静岡県の西側に位置する浜松市は、山と海に囲まれた自然の豊かな地域です。ドラマや映画の撮影地や、アニメの舞台としてもよく登場しているのを見かけます。
私は、幼少期から浜松市で暮らしています。20歳ごろに一度浜松を離れたのですが、住みやすさが忘れられず戻ってきました。現在は子育てしながらWebライターとして活動し、街の魅力や浜松の子育て事情などを発信しています。
私は子育て中に多くの壁にぶつかりましたが、そのたびに浜松市の子育て相談に助けられました。子育て支援も充実していることから、地域ぐるみで子どもを育ててもらっているという安心感もあります。
この記事では、子育て中の私が浜松市の子育て支援のリアルを紹介していきます。どのような支援があるのか、実際の子育て体験談など参考としていただければ嬉しいです。
浜松市で子育て中
まずは浜松市とはどのような地域なのか、概要をご紹介します。
浜松市の概要
浜松市は、「政令指定都市」に認定されています。2024年1月に、7区が3区に再編成されました。最初は住所が変わったことに違和感を覚えました。
現在の市の人口は約78万人で、全国で第16位の人数です。(2024年7月時点)市の南側には、徳川家康の拠点であった浜松城があり、お城周りは子ども連れでも楽しめる公園になっています。
浜松駅はJR東海道新幹線と東海道本線の停車駅で、東京まで新幹線なら1時間30分程度で移動可能です。
浜松といえば、特産品であるうなぎを連想する方も多いでしょう。市内には多くのうなぎ料理店があり、かば焼きとして食べるほか、白焼きや刺身としてさまざまなうなぎ料理を楽しめます。
わが家が子育て環境に浜松市を選んだ理由
子育てをするにあたって、自然災害の少なさというのは私の中では重要な要素でした。私自身、幼少期から浜松市で暮らしており、自然災害の少なさを実感しています。冬でも雪が降ることがほとんどなく、過ごしやすいため子育てにも適していると感じます。
また、子どもが思い切り体を動かせる環境があることも浜松市で子育てしている理由の1つです。浜松市には公園が多く、子どもの遊ぶ場所に困りません。大型遊具のある公園もあります。子ども連れの方が集まるので、自然と保護者同士の交流も広がり、子育て情報の交換の場にもなっています。
実際どう?浜松市の子育て
ここからは、浜松市の子育て事情について実際の体験談を交えながらご紹介します。
数字で見る浜松市の子育て事情
浜松市の待機児童数は、2021年から4年連続で0人でした。(2024年4月時点)
これは保育園数の増加や幼稚園からこども園に移行した園が増えたことによる結果だと思われます。より多くの子どもの受け入れが可能になり、待機児童数の解消につながったのでしょう。
また、保護者の希望に合わせて、事業所内の保育園や託児所の利用も可能です。
私の周りには、幼稚園に入れる年齢の3歳までは事業所内の保育施設が利用できる職場で働き、状況によって転職をする人もいました。
浜松市の主な保育施設数は以下のとおりです。
公立認可保育園 20園
私立認可保育園 37園
認定こども園(保育所機能) 81園
市立幼稚園 60園
浜松市の子育て支援情報
浜松市の子育て支援情報(1)子育ての補助金・助成金
浜松市には、子どもの年齢ごとに毎月もらえる児童手当があります。対象者は中学校修了前の年齢の児童を育てている人で、支給額は子どもの年齢や受給者の所得により異なります。所得による制限などの詳細は、市のホームページで確認するとよいでしょう。
主な助成金額は下記のとおりです。
3歳未満:15,000円
3歳以上小学校修了前(第1子・第2子):10,000円
3歳以上小学校修了前(第3子以降):15,000円
中学生:10,000円
浜松市の子育て支援情報(2)乳幼児医療費助成制度・小中学生医療費助成制度
こちらは所得制限がなく、浜松市民であれば受けられる子育て支援制度です。乳幼児医療費助成制度・小中学生医療費助成制度では、1回の診察が500円で受けられます。
