大阪府東北部に位置する寝屋川市は、北河内地域と呼ばれるエリアにあります。淀川を挟んで高槻市、摂津市に接し、守口市・門真市・四条畷市・大東市・枚方市・交野市の6つの市に隣接しているのが特徴です。
寝屋川市は、ベッドタウンとして発展してきたため住宅エリアが多くありますが、市内を流れる寝屋川をはじめ公園などの自然も豊かです。
大阪府の別の地域に住んでいたわが家は、出産をきっかけに寝屋川市に引越してきました。住んでみて感じたのは、寝屋川市は子育てに関するサポートがとても充実していることです。
今回の記事では、実際に住んでみて分かった寝屋川市の子育てに関する魅力について、住民目線でお伝えします。
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寝屋川市で子育て中
まずは、寝屋川市の概要について紹介します。
寝屋川市の概要
寝屋川市は、大阪府東北部に位置する中核都市です。「寝屋川市」と聞くと、治安についてネガティブなイメージや、地味な街というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。私も寝屋川市に引越してくるまでは、少し不安があったのですが、実際に住んでみるとまったく違いました。
市内には子育て世代に便利な大型のショッピングセンターや大小さまざまな公園が多数あり、暮らしやすい環境が整備されています。寝屋川市には2つの路線が乗り入れており、駅は4つあります。
京阪本線の寝屋川市駅・香里園駅・萱島駅、JR学研都市線の寝屋川公園駅です。いずれの駅も大阪や京都までアクセスしやすく、駅周辺の環境も整っています。特に寝屋川市駅はここ数年で周辺の開発や道路改修が進められたため、ますます住みやすい駅になりました。
寝屋川市駅は、京阪本線の急行・快速急行が停車します。京阪本線の主要駅でもある大阪の京橋までは12分、京都市の中心地・祇園四条駅までは35分です。すべて乗り換えをすることなく、移動できます。大阪方面の朝のラッシュ時間は少々混み合いますが、3~5分間隔で電車が来るので不便に感じることもありません。
利便性の高さからファミリー層だけでなく学生やカップルからも支持を受け、現在寝屋川市には2023年10月1日時点で約22万6,000人が暮らしています。
子育てをするにあたりわが家が寝屋川市を選んだ理由
私はもともと大阪府出身で寝屋川市と同じ北河内地域エリアで生まれ育ちました。結婚後は夫婦で大阪市内に住んでいましたが、出産を機に子育てしやすい環境へ引越ししたいと考え、寝屋川市に引越しをしました。
寝屋川市に住んだことはありませんでしたが、何度も行ったことがあったため、土地勘や雰囲気は分かっていたことも、寝屋川市を検討した理由のひとつです。治安に関して少し不安があったものの、寝屋川市に住む友人から、寝屋川市は子育て支援が手厚く保育園も入りやすいという情報を聞き、引越しを決意。
最初は寝屋川市駅付近で賃貸マンションを探していました。しかし、中々気に入る物件を見つけることができず、最終的には寝屋川市の隣駅の香里園駅にある賃貸マンションに住むことにしました。
実際どうなの?寝屋川市の子育て
私は香里園駅近くで、保育園児の子どもと夫の家族3人で暮らしています。ここからは、実際に住んでから感じた、寝屋川市で子育てをする魅力についてお伝えいたします。
数字で見る寝屋川市の子育て事情
寝屋川市の人口は、平成7年の約25万人をピークに、現在までゆるやかに減少が続いています。
現在、寝屋川市の年少人口(0~14歳)は2万4,831人です。平均年齢は49.16歳で、高齢者人口(65歳以上)が約6万8,000人います(2023年10月1日時点)。
全国的な傾向と同じく、高齢者人口(65歳以上)が増加し、年少人口(0~14歳)や生産年齢人口(15~64歳)は徐々に減少しています。
寝屋川市の保育施設数は以下のとおりです(2023年10月03日時点)。
・認可保育所 20
・認定こども園 26
・企業主導型保育施設 6
・事業所内保育事業 2
・待機児童保育施設 1
寝屋川市では待機児童ゼロをモットーに、さまざまな取り組みを行っています。2018年に開設された待機児童保育施設では、0~2歳児を対象に、希望する保育施設に入所するまでの間、一時的に受け入れを行っています。ほかにも、保育士の待遇改善など待機児童の減少に非常に力を入れているのが特徴です。この結果から、2018年から現在2023年10月時点まで待機児童0人を達成しました。
寝屋川市の幼稚園は2023年10月時点で8園。4歳児からの受け入れが多いですが、幼稚園によっては2歳児から受け入れ可能です。
寝屋川市の子育て支援情報を5つ紹介!
