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東京から大阪へ移住した店主が開いた「 plum coffee&bake 」。サクッと寄れるカフェがある京町堀の魅力
東京から大阪へ移住した店主が開いた「 plum coffee&bake 」。サクッと寄れるカフェがある京町堀の魅力

東京から大阪へ移住した店主が開いた「 plum coffee&bake 」。サクッと寄れるカフェがある京町堀の魅力

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和歌山に生まれて、20代前半に就職のために東京へと移り住んだ植山萌さん。そして、数年前に生まれ育った関西の地に戻ってきました。引越し先はこれまでゆかりのなかった大阪。初めての土地・大阪でコーヒーと焼き菓子を提供するお店をオープンすることになったのですが、思いがけないことがたくさんあったようです。
そんな植山さんにお店のことはもとより、大阪の印象、街のこと、暮らしの話を率直に伺ってみました。

焼き菓子の製造所のはずが、気がついたらお店に

―まずは、このお店のオープンから教えていただけますか?

植山萌さん(以下、植山さん):「はい。2023年3月にオープンしました」

―かわいらしいお店ですよね。

植山さん:「内装、全部旦那さんがやってくれたんです」

―え! そうなんですか。旦那さんは何をされている方なのでしょう?

植山さん:「全然違う職種で、アパレルで働いています。興味があるみたいで、自分でやってくれました」

―すごいですね。このカウンターも、でしょうか?

植山さん:「これは買いました。そもそも、お店をやるつもりはなかったんですよ。菓子製造許可が下りる場所、とりあえずそういうスペースが欲しかったんです」

―で、気がつけば。

植山さん:「お店になっていた」

一同:(笑)

手前が購入したカウンター。カウンターには取り扱っている豆のほか、壁には植山さん絶賛のコンフィチュールやラー油などの販売も。コンフィチュールは、柑橘のオイルも入り大人の風味
手前が購入したカウンター。カウンターには取り扱っている豆のほか、壁には植山さん絶賛のコンフィチュールやラー油などの販売も。コンフィチュールは、柑橘のオイルも入り大人の風味

植山さん:「ガンガン売る方に寄っていっていて」

―そうですよね。カウンターを用意している時点でもう売る気満々じゃないですかね。

植山さん:「このカウンターってコロコロが付いているんですよ。だからもうちょっと小さい店にしたかったら(扉側を指差して)、そっちにして(お客さんのスペースを狭くして)もいいなと思っています。でも、冬は寒いのでお客さんもお店に入ってゆっくりしたいというのもあって、中でもくつろげるようにしています」

―そんな仕掛けがあるんですね。メニューは、どのように決めているんでしょうか?

植山さん::「メニューは結構バラバラで、定番はあんまりなく。基本的に自分が作りたいなと思うものを作っています。うちのお菓子は、コーヒーに合うものをと思って作っているので、割とシンプルなものが多いですね。最近は、この間旅行から帰ってきたばっかりだったんで。日本でも流行っているんですが、生ドーナツ、円のものではなく、中のクリームがちょっとはみ出している感じのものがイギリスでは主流で、そういうのをお菓子で表現できないかなと思って。ドーナツじゃなくカップケーキにジャムを入れてその上からバタークリームを乗せたのを作ったりしました」

―イギリスに影響されたところは結構あるのでしょうか?

植山さん:「これまで一緒に働いていたお店のみんなで行くことしかなかったんですが、今回初めて自由行動主体でロンドンに行ったんですが、それがよかったです。行きたかったカフェとかにも足を運んだんですが、向こうのカフェの印象ってすごく軽いんですよ。日常的にサクッと使う感じ。公園が近くにあるからそこで飲むため、食べるためのものを買っていく。だから、このお店もそうなればいいなって思っています。
今回の旅行では、私自身がそういう感じで楽に過ごせました。例えば、ギャラリーに行って作品を見たりして、おなかが空いたから、パッとお店に一人で入って、コーヒーと何かを頼んだり。ツアーだと間違いないものを提供してもらえるんですが、場所も時間も決まっていたり。だから今回は、“何時にここ行こう”とかは特に決めずに」

「浅煎りの魅力も味わってほしい」と、植山さん
「浅煎りの魅力も味わってほしい」と、植山さん

就職して東京に、大阪に来たのは全くの偶然

―それは楽しそうですね。でも、なぜ引越し先が、大阪だったのでしょう?

