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【大阪・30-40代ワーママの街探し座談会】仕事と子育てが楽しくなる街とは?
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大阪市内で暮らす3人は、写真家、アパレルスタッフ、ライターと職業は違うけれど、全員が男の子のお母さん。ワーママが仕事と子育てを両立するために、住む街の環境や部屋に求めものとは。座談会は引っ越しや新居探し、倉庫使いにまで話が広がりました。

<プロフィール>

平野愛(ひらのあい)
1978年京都生まれの写真家。住まい・暮らし・人の撮影から執筆までを行う。自然光とフィルム写真にこだわったフォトカンパニー「写真と色々」設立。中学1年生の息子と親子3人で、西区のリノベーションマンションに暮らす。

北浦麻美(きたうらあさみ)
1984年大阪生まれ。雑貨とアパレルの店「dieci」で勤める傍ら、イラストレーター・グラフィックデザイナーとしても活動。4歳・0歳の息子と家族4人で、谷4の公団住宅に暮らす。旦那さんは木彫り作家の北浦和也さん。

亀村有紀(かめむらゆき)
1982年徳島生まれの編集者・ライター。大阪と徳島を行き来しながら、紙媒体やWEBの編集・コピーライティングを手がける。2歳になる息子と家族3人で、福島の賃貸マンションに暮らす。

結婚直後に住む場所は、子育ても見越して選ぶのが正解

―今住んでいる街を選んだ理由は?

平野愛(以下、平野):「15年前に結婚をして、最初は靱本町に住んでいました。クライアントの出版社と行き来しやすいから選んだのですが、担当していた雑誌が廃刊になって。京都に帰ることも考えたけど、大阪は働きやすいし、このまま暮らそうかって思っているうちに子どもができて。産後は仕事復帰したものの、体調を崩してしまい、結構大変な時期もあったので、住環境を変えようと10年前にマンションを購入。前の住まいから1町だけずれたエリアに引っ越し、その後、土佐堀にあった事務所も自宅から徒歩30歩の場所に移転しました」

一同:「30歩はめちゃくちゃ近い!」

平野:「子育てもあるから大接近させたという感じです。今思えばもっと早くに移転しておいても良かったなって」

北浦麻美(以下、北浦):「私も結婚したときに住んでいた森ノ宮のマンションから、子どもが産まれて引越ししました。40平米の2DKだったので、もう少し広い部屋に引っ越したいと思い、土地勘があって、あまり生活圏が変わらないエリアで探しましたね。あと、職場が天満橋なので、前の家からだと大阪城公園の中を通れば信号ゼロで行けるからすごくよくて。谷4(谷町4丁目)と森ノ宮の間くらいにある公団のマンションに一戸空きがあったので、家賃補助もあるしいいかなって。家の広さは70平米の3LDKになりました」

平野:「子どもが生まれると大がかりに動きにくいから、結婚した後どこに住むのか、最初の一歩が大事なのかも」

亀村有紀(以下、亀村):「確かに、今引っ越しをするとなると、だいぶ腰が重く感じますね。私は大学生で一人暮らしをはじめてから結婚するまで、7回引っ越しをしていて。子どもがいる今は荷物も多いし、独身のときみたいに身軽に引っ越しできないです」

平野:「我が家はエンタメ一家なので、CD、DVD、レコード、本が山ほどあって、たくさん処分もしたけれど、1町引っ越すのに4t車と2t車で動きましたね。値引きしてもらって24万円かかりました」

一同:「1町移動で24万円!想像を絶する物量ですね!」

亀村:「私が福島を選んだのは旦那さんの職場が梅田なので、自転車通勤できるのが理由で。結婚する直前まで谷6(谷町6丁目)に住んでいて、知り合いも多いし、街の雰囲気も好きで離れるのは寂しかったけれど、自宅を事務所にしているのでPCがあればどこでも仕事はできるし、旦那さんの仕事を優先した感じです。福島は飲食店も多いし、電車もJR環状線と東西線、阪神電車もあるのでアクセス抜群。市営バスの本数も多いし、今年からオンデマンドバスも運行しているので、子育て中の移動に利用しています。今、絶賛家探し中ですが、エリアはやっぱり福島がいいかな」

街のお気に入り度がアップする公園と緑、そして人

―子育てに求める街の条件ってありますか。

平野:「私は公園ですね。パッと家を出たら緑が見えるくらいの距離感に公園がほしい。私の実家の前が公園だったから、安心するのかなって。原風景に近い環境を求めているかも」

