使わなくなったデニムや着られなくなったデニム、捨ててしまっていませんか?もともと作業着として使われてきたデニムは、生地がしっかりしているため、日常のさまざまなアイテムにリメイクして使うことができます。
私は普段から、和洋裁やレザークラフトなどハンドメイドでオリジナル作品を制作しています。そんな中、制作過程でどうしても生じてしまう端切れを捨てるのがもったいないと思っていました。そこで、端切れや使わなくなった衣類を使ったリメイクを始めました。
今回はその経験を活かし、使わなくなったデニムジーンズを使ったリメイクアイデアを紹介していきます。
- デニム生地とは?
- デニム生地はフランスが発祥
- デニム生地は丈夫で長持ち
- デニム生地は摩擦や経年により独特の風合いも生まれる
- デニム生地はリメイクにも最適
- デニムをリメイクする際にあると便利な道具とは?
- 生地を大きく広げるのに欠かせない道具
- ロックミシンやジグザグ縫い可能なミシン
- ミシンを使うなら厚手生地用の針と糸を
- 初心者でも作れるデニムリメイクアイテムの作り方
- 手縫いで作るデニムリメイク(1)ヘアゴム
- 手縫いで作るデニムリメイク(2)ボール
- ミシンで作るデニムリメイク ポーチ
- デニムリメイクをするのに適した住まい環境は?
- デニム生地を大きく広げられるワークスペースがある住まい
- ウォークインクローゼットがあると作品や道具もたくさん収納できる
- ミシンの音を気にすることなくデニムリメイク作品を作ろう
- デニムリメイクでハンドメイドを楽しみましょう
デニム生地とは?
デニム生地はフランスが発祥
デニム生地というと、アメリカンファッションとして利用されることも多く、アメリカのイメージが強いですよね。しかし、実際にはフランスのニーム地方が発祥で生まれた織物で、インディゴで染めた青い縦糸と、白い横糸で織られているのが特徴です。それが世界中に輸出されるようになったのです。
19世紀頃になると、アメリカで労働者たちの作業着として使われるようになり、今や世界中でさまざまなファッションに取り入れられるようになりました。
デニム生地は丈夫で長持ち
デニム生地の特徴は、なんといってもその丈夫さにあるといっても過言ではありません。厚みがあり、多少雑に扱っても簡単には破れません。水や油に強いのも魅力的ですね。
大切に使い続ければ何十年も使い続けられる頑丈さも、世界中でデニムが愛される理由の一つといえるでしょう。
デニム生地は摩擦や経年により独特の風合いも生まれる
デニム生地の最大の魅力は、使い続けていくうちに独特の風合いが生まれてくるという点でしょう。摩擦や経年変化による色落ちやデニム生地のダメージは、他の生地では得られない味があります。そのため、あえて新品でもダメージ加工が施されているものも少なくありません。
自分でヤスリがけをしたり、糸をほどいたりしてオリジナルダメージ加工をする方もいます。
デニム生地はリメイクにも最適
デニム生地は厚手でダメージにも強く、個々の経年変化も楽しめるという点から、非常に汎用性が高い生地です。そのためさまざまなファッションアイテムや生活小物にも使われています。
デニムジーンズやデニムジャケットは使われている生地面積が大きいこともあり、リメイクにも最適ですよ。ここからは実際にデニムジーンズを使ったリメイク例を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
デニムをリメイクする際にあると便利な道具とは?