わが家は子どもが0歳の頃から寝屋川市で子育てをしてきましたが、寝屋川市は非常に子育てがしやすいと感じています。
ここでは寝屋川市の子育て支援情報のうち、主なものを5つご紹介します。ただし、最新情報は寝屋川市の公式ホームページを確認ください。
寝屋川市の子育て支援情報(1)こども医療費助成
寝屋川市では、子どもが入院や通院をした際に支払う医療費の助成を行っています。
・対象者:0歳児から18歳まで(所得制限なし)
・自己負担金:1医療機関当たり500円/日、月3日目以降の受診は無料
子どもが小さい頃は、風邪をひくことが頻繁にあるので、病院に行く機会も多いです。わが家でも、5歳の子どもがしょっちゅう鼻水を出すので、月に何度も通院することが珍しくありません。そのため、医療費の自己負担金が1回につき500円までと上限額が決まっている「こども医療費助成制度」は、非常に助かります。
対象が18歳(高校3年生)までと、対象年齢が広いのもありがたいポイントです。乳幼児期を過ぎても、なにかと通院する機会はあります。子どもが高校を卒業するまで医療費の負担が少ないのは、子育て中の安心につながります。
寝屋川市の子育て支援情報(2)子育て支援センターの設置
寝屋川市内には、未就学児を対象にした7ヶ所の子育て支援センターがあります。支援センターでは、子どもや保護者の交流はもちろん、育児相談なども行っています。
寝屋川市駅から徒歩約8分の場所にある子育てリフレッシュ館RELATTO(リラット)は、2018年にオープンした子育て支援総合拠点です。さまざまなおもちゃが用意されているだけでなく、室内で遊べる砂場やボールプールもあります。わが家も子どもが0歳~1歳の頃に、何度か足を運びました。天候に左右されることなく、子どもを思い切り遊ばせることができたのでとても助かりました。
ほかにも市内の支援センターにいくつか行きましたが、寝屋川市の支援センターはすべて職員さんが常駐しているので安心です。同年代の子どもを持つ親同士で話をすることで、リフレッシュにもなりました。子どもの一時預かりを実施している支援センターもあるので、「ちょっと子どもを預かってほしい」という場合に利用することも可能です。
寝屋川市の子育て支援情報(3)第2子以降の保育料が無償化
寝屋川市では、2023年10月から第2子以降の保育料が無償化されました。0歳~2歳の認可保育施設に在籍している子どもが対象です。
2歳までの保育料は子育てにおいて大きな負担になります。特に子どもが小さいうちは、時短勤務で働く人も多くいるため、保育料がかからないのは家計にとってありがたいです。
無償化を受けるにあたって所得制限はありません。寝屋川市に住民登録をしていれば、基本的には自動的に無償化の手続きが行われるので、手間がかからないのもうれしい点です。
寝屋川市の子育て支援情報(4)市立中学校給食が無償
寝屋川市では、2023年8月から市内にある12校すべての市立中学校で給食が無償化されました。所得制限もなく、市内の市立中学校に通う生徒が対象です。
寝屋川市の市立中学校では、2013年から給食が導入されました。栄養バランスが考えられた給食が、民間の給食センターから市専用のランチボックスで運ばれてきます。成長期の中学生にとって、手作りでバランスの取れた給食が無料で食べられるのはとてもありがたいことです。
寝屋川市の子育て支援情報(5)市内に約2,000台の防犯カメラを設置
寝屋川市内には、子どもの見守りや街頭犯罪等の未然防止を目的に、約2,000台の防犯カメラが設置されています。
私が寝屋川市に引越しをしてきて驚いたことは、市内のあちこちに防犯カメラがあることでした。駅から自宅までの道に人通りの少ない場所があるのですが、防犯カメラがいくつか設置されているので、不安なく歩くことができています。治安があまり良くないという声もある寝屋川市ですが、防犯カメラのおかげでネガティブなイメージが減少しました。
防犯カメラの設置場所は、警察からの要望や自治会等の話し合いなどから、地域ごとに合わせて場所を決定しています。通学路、公園内、駐輪場など、子どもがよく通る場所にも設置されているので安心です。
寝屋川市で子育てする魅力は?体験談を紹介!
