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DIY発祥の地・英国に見る、自分らしい住まいの作り方
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「Do it Yourself(ドゥ・イット・ユアセルフ)」。日本でもお馴染みの単語ですね。略してDIY。「日曜大工」と同じような意味で、プロではない人が身の回りの大工仕事を自ら行うことです。実は、この言葉の発祥地は英国。どうして英国はDIY大国になったのでしょうか。その歴史をたどり、心豊かになる手作り暮らしの楽しさを探ってみました。

17世紀から始まった英国DIYの長い歴史

DIYのご先祖?ジョセフ・モクソンの像
DIYのご先祖?ジョセフ・モクソンの像

「Do it Yourself」は、第二次世界大戦後に「傷ついたイギリスの街並みを自分たちの手で復興しよう」という市民運動のスローガンとして掲げられたことが始まりとされています。しかし、DIY運動とも呼ばれたこのトレンドの前にも、英国ではなんと数百年の「自分でやる」歴史がありました。

英国人ジョゼフ・モクソン氏が17世紀に書いた、「メカニックのための訓練」という本は、DIYマニュアルのご先祖と呼ばれていて、中に書いてあることはとても本格的。鉄の溶かし方、設計図の書き方、木の継ぎ方、彫り方から「本の印刷の仕方」まで、現代のDIYで行うような「椅子にペンキを塗る」、「棚を作る」といった簡単な項目は見当たりません。

とはいえ、この本はプロの大工や鉄工ではない人々を対象に書かれていました。モクソン氏は「この国には、生活を便利にする大工仕事を自らの手でやることについて語る地位の高い紳士たちがいる。これは大変に健康的なことではないか」と、体を使って何かを作ることのメリットを説いています。これを読んで実際に、上流階級の紳士が腕まくりをして「私も自分の館の壁を塗り替えよう」と考えたかどうかは定かではありません。

ビクトリア時代にはDIYが女性の間でも人気に

ビクトリア時代に入ると、より実践的なDIYの本が出版されるようになりました。それでもまだ、とても今の私たちが家でできるようなことではありません。メアリ・ガスコインという女性が1842年に匿名で出版したハンドブックでは、旋盤機械の使い方、椅子の足や装飾品などに使う木や象牙の部品を削り出す方法などが事細かに説明されています。

本の売れ行きが良かったので、著者として名を出したガスコイン氏は「良家の淑女はなぜ、こんなに楽しいことをやってはいけないといわれるのでしょうか?女性の繊細な手には無理だと恐れているのでしょうか。もしそうだとしたら、その心配は簡単に取り除くことができますよ」と女性たちにもDIYを勧めています。

ちなみに、こうした工作用機械はたいへんに高価でしたので、もしこの本を読んで家で何かを作ってみた女性がいたとしたら、趣味にもふんだんにお金をかけられる富裕層だけだったことでしょう。

趣味の手作りからサバイバルに必要な技術に

英国で世界初の産業革命が起こったことはよく知られています。蒸気機関車が走り、紡績工場ができるなど社会全体が急激な変化に見舞われました。爆発的な人口増加が起こり、世帯あたりの生活費はどんどん高くなっていったのです。

そして、子どもの数は平均6人。8人、12人という子沢山な家庭も珍しくありませんでした。こうなると各自に玩具や道具を買い与えるわけにはいきませんね。このため必要に迫られて自らの手で作る親が増えてきたのです。インターネット動画などない時代ですから、作り方を学ぶには木工の本を求めたり、家にあるおもちゃを解体して真似しながら作ったりしたそうです。

メイク・ドゥ!リユーズとリサイクルが盛んになった戦時中

それから、2度も起こった世界大戦を通じて、英国人は自分達の生活を戦禍から守るには、モノを捨てずにリサイクルし、壊れても直して使っていかなくてはと思うようになりました。もともと英国には古いものに価値を見出し大切にするという伝統がありましたが、それが日常の生活にも広がった感じです。