生地を大きく広げるのに欠かせない道具
リメイクをするには、まずは生地を大きく広げなければなりません。特にジーンズやジャケットなど輪状になっているものを平面にするためには糸を解く必要があり、よく切れるリッパーが必要不可欠です。
ジーンズ類の糸は太くて何重にもなっているため簡単には解けません。リッパーは、自分に合った切れ味のいいものを選ぶことで作業効率を上げることができます。
ダメージジーンズのダメージ部分を使う場合に便利なのが、ほつれ止めです。筆状になっていて、ほつれが気になる部分に塗りつけておくと、それ以上ほつれていくのを防いでくれます。
他には、色の濃いデニムに印を付けるための白系のチャコペンもあると便利です。デニムリメイクをする場合には、濃い布専用のチャコペンがおすすめ。鉛筆タイプ・シャーペンタイプ・ペンタイプなど、さまざまなタイプがありますよ。
また、手縫いでリメイクする際には、生地が厚いので多少力を入れなければならないこともあるでしょう。そんなときには指先を保護したり、指では押し出しにくい針を抜いたりするのに便利な指ぬきの出番です。金属製なら針も貫通しないので安心して使えますよ。
ロックミシンやジグザグ縫い可能なミシン
リメイクをするものによっては、生地の端処理が必要になりますよね。薄手の生地であれば3つ折りで処理をすることもできますが、デニム生地だとかなりの厚みになってしまいます。
ロックミシンがあると、きれいに端処理ができますよ。家庭用ミシンでもジグザグ縫いや縁かがり縫い機能が付いているミシンであれば、ロックミシンがなくても問題ありません。
ミシンを使うなら厚手生地用の針と糸を
デニム生地を縫う際は、針と糸も厚手生地用のものが適しています。普通生地用のものだと針が折れたり、糸が切れたりすることもあります。ミシンを使う場合はもちろん、手縫いの場合も同様です。
ミシン針の取り替え方法は、それぞれお持ちのミシンの取扱説明書を参考に行い、ネジをしっかり締めるようにしましょう。デニムの端切れで試し縫いをしておくのもおすすめですよ。
初心者でも作れるデニムリメイクアイテムの作り方
手縫いで作るデニムリメイク(1)ヘアゴム
デニムリメイクでヘアゴムの作り方をご紹介します。
【用意するもの】
・デニム適量
・厚手生地用の針と糸
・ゴム紐 約20cm
・厚紙やハトロン紙
ヘアゴムのデザインはリボン状や星型など、お好みで決めてくださいね。今回はリーフリボン状のヘアゴムに挑戦しました。
【作り方】
(1)厚紙やハトロン紙(なければコピー用紙)に作りたい形のリボンを直接描いて型紙にする
今回は型紙をフリーハンドで作成してみました。リボンの膨らみ部分は幅4cm、中央部分の膨らみは2cmにしています。中央部分は1cmの幅にしてみました。
全体の長さは9cmになります。
(2)型紙を元に、縫い代を約1cm残して同じ形の生地を2枚裁断
飾り用にジーンズのベルトループも外して使います。また、ステッチなどの飾りを入れる場合は、縫い合わせる前に行っておきましょう。今回はあらかじめ、片方の生地に本返し縫いでステッチ飾りを入れています。
(3)生地同士を中表に合わせ、待ち針で固定し本返し縫いで縫い合わせていく
生地が厚いので、返し口はやや広めに残しておいてください。
(4)縫い終わったら返し口から表に返し、形を整えたら返し口をコの字縫いで閉じる
(5)ゴム紐を輪っかに固く結び、結び目部分をデニムの裏側(ステッチを入れた方)に縫い付ける
(6)デニムジーンズのベルトループ部分を使って、結び目部分を隠しながら縫い付ければ完成
手縫いで作るデニムリメイク(2)ボール
次にデニムリメイクでボールの作り方をご紹介します。
【用意するもの】
・デニム適量
・厚手生地用の針と糸
・チャコペン
・手芸用の綿
・厚紙やハトロン紙
・接着芯
・ほつれ止め
(1) 厚紙やハトロン紙を使い、お好みのサイズの正五角形で型紙を作る
正五角形はコンパス等で描くこともできますが、難しい場合はフリー素材等からダウンロード印刷したものを使うのもいいでしょう。
(2)型紙を元に、チャコペンを使い、縫い代を約1cmずつ残して写したものを全部で12枚用意する
(3)それらを6枚ずつに分け、星型状になるようにバランスを見ながら配置していく
