平日はブックライターとして働く傍ら、週末には愛犬・ゴールデンドゥードルの泰楽(たいが)くんとともに登山やカヤックに出かける冒険家。そんな椎名前太さんが、愛犬と楽しめるおすすめの公園を紹介するシリーズです。今回は、千葉県市川市の「里見公園」を散歩する様子をお届けします(編集部)
大都会の傍らで四季の美しさを存分に味わう「里見公園」
里見公園は、千葉県市川市の江戸川に面した台地上にあります。この辺りは国府台と呼ばれ、かつては国府(役所)が置かれた下総国の政治や文化の中心地でした。その後1538年10月、足利義明は安房里見氏を率いて国府台に陣をとり北条氏綱軍と戦いました。1958年、市川市はこの由緒ある古戦場を一般の人々の憩いの場として里見公園を開設しました。園内には数多くの桜が植えられ、ほかにもバラ園、藤棚、梅林、モミジ林などがあり、一年中美しい自然を楽しむことができます。今回はそんな里見公園で、愛犬と一緒に散歩した様子をご紹介します。
公園のデータ
公園の名前:里見公園
住所:千葉県市川市国府台3-9
敷地面積:約8.4ヘクタール
入場料:無料
アクセス方法
都内から行く場合、東京外環自動車道を利用し、松戸ICで降りて約10分です。駐車場は公園の南西側、江戸川沿いにあって無料で停めることができます。
里見公園を愛犬と散歩してみた
北原白秋が暮らした平屋を復元
5月中旬の晴れ渡った平日の午前、里見公園の駐車場に到着しました。
駐車場から公園の入口までは200m強歩くことになります。少々距離がありますが、それが悪くはありません。江戸川沿いの道路は午前の新鮮な光を浴びて明るく、穏やかな川面はきらきらと輝いていました。河岸でのんびりと釣り糸を垂らしている人もいます。のどかです。とても川を渡れば大都会東京とは思えません。
公園の入口は複数ありますが、今回は駐車場から近い羅漢の井(らかんのい)から入りました。ここは清水が湧く場所です。里見氏が布陣の際に飲み水として使用したと伝わっており、今でも一年中清水が湧いています。このようなところからも市川市の歴史の奥行きを感じます。
今回はここからスタートしてバラ園、国府台城跡、明戸古墳石棺、モミジ林などを見学して戻ってこようと考えています。
まずは木の階段を登っていきます。深い緑の高い樹木に挟まれてとても街中とは思えません。
登り切った場所には、巨木がどーんっと立っていました。どれくらい高いのかと、見上げましたが眩しくて先端がわからないほどの高さです。幹の直径は1.5mくらいありそうです。里見公園では、このクラスの巨木が珍しくはありません。
この大きな木の少し先には、映画のセットのような懐かしさを覚える木造平屋建ての建物がありました。かつて詩人・北原白秋が暮らした紫烟草舎(しえんそうしゃ)です。「からたちの花」「砂山」などの作詞で知られる北原白秋は、1916年(大正5年)の夏から約1年間、当時小岩(東京都江戸川区)にあったこの平屋で暮らしました。白秋自身が紫烟草舎と名付けたこの建物は、その後、江戸川の改修工事のために解体されましたが、市川市在住の所有者の厚意によって、この地に復元されたそうです。
美しいを通り越してゴージャスなバラ園
しみじみとした想いを噛みしめつつ、振り向くと思わず「うわっ!」と叫んでしまいました。視線の先にちょうど見頃を迎えたバラ園があったのです。
今まで複数の公園のバラを見学してきましたが、このときほど見頃とタイミングが合ったことはありませんでした。どこを見渡しても蕾やしおれた花はありません。すべてが上を向いて「どうですか!」と咲き誇っています。バラのことは、元々美しいと思っていましたが、評価がワンランク上がりました。美しいを通り越してゴージャスです! 多くの見学者が見惚れて「ほぉ~」と感嘆の声を漏らしたり、何度も写真を撮ったりしています。なかにはじっくりとスケッチをする人もいました。
また、多くの公園のバラ園は、犬と一緒の見学を不可としています。しかし、こちらではそういった制限はありませんでした。なので思う存分、愛犬の泰楽(たいが・ゴールデンドゥードル)と一緒に美の競演に酔いしれることができました。これだけでも来てよかったー!
バラ園のすぐ先には管理事務所があります。こちらでは管理業務のほかに落とし物の受付や公園パンフレットの配布などを行っています。
さて、ここからは園内の遊歩道をのんびりと散歩しましょう。
すると立派な石碑がありました。国府台城跡です。この城は1479年に太田道灌が築いたとされています。
さらに進むと、左手に大きな藤棚がありました。毎年4月下旬ごろに見頃を迎えるそうです。この規模の藤が満開になったら迫力があるでしょうね。目もくらむようなパープルシャワーを浴びてみたい!