「メイク・ドゥ・アンド・メンド(間に合わせよう、繕おう)!」という英国政府のキャンペーンは、第二次世界大戦中に行われました。カーテンから洋服を作ったり、食糧難を乗り切るために庭を野菜畑に変えることまでさまざまな自給自足活動が奨励されました。博物館などでは、家の中にあるものを独創的なアイデアでリサイクルした見本をたくさん並べた展示会まで行われ、大変な盛況だったそうです。

戦後すぐに発行された女性向けのDIYガイド
戦後すぐに発行された女性向けのDIYガイド

このキャンペーンから、「今まで自分の手には負えないと思っていた仕事もやってみれば結構できるし、暮らしを取り巻く環境がお金をかけずに快適になる」と人々は実感し始めたのです。また、男性が戦場に駆り出されていた間、女性は家事だけでなく大工仕事も行いました。そのときの経験は、戦争が終わり平和が訪れてから、女性でもテーブルやベッドまで自らデザインして作るクラフトのブームへも発展していったのです。

英国中に広がっていったDIY運動

ここから英国はDIY時代に入っていきます。

戦後には1日8時間労働、週休二日制、最低賃金の法制化などが整備され、働いては寝るだけだった暮らしに時間の余裕が生まれました。庶民も趣味やレジャーに時間を費やすことができるようになったのです。

たくさんの「趣味の雑誌」が刊行され、その中のひとつが「Do It Yourself マガジン」でした。この雑誌が最初にDIYという略語を使ったこともあり、そこから英国がDIY発祥の地と呼ばれているのですが、これまでご紹介してきたように、実際の活動自体はもっと昔から行われていたのですね。

DIYで生み出すオリジナルな手作り品を尊ぶように

DIY用の道具や資材がなんでも揃うホームセンター © Decoりん
DIY用の道具や資材がなんでも揃うホームセンター © Decoりん

DIYが盛んになるにつれ、テレビでは家の中を改造したり、クラフト品の作り方を紹介する番組が放送されるようになり人気を集めました。たくさんの人が新たにノコギリやペンキの刷毛を手に取り始めます。工務店などプロでなくても、木材や部品を必要な量だけ買うことのできるホームセンターがあちこちに出来ました。

そして大量生産で作られた商品が家の中に溢れ出したことに反発し、自分たちでオリジナルな一品ものを手作りしようという動きが誰からともなく始まり、いつしか「DIY運動」と呼ばれるようになっていきました。

その頃には、英国人といえば週末にはいつも金槌を抱え、DIYで棚を作ったり壁を塗り替えたりしているというイメージがすっかりできあがっていたようです。日曜大工という日本語もここから来たのかもしれませんね。中には更地を購入し、自分で土台から一件の家を建ててしまう!というかなりのDIY好きも現れましたが、いまも「セルフビルド」マニアと呼ばれる人たちは全国にいて雑誌やクラブもあります。

サステナブルな時代にぴったりのDIY

© Decoりん
© Decoりん

使い捨て商品を買わずに、長く使えるものを自分で作ろうというDIYの精神は、SDGs(持続可能な開発目標)にも通じるものがあります。

英国のZ世代はとてもSDGsへの意識が高く、たとえば使い捨てのプラボトルに入ったソフトドリンクなどは「環境に良くないから」と買いません。みんなマイボトル持参で、街中に増え続ける給水ポイントで水道水を補給して飲んでいます。

そして新品をどんどん買うよりも、リサイクル品の家具や服、アクセサリーなどを手に入れて自分の好みにカスタマイズするほうがよりサステナブルだし、クリエイティブと考えるようです。

この世代の間では、DIYとは「環境にやさしい行動」の1つとなりつつあるようです。

材料費が高くてもDIYの喜びには代えられない

© Decoりん
© Decoりん

今では、DIYといえば棚や犬小屋を作るような日曜大工的な活動から、不用品をリサイクルしてインテリアの装飾品に生まれ変わらせるといった手工芸に近いことまで広く含まれています。