ここからは、実際に寝屋川市で子育て中のわが家が感じた寝屋川市の魅力についてお伝えいたします。
寝屋川市で子育てをする魅力
寝屋川市は、子育てがしやすい街だと感じています。
子どもが1歳くらいの頃、どのように子どもと一緒に過ごせばいいのか悩んでいる時期がありました。そこで、支援センターに行ってみたところ、職員さんが笑顔で話しかけてくれて親身に相談に乗ってくれたのです。月に何度かあるイベントを通してほかのママさんたちとも交流することができ、親子でとても楽しい時間を過ごせました。
わが家の子どもは絵本が大好きなのですが、わが家が住んでいる香里園駅周辺には図書館がありません。しかし、寝屋川市立図書館の公式サイトからオンラインで絵本を取り寄せるサービスがあります。香里園駅のすぐそばにある、市の運営する施設で受け取ることができるので非常に便利です。
香里園駅から少し離れると、淀川の河川沿いに自然豊かな公園もあります。芝生が広がる広場では、思い切り体を動かしたり、バーベキューをしたりすることも可能です。子どもと楽しめる場所がたくさんあるのが寝屋川市の魅力といえます。
寝屋川市には、交通安全祈願で有名な成田山不動尊があります。お宮参りや七五三などのお参りに利用する人も多いです。子どもが小さいとお参りも大変なので、近くに寺院があるととてもありがたいです。
寝屋川市の子育て環境
全国的に少子化が進んでいますが、寝屋川市でも同様です。しかし、わが家の住む香里園駅周辺に限っていえば子どもが少ないとは感じません。わが家の子どもと同じ保育園に通う子どもが近所に何人もいます。
寝屋川市には、子連れに便利な大型のショッピングモールがいくつかあります。“ビバモール寝屋川”は、京阪本線寝屋川市駅やJR学研都市線寝屋川公園駅の近くにある施設です。スーパーや日用品だけでなく、ホームセンター・家電量販店・ファッション・グルメ・インテリアなど、便利なお店が多数そろっています。
休日は家族連れでにぎわいますが、入り口やお店に行列ができるような混雑はありません。混み合う心配もなく気軽に行くことができるのもおすすめポイントです。
施設名:ビバモール寝屋川
所在地:大阪府寝屋川市寝屋南2丁目22-1
アクセス:JR東西線・学研都市線(片町線)星田駅徒歩15分、ビバモール寝屋川バス停下車すぐ
営業時間: 10:00〜21:00(レストラン・スーパーマーケットは営業時間が異なります)
寝屋川市を代表する“寝屋川公園”もファミリーに人気のスポットです。緑に囲まれた自然豊かな公園内には、15以上の遊具があるので子どもが飽きることなく体を動かして遊べます。ソフトボール広場やテニスコート、野球場などもあるので、小さな子どもだけでなく幅広い年代の子どもが楽しめるところが魅力です。
夏は縁日、秋は星座観測会など子ども向けのイベントも多数開催され、市内外からたくさんの人が訪れます。
最寄り駅のJR学研都市線寝屋川公園駅から寝屋川公園までは徒歩約2分です。400台以上の駐車場もありますが、大型連休やイベント開催時には満車になることもあります。
施設名:寝屋川公園
所在地:大阪府寝屋川市寝屋川公園1707
アクセス:JR学研都市線寝屋川公園駅下車、西口を上がり徒歩すぐ
施設受付時間:9:00〜17:00
寝屋川市の住まい事情
実際に住むとなったら、家賃などの住まい事情は確認したいポイントです。わが家は寝屋川市に引越しをする前の数年間、大阪市内に住んでいました。
現在は寝屋川市に一戸建てを購入して住んでいるのですが、賃貸マンションに住んでいた時期もあります。当時住んでいた寝屋川市の賃貸マンションは、大阪市内で借りていた賃貸マンションとほぼ同じ広さでした。しかし、家賃は寝屋川市の方が安く、価格差に驚きました。
〈2LDKの家賃相場〉
