静岡県の県庁所在地である静岡市は、県の中央あたりに位置しています。温暖な気候で1年を通してとても過ごしやすく、北は南アルプスに接し、南は駿河湾に面しているので海と山に囲まれた自然の豊かな地域です。一方で静岡駅前には、駅ビルや百貨店、ショッピングモールなどの商業施設があり、トレンドを取り入れたお店が集まっているので休日は多くの人でにぎわっています。
私は静岡市出身ですが、結婚後は転勤族で愛知県や静岡県東部、西部地区で生活していました。そして、2023年に家を建てて6年ぶりに静岡市に戻ってきました。現在は2人の子どもを育てていますが、以前暮らしていた地域とはまた違った目線で故郷静岡市のよさを感じることができています。
ここでは、静岡県静岡市の紹介やおすすめスポット、子育て支援等を紹介しますので、読んでみてくださいね。
静岡市で子育て中
まずは、静岡市の概要や歴史などを簡単にご紹介します。
静岡市の概要
静岡県静岡市は2003年に静岡市と清水市が合併し、2005年には静岡県初の政令指定都市に移行しました。現在は葵区・駿河区・清水区の3つの区で構成されています。人口は2024年8月時点で約67万人と、県内では浜松市に次ぐ2番目に人口が多い市です。
静岡駅には東海道新幹線が停車し、東京駅までは1時間ほどで移動することが可能です。在来線は東海道線が通り、市内10駅に停車します。静岡・清水間を運行する静岡鉄道は市民の移動手段として利用されています。
東名高速道路と新東名高速道路が通っており、2021年には中部横断自動車道が静岡・山梨を結ぶ全区間が開通し、車での長距離の移動に便利です。
静岡市の歴史
静岡市は、徳川家康にゆかりのある街でもあります。市内の心部にある駿府城は家康が晩年に過ごした城として知られており、現在は城址公園として整備されています。
また、家康亡き後を祀る神社として作られた久能山東照宮は観光名所です。久能山東照宮からほど近い久能街道沿いには石垣で栽培された石垣いちごの農園が軒を連ねています。毎年1月~5月ごろまでいちご狩りを楽しめます。
わが家が子育て環境に静岡市を選んだワケ
わが家が子育て環境に静岡市を選んだ理由は、県の中心部に位置しているため、夫の職場が変わっても家から通いやすい場所だったことが1番の理由です。また、電車・国道1号線バイパス・高速道路を利用できるので、天候の影響や事故の影響で普段利用している交通手段が使えない場合でも、別の交通手段に代替しやすいと考えました。
静岡駅の周りにはさまざまなお店が集まっています。市内で生活に必要な物の買い物を済ませられる便利さも魅力です。子どもが遊ぶ場所も豊富であることも決め手となりました。
実際どう?静岡市の子育て
数字で見る静岡市の子育て事情
静岡市の人口は2024年8月時点で67万3,320人でした。年少人口(0歳-14歳)は2023年10月1日現在で7万2,712人となっています。日本は少子高齢化社会ですが、静岡市も年々子どもの数が減少しています。
静岡市の保育施設は下記の通りです(2023年7月現在)
(葵区)
・認定こども園41園
・幼稚園11園
・認可保育所21園
・小規模保育事業20園
・事業所内保育事業2園
(駿河区)
・認定こども園31園
・幼稚園8園
・保育所15園
・小規模保育事業15園
・事業所内保育事業1園
(清水区)
・認定こども園41園
・幼稚園6園
・保育所18園
・小規模保育事業13園
・事業所内保育事業1園
2023年4月時点では6年連続待機児童ゼロを達成していましたが、第2子保育料無償化の影響により、2024年4月は待機児童数が8名になりました。
静岡市の子育て支援情報
静岡市は「日本一安心して子どもを生み育てやすいまち」というスローガンのもと、子育て世代の声を吸い上げながら子育て支援を充実させる取り組みを行っています。ここでは静岡市の子育て支援について紹介します。
静岡市の子育て支援情報(1)第2子以降の認可園保育料無償化(0歳~2歳)
静岡市は、2023年4月から政令指定都市で初めて所得制限なく、第2子以降の子どもの0歳児~2歳児の保育料が無償化されました。私が静岡市に引越してから働き始めようと思った理由は、本制度が開始されたからです。
2番目の子どもは、2歳児でこの4月から保育園に定期的に通い始め、先生やお友達に囲まれながら楽しい毎日を過ごしています。
静岡市の子育て支援情報(2)子ども医療費助成制度(0歳~18歳 500円)
健康保険に加入している、0歳から18歳まで(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)の子どもの入院と通院に対し、窓口での自己負担額は1回500円です。わが家は子どもが幼稚園児と保育園児で風邪をひく頻度が高いので、この制度にとても助けられています。
