橿原市は、奈良県のほぼ中央に位置しています。飛鳥川や曽我川が流れる自然豊かな環境の中に、「藤原宮跡」などの歴史的文化遺産が数多く残っています。
このように、歴史を感じられる自然豊かな街「橿原市」は、子育て世帯におすすめのエリアです。今回は、橿原市の子育て事情について在住歴18年、絶賛子育て中の私が体験談を交えて紹介します。橿原市で子育てを検討中の方はぜひ参考にしてくださいね。
橿原市で子育て中
まずは、橿原市の概要について紹介します。
橿原市の概要
奈良県のほぼ中央に位置する橿原市は、緑に囲まれた自然豊かな歴史のある街です。“日本のはじまりの地”と呼ばれる橿原神宮は、全国でも有名で初代神武天皇が即位した地でもあります。
市内中央には、万葉集にも詠まれた藤原宮跡が、大和三山に囲まれています。近くには明日香村があり、歴史の宝庫といえるエリアです。
一方、市内のほとんどが平坦な地形で住環境も整備されているため、大阪や京都に通勤される人のベッドタウンとして子育て世帯にも人気のあるエリアです。
さらに市内には、近畿日本鉄道とJR西日本の2つの私鉄、計5つの路線が乗り入れています。大阪や京都方面以外にも、桜の名所である吉野や和歌山、三重・名古屋方面への移動も整備されているので、アクセス面で利便性が高いことも魅力です。
わが家が子育てに橿原市を選んだ理由
私が最初に橿原市で生活を始めたきっかけは、大阪市内に就職したため、実家から通うことが難しく、一人暮らしを決意したことでした。
会社と実家のちょうど中間に位置する橿原市はどちらにもアクセスしやすく、大阪や京都への移動も電車で1時間以内だったところも魅力に感じました。また、自然を身近に感じられる場所が多いことも決め手の1つです。
それから結婚し、現在は3児の父親となりますが、橿原市に住んで18年になります。その間、2度引越しをしましたがエリアはほとんど変わらず、今は橿原神宮前駅付近に一戸建てを購入して定住しています。
実際どう?橿原市の子育て
私は現在、中学生と小学生の子どもたちと妻の5人で暮らしています。ここでは実際に生活してみて分かった橿原市の子育ての魅力についてお伝えします。
数字で見る橿原市の子育て事情
橿原市の人口は、11万9,250人です (2024年1月1日時点) 。1977年に初めて人口が10万人を超え、以降は2004年の12万5,964人をピークに横ばい傾向から緩やかに減少しています。
一方で、世帯数は増加傾向にあり、5万5,615世帯となっていました (2024年4月1日時点) 。
ちなみに2022年3月31日現在の世帯数は5万4,744世帯で、過去10年間で最も大きい世帯数でしたが、さらにこの2年間で871世帯が増加しています。
橿原市の保育施設数は以下のとおりです (2023年9月22日時点) 。
市立幼稚園15園(内、こども園5園も併設)
私立幼稚園4園
橿原市の小学校・中学校数は以下のとおりです。(2024年4月1日時点)
市立小学校17校
市立中学校6校
人口減少に伴い、今後小中学校の統廃合が検討されています。学校区も複雑なエリアがあるため、居住エリアを選ぶときは、通学区域も確認しておきましょう。
また、就労などで保護者が昼間家庭にいない場合に、子どもだけでも安全に遊べる場として、放課後児童クラブ(学童クラブ)が市内に17ヶ所あります。わが家は夫婦共働きだった時期があり、非常にありがたい環境だと感じました。
橿原市の子育て支援情報
夫婦共働きだったわが家も、橿原市は非常に子育てがしやすい環境が整っていると感じます。
ここでは橿原市の子育て支援情報や生活に役立つ支援を4つ紹介します。ただし、これらの内容は今後変更になる可能性がありますので、最新情報は橿原市の公式ホームページを確認ください。
橿原市の子育て支援情報(1)子ども(乳幼児)医療費助成
子どもを育てていると心配なことは急なケガや病気です。急に発熱したり病気になったりしたときも、費用の心配をすることなく医療機関で受診できる助成制度があると、日常の安心につながります。
以前まで未就学児にも一部自己負担金がありましたが、2023年8月1日以降診療分より無償化されました。特に病院を利用する機会が多い未就学時期に無料というのは心強いです。
<対象者>
0歳~小学校就学前の乳幼児(所得制限なし)
<自己負担金>
通院・入院ともに無料
<対象者>
小学校~18歳に達する日以後、最初の3月31日までの子ども