植山さん:「旦那さんの働いているお店の都合です。店長をしているので、関西で言えば大阪にしか路面店はなく、必然的に大阪に住むことになりました。でもいずれは関西に戻ってくるつもりで二人ともいたんです」

―それはどうして?

植山さん:「私は和歌山出身で旦那さんが兵庫なんですけど、2人とも結構田舎育ちなので。東京もすごく好きなんですけど、もし子どもを育てるとなったら東京ではなさそうだなと」

―東京はいつから行ってらっしゃったんですか?

植山さん:「新卒で就職して行っていました。3年くらいその会社で働いたんですが、初台のお店『Sunday Bake Shop』でも働くことになって。その頃はちょうど、社員のかけ持ちみたいなのも応援しようみたいなのが始まるかどうかという頃でした。お菓子も何も作ったことなかったんです。でも、『Sunday Bake Shop』に行ったときに“ここで働くかも”って思って、その日は自転車を立ちこぎして帰りました(笑)。なんかうれしくて、興奮して、旦那さんやお母さんにも電話して、『こういうとこで働くかも』って言っていたんですよ。
その数日後にインスタに求人が上がって、運命を感じました。履歴書をすぐ送って電話が来て、面接に行ったら、『次、いつ来れる?』って即採用」

―すごいエピソードです。強烈な印象がそこにあったのですね。

好きなものを好きなときに作るのが植山流。こちらは、栗のアーモンドケーキ(520円)
好きなものを好きなときに作るのが植山流。こちらは、栗のアーモンドケーキ(520円)

植山さん:「そもそも包丁を持つのも怖くて、今も少し怖さはありますけど。それまで本当に料理したことがなくて、いつも誰かに作ってもらっていました。旦那さんにも」

―そんな植山さんが今ではお店の店主。人生何が起こるかわかりませんね。

植山さん:「はい。大学で学んでいたのは教育で、保育士の資格は取っていて。でも全然違う仕事に」

住むところと店探しはチャリ(自転車)で回ってエリアを見定めて

―それで、飲食の道に行かれて、大阪で独立、と。関西に戻ってこられたのは、2022年の10月と別の記事で拝見したのですが、この場所にお店を持つことになった経緯というのは。

植山さん:「チャリでいろんなところに行って、『このエリアは無理やな』とか、見て回って。一筋違うだけで結構変わるなと。そんなときに、家からすぐ近くのこの場所が物件として出ていて。広すぎず狭すぎない、というめっちゃ理想的な広さで家賃的にもベストでした。『ほかの人に決められちゃったら困る!』って思って、早く契約を進めたいと不動産屋さんに話したんですけど。不動産屋さん、すごく冷静で。『もうちょっと考えてからにしては?』と言われて。ゆっくり家で考えてもやっぱりいいなと思ったので、契約しました。家から自転車ですぐ、しかも、物件を探していると『飲食はダメ』とか言われやすいですけど、全然、自由で」

理想のお店とコーヒーと焼き菓子をセットで出す理由

―なるほど、割と偶然の出合いだったわけですね。それで、肝心なお店の中身はどのように決められたのでしょうか? お菓子を作れるっていうのはもともとあったと思うんですけど、どのような店にしよう、といったビジョンはすでにあったのでしょうか?

植山さん:「理想は、やっぱり最初に働いたSunday Bake Shopなんですよね。初台にあった頃の小さいお店。なんか思い描いた、『ここで私、働くわ』みたいな、その高揚感みたいなのがずっと頭の中にあって」

―確かに、立ちこぎして帰られるくらいで、その情景を鮮明に覚えてられるということですね。ちょっと話題は変わるのですが、この辺に住んでみていかがですか?

