コロナ禍でニーズが高まる一戸建て住宅。
2021年を代表するリノベーション事例を表彰するコンテスト、リノベーションオブザイヤー1,000万円以上部門で最優秀賞を受賞した事例も、コンパクトな都市型一戸建て住宅の事例でした。
新しい都市型のライフスタイル提案した 「都市型戸建てを再構成する」を紹介します。
間取りで見るビフォーアフター
建物の間口は約3m、奥行約10mのコンパクトな都市型戸建て。中央に階段があったため、空間は分断され、部屋は暗く、使いにくい状態でした。一方で、屋上から望める六甲山の景色が素晴らしく、この望む気持ちよさは残したいという想いから、一戸建てのリノベーションに踏み切りました。
1階は階段を架け替えて広い空間を確保し、ワークスペースを設けました。2階には水廻り設備を1階から移設、3階は階段室を含めて空間を緩やかに繋ぎ、LDKを配置しました。
基本情報:
■家族構成:1〜2人
■専有面積: 81.13m2
■建物種別・築年:(戸建て)・35年
■都道府県:兵庫県
■リノベーション費用:2,850万円(税込)
■リノベーション会社:株式会社アートアンドクラフト
リノベーションのきっかけ・叶えたかったこと
長期化するコロナ禍で自由に出かけられない中、毎日を過ごす住まいに人々の注目が集まりました。
便利でコンパクトな都市部の住まい。コロナ禍以前は仕事や学校、遊びに出かけて、家は食事をしたり眠ったりする場所でしたが、いざ長い時間を過ごすとなると、居心地のよさはいまいち。とはいえ、メディアで取り沙汰されているように田舎へ移住できる人はごく一部でしかありません。都市に住む人の住まいはどのように変化していくのか、という疑問から私たちのリノベーション計画がスタートしました。
リノベーション施工事例・体験談
リノベーションのコンセプト
神戸の中心部から電車と徒歩で20分ほどの場所にあるコンパクトな一戸建て住宅。4層に重なる空間の特徴を生かして考えたのは、働く、暮らす、余暇などの生活の要素を切り離し、それぞれを独立させた住まい。
1階に設けたワークスペースは、昔ながらの住宅の離れや農家の納屋をイメージして、住まいの中にありながら生活空間とは切り分けた動線を計画し、気分を切り替えて仕事ができるように配慮しました。また、3階から階段を登ると、六甲山と神戸の街並みを見渡すことのできる屋上に出ます。ゆっくり晩酌をしたり、夜は寝転がって星を見たりするのも素敵。家の中にいながら、少し非日常感を味わえる場所です。
間取り・内装・設備仕様のこだわりや工夫
一番苦労したのは、間取り。間口約3mの細長い空間の中で、どのように設備や部屋を配置すれば使い勝手が良く、狭さを感じない空間にできるのか。洗面台を廊下に配置したり、キッチンの背面には作業スペースとダイニングテーブル、食器棚を兼ねたカウンターを造作したりと、試行錯誤しながら設計を進めました。
また、間仕切りがある部分は開口を設けるなど、視線が抜けて広く感じられるように配慮をしました。
予算について
空き家の期間が長く、いろいろな所で雨漏りがしていた室内。まずは専門業者による雨漏り調査を行い、原因を調査。防水工事と外壁塗装を実施して建物として安心して暮らせる状態にすることに費用をかけました。
逆に室内を計画する際には、使えるところはそのまま使う、という考え方でコストの削減を目指しました。既存のタイルや手すり、鉄骨梁を残して塗装するなど、リノベーションならではのデザインもポイントになっています。
リノベーションを終えて
外装工事、内装工事を含めてリノベーション期間は約7ヶ月。竣工後に開催したオープンハウスでは、100組近くの方が訪れ、こんな暮らし方もあるんだ、ここまで素敵にできるんだ、とうれしい反応をいただきました。
元々の建物の魅力を生かしながらのリノベーションだからこそ実現した今回の建物。想像していたよりもたくさんの共感をいただき、これからの住まいのひとつの形として興味を持ってもらえたことはとてもうれしいことでした。
これからリノベーションをしたい人へ
リノベーションの肝は、それぞれの物件のよさをよく見極めて、よさは残しながら必要な部分を変えていくこと。気に入った物件を柔軟な発想で、既存の建物を自分好みに調整していけるのはとても楽しい作業です。
ご自身の実現したい暮らしを共有できるリノベーション会社・担当者を見つけることが一番大切です。リノベーションで新しい、自分らしい暮らしを手に入れませんか。
<記事協力>