・寝屋川市:7.57万円
・大阪市北区:22.38万円
・枚方市:11.20万円
・高槻市:12.44万円
〈3LDKの家賃相場〉
・寝屋川市:7.96万円
・大阪市北区:27.64万円
・枚方市:10.77万円
・高槻市:13.71万円
寝屋川市は周辺エリアと比較すると手頃な価格で住める地域であることが分かります。しかし前述したとおり、寝屋川市はここ数年でさまざまな子育て施策に取り組んでいます。そのため、家賃を抑えながら充実した子育てライフを送りたい方にぴったりな街といえるでしょう。
寝屋川市の子育て世帯におすすめエリアを紹介
これまでお伝えしてきたように、寝屋川市は全体的に子育てがしやすい街です。ここでは、その中でも特に子育てがしやすいエリアを紹介します。
おすすめエリア(1)京阪本線「寝屋川市駅」周辺
まずおすすめしたいのは、京阪本線寝屋川市駅周辺です。寝屋川市駅は駅付近に便利な施設がたくさんあります。
特におすすめの施設は、駅直結の“アドバンスねやがわ”です。1号館と2号館に分かれており、1号館には、スーパー・図書館・100円ショップ・ドラッグストア・ファッションなど、さまざまな店舗が入っています。2号館は、飲食店をメインに銀行や携帯ショップなどがあります。
2021年8月に1号館にオープンした図書館は、まるでカフェのようなおしゃれな雰囲気で、1日中過ごしたくなるような空間です。キッズエリアもあるので、親子でゆっくりと絵本を楽しめます。
施設名:アドバンスねやがわ
所在地:大阪府寝屋川市早子町23-2-217
アクセス:京阪本線寝屋川市駅直結(徒歩約1分)
営業時間:10:00~22:00(店舗ごとに営業時間が異なります)
寝屋川市駅からバスで5分ほどの場所には“打上川治水緑地”があります。広大に広がる芝生では、ピクニックを楽しむ家族連れやボールや自転車などで遊ぶ子どもが多いです。夏祭り・お花見・お月見など、季節ごとのイベントも開催され、イベント中は多くの人でにぎわいます。
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おすすめエリア(2)京阪本線「香里園駅」周辺
わが家が住んでいる京阪本線香里園駅周辺も子育て世代におすすめのエリアです。
香里園駅は、東側と西側で違った雰囲気を持っています。東側は静かな住宅地でファミリー層に人気です。西側はショッピングセンターやスーパーなど、商業施設が立ち並ぶ便利なエリアです。
香里園駅には、“関西医科大学香里病院”があるのも特徴です。駅直結(徒歩1分)で非常にアクセスしやすく、土曜も診察しています。診療科目が豊富にあるため、子どもだけでなく家族全員がよくお世話になっている病院です。
駅から16分ほど歩くと、“香里西公園”があります。わが家もよく行くのですが、木製の複合遊具やブランコがあり、アスレチック感覚で遊べるのが子どものお気に入りポイントです。広いグラウンド場もあるので、学生が球技などを楽しむ姿をよく見かけます。
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寝屋川市は子育て世代に優しい街
寝屋川市で子育てをしていて感じることは、子育てしやすい環境を市がサポートしてくれているという点です。保育園の待機児童ゼロをはじめ第2子保育料の無償化など、子育て支援政策がここ数年で増えてきている印象があります。
大阪には寝屋川市以外にも子育て支援に力を入れている市はありますが、寝屋川市は家賃相場が低めなところが、うれしいポイントです。
寝屋川市はこれからも子育て世代に優しい街としてますます発展してくでしょう。大阪への引越しを検討されている方は、ぜひ寝屋川市も候補に入れてみてくださいね。