どれにも共通しているのは「手作りの喜びを発見する」という点のようです。自分が欲しいものを、店やオンラインショップで探し回らずに手に入れることができます。サイズ、デザイン、色などが思うままになります。また、住まいを自分のカラーと好みで整えることができます。

もちろん、作るための時間を費やさなくてはいけないですし、既製品を買うよりも材料費が高くつくこともあります。それでも自らの手で作り上げた、環境にも良いことをしたという満足感には代えられないでしょう。

プチDIYで実現できる個性的な住まい

DIYといっても、大げさな工具や難しい技術なしにできることは、暮らしの中にたくさんあります。クラフト的なDIYだけでなく、お部屋の小さな不具合を改善する術も見てみましょう。

古くなった木の家具を塗り替えてリフレッシュ!

ペンキを塗ってまったく違う色に変えるのも楽しいですが、シンプルにニスを塗って木地や木目を生かすのもいいですね。サンドペーパーがあれば、コーティングを丁寧に削り落として無垢木のように仕上げることも可能です。

隙間風を防いで暖かく冬を過ごす

モダンな建物でも、意外にドアや窓に隙間があってそこから暖気が逃げていることもあります。隙間風防止テープを貼るだけで冷暖房効率がアップし、冬だけでなく夏も快適になります。省エネにもホコリ侵入防止にもなりますよ。

洋服や室内のファブリックもDIY

取れたボタンの付け直しから、気飽きた服をリフォームしてまったく新しいドレスにしたり、テーブルクロス、カーテン、手提げ袋を作ったり。ソーイングキットとノウハウ動画があれば、何でも作れます。

簡易金継ぎで器もDIY

お気に入りの器や料理器具が壊れても、捨てないで!本物のうるしを使う金継ぎは高価で手間もかかりますが、エポキシ系樹脂を使うやりかたならずっと簡単です。私はシリコンゴムのようなスグルーという接着粘土を使って、チーズおろし器のハンドルを直しました。

ハンドルが割れ取れてしまったチーズおろし器、捨てずに接着粘土で修理 © Decoりん
ハンドルが割れ取れてしまったチーズおろし器、捨てずに接着粘土で修理 © Decoりん

壁に絵で模様替え

家の模様替えをしたいときに、一番簡単で劇的な効果があるとインテリアデザイナーが口を揃えていうのが「壁にかかっている絵を取り替える」です。今は何も飾っていない無機質な部屋であれば、大きめの額縁に入った華やかな花束の絵を掲げるだけで“あっ”という間に素敵な空間に早変わりです。

壁に釘を打つときは、壁をコンコンとゲンコツで叩いて、くぐもった音のするところを見つけましょう。そこが壁を支える木の部分です。軽い音がするところは石膏ボードである可能性が高いので、釘も額縁の重量も支えることができません。

賃貸物件でDIYを楽しむために

最近では日本でもカスタマイズが可能な賃貸物件が増えてきましたね。それでも釘を打ったり、ペンキを塗ったりしたい場合は、前もって管理会社や大家さんに相談し了承を得るほうが安心です。

ちなみに家のなかで家具などのペンキを塗るのはできるだけ避けましょう。窓を開け放つことができ、さらに換気扇を全開にできるようなお部屋で塗るのならまだしも、下地を整えるのにサンドペーパーを使ったり、外気で乾かす作業もありますからバルコニーや庭で行うことをおすすめします。
すてきなお部屋を見つけてDIYライフを楽しんでください!

Decoりん建築と英国文化研究家、ライフスタイル・ライター

ロンドンに住んで20年ほど。アート、建物、インテリアをメインに英国文化の研究をしています。英国というと紳士淑女がアンティークに囲まれた部屋でアフタヌーンティーを楽しんでいる、というイメージがあるかもしれませんが実はとても多彩なライフスタイルを送っているんですよ。英国人の素顔、暮らし方、住まいについていろいろお伝えしたいです。

※掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください

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