上野は文化、芸術の街として唯一無二の存在感を持つエリアです。日本を代表する博物館や美術館、歴史ある商店街など見ごたえあるスポットが満載で、観光スポットとして定番となっています。
上野駅のすぐ目の前にある「上野恩賜公園」は、桜や紅葉など四季を楽しむには最高の場所で、大噴水や不忍池など写真映えスポットが満載です。
今回はそんな歴史と文化が根付く街、上野についての歴史やおすすめの散歩スポットを、博物館・美術館巡りが趣味の私が紹介します。
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上野の基本情報
上野の歴史
江戸時代、上野は江戸城の城下町として栄え、文化や商業が盛んな町でした。また、上野には多くの名所や寺院があり、たくさんの人々で賑わっていたそうです。
明治時代に入ると、上野は東京の近代化の中心地の一つとなりました。1876年には日本最初の公園の一つである「上野恩賜公園」が開園。その後、東京国立博物館の前身である「博物館」や、後に東京藝術大学となる「東京美術学校」など、文化的な施設が上野に次々と造られました。
1883年に上野駅が開業し、東京の北の玄関口として開発が加速していきます。
第二次世界大戦では東京大空襲により、上野は甚大な被害を受けますが、戦後になると、上野駅の南側に闇市が発生し、後の「アメヤ横丁」として発展していきます。
近年では東京の北の交通の要衝として、駅ビルなどの開発が進み、ますます盛り上がりを見せているエリアです。
上野の特徴
東京の北側、国内有数の美術館や博物館が立ち並ぶ、文化と芸術の街が上野です。80以上もの国宝が収蔵されている「東京国立博物館」、2万5,000以上の展示物がある「国立科学博物館」など、見ごたえのある施設が多数あります。
線路を挟んで東側は商業施設や飲食店が集まる繁華街で、今でも下町の雰囲気が残る街並みが広がります。戦後の闇市が起源の「アメヤ横丁」にはアパレルショップや、安くて美味しい飲食店などが立ち並んでいて、常に多くの観光客で賑わっています。
一方で西側は高台になっていて、広大な「上野恩賜公園」では、桜や紅葉など、四季の美しい自然の景色を気軽に楽しむことができます。
また、上野駅は13路線が乗り入れている交通の要衝でもあり、都内各地へのアクセスが抜群です。JRの山手線、京浜東北線、常磐・成田線、常磐線、高崎線、東北本線に新幹線5線。東京メトロは銀座線、日比谷線が利用できます。
上野のおすすめ散歩スポット
ここからは上野の定番おすすめ散歩スポットを私が実際に回った順番に10か所紹介します。絶対に一度は訪れて欲しい定番の美術館やおすすめのカフェなど、上野の魅力がギュッと詰まっています。
上野の散歩スポット(1)上野恩賜公園
上野駅の公園口改札からすぐの場所にあるのが、1873年に開園した日本最初の公園の一つである「上野恩賜公園」。古くから「上野の山」という愛称で親しまれてきた、歴史ある桜の名所で、東京ドーム約11個分にもなる大型の公園です。
園内には「国立西洋美術館」「国立科学博物館」「恩賜上野動物園」「上野の森美術館」など名だたる文化施設が並んでいて、修学旅行生など毎日多くの観光客で賑わいます。
公園の北側にあるのが、上野恩賜公園のシンボルでもある大噴水。本を読んだり外ランチを楽しむのにぴったりのエリアです。噴水の周りには色とりどりの花が植えられ、荘厳な「東京国立博物館」をバックに記念撮影もおすすめです。
園内の各所には偉人の像が置かれていて、特に有名なのが「西郷隆盛像」。江戸城の無血入城を実現した明治維新の立役者の一人であり、戊辰戦争で薩摩兵が奮戦したゆかりの土地ということから、上野に銅像が建てられたそうです。
施設名:上野恩賜公園
所在地:東京都台東区上野公園
アクセス:上野駅から徒歩すぐ
開園時間:5:00~23:00
上野の散歩スポット(2)国立西洋美術館
上野駅の公園改札口を出てすぐ、右手側に見える特徴的な建物が「国立西洋美術館」です。20世紀で最も活躍した建築家の1人であるル・コルビュジエが設計した建築物で、世界文化遺産にも登録されています。