静岡市の子育て支援情報(3)不妊治療費(先進医療)補助金
2022年4月以降に不妊治療が保険適用となりましたが、保険適用外の先進医療は全額自己負担になっているのが現状です。
静岡市は静岡県と連携して、静岡市が設定した要件を満たす先進医療を受ける夫婦の経済的負担を軽減するべく、補助金を設定しています。どうしても費用がかさんでしまう不妊治療ですが、行政のバックアップがあれば非常に心強いです。
静岡市の子育て支援情報(4)ママケアデイサービス
1歳未満の赤ちゃんがいるママが利用できる、保育士さんをはじめとしたスタッフがママのリフレッシュのお手伝いをする予約制の制度です。
会場は温泉やレストランが併設されている施設が対象となっていて、市内6ヶ所の会場が設けられています。サービス開始直後は赤ちゃんとママとスタッフで1時間ほど過ごし、その後は赤ちゃんをスタッフに3時間ほどあずけ、ママは温泉に入ったりゆっくりご飯を食べて体を休めたりして、リラックスした時間を過ごせます。
静岡市の子育て支援情報(5)雨の日でも使用できる施設の充実
静岡市では、雨の日でも子どもが思いきり遊べる公共施設がないことがネックでした。しかし、2024年度限定で山間部にある、旧西河内小学校の跡地を利用した「西河内子どもの遊び場」がオープンしました。
清水駅前商店街にも「JR清水駅西口子どものあそびば まなびば ビバしみず」ができ、商店街と連携しながら、休日に子ども向けのさまざまなイベントを開催しています。雨の日でも動きたい子どもが多いので、遊びに行く選択肢が増えることはとても助かります。
静岡市での子育て体験談
静岡市で子育てをして感じた魅力や子育て体験談を紹介します。
静岡市で子育てをする魅力
上の子は幼稚園の転園をしましたが、お友達や先生方が温かく迎えてくれたこともあり、園生活に早くなじめたようです。私は幼稚園のママサークルに参加していることもあり、今まで住んできた場所以上に親同士の交友関係が広がりました。
わが家は一戸建て住宅ということもあり、ご近所さんと顔を合わせる機会が多くあります。地域の住まい事情を教えてくれたり、子どもたちに温かく声をかけてくれたりします。静岡市に住んでから人とのつながりに感謝する機会が多くなりました。
私が働き始めたのは、まだ下の子が保育園に入っていないときです。ただし、一時保育可能な施設が複数あったので、想定していた以上に早く働き始められました。仕事と育児・家事の両立は大変ですが、充実した毎日を過ごせています。
静岡市の子育て環境
静岡市は車で行くような郊外の公園や静岡市の中心部に近い場所にも、子どもが心置きなくおもいっきり遊べる公園があるので、街中も郊外と両方のよさを楽しめます。また、駅周辺に子どもの知的好奇心を養うことができる、ユニークな体験型施設があるので紹介します。
静岡市の子育て環境(1)森下公園
静岡駅のすぐ近くにある森下公園は、静岡駅から徒歩7分の場所にあります。未就園児の小さい子たち向けの遊具や小学生の子どもたちも遊べる大きな遊具もあり、幅広い年齢の子どもたちでにぎわっています。遊具も比較的新しいので安全です。
春は桜がきれいに咲くのでピクニックにも最適で、夏には水遊びができるエリアもあります。街中のオアシスとして親しまれている公園です
施設名:森下公園
所在地:静岡県静岡市駿河区八幡2丁目1
アクセス:静岡駅南口から徒歩7分
静岡市の子育て環境(2)秋葉山公園
車で行きやすい公園は秋葉山公園で、長くて大きなローラースライダーをはじめとしたアスレチック遊具があります。山に沿って遊具があるので、遊具を楽しみつつも山登りをしている感覚になるので、ハードに楽しめます。広い運動場では、スポーツをしている人や自転車の練習をしている子も多いです。
未就園児~幼児が楽しめるちびっこ広場はアニメキャラクターの石像があり、子どもたちが大喜びするエリアです。園内には四季折々の花が咲いていて、季節の移り変わりを感じられます。春や秋の気候がいい日には、ピクニックにもぴったりです。
施設名:秋葉山公園
所在地:静岡県静岡市清水区八坂東1丁目地内、西久保地内
アクセス:東名清水ICからすぐ
JR清水駅からしずてつジャストライン山原または梅ヶ谷行きで10分、秋葉町下車、徒歩10分
静岡市の子育て環境(3)静岡科学館「る・く・る」
静岡科学館の「る・く・る」は静岡駅からほど近い場所にあり、参加体験型の科学館です。展示物を見たり聞いたり触ったりして、科学のふしぎを目の当たりにすることで、楽しみながら体験できます。土日や長期休みにはサイエンスショーや講座が開かれ、さまざまな観点から科学の仕組みを理解できる機会を設けています。
施設名:静岡科学館 「る・く・る」
所在地:静岡県静岡市駿河区南町14番25号 エスパティオ8~10階
