるので、ほかのママさんとゆっくりお話しできる時間をつくれます。おかげで豊川市に一人も知人がいない私でも、連絡を取り合えるママ友ができました。
豊川市の子育て世帯におすすめスポット
豊川市は、全体的に子育てがしやすい街です。ここでは、子育て世帯に特におすすめのスポットをご紹介します。
豊川市の子育て世帯おすすめスポット(1)赤塚山公園
赤塚山公園は、豊川市制50周年を記念して建設された総合公園です。淡水魚水族館「ぎょぎょランド」や、ポニーや小動物と触れ合える「アニアニまある」など生き物を身近に感じられる施設があります。
ほかには夏場の定番の水遊びができる「水の広場」、大きなカブトムシのオブジェなど遊具が豊富な「わくわくパーク」も。入園料は無料で子どもから大人まで一日楽しめます。
赤塚山公園は、2023年4月にリニューアルオープンされました。「水の広場」にアトラクションのような噴水や、「わくわくパーク」には巨大な花のような大型遊具が新設され、これまで豊川市内にはなかったさまざまな遊びができます。
大型遊具は乳幼児から小学生までが楽しめ、月齢や体の発達に合わせて遊べる設計になっています。赤ちゃんの公園デビューにおすすめです。
施設名:赤塚山公園
所在地:愛知県豊川市市田町東堤上1-30
アクセス:東名高速「豊川IC」及び「音羽蒲郡IC」から車で約15分
営業時間: 9:00~17:00
豊川市の子育て世帯おすすめスポット(2)豊川市中央図書館・ジオスペース館
豊川市中央図書館では、絵本の紹介や育児情報の提供を行っています。親子の情報交換の場である「赤ちゃんひろば」も定期的に開催。0歳から参加できるイベントもあり、子連れにはありがたいスポットです。本が一度に10冊借りられるので、わが家は絵本を借りるために利用することが多いです。
また、中央図書館に併設されている「ジオスペース館」にはプラネタリウムがあります。未就学児でも楽しめる星空解説や、アニメ作品などのプラネタリウム番組を観られます。学校の長期休暇の時期は投映回数が増えるため、小中学生にも人気のスポットです。
プラネタリウムの投映時刻と入場料は下記のとおりです。
<プラネタリウム投映時刻>
平日:15:00~
土日祝日・春夏冬の長期休暇:10:30~、13:30~、15:00~
プラネタリウム入場料
一般:310円
小中学生:100円
65歳以上:150円
施設名:豊川市中央図書館・ジオスペース館
所在地:愛知県豊川市諏訪1-63
アクセス:名鉄豊川線「諏訪町駅」から徒歩10分
営業時間: 9:30~18:00(金曜日及び6月~9月の火曜~金曜日は19:00まで)
豊川市の住まい事情
実際に豊川市に住むとなったら、家賃などの住まい事情も気になりますよね。わが家は豊川市に引越しをする前の数年間、同じ愛知県内の小牧市に住んでいました。
そのときは賃貸マンションで1LDKの物件でした。対して、現在豊川市で借りている賃貸マンションは2LDKです。しかし、部屋数が増え、最寄り駅が徒歩圏内になった割に、引越してからの家賃は約1万円しか増えていません。
2LDK・3K・3DKの平均家賃相場を比較すると、小牧市は6.94万円で、豊川市は6.34万円。豊川市の方が、小牧市よりも家賃相場が低い理由は、名古屋都心から離れているからでしょう。
ここからは、豊川市と近隣地域の家賃相場を比較します。豊川市の2LDK・3K・3DKの平均家賃相場6.34万円に対し、お隣の豊橋市は7.83万円、岡崎市は7.36万円でした。近隣地域より豊川市の家賃相場が低い理由は、名古屋都心への移動のしやすさによるものだと思います。
