コロナ禍により、2020年3月から1年4カ月余りにわたり断続的にロックダウンが続いた英国。室内で過ごす時間がとても長くなり、「住まいをより快適にすること」に関心が集まりました。たくさんの人が自分の手で居心地が良く、個性も感じられる空間を作ろうと、盛んにDIYを始めたのです。
物価や生活費がどんどん上昇している現在は、お金をかけずに自分らしいインテリアで工夫をこらすという動きになっています。少ない予算でお部屋を素敵にまとめるアイデアや英国の最近のインテリアトレンドをご紹介します。
- ここがポイント!お金をかけないで作るセンスの良い部屋
- 部屋を見回して自分の好きなスタイルを考えてみる
- 「座る場所」からイメージを膨らます
- 部屋の印象をガラリと変える魔法の4点セット
- 手作りテイストを出したい時は「指編み」と「腕編み」がお勧め
- プチプラな商品+DIYでセンスアップしてみる
- ガラスのジャー、ボトル、洗濯ばさみ…DIYの一手間で「安っぽく見せない」
- 安い額縁はこう変身させる
- ホームセンターにもインテリアの種は盛りだくさん
- 英国ではやりのインテリアトレンド3選
- トレンド1 ギリシャ風のにぎやかなお部屋
- トレンド2 丸みのあるインテリア
- トレンド3 ピンクが基調の大人シックなインテリア
- お金をかけず、創意工夫で自分好みの部屋に変える楽しみ
ここがポイント!お金をかけないで作るセンスの良い部屋
「お部屋の雰囲気を変えたい。でもできるだけお金をかけずに…」と考える方も多いかと思います。“安く”て“まあまあ”なデザインの家具やランプなど一点ものを買って置いてみたものの、いまひとつアカ抜けない感じになってしまったという経験はありませんか。
やはりローコストで素敵なお部屋を作るのは無理なのでしょうか?
インテリアデザイナーの友人たちは口を揃えて「そんなことはありません!」と。まずは予算の多い少ないに関わらず見栄えのよいインテリアを作るコツを聞いてきました。
部屋を見回して自分の好きなスタイルを考えてみる
お客様が好む部屋のテイストを徹底的に洗いだして把握するー。プロがインテリアデザインを考える時の第一歩といわれていますが、実はこれ、予算の多い少ないに限らず「鉄則」なのだそうです。
つまり、買い物をはじめる前に「自分が好きなインテリアスタイルについて理解しておくこと」が重要になります。まずはインテリア雑誌やインテリアショップのウェブサイト、デザイナーのソーシャルメディアページなどを見てみましょう。
ソーシャルメディアのプラットフォームのひとつである「Pinterest(ピンタレスト)」も便利です。スクリーンショットでも切り抜きでもよいので、気に入った画像をどんどん集めていきます。特定の家具やランプシェードなど個々のアイテムだけに注目するのではなく、全体の「雰囲気」や「スタイル」を見るようにしてください。
ちなみに英国で見られるスタイルのカテゴリーには「Nordic=北欧系」、「Shabby Chic シャビー(安っぽい)シック」、「Minimalist ミニマリスト」「Mediterranean 地中海風」、「20th Century Modern 20世紀モダン」、「Farmhouse ファームハウス」などがあります。
これを日本のインテリアテイストに当てはめると、「生成り系の色合いに包まれたい」、「キュートでカラフルな手作りやものが無造作に置かれた空間が好き」、「モノトーンでスペーシャス」、「一年中陽の光を感じるお部屋」、「レトロタッチ」、「ナチュラルな素材に囲まれた暮らし」いう感じです。
お気に入りの画像が溜まってくると、自分が好むスタイル、快適に思う空間が見えてきます。これだと思うテーマが見つかったら、それに沿って集めたインテリア写真などを整理して絞り込みます。テーマに合わなかった画像は、次回の模様替えに利用するため取っておきましょう。
「座る場所」からイメージを膨らます
英国のインテリアでは、台所を省き最も重要な家具ポイントはベッドとソファなのだそうです。リビングルームではまずソファから考えます。「座ってくつろぐところ」に、自分が選んだテーマを当てはめていきます。まずはこの空間を快適にすることから始めましょう。
部屋の印象をガラリと変える魔法の4点セット
カーテン、クッション、膝掛け、ラグ。この4点を変えるだけでお部屋の印象はガラリと変わります。
