成城学園前というと、高級住宅街のイメージを持たれる方は多いのではないでしょうか。実際に街を歩いてみると、邸宅を見かけることが多いです。街並みは美しく区画され、生垣や樹林が保全されており、中高層マンションの建設が制限されています。
成城という地名の由来は、成城学園の前身である、「成城小学校」が創設されたことにあります。成城学園は、1925年に東京都世田谷区の現在地、当時の府下北多摩郡砧村に移転しました。この移転により、街の発展とともに「成城」という名が浸透しました。1927年に小田急線成城学園前駅が開業し、周囲には多くの住宅が建設されました。1936年には「砧村」から「成城町」へと地名が変更されたそうです。
私は、職場や息子の学校が成城学園前にあったため、12年以上通い続けました。徒歩または自転車で、いろいろな場所に行き、楽しんだ思い出がたくさんあります。この記事では、成城学園前の素晴らしい景観と環境を味わえる散歩スポットを紹介します。
成城学園前周辺の散歩におすすめのスポット
閑静な住宅街が広がる成城学園前は、世田谷区の取り組みにより、成城学園前周辺の自然環境が保たれています。また、周辺と比べて小高い場所にあるので、眺めがいい場所が多く、歴史的な建物を楽しむことも可能です。
駅前の複合型商業施設や周辺の商業施設には、成城石井などの高品質な店舗が多く、生活の質を高める要素がそろっています。
今回は、成城学園前駅を起点に、私のおすすめ散歩コースをご紹介します。
(1)成城池→(2)成城学園のイチョウ並木→(3)高級住宅街と桜並木→(4)成城五丁目猪股庭園→(5)成城みつ池緑地旧山田家住宅→(6)富士見橋と不動橋→(7)成城3丁目緑地→(8)仙川ウォーキングコース→(9)あんや
成城学園前の散歩スポット(1)成城学園の中の池【成城池】
成城学園前駅から徒歩約4分、成城学園の正門から大学の左手を奥に進むと成城池があります。さまざまな動植物が生息する貴重な自然環境で、1984年に「せたがや百景」の1つに選定されました。
成城池は1927年に土砂採取の跡を利用して造られた人工池です。この池は、自然と親しむ教育を実践するために、父母や生徒も参加して整備されました。水陸双方の環境を必要とするトンボは、13種類確認されたことから、恵まれた自然環境であることが分かります。
広い空間にベンチがたくさんあり、くつろいで自然を堪能することが可能です。成城学園の学生の元気な様子に触れながら、日常から離れた緑の空間を味わえます。
施設名:成城池(成城学園内)
所在地:東京都世田谷区成城6-1-20
成城学園前の散歩スポット(2)成城学園のイチョウ並木
イチョウ並木は成城学園の正門から駅入り口の交差点まで続いています。車幅の狭い道路の両側にイチョウが植えられており、成城学園の入り口を背にして眺めると、整然とした美しさに感動します。
このイチョウ並木は、成城学園が1925年に東京市牛込区から移転してきた際に、当時の学生たちが小さなイチョウの苗木を植えたのが始まりだそう。保存樹木に指定されている大きなイチョウの木も何本かあるので、歩きながら保存樹木を見つけるのも楽しいです。
このイチョウ並木も「せたがや百景」に選ばれており、地域住民や自治会が中心となって、保全活動を行っています。近くでイチョウの木を眺めると、一本一本大切に管理されている様子が観察できます。イチョウ並木自体は短めですが、手入れの行き届いたイチョウがきれいな街並みに溶け込んだ、美しい風景を味わってみてください。
施設名:イチョウ並木
所在地:東京都世田谷区成城6丁目、7丁目
成城学園前の散歩スポット(3)高級住宅街と桜並木
成城の桜並木は、駅から北へ向かう道沿いに600メートルほど続きます。ソメイヨシノやオオシマザクラなど、樹齢60年以上の桜の木が植えられています。春の開花時期には、300本を超える桜の木が一斉に花を咲かせ、高級住宅街の景観とも相まって、非常に美しいです。
施設名:桜並木
所在地:東京都世田谷区成城6丁目、7丁目
成城学園前の散歩スポット(4)成城五丁目猪股庭園
成城五丁目猪股庭園は、住宅街の中にある隠れ家的な散歩スポットです。実際に訪れてみると、伝統と新しさを同時に感じられる家屋と庭園が広がっています。
旧猪股邸は、猪股猛氏ご夫妻の邸宅として1967年に建てられたもので、建築家・吉田五十八の設計による近代数寄屋作りです。庭園は京都の世界遺産『銀閣寺』の御用達庭師、田中泰阿弥が作庭に関与しました。昭和の巨匠が実力を存分に発揮した傑作です。
四季折々の美しさをたっぷりと感じられる家屋と庭園で、昭和の傑作と自然に触れてみてはいかがでしょうか。
施設名:成城五丁目猪股庭園
所在地:東京都世田谷区成城5-12-19
開園時間:9:30~16:30