アクセス:JR静岡駅南口より徒歩1分
静岡市の子育て環境(4)こどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」
こどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」は子どもが仕事・ものづくり体験を行うことができる施設です。
小学生の子どもたちがものづくりをしたり、店長や店員さんになってお店を経営したり、販売を行ったりできます。お客さんとしても小学生以下の子どもたちが買い物を行うため、小さなときから分かりやすく、楽しみながら社会の仕組みを理解できます。
施設名:静岡市こどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」
所在地:静岡市清水区辻1-2-1 えじりあ3・4階
アクセス:JR東海道本線清水駅西口(江尻口)徒歩1分
静岡鉄道静岡清水線 新清水駅 徒歩約10分
静岡市の住まい事情
実際に静岡市に住むときに気になるのが、静岡市の家賃事情です。
静岡市の家賃相場
【2LDK・3K・3LDKの平均家賃相場】
(静岡市内)
草薙駅:8.61万円
東静岡駅:12.26万円
静岡駅:12.31万円
安倍川駅:6.89万円
(静岡県他市の家賃相場)
浜松駅:10.41万円
沼津駅:9.37万円
静岡市は県庁所在地で特に市の中心部の静岡駅、東静岡駅周辺は12万台です。静岡市と同じく政令指定都市である浜松駅は10.41万円、県東部の中心である沼津駅でも9.37万円なので、静岡市中心部の家賃相場は県内で1番高いです。
草薙駅は清水区内で静岡市中心部から離れるためか、家賃相場が少し下がります。安倍川駅は、静岡駅から西に安倍川を渡った場所に位置した住宅街にあるので、家賃相場は駅周辺部の半分程です。
静岡市は広い市なので、エリアによって家賃相場に大きな差があることが分かりました。家族のライフスタイルと予算に合わせて、最適な場所を見つけてくださいね。
静岡市の子育て世帯におすすめエリア
静岡市内で子育て世帯におすすめしたいエリアを2つご紹介します。
静岡市の子育て世帯におすすめエリア(1)東静岡駅周辺
東静岡駅周辺は、家族で楽しめる施設が充実していて、居住地としても多くの子育て世帯を見かけるエリアです。電車や車でも訪れやすい地域で、マンションの建設も進んでいます。
マークイズ静岡は多くの子ども服のお店があり、室内で子どもが体を動かせる有料の遊び場があります。フードコートも充実しているので、家族連れのお出かけにぴったり。
東静岡スマイル公園は休日に数多くの家族連れが集まり、複数人が一度に滑ることができるスリルのある広い滑り台があります。駐車場は近くの有料駐車場を利用することになりますが、それでも多くの家族連れでにぎわっている公園です。
駅から近いこともあり、電車や新幹線が走っているのが見えるので、電車好きな子どもには嬉しい場所でしょう。また、柚木の郷という温泉浴場が近くにあるので、公園で遊んだ後に訪れて一息つくのもおすすめです。
施設名:東静岡スマイル公園
所在地:静岡県静岡市葵区長沼南2-716
アクセス:JR東静岡駅北口より、徒歩約1分
静岡市の子育て世帯におすすめエリア(2)エスパルスドリームプラザ周辺
エスパルスドリームプラザは、プロサッカーチームの清水エスパルスの名前がつけられた複合商業施設です。清水港の近くにあり、大きな観覧車が目印です。
施設内には、さまざまなタイプのお寿司を楽しめる「清水すし横丁」があります。清水生まれの「ちびまる子ちゃんランド」は、観光客が多く訪れる場所です。
地元の人にも親しまれていて、2023年11月にオープンした「PARK-side」ではショッピングを楽しめます。未就園児~小学生も楽しめる小さな遊園地や映画館、ゲームセンターは多くの家族連れでにぎわっていました。
隣にある清水マリンパークというレンガ造りの回廊が特徴の公園は、清水のベイエリアを堪能できる場所です。
施設名:エスパルスドリームプラザ
所在地:静岡県静岡市清水区入船町13-15
アクセス:JR清水駅または静鉄新清水駅下車
静岡市はのびのびと子育てをしたい人にぴったりな街
静岡市は市の中心街も、自然を身近に感じることのできる郊外も、両方を楽しめるバランスの整った地域です。地の利に恵まれて、温暖な気候で住みやすいことから、わが家の子どもたちものびのびと成長しています。
また、静岡市は近年、子育て世代の声を吸い上げて迅速に反映させていく傾向があると感じているので、今後さらに「安心して子どもを生み育てやすいまち」に変わっていくことでしょう。
この記事で静岡市の魅力や制度を知ることで、静岡市に移り住んでみたいと思えるきっかけとなれば嬉しいです。