幼少期に暮らしていた、団地。
コンパクトなつくりだったけれど、家族との距離が近くにぎやかで楽しかった。そんな住まい方をもう一度体験できる家づくりとは。
リノベーションオブザイヤー2020にて「コンパクトプランニング賞」を受賞した【団地育ちの原風景】を紹介します。
間取りで見るビフォーアフター
53㎡の物件に、家族4人と愛猫3匹。あえてコンパクトな物件を選んだNさまご家族。
ダイニングを中心に、子どもが部屋にこもらないよう個室は設けず、ロフトに収納と寝室の機能を集約させました。
狭小空間に圧迫感を与えないよう、ロフトとキッチンの仕切り以外は背の高いものは置かないようにし、抜け感を演出しています。
玄関の正面に部屋が続くのとは別に、冷蔵庫の仕切りを介して左側にキッチンを配置したことで、玄関から直接キッチンにアクセスすることができます。これで靴を脱がずに大量の食材をキッチンに届けることができるようになり、家事効率も上がりました。
部屋の奥にはロフトを2つ設置。家族のベッドとクローゼット、猫のキャットウォークとしての機能はもちろん、ロフトに開けた箱穴や、回誘動線として設けたスペースは子どもたちの格好の遊び場になっています。
基本情報:
■家族構成:夫婦+子ども2名
■専有面積:53.55m2
■建物種別・築年:マンション・1974年
■都道府県:神奈川県
■リノベーション費用:900万円(税込)
■リノベーション会社:ゼロリノベ(株式会社gooveagent)
リノベーションのきっかけ・叶えたかったこと
「賃貸で家賃を払い続けるよりは」と物件購入を考えていたご夫婦。
ご主人が体調を崩したことで、住宅ローンを組むハードルが高くなることを懸念し、より強く購入を考えるようになったそうです。
お子さんが小学校に上がるタイミングで、奥さまのご実家に近い中古マンションを購入されました。
「大多数の人向けに作り上げられたものよりも、自分たちのライフスタイルや価値観に合った家で暮らしたい」という希望と、奥さまの趣味であるDIY願望からリノベーションを選択されました。
リノベーション施工事例・体験談
リノベーションのコンセプト
コンセプトは「子どもが部屋にこもらない、可変性のある家」。あえて個室は設けず、2つのロフトで個人のスペースを確保しました。
「北欧のように、個人のスペースを狭くしてみんながリビングに集まるスタイル」は、奥さまが幼少期に過ごし、感じられた「団地暮らし」をイメージされています。
1つのロフト上下は姉妹の、もう1つのロフトの上段はご夫婦のベッドとして使用し、下段は家族のクローゼットとして使用されています。
間取り・内装・設備仕様のこだわりや工夫
53㎡に4人暮らしのため、冷蔵庫の仕切り以外は背の高い壁は設置せず、奥行きをもたせました。
洋服が好きな奥さまと2人の娘さんのため、洋服をたくさん収納できるようにしたいというご希望はロフトの下段に反映。
愛猫3匹に合わせて、床はフローリングではなく傷が目立たず滑りにくいフロアタイルを採用しました。ロフトはキャットウォークを兼ねていて、風通しのために開けたロフトの通気口に箱を設置し、その箱を足掛かりに猫や時にはお子さんたちが登り降りをして格好の遊び場になっているそう。
キッチンは壁づけにして空間を有効活用しています。
作業スペースの確保と、風通し・ストックの把握のしやすさから、扉や引き出しを設けないオープンな棚に板を渡す造作に決定。作業スペースを広くしたことで、日々の食事の支度やお弁当作りではお皿やタッパーをたくさん並べることができるそうです。
洗面台も造作をチョイスし、洗面ボールを広くせず、物を置ける広さを確保しました。大きめの鏡を設置することで、家族が並んで身支度をできるよう工夫しています。
予算について
自身でDIYすることにより、900万円という低コストを実現できました。
天井や壁の塗装はもちろん、印象的なのはロフトの壁一面を塗装した大黒板です。
「大きな黒板があったら楽しいだろう」という思いで塗られた黒板壁は、他の場所への落書き防止にもなり、またクリスマス前になると子どもたちがサンタさんに向け、「クリスマスプレゼントにほしいもの」を書くお手紙代わりにもなります。
リノベーションを終えて
造作の洗面台、黒板の絵など全てを見渡せるダイニングが、奥さまの一番のお気に入り。
将来について聞くと、「子どもが巣立ったあとはロフトベッドを全て取り払って大きな1ルームにするか、夫婦それぞれの個室を作るのもいいなと思っています。ライフステージに合わせて手を加えながら、長く住み続けていきたいです」とのこと。
これからリノベーションをしたい人へ
会社選びで重視したポイント、探し方
奥さまがリノベーションに求めていたことと、ゼロリノベの主張が合致していたことが、決め手だったそうです。
「子どもはだいたい20~25歳で巣立ちを迎える。子どもが巣立ったあとは、自分たちの第二の家として間取りを変えられるよう、余白を残しておく」という考えをお持ちでした。
とにかくやりたいと思ったことは、迷わず全ての希望を出して伝えることが一番重要。「こうすれば良かった…」という後悔だけはないように、自分たちにあったおうち作りを楽しんでいただきたい、と奥さまにお話しいただきました。
自分でDIYできる賃貸物件を見てみる
『適合R(リノベーション)住宅』とは
実は、この物件も『R1住宅』。
築年数も工事規模もさまざまな既存住宅のリノベーションでは、デザインや見た目以上に、給排水管・電気配線など、住まいとしての基本機能(重要インフラ)が大切。その重要インフラに、築年数や工事の規模にかかわらず一定の検査、保証、住宅履歴を提供するのがR〇住宅(適合リノベーション住宅)です。
<記事協力>