西洋美術のみを収蔵している美術館で、モネやルノワール、セザンヌ、ピカソといった有名画家たちの作品を間近に鑑賞することができます。
建物の入り口には、19世紀を代表する彫刻家オーギュスト・ロダンの「考える人」や「地獄の門」など迫力抜群の作品が展示されていて、こちらも必見です。
施設名:国立西洋美術館
所在地:東京都台東区上野公園7番7号
アクセス:JR上野駅から徒歩約1分
営業時間:火曜日~木曜日・日曜日9:30~17:30 金曜・土曜日 9:30~20:00(月曜日定休、月曜日が祝日や振替休日の場合翌日・年末年始12月28日〜1月1日)
上野の散歩スポット(3)国立科学博物館
上野恩賜公園の並木道を歩いていると、蒸気機関車が置かれた建物が見えてきます。「国立科学博物館」は2万5,000点以上もの展示が並ぶ、日本最大級の総合科学博物館。
地球館と日本館の2つの建物に分かれていて、それぞれが一日中楽しめるほどの展示ボリュームになっています。
地球館では種類豊富な恐竜の化石や動物の剥製、科学技術の進歩などの展示が見られます。日本館では古代日本人の文化や習慣、日本に生息する動植物などの展示が見られます。
シーズンごとに開催される企画展はどれも見ごたえがあって、本当に一日では時間が全然足りないほどです。名前は少しお堅いですが、子どもから大人まで気軽に楽しめる施設になっています。
施設名:国立科学博物館
所在地:東京都台東区上野公園 7-20
アクセス:JR上野駅から徒歩約5分
営業時間:9:00 ~17:00(月曜日定休、月曜日が祝日や振替休日の場合翌日・年末年始12月28日〜1月1日)
上野の散歩スポット(4)東京国立博物館
上野公園の北側、大噴水の奥に見える荘厳な建物が「東京国立博物館」です。1872年に開館した日本最古の博物館で、日本と東洋の貴重な文化財を保管、展示しています。
収蔵している国宝の数は89件、重要文化財は649件(2023年4月時点)と国内随一。縄文時代の土偶、平安時代の巻物、室町時代の日本刀、江戸時代の茶碗といった各時代の名品が一堂に揃う姿は圧巻です。
また、敷地内にある日本庭園は、桜や紅葉の名所として有名で、博物館ならではの静謐な空気感は唯一無二の魅力があります。
施設名:東京国立博物館
所在地:東京都台東区上野公園13-9
アクセス:JR上野駅から徒歩約10分
営業時間:火曜日~木曜日・日曜日9:30~17:00 金・土曜日9:30~20:00(月曜日定休、月曜日が祝日の場合火曜日・年末年始)
上野の散歩スポット(5)藝大アートプラザ
上野公園から1分ほどの場所にあるのが「藝大アートプラザ」。日本で唯一の総合芸術大学であり、美術学部の実質倍率200倍とも言われる「東京藝術大学」の施設です。
ここでは、東京藝術大学の学生や卒業生などの作品を無料で見ることができ、しかも全作品が購入可能というから驚きです。
絵画、彫刻、陶器、写真、服など幅広いジャンルの作品が並んでいて、おもちゃ箱のようなごちゃ混ぜ感があってワクワクします。買う目線でアートを眺めると、より真剣に鑑賞できるので、「私ってこんなアートが好きだったんだ!」と意外な気付きがあるかもしれません。
普段美術作品をあまり観ない人でも楽しめるスポットになっています。
施設名:藝大アートプラザ
所在地:東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内
アクセス:JR上野駅から徒歩約10分
営業時間:10:00〜18:00(月曜日定休、月曜日が祝日・振替休日の場合は営業、翌営業日が休業、年末年始)
上野の散歩スポット(6)東京都恩賜上野動物園
日本最古の動物園であり、希少な動物を観察できるのが「東京都恩賜上野動物園」、通称「上野動物園」です。
ホッキョクグマ、ゴリラ、トラ、キリンなど約300種3,000頭の動物が暮らしていて、都内で手軽に動物を見られる場所として、デートや修学旅行でも大人気です。
特にジャイアントパンダが有名で、上野といえばパンダのイメージの人も多いのではないでしょうか。2024年4月現在はリーリー、シンシン、シャオシャオ、レイレイの4頭のジャイアントパンダが暮らしています。
