ハワイアンキルトに魅せられて19年。独学で本を見ながら作り始めた私は、その後カルチャースクールや通信講座などで技術を身につけ、今ではほぼ毎日ハワイアンキルトを楽しんでいます。
ハワイアンキルトは華やかな色合いとハワイを思わせるおおらかで美しいデザイン、シンプルで無心になれる工程が魅力です。
この記事では初めての人でもハワイアンキルトを作ってみようと感じてもらえるように、材料や道具、作り方から体験談まで、ハワイアンキルトについて紹介します。
- ハワイの伝統技術ハワイアンキルトとは
- ハワイアンキルトってどんなもの?
- ハワイアンキルトの歴史
- ハワイアンキルトを飾るときの注意点
- ハワイアンキルトでタブーとされている3つのこと
- ハワイアンキルト作りを楽しむ私の体験談
- ハワイアンキルトを作り始めたきっかけ
- ハワイアンキルトを始めてよかったこと・失敗談
- ハワイアンキルトの魅力
- 私がハワイアンキルトに魅せられる理由
- 美しい手縫いのキルティング
- ハワイの植物や風景がイメージのデザイン
- ハワイアンキルトの作り方
- ハワイアンキルトを作るための道具と材料
- 初心者でも作れるハワイアンキルトの基本の作り方
- ハワイアンキルトを上手に作るコツ
- ハワイアンキルト作りを楽しむならこんな住まいがおすすめ
- 作業がはかどるワークスペースがある住まい
- ハワイの海が憧れ。海が見える住まい
- 海外みたいなおしゃれな家
- ハワイを感じるハワイアンキルトのある暮らし
ハワイの伝統技術ハワイアンキルトとは
ハワイアンキルトという言葉を聞いたことがあるけれど、詳しくはよく知らないという人は多いでしょう。ここではハワイアンキルトの基本情報や、知っておくとハワイアンキルト作りに役立つことなどを解説します。
ハワイアンキルトってどんなもの?
ハワイアンキルトとは、ハワイで受け継がれている手縫いの工芸品で、下記のような特徴があります。
<ハワイアンキルトの特徴>
・2色の生地が使われる
・上下左右対称のデザイン
・ハワイの植物が模されるものが多い
デザインに合わせてカットした生地を、土台となる生地の上に縫い付け、シート状の綿を挟んでキルティングを施します。完成形は、ふっくらとデザインが浮き出るような美しい仕上がりです。
壁に飾るタペストリーのほか、クッションカバーやバッグ、ポーチやベビースタイなどに使われています。
ハワイアンキルトの多くはハワイで見られる植物のデザインです。イルカやカメなどがモチーフになることもあります。ハワイにとらわれず、季節のイベントであるハロウィンやクリスマス、春には桜のデザインも人気です。
ハワイアンキルトの歴史
ハワイアンキルトの歴史は古く、19世紀にアメリカ人宣教師の妻が、ハワイの人々へパッチワークキルトを教えたことが始まりとされています。しかし当時のハワイの人には、パッチワークキルトの小さな布を組み合わせて縫うという手法が馴染みませんでした。
そこで生み出された技術が1枚の大きな生地に木や葉、花などをアップリケするハワイアンキルトです。デザインのヒントは、木の下に干してあった白いシーツに映る植物の影にあったといわれています。
ハワイアンキルトを飾るときの注意点
ハワイアンキルトのタペストリーを飾る際には壁に穴を開ける必要があるため、賃貸住宅の場合には注意が必要です。
飾り方はタペストリーの裏側に縫い付けた筒状の布に、突っ張り棒を通して壁に吊り下げます。壁に穴を開けたくないときは、タペストリーをソファや家具の上にかけて違った雰囲気を楽しむのもおすすめです。
ハワイアンキルトでタブーとされている3つのこと
ハワイの木々など、植物のパワーが込められているハワイアンキルトでは、避けられてきたタブーがあります。
1つ目のタブーは、黒い生地を使用することです。黒い色は死や悪霊を意味するとされていたため、ハワイアンキルトの生地には黒は使われていませんでした。しかし、現代の日本で趣味として作られているハワイアンキルトは、バッグの土台やハロウィンのデザインとして、黒が使われることもあります。
2つ目のタブーは、人間や動物のデザインです。理由は諸説あり、作り手や持ち主の魂が抜かれる、長い制作期間に魂が宿り縁起の悪いものとされる、などがあります。最近では、フラガールなど人間のデザインを楽しむ人も増えています。