植山さん:「とてもいいです。大阪に住んでまだ1年ちょっとなので、全部知っているわけではないですが、この辺りは私が思っていたイメージの大阪ではないですね。大阪のイメージというのは、以前に、天王寺で出店したことがあったんですが、 結構衝撃でした。販売するお菓子を店頭に並べていたら、通りがかった方に突然『これ、試食?』って聞かれて。カルチャーショックを受けました」

―(笑)。なかなか根性があるというか、強い一言ですね。

植山さん:「そうですよね(笑)」

取材に伺った日は仕込みの真っ最中
取材に伺った日は仕込みの真っ最中

―そういうザ・大阪、浪花節な大阪感について言えば、確かに靱公園周辺は薄味です。

植山さん:「自分の性格的に店自体も活気のある表通りより1本入った路地くらいがちょうどいいというか。お店でやりたいことが、販売がメインじゃなくて、製造して、いろんな人にコーヒーとお菓子を楽しむ時間や楽しみ方を提供したいというか」

―なるほど。

植山さん:「コーヒーと一緒に楽しむ焼き菓子を大切にしたいなと思っているので、とにかく買ってもらうというよりも、楽しみ方を伝えられたらと思っているので、すごくたくさん売れなくてもよくて」

―それはイギリスに行くなどして、自分が体験した時間の流れ方が、充実していたというか、過ごし方がいいなと思ったからというのが大きいですか?

植山さん:「そうですね。自分もあんまり、カフェで過ごすみたいな習慣はないんですけど。日本のカフェ文化っておしゃべり中心というか。サクッとしてない。そういう時間として取られていると思っていて。休憩する時間というか。だから、私、日曜日の営業がすごく好きなんです。日曜日の9時から開けて、午前中に来てくれるお客さんって、例えばヨガに行っていて、その帰りにここ寄ってくれる男性とか、夜勤明けにコーヒーだけ飲みに来てくれる人とか、そういう時間の過ごし方の中にこのお店がある、というのがいいなって。お店のルールとかそういうのを気にしない、自由に過ごしていい場所としてのここ、というのになれればいいなと思っています」

<今回お話を伺った植山さんのお店>
plum coffee&bake
大阪市西区京町堀2-13-17グラン・ピア京町堀1F
オープン情報は、インスタグラムにて確認ください。@plum__coffee_bake__

京町堀駅の住みやすさ

植山さんのお店がある京町堀2丁目は、靱公園の東の端、あみだ池筋のすぐそばになります。最寄り駅は、OsakaMetroの阿波座駅で、中央線と千日前線に乗ることができます。

そんな阿波座駅の周りには、明治に大阪市役所江之子島庁舎があり、現在は、enocoと呼ばれる大阪府立江之子島文化芸術創造センターがあります。

また、周辺にはマンションが新しくでき、病院他施設も完成し、新しい住人の皆さんが多数住まれている場所になっています。LIFULL HOME'S「まちむすび」によると、「ビジネス街のため治安は良い。コンビニや飲食店が多く便利であるが、土日に休む店が多い」「交通の便もいいし、買い物にも困らず、大使館が近くにあるので警察官が24時間駐在していて安心」「駅、公園、スーパーが近くにあるので便利」との声が上がっています。

IN/SECTS編集部

プロフィール:大阪という物理的なローカリティと、感性や共感といった同時代性的ローカリティを軸に、ローカル・カルチャーマガジン「IN/SECTS」を発行。現在、大阪の京町堀を拠点に、「IN/SECTS」のほか、書籍の出版も行う。年に一度、イラストレーターや飲食店、作家、アーティストと、アジアの出版社を集めたイベント「KITAKAGAYA FLEA & ASIA BOOK MARKET」を、北加賀屋にて開催。LIFE LISTでは、個の視点を通して見えてくる街や人の姿を紹介する。

※掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください

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