休園日:月曜日
※臨時休園もあるため、事前に世田谷トラストまちづくりへ問合せることをおすすめします。
成城学園前の散歩スポット(5)成城みつ池緑地旧山田家住宅
みつ池緑地旧山田家住宅は、国分寺崖線の自然が保全されている場所です。ほとんどが立ち入ることのできない森林保護区ですが、奥に進むと一区画だけ、公園として開園している場所があります。
旧山田家住宅は、アメリカで事業を成功させた実業家の楢崎氏が、1937年帰国後にアメリカ風住宅の影響を受けて建設されました。1961年に山田盛隆氏が生活の拠点として購入し、現在は水周りを除いてほとんど改築されず、当時のデザインが維持されています。和洋折衷の特徴や部屋ごとにデザインの異なる寄木張り床、部屋ごとに異なる色の壁など、多くの見どころがあります。
建物内1階には、コーヒーが飲めるカフェコーナーもあるので、散歩の休憩に立ち寄ってみるのもおすすめです。
施設名:成城みつ池緑地旧山田家住宅
所在地:東京都世田谷区4-20-25
アクセス:小田急線 成城学園前駅下車徒歩7分
開園時間:9:30~16:30
カフェ営業時間:12:30~15:00(ラストオーダー午14:30)
休園日:毎週月曜日(月曜が祝日の場合は次の平日)年末年始(12月29~1月3日)
成城学園前の散歩スポット(6)富士見橋と不動橋
不動橋と富士見橋は、小田急線が開通したときに線路の上に木製の橋として架けられました。戦後にコンクリート製に替えられて今に至ります。橋のデザインは区民の公募で決定されました。
小田急線に並んで架かっている2本の橋の名前は、成城学園前駅側が富士見橋、喜多見駅側が不動橋です。橋の周りにはデザインの工夫された植栽スペースやベンチがあり、市民の憩いの場となっています。
この2つの橋は都市部の中では珍しい富士山が見えるスポットで、ここからの富士山の眺めは、関東の富士見百景にも選ばれているほど美しいです。
施設名:富士見橋と不動橋
所在地:東京都世田谷区成城4丁目、5丁目
成城学園前の散歩スポット(7)成城3丁目緑地
成城3丁目緑地は、国分寺崖線に位置し、湧水が豊富です。入り口は高台にあり、見晴らしのいいベンチで一休み。崖上から見下ろせるので、国分寺崖線の高低差が印象的で見晴らしがよいです。
樹林は、クヌギ・コナラ林を中心とし、シラカシ林・アカマツ植林、ヒノキ・サワラ植林、竹林・桜などの植栽林が混在しています。
緑地の奥にある階段を下りると、湧水地があります。ここは、竹林やセキショウの湿生植物群落を見られるスポットです。住宅街の中にあるとは思えない、自然の豊かな場所で実際に見てみると、「こんなに神秘的で豊かな空間が広がっているなんて!」と、驚くでしょう。
施設名:成城3丁目緑地
所在地:東京都世田谷区成城3-16-38
成城学園前のおすすめスポット(8)仙川ウォーキングコース
仙川ウォーキングコースは、世田谷区内を流れる仙川沿いにあります。桜並木がすてきな遊歩道で、地域風景資産に選定されています。また、仙川の川面に映り込む景色も見どころです。四季折々の魅力に溢れていて、清々しく、散歩していると気分がよくなります。
ウォーキングコースとして整備されており、500mごとに案内版があります。何m歩いたかも分かるので、ちょっとした運動にもおすすめ。季節問わず、とても素晴らしい遊歩道です。
成城学園前のおすすめスポット(9)あんや
散歩の締めにおすすめなのが、「あんや」です。あんやの店頭には季節のお菓子や通年美味しくいただけるお菓子がそろっています。店の奥に茶房が併設されているので、店頭で気になったお菓子を食べることも可能です。
散歩の後に、落ち着いた空間でお菓子と日本茶を楽しんでいると、リラックスできます。
店舗名:あんや
所在地:東京都世田谷区成城6-5-27
営業時間:9:30~19:00(茶房11:00~18:30【ラストオーダー18:00】)
定休日:元日以外原則無休
成城学園前周辺の散歩は街並みと国分寺崖線の自然に注目
今回は、成城の歴史と自然を満喫できる散歩スポットをご紹介しました。季節ごとに見どころが変わる魅力的の溢れるスポットばかりですが、個人的には桜が楽しめる春に訪れるのがおすすめです。
記事内でも紹介した「国分寺崖線(がいせん)」とは、多摩川が10万年以上かけて武蔵野台地を削り取ってできました。そのため、この国分寺崖線の樹林や湧水等の豊かな自然環境は、守るべきものだと思います。
1927年に小田急線が開通してから急速に宅地化が進んだ成城ですが、緑を保全しようという市民の努力が随所に表れています。散歩をしていると、素晴らしい環境が維持されていることを体感できるでしょう。
成城学園駅前には品のあるカフェやレストランもそろっているので、散歩帰りに立ち寄ってみるのもおすすめです。