3つ目のタブーは、ハワイアンキルトを足で踏むことやお尻に敷くことです。手縫いで丹精込めて作られるハワイアンキルトは、敬意を表され、受け継がれている存在です。本来は玄関マットやトイレマットなどは作られませんが、インテリアとして楽しむために作られることもあります。
以上のように、どれもタブーとされてきたものの、今ではあまり気にせずに作られていることが多いです。
ハワイアンキルト作りを楽しむ私の体験談
19年間ハワイアンキルトに夢中になり、制作を続ける私の体験談を紹介します。
ハワイアンキルトを作り始めたきっかけ
私がハワイアンキルトを作るようになったのは、出産と、雑誌で見た写真がきっかけです。
子どもが生まれるまでは仕事が好きだった私。休みの日は外で過ごし、家は寝る場所といっても過言ではない生活を送っていました。
ところが出産後に軽い産後鬱を経験し、子どもが熱を出しやすい体質だったこともあり、家にいる時間が一気に増加。気分転換に何かしたいと考えるようになった頃に、たまたま手にした雑誌に載っていた華やかなハワイアンキルトが目に留まりました。
すぐに材料と本を取り寄せ作り始めますが、制作に充てられるのはほんの少しのすき間時間だけ。それでも少しずつ作品が増えることが嬉しく、人にプレゼントして喜ばれる幸せを感じることもありました。
今では「教えてほしい」「販売してほしい」と言ってもらえるようになり、続けてきてよかったと思っています。
ハワイアンキルトを始めてよかったこと・失敗談
アップリケやキルティングに集中するハワイアンキルトには癒やしを感じます。無心になって嫌なことも忘れられるので、現実から離れるような感覚です。
疲れていたり、1つの作品を作ることに飽きてきたりするときでさえ、不思議と針を持って縫い始めています。気が付くと気分が落ち着いて、すっきりとした気持ちになれるのです。
ハワイアンキルトは私にとってストレスを発散する方法であり、リラックスさせてくれる存在ですが、集中しすぎて失敗することもあります。家族から「今日は何時にご飯を食べたい」といわれていた時間を忘れ、ハワイアンキルトに集中し、気が付いたときには料理をする時間がなくなっていることもありました。それからは、必要なときにはタイマーを使ってハワイアンキルトに取り組むようにしています。
ハワイアンキルトの魅力
私が飽きることなくハワイアンキルトを作り続けるのは、ハワイアンキルトならではの魅力があるからです。ここでは私が思うハワイアンキルトの魅力を紹介します。
私がハワイアンキルトに魅せられる理由
私にとってのハワイアンキルトの魅力は、ハワイを思い出させてくれるおおらかさです。細かい手芸でありながら癒やしと穏やかな気分をもたらしてくれます。
その理由はハワイの太陽に映える木々や花のデザイン、モチーフの周りに施される波をイメージしたキルトラインです。ハワイアンミュージックを流しながらのんびりと作業をしていると、ハワイの風景が目に浮かびます。
美しい手縫いのキルティング
すべて手縫いで施される美しいキルトラインも、ハワイアンキルトの魅力の1つです。
ひと針ずつ縫われたキルティングは、ハワイの波を思わせるようなラインが際立ちます。さらに花や葉のデザインもキルティングによって華やかに浮かびあがるところが特徴です。
キルトラインを縫っていくことによって、1枚の布が美しいハワイアンキルトに仕上がってくる喜びを感じられます。デザインの周りに均等に入るキルティングはエコーキルトと呼ばれ、ハワイの波をイメージしています。
ハワイの植物や風景がイメージのデザイン
ハワイアンキルトには、ハワイの植物や景色がデザインされるものが多いです。色鮮やかで華やかな作品になり、お部屋だけではなく、気持ちも明るくしてくれます。
家の中にはあまり色を使いたくないという人には、デザインはそのままに、ベージュやグレーなどで作られる落ち着いた雰囲気のハワイアンキルトをおすすめします。
ハワイアンキルトの作り方
ハワイアンキルトは独自の手法で作られます。ここではハワイアンキルトの作り方と材料や道具について解説します。
ハワイアンキルトを作るための道具と材料