名古屋への通勤・通学の必要がない世帯は、家賃相場が低い豊川市に住む方が経済的です。豊川市も名古屋へのアクセスが特別悪いというわけではありません。名鉄「豊川稲荷駅」から名鉄「名古屋駅」まで電車で約70分です。豊川市に住むことで、交通の利便性を残しつつ、家賃の出費を抑えられるでしょう。
豊川市の子育て世帯におすすめのエリア
ここでは、子育て世帯がよく利用する、豊川市内のおすすめエリアについてご紹介します。
豊川市の子育て世帯におすすめのエリア(1)イオンモール豊川周辺
イオンモール豊川は、郊外の大型商業施設ということもあり、子育て世帯が過ごしやすい設計です。モール内の赤ちゃんルーム・授乳室は、体重計や調乳専用の浄水給湯機が完備されており、離乳食用のテーブル席やこどもトイレを併設。かわいいイラストの壁紙が特徴的で、明るく清潔な空間です。
2階、3階には未就学児向けの「モクイクひろば」があります。愛知県で作られた杉の木を使った温かみのある滑り台が人気で、平日でもたくさんの親子連れが遊んでいます。わが家の1歳児も「モクイクひろば」が大好きで、連れていくと夢中になって走り回るほどです。
八幡駅の住宅・不動産を探す
ほかにも2階のテラス「セントラルパーク 遊べるサイネージ」や、1階屋外にある遊具や噴水の広場「GRAND PARK -グランドパーク-」では、小学生まで遊べます。
イオンモール豊川の周辺には、名鉄豊川線「八幡駅」や「豊川市民病院」があり、豊川市で生活をするには外せないエリアです。
施設名:イオンモール豊川
所在地:愛知県豊川市白鳥町兎足1-16
アクセス:名鉄豊川線「八幡駅」から徒歩約3分
営業時間:10:00~21:00(レストラン・スーパーマーケット等は営業時間が異なります)
豊川市の子育て世帯におすすめのエリア(2)諏訪町駅周辺
諏訪町駅周辺は、市役所・警察署・図書館など公共機関の施設が多くあります。その中でも、プリオビルは子育て世帯がよく利用している施設です。
プリオビルとプリオⅡビルの2棟がつながっていて、プリオビルの5階には子育て支援センターや「つどいの広場MAH」、その他行政機関の窓口が入っています。2階には育児用品店の西松屋が入っているので、「つどいの広場MAH」の帰りに買い物に行きやすいです。
諏訪町駅の住宅・不動産を探す
施設名:プリオビル・プリオⅡビル
所在地:愛知県豊川市諏訪3-300
アクセス:名鉄豊川線「諏訪町駅」から徒歩5分
営業時間: 10:00~21:00(テナントによって営業時間が異なる場合があります)
さらに、プリオビル地下1階に屋内型の遊戯施設「アメイジングワールド プリオ豊川店」があります。巨大なエア遊具やアスレチック、トランポリンがあり、土日は特に多くの小学生でにぎわいます。天候が悪い日でも、家族で遊びに行けるのでおすすめです。
施設名:アメイジングワールド プリオ豊川店
所在地:愛知県豊川市諏訪3-133 プリオ地下1階
アクセス:名鉄豊川線「諏訪町駅」から徒歩5分
営業時間: 10:00~18:00(最終受け付け17:00)
豊川市は人・地域とのつながりを感じながら子育てができる街
豊川市で子育てをしていて感じるのは、子育てがしやすい環境に日々変化しているということです。例えば、ファーストバースデーお祝い金の給付対象が拡充したり、イオンモール豊川の「モクイクひろば」が1ヶ所増設されたりと、ここ半年間でも少しずつ変わっています。
古きよき文化や自然は残しつつ、温かく優しいコミュニティの中で子育てができる豊川市。これからもますます子育てがしやすい環境が整っていくでしょう。
東三河地方に引越しをお考えの方は、ぜひ豊川市も候補に入れて検討してみてください。