難波の東側に位置し、 Osaka Metro千日前線と阪神電車なんば線が通る桜川駅。そこからあみだ池筋沿いに約3分歩いていくとあらわれるのは、全面ガラス張りのオープンな空間「di doo dah」。オーナーの西岡大輔さんは南堀江に美容室「IRO」をオープンしたのち、2023年に食空間も併設された「di doo dah」を2店舗目としてオープン。美容室としての顔だけでなく、焼き菓子やランチの提供、また祝日だけ食べることができるモーニングメニューがあるとの噂を聞きつけ早速お邪魔してきました。
なぜ食空間も一緒につくりあげることになったのか、美容室としてだけでは終わらない「di doo dah」の役割について、お話を聞きます。
美容室の隣にガラス扉を挟んで作られた食空間
―美容室に併設された形でこの「di doo dah」というお店をオープンされましたが、どのような経緯でこちらは作られたのでしょうか?
西岡大輔さん(以下:西岡さん):「キッチンで働いてくれている亜衣ちゃん(宮内さん)は昔から友達なんですけど、結構前から、ちょこちょここういう形のお店をしたいって話をしていて」
宮内亜衣さん(以下:宮内さん):「そう、2年前ぐらいから、冗談で(笑)」
西岡さん:「彼女は多分冗談だと思っていたんですけど、僕は本気で思っていて(笑)」
宮内さん:「冗談だと思っていたから、言いたいことを全部言っていました。雇用条件も含め(笑)」
西岡さん:「もともとプライベートでよくご飯を食べにいったり、お家に呼んでもらってご飯食べさせてもらっていて。それで、亜衣ちゃんの作るものがとにかくめっちゃ好きで。次にお店を開けるとしたらフックが多い方がいいなと思っていて。だから美容室だけじゃなくて飲食も併設したお店を2、3年前くらいからずっとできたらいいなと思っていたんですよ」
―これまで飲食のご経験は?
西岡さん:「全くありません。だから今もうめっちゃ苦労しています(笑)。亜衣ちゃんにめっちゃ言われるし(笑)。でもそれは当然で、お店の計画当初から、まず見ているところが違っていました。それこそ髪の毛問題とか。僕からしたら美容師だから、こんなん言ったらアレですけど、髪が服についていてもなんとも思わないというか(笑)けど、亜衣ちゃんは飲食のプロだから、絶対にあってはいけないこと。そういうところはすごく気をつけていて、毎回勉強になっています」
宮内さん:「多分、(西岡さんは)お客さんだったとしても気にしないタイプだから(笑)一から教えています」
―見てるところが違うというのはおっしゃるとおりで、飲食の方って気遣いが丁寧ですよね。
西岡さん:「でも、美容師も飲食店の店員も見ているところはお客さん、というゴールは一緒やから、怒られながら勉強中です(笑)」
―もともとの関係性があったからこそ、しっかりと怒ってくれる存在なんですね。
西岡さん:「だからいいですね。元々が友達なので、しっかりと思っていることを伝えてくれる。うちは美容室のスタッフがみんな20代なんですよ。僕は40代なんで、なかなかスタッフが僕に対して何か意見を言いづらいことがあると思うんです。でもやっぱりそういった部分を亜衣ちゃんは友達やから、良くしようと想って言ってくれている気持ちがすごくわかります。一緒にできて良かったなと思いますね、怒られますけど(笑)、唯一怒ってくれる人」
宮内さん:「『(ため込んで)嫌いになりたくないから言うわな』って言った上で、極力いうようにしています(笑)」
―お二人でこの空間を作り上げてこられたのがわかります。
西岡さん:「そうですね。場所も一緒に探して、このお店をどういうふうにしたいとか、いろいろプランを考えました。天井高いから中二階みたいなのを作ろうかっていうプランがあったりとか(笑)」
宮内さん:「二人ともアホで(笑)、こんなに高かったら半分にしてもいけんちゃう!?って、床板の厚さも全然考えずに言っていました」
―1号店のIROが南堀江でdi doo dahは桜川と、10分もあれば歩いて行ける距離。そこまで離れていない距離にありますよね。
西岡さん:「向こうのお店と近いところがいいなとは思っていたんですけど、ここを見つけたのは本当にたまたまで。結構ほかの場所でも探していました。大正とか九条とか。亜衣ちゃんのホーム、谷町6丁目の方とかも。ずっと一緒に物件探しをしていました」
宮内さん:「私はもともと谷町6丁目でお店をやっていて、そこが長かったし、谷町6丁目の雰囲気が好きだったこともあって、周辺の玉造、森ノ宮で探したりしたけど、やっぱり十分な広さがある物件が見つからなくて」
西岡さん:「最後の最後にこの場所と出会えました」
宮内さん:「この辺あまりお店もまだ少ないし、なかなか寄り道する場所がなくて。千日前を挟むとまだちょっと家賃は安いから、おもしろいお店ができたらいいなと思っています」
祝日限定モーニングとは一体!?
― Holiday Morning Club と名前のとおり、モーニングは祝日のみ提供されています。そのきっかけはなんだったのでしょうか?
宮内さん:「美容室は祝日オープンなんですよ。普段は月曜日が定休日で、月曜日が祝日なら美容室は休まずに開けるから、それやったらカフェも開けたいってなって」
西岡さん:「ハッピーマンデーで月曜日の祝日が多いし、ほんまは休みやけど開けるからっていうので、祝日だけモーニングをしようってなりました」
―モーニングはどんなお客さんがいらっしゃいますか?