市から年齢に応じた医療費助成の受給者証が送られてくるので、受診時に見せるだけでOKです。緊急時など、受給者証がない場合でも一時的に全額支払いをし、後から申請すれば差額分を返金してもらえます。また、ひとり親の場合は親の医療機関の受診料も500円になります。
さらに、保険診療分の入院の場合は、自己負担額はありません。子どもの場合、何かと重症化してしまうことも多く、入院費の心配がないというのはありがたいことです。
浜松市の子育て支援情報(3)教育支援策が充実している
浜松市には教育支援課というものがあり、学習や進路といった子育て中の教育に関する悩みを相談することができます。
こちらでは、子どもの年齢ごとの発達に関する相談も受け付けています。私は相談した結果、幼稚園入園前まで集団教育に慣れる場所に通わせることにしました。
わが子の場合、小学校入学後に、学習面では問題ないのですが口語発音が気になりました。当時の担任に相談したところ、市の教育支援とつないでくれたため、現在は支援学級で別の学習を受けています。
浜松市の子育て支援情報(4)学習支援や体験プログラムが豊富
浜松市では市が運営している多くの施設で子ども向けにさまざまなワークショップを受けられます。例えば幼児向けに、各図書館でのわらべうたやお話の会といったイベントがあります。
小学生くらいからは科学館などで体験型のプログラムを受けることも可能です。市と提携している地元企業では職業体験を実施しているところもあり、夏休み期間中に1日を通して学習できるプログラムもあります。
さらに、市が委託する民間の学習支援もあります。学校の長期休みにあたる期間には宿題をサポートしてくれる特別講座など、こうしたプログラムは子ども同士の交流が活発なので楽しく勉強ができるようです。
浜松市の子育て支援情報(5)子育て支援ひろば
浜松市の子育て支援ひろばは、就園前の子どもとその保護者が集まる場所です。子どもの遊び場としてはもちろん、子育て相談の場としても利用できます。
市の職員の方が常にいらっしゃるので、気軽に遊びに行けますし、保護者同士の交流の場としてもぴったりです。子育てサークルがある広場もあるので、興味のある方は公式サイトを確認してみてくださいね。
浜松市での子育て体験談
ここからは浜松市での子育て体験談をご紹介します。
浜松市で子育てをする魅力
浜松市で子育てしていて魅力的だと感じたのは、子育てサポートの手厚さでした。
わが家の第1子ですが、1歳半検診で少し気になる点がありました。「止まって」という指示が受け取れず、1日中動き回っていることが他の子よりも多かったことが少し心配だったのです。
こういった内容を職員の方に相談したところ、当時の子どもの様子と発達スケールを見ていただきました。その後、市が行っている集団教育プログラムの場への案内がありました。
紹介されたものは保健所で週に1回行われるプログラムで、2歳から3歳児を対象としたクラスです。そのクラスでは、体操・絵本の読み聞かせなどを大きなホールで行います。
また、子ども同士けんかになった場合の望ましい対処法なども保育士の先生が教えてくれます。自らの子育て経験をふまえた情報も多く、実用的な対処法を知ることができました。
私は初めての子育てで不安だらけでしたが、教室に通う保護者とは共通の話題も多く、ストレス発散にもなり、気軽に話ができる友人もできました。実は、発達に関する相談は病院でもしたのですが、治療法は考えてもらえても、生活の中での対処法は教えてもらえませんでした。
わが家は1歳半検診の際に子どもの個性と向き合えたため、私も親として成長できたと実感しています。子育て中の悩みは尽きないものですが、子どもの支援に関しては浜松市独自のサイトがあるので、ぜひチェックしてみてください。
浜松市の子育て環境
浜松市には子どもが楽しめる公園が豊富です。大型遊具や幼児期からでも遊べる遊具のある公園、自転車の練習をするための自転車公園などもあります。
浜松市の子育て環境(1)相生公園
わが家がよく利用していたのは相生公園です。園内に本物のような道路があり、自転車に乗る練習ができました。自転車に不慣れな子が実際の道路を理解できるよう、信号機や横断歩道、坂道などが設置されています。
