子育てをするうえで、生活する環境を気にする方は多いのではないでしょうか。福祉や学校、自然環境など、子どもの成長に影響を与えるものはさまざまです。
今回は、福岡県の中でも豊かな自然と利便性を兼ね備えた「糸島」の子育て環境について、糸島市で子育て中の私が詳しくご紹介します。子どもの食育や教育、自然体験などに興味がある方はぜひ住まい探しの参考にしてみてください。
糸島市で取り組む子育て
糸島市は、福岡県の中心地である天神駅から車で40分の距離にある、自然豊かなエリアです。糸島市の概要や、なぜ糸島市に住むことを選んだのかをお伝えしていきます。
糸島市ってどんなところ?糸島市の概要
糸島市は、福岡県の最西部に位置する豊かな自然と食に恵まれた土地です。2010年に、糸島半島にある前原市・志摩町・二丈町が合併して「糸島市」が誕生しました。
糸島市の北側は玄界灘に面しており、美しい海岸線が広がっています。南には山々が連なり、中間部には糸島平野と呼ばれるなだらかな田園地帯があり、自然のさまざまな表情を楽しめるエリアです。
海産物や野菜、フルーツが有名で、各所に点在する産直市場では新鮮でおいしい食材が手に入ります。最近では、海辺におしゃれなカフェやおいしいと評判の飲食店が増えました。春・秋は美しい景色、夏は海、冬はカキ小屋を求めて各地方から旅行客が訪れています。
九州大学の伊都キャンパス設立により、公共交通機関が充実し始めていて、これからさらに便利になっていきそうです。
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わが家が子育て環境に糸島市を選んだワケ
わが家が糸島で子育てをし始めてから4年ほどの月日が経ちました。わが家が糸島で子育てを始めた一番大きな理由は、福岡市内よりも自然が身近に感じられる環境に惹かれたからです。
糸島市に住んでいると四季を満喫できます。春は畑から漂う苺の香りを感じ、夏は魚やカエルを捕まえたり、昆虫採集を楽しんだり。秋には紅葉を眺めたり芋ほりをしたりと、豊かな自然を日常的に体験することが可能です。
私たち夫婦は情操教育を大切にしたかったため、身近にある自然の中で生きた学びを得られる糸島に移り住んで、子どもを育てることに決めました。
実際どう?糸島市の子育て
数字で見る糸島市の子育て事情
まずは、データから糸島の子育て事情を解説していきましょう。
●糸島市の人口
糸島市の人口は、102,936人(2022年4月1日)。そのうち、年少人口(0~14歳)は14,329人です。人口の約14%が年少者で占められています。2016年から総人口は徐々に増加していますが、年少人口は0.4%増加したのみで大幅な増加はありません。
●糸島市の施設数
私立保育所(園)…15ヶ所
認定こども園…8ヶ所
幼稚園…5ヶ所
小規模保育園…4ヶ所
企業主導型保育園…4ヶ所
届出保育施設…5ヶ所
待機児童数は少ないですが、施設数も少ないので「保活」は重要です。保育園探しに対して行政が細やかな対応をしているわけではないので、自発的な行動が求められます。
糸島市の子育て支援情報
それでは、糸島市の子育て支援は充実しているのでしょうか。
〈糸島市の子育てビジョン〉
糸島市は、豊かな自然と新鮮な食材に恵まれた特徴を生かして、子どもを産み・育てやすい環境づくりに重点的に取り組んでいます。
糸島市では、子どもたちを地域や社会の将来を担う大切な“宝”だと考えています。学校や家庭、そして地域が一体となってみんなで楽しく支援するのが糸島流の子育ての特徴です。
糸島市の支援情報(1)子育て支援の輪を広げる「子育て支援センター」
糸島市子育て支援センターは、前原・二丈・志摩の3地区に子育て支援拠点を配置。すべての地区で包括的に子育てを支援しています。
「子育て広場」では、子どもたちを遊ばせながら同世代の子を持つ保護者同士で、子育ての悩みや意見交換をすることが可能です。「子育て教室」では、育児のワンポイントアドバイスなどの支援事業も展開しているので、初めての子育てでも安心して取り組めるでしょう。