宮内さん:「モーニングはバスターミナルが近くにあるので、夜行バスで朝一に大阪に着いて、近くの銭湯へ寄る予定の方々とか、普段の人と全然違う人が来ます。あとは、コーヒーとモーニング好きでいろんなところ行っている人とかも。でもやっぱり『今から銭湯行きます』って言う人が割と多いですね」
―ええ!近くに銭湯があるんですか?
西岡さん:「朝6時からやっているところがあるんですよ」
宮内さん:「朝早いから、食べてから銭湯に行く人と銭湯行ってからうちにモーニング食べに来る人と(笑)」
西岡さん:「逆に夜はめっちゃ遅くまでやっている銭湯もあるんですよ。朝の5時までやっているところがあって。うちでは金・土・日曜日は夜の8時から1時までバー営業もしているので、銭湯の帰りに寄って飲んで帰る方々もたまにいますね」
―バー営業では西岡さんもお店に立たれていると伺いました。
西岡さん:「僕がお店に立っていて、アテとかは亜衣ちゃんが作ってくれています。たまにバイトの子が入ってくれて、その時はカレーを作ってくれたりもしますよ」
―日中は美容室に来られるお客さんと、夜はバーに来られるお客さん。西岡さんにとってここではまた違った出会いが生まれていますね。
西岡さん:「そうですね。いろんな人が来るしそれが楽しいです。美容室で知り合った人が夜来てくれたりとか、逆もありで、夜たまたまふら〜っと来てくれた人が髪の毛を切りに来てくれたり。美容室でお酒飲んでしゃべるとかはないけど、夜は一緒にお酒を飲んでしゃべったりもできるので、お客さんのテンションも美容室で髪触っている時とは違いますよね。会う時間や関わる時間が長くなるからお客さんのいろんな面が知れて楽しいです」
―モーニングではどういったものを提供されているのでしょうか?
宮内さん:「モーニングのメニューは毎回変えていて。これまではフレンチトーストや、ホットサンドを作りました。でもオープンして少したってからモーニングを始めたので、祝日だけということもあり、まだ数回しかできていないんですよ。自分がその時に作りたい思いのままに作っています(笑)」
ーでは今回のメニューを教えていただけますか?
宮内さん:「この間までタイへ行っていて。タイはオムレツをご飯にのせて食べる人も多いんです。それが記憶に残っているので、タイ式オムレツを挟んだサンドウィッチに今回はしました。向こうは卵を揚げ焼きにするので、そこがポイントです。タイに行ってから、しばらくお菓子とかもタイ料理しか考えられなくて(笑)。タイへは肥後橋にある居酒屋「のざき」さんと一緒に行って、タイ料理をめっちゃ食べたから、『タイ料理を作りたい!』と言う気持ちが高まったまま帰ってきました。だから、今回は完全な自分のタイ都合なモーニング(笑)」
―普段はランチもされているんですよね。
宮内さん:「ランチは週変わりで、パスタ一択でやっています。今週はホタルイカと春野菜のパスタ」
―メニューは全て宮内さんにお任せで?
西岡さん:「そうですね、僕は何もできないんで(笑)。最初はコーヒーの淹れ方を学んでいたけど、メニューはもう亜衣ちゃんに任せています。」
いろんな人との交流が生まれ繋いでいく場
―お二人のバランス感がいいですね。
西岡さん:「亜衣ちゃんが作るものはお菓子にしてもご飯にしても好きなので、少しでもいろんな人に触れる機会を作って届けることが仕事やと思っています。だから夜のバー営業もそうなんですよ。料理・アテとかも全部亜衣ちゃんが作ってくれているし、夜にお店を開けていたら、そこで料理やアテを味わってくれる人が増える。夜以外にもこの間は京都の髙島屋でポップアップをしました。変な話、イベント出店ってすごく利益が出るものでもないんです。だけどイベントを機会にこのお店を知ってもらえるような引っ掛かりを作るのが仕事やなと思っています」
―美容室と飲食と、それぞれ別々の営業ではありますが、夜に西岡さんがバーで飲食店の店主していたり、そいうスペースとしてdi doo dahのこれからの展望は?
西岡さん:「ベースとしてはいろんな人と関われる場所になればいいなと思っています」
宮内さん:「結構いろんなことをやっている友達が多いから、客席の後ろの棚に作品を置いたり、店内でできるイベントをしたり、人と人をつなげられる場所になったらいいなと思っています。ここが人との交流が盛んにある谷6みたいになればいいなとも思っています」
◆今回取材したお店
「di doo dah bake」
住所:大阪府大阪市浪速区桜川3丁目5−11
営業時間:11:00~18:00(通常)
20:00~25:00(金・土・日)
8:30~15:00(祝日)
定休日:月曜日、第2・第3火曜日Instagram:@di.doo.dah.bake
※営業日・時間につきましてはインスタグラムをご覧ください
まだまだ可能性を秘めている街,大阪桜川
桜川駅は、OsakaMetro千日前線と阪神電車なんば線の駅です。大阪の主要部である難波の東側に位置するため、交通の便も非常によく、難波からは南海線で南大阪、和歌山方面や近鉄線では奈良と府外へも出やすい立地です。治安の面については繁華街近辺のため少し不安があるかもしれませんが、車通りも多く、街灯も含め明るく千日前通りを抜けていけば、夜遅くなっても安心して難波から帰宅することができます。
主要部に近いだけあって平均家賃相場は6.23万円と、大阪市内でも比較的割高ではありますが、周辺の南堀江などのエリアと比べると、千日前を挟んだ桜川エリアは少し家賃は控えめでお得。今回紹介した「di doo dah」では祝日限定のモーニングや週末のバー営業、さらに周辺には朝早くから夜遅くまで営業している温泉もあるので、両方に訪れれば少し特別な休日ライフが過ごせそうです。
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◆本記事の担当者
取材・文:藤本らな 写真:佐伯慎亮