ハワイアンキルトを作るときに必要な主な道具は以下の通りです。
・針
・糸
・はさみ
・シンブル
・チャコペン
・フープ
針は工程ごとに4種類を使い分けます。特にキルティング針は短く太い専用の針で代用しにくいため、最初から購入が必要です。ほかの針は家にあるものでも作れます。
シンブルはキルティングするときに指を守るためのものです。利き手の中指と人差し指に使います。はさみやチャコペンはハワイアンキルト専用のものは特にないため、お持ちのもので大丈夫です。
フープはあまり馴染みのない道具かもしれませんが、キルティングをするときに使う道具で作品サイズに合わせて使います。
ハワイアンキルトではエイティスクエアなどの薄手でしなやかな生地を使用します。厚手の生地はアップリケやキルティングがしにくくなるため不向きです。
タペストリーの裏側やバッグやポーチの内袋には、ハワイアン柄の生地がよく使われます。ハイビスカスやプルメリアなど色鮮やかでハワイアンキルトにぴったりです。
糸は生地と同じか近い色でそろえるようにしましょう。メトラー社の糸は色が豊富でからまりにくく、使いやすいのでおすすめです。
初心者でも作れるハワイアンキルトの基本の作り方
ハワイアンキルトの作り方はとてもシンプルです。
・アップリケをする
・キルティングをする
・パイピングや仕立て作業をする
この3つの工程で制作していきます。
初めに、好きなデザインにカットした生地をアップリケで縫い付けます。
次にキルト芯を挟んでフープを付けてからキルティング開始です。周囲に補助布を付けてからフープを付けます。
キルティングが終わったら、最後は周囲をバイアステープくるむパイピングです。
コースターのような小さいサイズなら1日で完成します。ぜひ作ってみてください。
ハワイアンキルトを上手に作るコツ
ハワイアンキルトを上手に作るためコツは、しつけを丁寧に行うこと。しつけは地味で地道な作業なうえに、後から取ってしまうものなので大雑把になりがちです。
しかし、しつけを丁寧に行うことで仕上がりに差がでます。美しい作品のためには、しつけをほどよく細かくかけていくことが大切です。
ハワイアンキルトを上手に作るコツの2つ目は、キルティングの針目をそろえることです。
キルティングは慣れるまで少し時間がかかります。針目を細かくすることも大切ですが、最初のうちは大きくても目の幅をそろえることがポイントです。
ハワイアンキルト作りを楽しむならこんな住まいがおすすめ
作業がはかどるワークスペースがある住まい
ハワイアンキルトは大きな生地をカットしたり、生地を広げてしつけをかけたりするので、広い作業スペースがあると便利です。リビングのテーブルなどで作業をするとその都度片づけなくてはなりません。専用のワークスペースがあればいつでも好きなときに制作できます。
ハワイアンキルト作りを楽しむなら、ワークスペースのある住まいを見つけてみてはいかがでしょうか。
ハワイの海が憧れ。海が見える住まい
海が見える住まいはハワイアンキルトにぴったり。海を眺めながらハワイアンキルトをチクチクと縫っていると、ハワイにいるような気分になれそうです。ハワイが好き、ハワイの海が憧れなら、海の見える住まいでハワイアンキルトを楽しんでみませんか。
海外みたいなおしゃれな家
海外のようなおしゃれな家にハワイアンキルトは似合います。華やかで大きいサイズのハワイアンキルトタペストリーは、海外の家のように広々とした空間で際立つでしょう。
インテリアとして楽しむハワイアンキルト作りにぜひ挑戦してみてください。
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ハワイを感じるハワイアンキルトのある暮らし
今回は、ハワイアンキルトの特徴や魅力、道具や作り方について紹介しました。ハワイアンキルトはハワイのおおらかさが魅力です。
シンプルな作業を無心で行うことで、癒やしを感じられるハワイアンキルト。お部屋に飾ればハワイの海や花などの風景を感じる暮らしが楽しめるでしょう。
ハワイアンキルトを作る暮らし、飾る暮らしをぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。