糸島市の支援情報(2)共働きの強い味方「病児・病後児保育施設 コアラ」
病児・病後児保育コアラは、乳幼児が病気の回復期または病状の急変が認められない状態で、保育園などに登園できない場合に一時預かりを行う施設です。
糸島市内に住む子どもや、糸島市内に勤務する保護者に養育されている、生後3ヶ月から小学校6年生までの子どもが対象となっています。共働きでなかなか休みが取れない家庭でも、安心して子どもを預けられる環境があるのは、うれしいポイントといえるでしょう。
糸島市の支援情報(3)育児相談・離乳食教室
子育て支援センターや健康福祉センターあごらでは、子どもの身長・体重測定を行えます。育児や成長発達に関する悩みを栄養士や保健師に直接相談できるので、初めて子育てするときも心強いです。
また、乳児の離乳食時期に合わせた教室を開催しているので、地域の人とコミュニケーションをとりながら楽しく子育てに取り組めるでしょう。
糸島市の支援情報(4)子ども医療費の助成
糸島市では子ども医療費の助成を中学3年生まで受けられます。これまで3歳以上の子どもを対象に設けられていた所得制限も廃止されました。
調剤薬局の保険対象分の医薬代は、0~15歳まで無料です。子どもは何かと病気やケガが多いので、中学3年生まで医療費の助成を受けられると、家計が助かります。
わが家は上記の4つの制度を利用しています。ただし、内容が変更されることもありますので、最新情報は糸島市役所の運営するサイトでご確認ください。
糸島市での子育て体験談
ここからは、実際に糸島に住んで子育てをした体験談をお伝えします。
子育て中に実感した糸島の魅力
糸島市で子育てをする魅力は、身近にある自然環境にあります。
わが子は男の子で、魚やカニ、エビなど水辺の生き物に夢中です。暖かい季節になると、親子で網とバケツを持って魚などを捕まえに出かけます。出かけ先も、家から徒歩5分圏内にある用水路や小さな川がほとんど。特に車などで遠出する必要はありません。
捕まえた魚を水槽で飼育したり、卵を孵したりして、リアルな「生物」を生活の中で学んでいます。庭先でヤモリを捕まえて飼育し、卵を孵化させ、赤ちゃんヤモリをまた自然へ帰すことで命の大切さを体験できました。
公園には十分な広さが確保されているため、自転車などの乗り入れが禁止されていない場所がほとんど。そのため、思いっきり自転車やキックボードの練習ができます。
海が近いので子どもと一緒に魚釣りをして、釣ってきた魚を調理して夕食に出すこともしばしばあります。自分の釣った魚が食卓に並んでいると、喜んでたくさん食べてくれます。一時的な体験ではなく、自然の中に身を置くことで、豊かな環境でのびのびとした子育てを実現できました
糸島には、さまざまなアーティストの工房やギャラリーが点在しています。幼いころから芸術に触れていると、豊かな感性を育てられます。私も陶芸作家さんの作品をふらっと見に行ったり、気に入ったときにすぐに購入できたりする今の環境を気に入っています。
糸島市の自然あふれる子育て環境
糸島市には、子どもが遊ぶための場所が充実しています。
〈糸島市内の主な遊び場〉
・糸島市農業公園ファームパーク伊都国
・平原歴史公園
・丸田池公園
・LASPARK RESORT(ラズパークリゾート)
・大原海水浴場
・フォレストアドベンチャー糸島
糸島市内には広い公園が多く、ボール遊びや乗り物遊びなどができる場所がほとんどで、子どもたちはのびのびと遊ぶことができます。自宅の周辺でも、魚や虫取りなどの遊びも可能です。
海が近く、海水浴やマリンスポーツを楽しめます。山もあるので、親子で気軽にハイキングや登山に挑戦できます。庭先で家庭菜園をして野菜を収穫したり、花を育てたり、「自然」の中での遊びには事欠きません。
糸島市なら、情操教育を大切にしたい親にとって、満足度の高い環境での子育てを実現できるでしょう。
糸島市の住まい事情
私は以前、福岡市中央区の賃貸物件に住んでいました。天神駅まで電車で10分以内の距離に住んでいたので、非常に便利で通勤も快適でした。しかし、部屋自体が狭く大通りに面していたため、夜間でも絶え間なく車の音が部屋中に響き、子どもが目を覚ましてしまうことも。