北浦:「私も同じく公園です。家の近くに難波宮(跡公園)があるんですけど、緑いっぱいの手つかずの広場で。部屋の間取りは普通やし、ぜんぜん愛着は無いから、自分の持っている物で愛着を足していっているけど、難波宮があることで、1.5倍から2倍くらい今住んでいる場所が好きになっているかも。どうかあのままでって祈っています」

亀村:「あの余白は大阪市内になかなか無いですよね。自由に遊べる公園は、子育てに必要不可欠。私も福島で家を探していますが、公園と緑が多い鷺洲エリアが第一希望だったりします」

北浦:「小さい子どもに必要なのは床の広さ。広さがあると暴れ回っても親がキーってならないからお互いにのびのびできる。大阪市内だと家の中に広さを求めるのは難しいけれど、公園でその分を補えている感じです。私の実家は東大阪の駅前徒歩5分のマンション最上階だったので、ベランダからは線路と小さい家がいっぱいある風景が広がっていました。旦那さんは、池田の山のほう。カエルが鳴いている田んぼの道を歩いて駅まで1時間の緑いっぱいのところに住んでいたので、二人の原風景の中間が谷4なのかもしれません」

亀村:「谷町は都会と田舎がミックスされた雰囲気がありますよね」

北浦:「空堀商店街もあるしいいですよね。あと、谷町は何をしているかわからない人が多い。旦那さんは作家なので一般的にはレアな職業ですけど、上の子が行っている保育園には、突然金髪のお父さんがお迎えに来るとこともあるし、谷町だからなじめているのかなって。いい意味でフラットな感じだから、住み心地がいいですね」

平野:「私も”人”の存在が大阪に住むうえで大きい。住んでいる場所の近くにはデザイン事務所や建築事務所も多いし、活版印刷屋さんとか紙屋さんとか、関わりたい人、信頼できる人が集まっているから離れられない。こういうコミュニティは、他ではなかなかつくれないかもしれません」

住環境を優先できる、大阪市内で上手に暮らす術

―亀村さんは家を探しているということですが、お二人は移り住む予定は?

亀村:「平野さんはお家を購入されているので、移り住むことは考えていなんじゃないですか?」

平野:「そんなことないですよ。貸してもいいし、あんまり重たく考えてないです。またどこか借りてもいいし、そんな感覚ですね。事務所とかもパッパパッパ借りて、パッパパッパ移ってます」

一同:「それいいですね!」

北浦:「私も今、物件をめちゃくちゃ見ています。家の近くを中心に探しているけれど、谷町は値段が高いから、なかなか理想の広さを求めるのはむずかしいなって。上の子が小学校までにはと思っていたけれど、のんびり探そうと思っています」

亀村:「わかります。理想の広さを求めると、びっくりするような価格ですよね。新築マンションも中古マンションもどんどん値上がりしているみたいですし、大阪市内でマンションや家を購入するハードルがどんどん高くなっているのを感じていて」

平野:「私は広い家を買えなかったけど、倉庫を借りて、うまいことやっていますよ。最近は倉庫のサブスクとかもあるみたいで、一箱1,000円/月で預けられるサービスもあって。箱の中に入っている物の写真を撮ってくれるので、送って欲しいものを伝えたら家に配送してくれる。今後はそういうのにも手を広げて、冬服、夏服とかを預けたいと思っています。倉庫を利用することで、広さとかにこだわらなくてもよくなる、そうすると住環境を重視できるようになるんじゃないかなって!」

ー倉庫のサブスクは新しい!ワーママにとってのあたらしい受け皿になりそうですね。

地域コミュニティが心強い、大阪市の子育て環境

子育てをしていると広い部屋が欲しくなるけれど、大阪市内にその暮らしに求めるのは難しい。そこをカバーしてくれるのが、公園や倉庫使いなのかもしれません。

3人のお話の中から、大阪だからこそ築くことができるコミュニティの中で暮らし続けることが、仕事も子育ても楽しむ上で大切なことが見えてきました。これから結婚を予定している人や、子育て中の方はぜひ参考にしてみてください。

◆本記事の担当者
取材・文:西川有紀

IN/SECTS編集部

プロフィール:大阪という物理的なローカリティと、感性や共感といった同時代性的ローカリティを軸に、ローカル・カルチャーマガジン「IN/SECTS」を発行。現在、大阪の京町堀を拠点に、「IN/SECTS」のほか、書籍の出版も行う。年に一度、イラストレーターや飲食店、作家、アーティストと、アジアの出版社を集めたイベント「KITAKAGAYA FLEA & ASIA BOOK MARKET」を、北加賀屋にて開催。LIFE LISTでは、個の視点を通して見えてくる街や人の姿を紹介する。

※掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください

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