<自己負担金>
通院:月1,000円(1医療機関につき月1,000円。ただし、調剤薬局分は負担なし)
入院:月1,000円(1医療機関につき月1,000円。ただし、14日未満の場合は月500円)
※注意:保険適用外の費用(容器代・診断書料・入院時の室料など)、入院時の食事代は医療費助成の対象外となります。
橿原市の子育て支援情報(2)こども広場
こども広場は、小学校入学までのお子さんと保護者が、気軽に楽しく過ごせる場が橿原市の施設として提供されています。専任の保育士も配置されているため、安心して遊ばせられます。同じ年頃の子どもを育てるママ同士で情報交換をすることも可能で、心強いです。
対象者:橿原市内在住の0歳から小学校入学までの子どもと保護者
また、同施設内では有料で一時預かり受け付けも行っています。自身の通院や気分転換にショッピングを楽しむ時間の確保など、一時預かりを利用してリフレッシュの時間を設けるのもおすすめです。
橿原市の子育て支援情報(3)市内すべての小・中学校で給食の提供
橿原市では市内すべての小学校、中学校で給食が提供されています。毎朝のお弁当を作る手間が省けることはもちろん、栄養バランスを考えられた給食が配膳されることで、子どもの健康にもいい影響があります。
橿原市の子育て支援情報(4)地域通貨『かしはらPAY』の配布
昨今の電気・ガス・食品等の物価高騰を受け、消費者生活支援・事業者支援の一環として、橿原市に住む市民へ1人当たり2,000円のクーポン券の配布がありました。
こちらのクーポンは、市内の飲食店やスーパーマーケット、衣料品や自転車などの購入時に利用できます。なお、5人家族のわが家は1万円分のポイントが付与され、日用品などに充てることができました。
2024年6月30日までの期間限定の支援ですが、以前にも商品券の配布など橿原市独自の施策で支援金の援助があり、子育て世代には非常に助かっています。※最新情報は橿原市の公式サイトを確認ください。
橿原市での子育て体験談
ここからは、実際に橿原市で子育て中のわが家が感じた、橿原市の魅力についてお伝えします。
橿原市で子育てをする魅力
小さなお子さんがいるご家庭なら、いろいろな経験をさせてやりたいと思うのが親心ですよね。私も子どもが小さい頃に、いろいろな場所へ連れて行きました。特に自然に触れる機会をつくるなど、たくさんの気づきが得られるものに触れさせてあげたいという想いがありました。
橿原市には数多くの公共施設があります。1,000点を超える昆虫標本や化石標本などがある、橿原市昆虫館もその一つです。蝶がそのまま放たれた温室では、自然の中で観察ができるような展示を行っていました。
橿原市昆虫館のすぐ近くに、大和三山の一つである香久山の一帯が整備された、香久山公園があります。週末には、遊具で遊ぶ親子連れやお弁当を持ってピクニックをする家族を見かけることが多いです。
かしはら万葉ホールには、たくさんの公共施設が集まっています。地下1階にある橿原市立こども科学館は、子どもから大人まで体を使いながら学べる科学施設です。1階にあるロマントピアホールでは、映画の上映や舞台、お笑いライブなど、年間を通してさまざまなイベントが催されていますよ。
また、1階と2階には橿原市立図書館があり、もちろん無料で利用できます。定期的におはなし会が行われており、絵本など小さなお子さんへの読み聞かせの場として活用されている人が多いです。借りた本は市内11ヶ所に設置された返却ポストへ投函すれば、直接図書館へ返却に行く必要がないので、忙しいときにはとても便利です。
橿原市の子育て環境
橿原市には近畿圏最大級の規模を誇るショッピングセンター「イオンモール橿原」があり、週末には大勢の家族連れでにぎわっています。イオンモール橿原は2004年にオープンし、今年で20周年を迎えました。
20年の間に、新館の建設による増床を重ね、イオンスタイルと230もの専門店が入っています。TOHOシネマズ橿原が併設されており、9スクリーン1,611席と、19の車椅子用座席もあります。駐車場は5,000台が収容でき、無料で車を停められるので、時間を気にする必要もありません。
さらに、2024年の秋の開業を目指し、現在、"(仮称)イオンモール橿原3期増床計画"の工事が進められています。増床リニューアル後は、広場一体型となった、アウトレットなどでよく見られる郊外型の低層商業施設が完成する予定となっており、今から待ち遠しいです。