自転車は無料貸し出しのため、これから自転車を頑張ろうという子どもと一緒に利用するのがおすすめです。貸し出し自転車はしっかりと管理されていて、安心して自転車の練習ができました。
施設名:相生公園
所在地:浜松市中央区相生町320-2
アクセス:浜松駅から徒歩20分
浜松市の子育て環境(2)
子どもが喜ぶアクティビティがあるのは「浜名湖パルパル」です。こちらは私が子どものころに開園された遊園地で、改めてわが子と訪れられたのは感慨深かったです。
浜名湖パルパルは、幼児でも楽しめる遊具があり、子どもの遊園地デビューにおすすめ。3歳キャンペーンという独自の取り組みを行っていて、3歳になる子どもの誕生日から3ヶ月間は親子での入場料が無料になります。乗り物の待ち時間もほぼないので子ども連れには嬉しい環境です。
近くには動物園やフラワーパークもあるので、遊園地に飽きたら移動して楽しめます。
施設名:浜名湖パルパル
所在地:静岡県浜松市中央区舘山寺町1891
アクセス:JR浜松駅北口バスターミナル1番乗場から「舘山寺温泉」行に乗車、「浜名湖パルパル」 バス停 にて下車して徒歩約0分
浜松市の住まい事情
実際に暮らすときに気になるのは、家賃相場ではないでしょうか。子育て世帯であれば、2LDK以上の間取りがあると過ごしやすいです。浜松市中央区の家賃相場は以下のとおりです。
2LDK 8.96万円
3DK 6.30万円
3LDK 12.32万円
浜松市は、自家用車を持っている家庭がほとんどです。そのため、家賃の中に駐車場料金が含まれていることを事前に確認しておくとよいでしょう。
続いて、同じ政令指定都市になっている静岡市の家賃相場です。静岡駅のある葵区の家賃相場を調べてみました。
2DK 6.44万円
2LDK 11.40万円
3LDK 14.01万円
浜松市と比べると、同じ間取りでも3万円程度高くなっています。なお、浜松市での住まい選びの際は、5月に行われる「浜松まつり」について知っておく必要があります。
自治体によって自治会費が決められており、浜松まつりに対して熱心な地域ほど自治会費が高めです。また、地域によっては屋台やお囃子の音がにぎやかになります。音に敏感な方は物件探しの際に不動産会社に相談しておくと、ストレスを軽減できるでしょう。
浜松市の子育て世帯におすすめエリア
子育て世帯におすすめしたい浜松市内のエリアを2つご紹介します。
浜松市の子育て世帯におすすめエリア(1)中央区周辺
浜松市中央区は、家賃が比較的安く、家族向け物件の多い地域です。浜松プラザフレスポやコストコホールセール浜松倉庫店とった大型商業施設が複数あり、生活用品など毎日の買い物にも困りません。
また、ラウンドワンスタジアム浜松店など、子ども連れで楽しめる施設もあるので、休日も楽しめるアクティビティが豊富なエリアです。東名高速道路の入り口もあるので、ちょっとした旅行に行きやすい立地です。
浜松市の子育て世帯におすすめエリア(2)佐鳴台周辺
佐鳴台は浜松市の高級住宅が多く立ち並ぶエリアです。佐鳴湖という湖があり、緑の中をランニングやウォーキングができる環境があります。また、佐鳴湖は大河ドラマなどの撮影場所となったこともあり、浜松市民の間で話題となっていました。
佐鳴台エリアは学習塾・水泳教室・体操教室などが多く、子どもの習いごとの環境が充実しています。教室の近くにはスポーツジムがあり、送迎までの時間潰しができます。学校教育以外にも子どもの習いごとを検討されている方におすすめのエリアです。
浜松市は子育て支援が充実した街
今回は浜松市での子育て事情についてお伝えしてきました。私は子どもを育てる中で多くの壁にぶつかりましたが、そのたびに地域の相談場所に助けられています。子育てにかかる費用の助成制度などもあったため、安心して子育てができています。
また、浜松市内は大型のショッピングセンターが豊富なので、子どもとの買い物も楽しむことが可能です。今後、子育てのために引越しを考えている人は浜松市を候補に入れてみてはいかがでしょうか。