歩くほどに発見がある広大な動物園で、季節ごと、時間ごとに変わる動物たちの動きや表情も見どころです。
施設名:東京都恩賜上野動物園
所在地:東京都台東区上野公園9-83
アクセス:JR上野駅から徒歩約5分
営業時間:9:30~17:00(月曜日定休、月曜日が祝日や振替休日の場合翌日・年末年始12月29日~翌年1月1日)
上野の散歩スポット(7)不忍池
「不忍池(しのばずのいけ)」は上野恩賜公園の南西側に広がる天然の池で、池の周囲は約2kmにもなります。池の周りにはベンチもあって、日向ぼっこをしながらお弁当やコーヒーを楽しむ人を多く見かけます。
不忍池は一面が蓮の葉で覆われている絶景スポットで、夏の7月から8月にかけてピンク色の花が咲き誇り、池の上に架かる浮き桟橋は多くの人で賑わいます。
手漕ぎボート、サイクルボート、スワンボートの3種類のボートに乗ることもでき、春には池の上から桜を楽しむなんてこともできてしまいます。
また、都内屈指の豊かな自然環境から、サギやカモメ、カイツブリなど多くの水鳥が見られます。
施設名:不忍池
所在地:東京都台東区上野公園5-20
アクセス:上野駅から徒歩約10分
上野の散歩スポット(8)旧岩崎邸庭園
上野駅から南西に向かい、上野公園を抜けてすぐの場所にあるのが「旧岩崎邸庭園」です。
1896年に三菱第3代社長の岩崎久彌氏の本邸および庭園として造られましたが、整備されて公園となっています。当時は20棟もの建物が並んでいたそうですが、現在は洋館・撞球室・和館の3棟のみとなっています。
イギリスのジャコビアン様式の影響を受けた洋館や、スイスの山小屋風のビリヤード場など、外観も内観も細部まで見ごたえがあります。
広々とした庭園では桜や紅葉が見られ、力強く風格があるモッコクの木も美しいです。
施設名:旧岩崎邸庭園
所在地:東京都台東区池之端1-3-45
アクセス:上野駅から徒歩約12分
開園時間:9:00~17:00
休園日:年末年始12月29日~翌年1月1日
上野の散歩スポット(9)上野アメ横商店街
上野駅から御徒町駅まで約500m続く活気ある通りが「上野アメ横商店街」、通称「アメ横」。アパレルショップや魚屋の他に、ケバブやチキンといった安くて美味しいお店など400店舗ほどの個性豊かな店舗が立ち並ぶ商店街です。
食べ歩きができる場所としても人気で、歩いているだけでそこら中から美味しい香りが漂ってきます。人がかなり多いので、歩きながら食べる際には十分に気をつけてください。
マグロやカニなどの海産物も有名で、特に年末には多くの人が買い物に訪れ、テレビなどでも良く取り上げられています。
名称:上野アメ横商店街
アクセス:上野駅から徒歩すぐ
上野の散歩スポット(10)珈琲王城
アメ横からすぐの場所にある赤扉がオシャレな建物が、上野で約50年の歴史を持つ純喫茶「珈琲王城」です。店内はクラシカルなソファに、シャンデリアとレトロな雰囲気たっぷり。
歩き疲れた体にぴったりのアイスコーヒーは、苦みと酸味のバランスが絶妙な一杯です。
創業時から味を変えていないという昔ながらのナポリタンは、ケチャップにウインナーの旨味が相性抜群。人気のチョコレートパフェにはみかんとクリーム、チョコレートソースがたっぷり入っています。
散歩に疲れたら、珈琲王城のレトロな雰囲気の中で休憩してみてはいかがでしょうか。
施設名:珈琲王城
所在地:東京都台東区上野6-8-15
アクセス:上野駅から徒歩約4分
営業時間:8:00~19:00(L.O. 18:00)
上野駅を散歩してみませんか?
今回は文化と芸術の街、上野のおすすめ散歩スポットを紹介しました。
駅からすぐの場所に上野恩賜公園やアメ横があるので、とても歩きやすく散歩におすすめです。
見ごたえのある美術館や博物館が揃っていますが、特に「藝大アートプラザ」は次世代のアーティストたちの作品を無料で鑑賞できるのでおすすめです。
今回の記事を参考に、ぜひ一度上野を訪れてみてください。きっとこの街の魅力を気に入ってもらえるはずです。