まず、できるだけごちゃごちゃ模様などがついていない無地の品を入手しましょう。4点を同型色で揃えて統一感を出すと、お部屋の高級感が上がります。また、クッションはいくつか異なるサイズを揃えると組み合わせが効きます。
そして、布用の染色剤とはけを使って模様をつけたり、芋でつくったハンコを押したりすることで、自分だけのすてきなアイテムを作ることができます。カーテンを作った残りの生地は、クッションカバーやコースターにしましょう。
手作りテイストを出したい時は「指編み」と「腕編み」がお勧め
手作りテイストがお好みなら、膝掛けやラグは太い毛糸をざくざくと指や腕で編んで作るのもお勧めです。スカーフが1時間でできあがるほど簡単でスピーディーな編み方、ソーシャルメディアでも流行っています。編み方は、動画サイトで「指編み」「腕編み」、「アームニッティング」で検索してみてください。
極太の毛糸の代わりに、古くなったブラウスやTシャツを割いて紐状にしたものや、古いセーターをほぐして2本どりにして使うのもいいアイデアです。同じ素材で違うサイズの円形を何枚か編むと、座ぶとん、ラグ、鉢置き、コースターなどがお揃いでできてしまいます。くつろぐ空間が自分好みにできてきたら、寝室や台所にも範囲を広げていきましょう。
家の中にある複数の家具や置物が同じテイストで揃ってくると、まるでインテリアデザイナーがコーディネートしてくれたような雰囲気が出てくるのに驚きますよ。
プチプラな商品+DIYでセンスアップしてみる
英国にも100円ショップのようなお店があります。しかし日本ほどの品揃えはなく、デザインなども安っぽく今ひとつなのです。そんな中から、シンプルでいろいろな用途に活用できる「ベーシック品」を探すのは英国人の得意とするところです。
ガラスのジャー、ボトル、洗濯ばさみ…DIYの一手間で「安っぽく見せない」
たとえばキッチン用品ならガラスのジャーやボトル。いろいろなサイズと形があります。食品を保存するだけでなく、包装用のリボンなど細かい小物を分けてしまうのにも適しています。広口ビンなら蓋に穴をあけて毛糸やティッシュを取り出せるようにしたり、小さなLEDライトを中に入れて照明デコレーションにしたり。
木でできた洗濯バサミも便利アイテムです。荷造り用の紐を通してかもいにかけ、ポラロイド写真やドライフラワーなどを挟んでぶら下げると、とてもおしゃれなデコレーションになります。
安い額縁はこう変身させる
欧米のインテリア雑誌を見ると、家の壁にたくさんの写真や絵が飾られている部屋を頻繁に見かけます。住んでいる人の思い入れが一番出るポイントです。
日本ではあまり家族写真を額縁に入れて飾る習慣がありませんが、スマートフォンで撮ったスナップも、レトロカラーや白黒写真としてプリントして飾ると、なかなかアートなデコレーションになります。
縁が広めの額縁があったらマットなペイントを塗り、道端や河原にころがっている石、海岸で見つけた流木や貝殻などをボンドで接着させるとナチュラルでオリジナルなフレームができます。絵を飾っても、鏡を貼り付けてもいいですし、テーブルに置いてトレイとして使うという手もあります。
また、写真のように大型のクリップで好きなイメージを挟んで飾るのもいいアイデアですね。今週は植物画で統一、翌週はお菓子の写真を並べるなんてとっても楽しそうです。
ホームセンターにもインテリアの種は盛りだくさん
100円ショップのようなお店だけでなく、ホームセンターも安いインテリア作りには御用達です。
たとえば「焼き網」。これを折り曲げたり針金でつないで組み合わせると、棚になったり料理道具や小物を引っ掛けたりすることのできるメッシュラックになります。システムで売っているラックよりもずっと安上がりです。パンチングボードも同じように、使いやすいサイズにノコギリで切断して壁面収納に活用できます。
プラスチック製の収納ケースは、便利なので買い込みがちです。しかし、たくさん積み重ねると、事務室か倉庫のような殺伐とした印象になってしまいますので、キッチンの床に貼れるタイプの、木目模様などナチュラルなデザインのDIY装飾シートを周りに貼り付けると目立たなくなります。
英国ではやりのインテリアトレンド3選
なかなか、自分の思ったような雰囲気の部屋にならない…!ずっとモノトーンな部屋にしてきたので、飽きてしまったけれどどうすれば?自分のスタイルが決められない!