糸島市は、終日交通量が少ないので、家の中で静かに過ごすことができます。ファミリー向けの賃貸物件が多く、福岡市中央区内のワンルームと同程度の家賃で、ファミリータイプの物件を借りられます。実際に家賃相場を比較してみました。
〈糸島市の家賃相場〉
・1K:4.29万円
・1LDK:5.83万円
・2LDK:6.73万円
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〈福岡市中央区の家賃相場〉
・1K:5.14万円
・1LDK:8.27万円
・2LDK:14.21万円
福岡市中央区の賃貸物件を探そう
糸島市内には賃貸物件数が少ないので希望どおりの条件を満たす部屋を探すのは大変かもしれません。公共交通機関も福岡市内ほど充実していないので、自家用車があると便利な暮らしができます。福岡市は利便性の高さが、糸島市は暮らしの豊かさが魅力となっています。
糸島市の子育て世帯におすすめのエリア
おすすめエリア(1)JR筑肥線「筑前前原駅」周辺
筑前前原駅は、糸島の中心部にあり、駅周辺は糸島の中でも特に交通の便がいいエリアです。糸島市内の交通の便はあまりよくありませんが、駅近であれば電車一本で天神・博多まで出られます。
さらに、JR筑肥線は地下鉄空港線に乗り入れているので、飛行機で移動するのにも非常に便利。全国に出張がある人や、家族でたくさん旅行がしたいという人にもおすすめです。
幼稚園や小学校も筑前前原駅近くに点在しているので、ファミリー層には利便性の高いエリアです。
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おすすめエリア(2)「イオン糸島ショッピングセンター」周辺
イオン糸島ショッピングセンター内には、イオングループである「グリーンピクニック」の店舗やJF糸島(糸島漁業協同組合)と糸島市観光協会(志摩部会)が運営する「志摩の四季」があります。
グリーンピクニックではおしゃれな植物が購入でき、屋外には子どもが遊べる広場やカフェが併設されています。緑に包まれた憩いの空間で心地いい時間を過ごすことが可能です。
志摩の四季では、新鮮な野菜や果物、海鮮類を購入できます。店内では、新鮮な魚介を使用した海鮮丼や定食を食べられるので、連日多くの住民や旅行客が訪れているのを見かけます。
ショッピングセンターの敷地内には、脳神経外科・内科・耳鼻咽喉科・眼科などのクリニックや調剤薬局が点在。駐車場も広々しており、待ち時間があったとしても、ショッピングセンター内で時間をつぶせるので、非常に便利です。
糸島に住みたいけれど、医療の利便性や食材にこだわりたい人は、ぜひ「イオン糸島ショッピングセンター」周辺エリアを検討してみてください。
おすすめエリア(3)「糸島高校前駅」周辺
JR筑肥線の中でも一番新しい「糸島高校前駅」。糸島高校前駅は糸島への移住者増加に伴い、2019年に作られた駅です。
駅周辺には、スーパーマーケットや100円ショップ、ファストフード店や飲食店などが立ち並び、非常に利便性が高いです。
新しいマンションや一戸建てが続々と建設され、糸島へ移住してきた人たちが多く住むエリアなので、同じ仲間が増えるのではないでしょうか。エリア開拓に伴い、新規出店する店舗や居住区が徐々に増えているので、狙い目です。
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豊かな子育てができる糸島市
糸島は観光やお出かけだけでなく、子育てや暮らしにも適しています。天神や博多へのアクセスも良好で、暮らしに必要なものはすべてそろっています。自然の中での子育ては、都会では得られない貴重な幼少期の経験になるでしょう。情操教育に力を入れたい方には、特におすすめです。
自然や四季を感じながら、充実したスローライフを過ごしたいと考えている方は、ぜひ糸島での暮らしを検討してみてはいかがでしょうか。