桜の名所でもある
藤棚の先に芝生広場が見えてきました。こちらの中心部には大きな花壇があります。この日はちょうど植え替え作業の最中でした。しかし、この広場の見所は花壇だけではありません。周りを囲む桜が、それはそれは見事なのです。
里見公園には、次の桜が植栽されています。ソメイヨシノ約200本、サトザクラ約14本、カワヅザクラ5本、オオシマザクラ1本、ヤマザクラ5本。その多くがこの広場の周りと公園中央部にあるお花見ひろば周辺にあります。特にソメイヨシノが満開を迎えた際は、圧巻です。広場全体が淡いピンクに染められるのです。毎年その時期は、桜まつりが開催されます。シートを敷いて飲食しながらお花見してもOK。夜はライトアップも行われ、大いに盛り上がります。
遊歩道を歩いていると、さまざまなワンコとすれ違いました。広くて地形が変化に富んでいるので、犬の散歩に持ってこいだからでしょう。
芝生広場の向かい側には、小ぶりですが梅林もありました。
梅林の先には売店があります。ここは土日祝日など繁忙期のみ営業しています。
売店の隣は遊具広場です。すべり台つき複合遊具やジャングルジムなど、たくさんの遊具が設置されています。思い切り走り回れるくらいの広さがあるので、子ども連れでも満足できるのではないでしょうか。
古墳時代の遺跡まである
遊具広場の奥は、ほとんどが森の中のようなエリアです。なのでちょっとしたトレッキング感覚で歩くことができます。
さらに進むと展望案内板がありました。里見公園は高台にあり、西側の東京方面は江戸川を隔てて開けているので眺望がいいのです。
空気が澄んでいれば東京スカイツリー®をはじめ、丹沢山地の峰々、富士山、高尾山などが望めるそうです。しかしこの日は、天気は良かったものの遠くにかすみがかかって東京スカイツリー®以外は確認できませんでした。
とはいえ、森林浴をしながら愛犬と散歩をするのは気持ちいいものです。大きく深呼吸しつつ歩いていると、頭上から「トトトンッ、トトトンッ」と木の幹を高速で叩くような音が響いてきました。顔を見合わせる私と泰楽。彼の頭の上には「?」マークが浮かんでいます。「はて?」と音のする方を目で追います。するといました。コゲラです。コゲラは日本で一番小さなキツツキです。スズメくらいの小さな鳥ですが、白と焦げ茶の縞模様なので、すぐに見分けがつきます。日本全国に生息していますが、街中ではなかなか見かけません。なんだかリゾート地に来たようでうれしくなりました。
ちょうどコゲラを見かけた辺りが、お花見ひろばでした。ここは文字どおりたくさんの桜が植えられており、園内で唯一バーベキューを行える広場です。もちろん直火は禁止ですが、バーベキューグリルやカセットコンロなどを使用することは可能です。
この広場の北側には明戸古墳石棺があります。古墳時代後期(6世紀後半~7世紀初頭)の豪族の墓と推定され、1479年に太田道灌がここに城を築いた際に露出したと伝えられています。
明戸古墳石棺の東側は、より深い森になっていました。心地よいせせらぎの小川が流れ、石橋がかかる日本庭園のような場所もありました。水辺と木陰でここだけひんやりとしています。
実は紅葉の穴場でもある
公園の北側の突き当たりは、モミジ林です。実は個人的にこの公園で一番好きな場所はここです。なぜなら紅葉の穴場だから。体育館くらいの広さのスペースに数十本のモミジが植栽されており、紅葉の季節は息をするのを忘れるほど美しく色づきます。それこそ前後左右、そして頭上が紅色とオレンジと黄色だけに。なのでどこを向いても、あまりの鮮やかさに頭がくらくらしてしまいます。
これだけ美しい錦秋でも、多くの人が詰めかけることはありません。まさに穴場といえます。
モミジたちがまだまだ元気なことに安心して駐車場へ戻ることにしました。
春の桜とバラ、秋の紅葉はぜひ味わってほしい
里見公園は、都会から近い割に自然が豊かで、いつ誰が行っても、そして犬連れでも満足できる施設だと思います。なかでも圧巻の春の桜とバラ、秋の紅葉はぜひ見てください。きっと忘れられない公園になるはずです。
里見公園を満喫できる住まい
千葉県市川市の住宅事情
里見公園が位置し、東京都江戸川区に隣接する市川市は、人口約49.5万人の都市です。東京のベッドタウンとして栄え、特にJR市川駅・本八幡駅周辺は、近年再開発が進められて利便性がアップしています。
住宅事情については、一戸建て、マンションともに非常に豊富です。たとえば新築一戸建てであれば3,000万円台から7,000万円台が中心で、敷地面積は30坪前後がメインとなっています。
<千葉県市川市の家賃相場>
ワンルーム:7.78万円
1K : 7.25万円
1DK:10.23万円
1LDK:11.89万円
2DK:9.15万円
2LDK:17.24万円
3LDK:15.55万円
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東京都江戸川区の住宅事情
東京都の東端に位置する江戸川区は、人口約69万人の都市です。23区内では比較的公園がたくさんあり、動物園もあるので子育て世帯にもおすすめです。
住宅事情については、市川市と同様に一戸建て、マンションともに豊富です。ただし、新築一戸建てに関しては、敷地面積15坪前後の3階建て物件が多くなっています。
<東京都江戸川区の家賃相場>
ワンルーム:6.54万円
1K : 7.35万円
1DK:8.98万円
1LDK:12.48万円
2DK:9.78万円
2LDK:16.59万円
3LDK:20.97万円