イオンモールの近くでは、現在、京奈和自動車道の未開通区間の工事が進められています。工事が完成すれば大阪や和歌山、京都からのアクセスもよくなり、暮らしの利便性がさらに高まるでしょう。
施設名:イオンモール橿原
所在地:奈良県橿原市曲川町7丁目20番1号
アクセス:JR万葉まほろば線「金橋駅」より徒歩10分
橿原市の住まい事情
実際に生活をするとなれば、家賃相場は気になるものです。
橿原市の家賃相場は2LDKから3DKで、6.87万円。近隣の大和高田市は6.88万円、桜井市は6.69万円とそこまで差はありませんでした。
ちなみに、私が初めて橿原市に住んだときの物件は、新築1LDKで管理費と駐車場込みで6万円。最寄りの橿原神宮前駅から徒歩10分ほどでした。
現在橿原市の1LDK家賃相場の平均が7.20万円ですので、この20年近くで家賃は確実に上がっています。
その後結婚し、2人目の子どもができたタイミングで、2LDKの物件(駐車場2台付き)に引越しましたが、駐車場代込みで8万円ほどです。同じく橿原神宮前駅まで徒歩10分でありながら、自然が近くにあり、子育てするにはちょうどいい環境が気に入っています。
奈良県全体に言えることですが、電車のみを移動手段としている世帯は少なく、自家用車を使って生活する方が多い印象です。今回紹介した家賃相場は駅から徒歩10分圏内にある物件の相場なので、マイカーを持っていて少しでも家賃を抑えたいという方は、駅から離れた物件もぜひチェックしてみてくださいね。
橿原市の子育て世帯におすすめエリア
これまでお伝えしてきたように、橿原市は全体的に子育てがしやすい街です。ここでは、その中でも特に子育てがしやすいエリアは次の2つです。
橿原市の子育て世帯におすすめのエリア(1)「大和八木駅」周辺
最初におすすめするエリアは、近鉄大和八木駅周辺です。大和八木駅周辺には、市役所などの行政の窓口や近鉄百貨店があり、橿原市の玄関口といえるエリアです。近鉄橿原線と近鉄大阪線が交わるこの駅は、大阪・奈良・京都・名古屋を結ぶ路線として多くの方が利用しています。
駅から徒歩15分圏内には奈良県立医科大学附属病院があり、県内唯一の特定機能病院として地域医療を支えています。病院が近くにあり安心して生活できる環境も魅力的です。
橿原市の中心地である大和八木駅周辺には、行政の中心である橿原市役所分庁舎が入る"ミグランス"があります。庁舎は老朽化を理由に現在は取り壊され、新たな庁舎の建設を予定しているところです。
ミグランスの10階には、橿原市や大和三山などを見下ろせる展望フロアがあり、高層ビルのない橿原市の広い空を独り占めできます。
大和八木駅の住まいを探す
橿原市の子育て世帯におすすめのエリア(2)「橿原神宮前駅」周辺
橿原神宮前駅は、近鉄橿原線・南大阪線・吉野線の3路線からなるターミナルで、奈良県中南部の玄関口として吉野方面をつなぐ重要な駅です。
南大阪線は河内長野や大阪あべの橋駅方面へのアクセスと、飛鳥や吉野方面への観光客が利用する駅でもあります。京都駅や吉野駅へは60分以内、大阪駅までは70分以内で移動可能です。
駅周辺にはホテルや飲食店、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストアなどが多く立ち並び、自然が豊かで住みやすい住宅地が広がっています。
日本のはじまりの地として初代天皇の神武天皇が即位した地として有名な橿原神宮周辺には公園が整備されており、近くには県立橿原公苑があります。
橿原公苑は、陸上競技場やテニスコート、体育館や野球場が完備された市民の憩いの場です。体育館はジェイテクトアリーナとしてB.LEAGUE"バンビシャス奈良"のホームアリーナとしても使用されています。野球場は佐藤薬品スタジアムとして、高校野球奈良大会の予選が全試合開催され、ウエスタンリーグの試合が行われています。
橿原神宮前駅の住まいを探す
多彩な魅力あふれる橿原市で、子育てを楽しもう!
今回、橿原市で子育てする魅力を紹介してきました。西日本最大のショッピングモールの完成や京奈和自動車道の全線が開通すれば、ますます利便性が高まり生活が豊かになるでしょう。
歴史を感じられる場所や自然が身近にあり、生活もしやすい橿原市は、子育て世帯にとって住みやすい環境が整っています。これから新生活を始める場所を探しているという方は、ぜひ橿原市を定住する候補地として考えてみてくださいね。