そんな時は、雑誌やソーシャルメディアで「トレンド」を調べてみましょう。
ちょっとでも気を引かれるスタイルがあれば、いつもの自分なら躊躇するようなテイストでも思い切って取り入れてみると、インテリアが新鮮によみがえったりします。気に入らなければ、元に戻せばいいだけの話。挑戦してみる価値はあります。
ここからは、さらに皆さんにイメージを膨らませていただけるよう、今まさに英国ではやっているインテリアトレンドを3つご紹介していきましょう。
トレンド1 ギリシャ風のにぎやかなお部屋
ギリシャ、地中海、と聞くとどんなイメージを思い浮かべますか?
青い空と海、白壁の家。ローマ風なタイル、カラフルな花の溢れる植木鉢。
それをロンドンなどの都市部のお部屋に再現することが流行っています。室内をまるでアウトドアのように考えてレイアウトするのがいいそうです。
この開放的で明るいテイストをお金をかけずに実現してみましょう。
壁を白く塗り替えるのは大変ですが、最初にお話ししたカーテン、クッション、膝掛け、ラグの4点のいくつかを白、青、赤を基調としたデザインに変えるのならやりやすいですね。あとは、ホームセンターで売っているキッチン床用の接着シートの中から、モザイク模様や地中海風なタイル模様を選び、テーブルの上に貼り付けてタイル張りのテーブルのように見せます。
100円ショップで購入した素焼きの鉢を白く塗り、花のシールを貼った上からニスを塗ります。この鉢に真っ赤なベゴニアや観葉植物を入れてみましょう。いかがですか?家のなかに地中海の陽光が入ってきたようなインテリアの出来上がりです。
トレンド2 丸みのあるインテリア
「カーブ(丸み)」は、もうひとつのインテリアトレンドです。ミニマリストでモダン、冷たいイメージの人気が続きましたが、それに対抗して柔らかさ、優しさなどが注目され出したようです。
窓やドアの上にアーチを描いたり、曲線をもつ家具や置物をいつも眺めることでほっこりとした気分になれるというものです。
中には壁を削って本物のアーチを作る英国人もいますが、そんなに大掛かりなDIYに挑まなくても、暮らしの中に気軽に「丸み」を取り入れることはできます。
たとえば、台所用のボウルを逆さにして作ったランプシェードを釣ったり、ビー玉や吹きガラスの飾りを丸みのあるカーブをもつコーヒーカップに入れて飾ったり…。
球形の金魚鉢に観葉植物を植えるというのもいいアイデアです。エアープランツのように、土や水やりを必要としない植物を選ぶとお世話も楽です。
トレンド3 ピンクが基調の大人シックなインテリア
ソフトで暖かい色を家のなかに持ち込むことも、カーブと同様にぬくもりを求めるインテリアのトレンドになっています。
すべてをピンクで揃えて甘ったるい雰囲気にするのではなく、グレーやブルーなどの寒色を合わせ、大人っぽいコーディネートを目指すのがポイントです。
100円ショップに行くとピンクや花柄の品物がたくさん見つかります。しかし、いくつか集めてみるとどれも微妙に違う色調だったりして、全体の統一感が失われることも。この失敗を避けるには、たとえばピンクの家具やクッションなど「主役」を一点選び、そのピンク色を基準にしてできるだけ同じトーンで揃えることです。
そして、ピカピカした表面とピンク色というのは安っぽく見えがちな組み合わせなので、プラスチック製品はできるだけ避けましょう。ピンクと寒色とのバランスを6:4くらいにして配置していくと大人シックなインテリアができます。
お金をかけず、創意工夫で自分好みの部屋に変える楽しみ
英国人は、リユーズやリサイクルがグリーンな暮らしの合言葉になるずっとずっと前から、古いモノを大事に使う伝統を守ってきました。愛着のある家具、カバン、服、靴、何でも修理したりアップサイクルして使い回します。また、DIYで作ったものに囲まれた生活を好みます。まだ使えるものに愛情を注ぐ態度、自分で材料を集めて作る習慣はファストファッションの時代になっても廃れてはいません。
インフレの影響もあり、生活費の高騰によってインテリアにもなかなかお金をかけられなくなっている今、想像力を駆使して創意工夫を凝らし自分らしいテイストのお部屋を実現しようという気運はさらに高まっているようです。
DIYできる賃貸物件を見てみる
エリア別に住まいを見る
日本でも最近では、クロスの貼り替えや、壁の塗り替えなどができる「カスタマイズ可能」な賃貸物件も出ていますので、お金をかけず、創意工夫とセンスで自分好みの部屋にするといったことも楽しめるようになってきました。ただ、カスタマイズが可能な場合も、手を付ける前に管理会社や大家さんに相談することをお忘れなく。
全て条件を整えた上で、あなたもお金をかけずに自分だけのスタイリッシュなお部屋を作ってみませんか。