(4) (2)の写真を元に、それぞれ対になっている辺同士を中表にして縫い合わせていく
(5)2組とも縫い終わったら、これらをボール型になるように待ち針で留めていく
ポイントは凸部分には凹部分を組み合わせること。返し口になる一辺だけを残してすべての辺を縫い合わせてください。
(6)縫い終わったら返し口部分から表に返し、中に綿を詰めていく
(7)形を整えながら好みの硬さまで綿を詰め終わったら、返し口部分をコの字縫いで閉じて完成
今回は、色味の違う2本のデニムジーンズを使って作ってみました。その内の一つには、わざとダメージ加工を施してあります。
加工の方法にも色々ありますが、今回はヤスリで軽く傷をつけてほぐし、リッパーで縦糸だけを切って横糸を残しました。中に綿を詰めるので裏面には接着芯を貼り、表のほつれ部分にはほつれ止めを塗ってあります。
ミシンで作るデニムリメイク ポーチ
ミシンを使って作るポーチの作り方をご紹介します。
【用意するもの】
・ファスナー 1本
・デニム適量
・裏地用布 適量
・接着芯(なくても可)
・ハトロン紙(コピー用紙でも可)
・チャコペン
・セロハンテープ
ファスナーは作りたいポーチの長さのものを用意してください。
ファスナーの長さは自分で調整することもできますが、難しい場合は手芸店でファスナーの購入時に頼めば任意の長さにカットしてくれますよ。
【作り方】
(1)ハトロン紙に型紙を作っていく
今回は、12cmのファスナーで、高さ9cmのポーチにしてみました。
横幅はファスナーの長さより1.5~2cmほど長めにとっておくと仕上がりもきれいになりますし、ファスナーの開閉もしやすくなるため、14cm幅にとってあります。縦幅は好みの長さで構いません。フラットポーチであれば、これで型紙は完成です。
マチを付ける場合は、縦にマチの半分の長さを足します。今回は4cmのマチを付けたいので、プラス2cm足してあります。
次は、高さ9cm、底辺4cmの二等辺三角形を作図します。この工程を入れることで、マチの形がきれいに仕上がります。そして中央から半分に切り分けます。
半分に切った型紙(2)を裏返し、型紙(1)にセロハンテープで貼り付ければ型紙の完成です。
(2)型紙を元にデニム生地2枚、裏地用生地2枚を裁断する
裏地用生地に接着芯を貼ると、生地にハリが出ますよ。一般的なリネン生地などでポーチを作る場合、接着芯は必須ですが、デニム生地を使う場合はデニム自体が厚くて丈夫なので、必ずしも貼る必要はありません。お好みでタグを付けたり、レースで装飾をしたりするのも素敵ですね。
(3)生地にファスナーを縫い付けていく
あらかじめ、ファスナーの両端を三角に折って縫い付けておくときれいに仕上がります。生地の中央とファスナーの中央にチャコペンで印をつけます。
デニム生地は表面にし、ファスナーは裏返しにして上辺の中央とデニム生地の中央を合わせて待ち針で固定してください。その上から裏地用生地を裏返しにして重ねます。つまり、デニム生地と裏地用生地同士が中表に合うような形ですね。
その状態で、端から5mmほどの所をミシンで縫っていきます。このときは、ミシンの押さえをファスナー用押さえにしておくと断然縫いやすくなります。ファスナーのスライダーが邪魔になりやすいので、縫いながらファスナーを開け閉めして邪魔にならない位置にずらしながら縫うのがコツですよ。
縫い終わったら表に返してアイロンを掛け、ファスナーの縁から2mm位のところにステッチを入れておきましょう。もう片側のファスナー辺も同様に生地同士を中表にして、裏返しにしたファスナーを挟む形で縫っていきます。
(4)本体を縫い合わせていく
デニム生地と裏地用生地をそれぞれ中表に合わせ、返し口部分を残して周囲を縫っていきます。縫い終わったら返し口部分から表に返してください。
(5)返し口部分をコの字縫いで閉じればポーチの完成
デニムリメイクをするのに適した住まい環境は?
デニム生地を大きく広げられるワークスペースがある住まい
デニムリメイクをする際は、デニムジャケットやデニムジーンズの縫い目を解いたり、型紙を作ったりすることが多くなります。更にミシンを使ってリメイクをするのであれば、ミシンを置くスペースも必要になります。
広いワークスペースがあれば、大きめのデニム服でも処理がしやすく、リメイク作品を作る意欲にもつながりますね。
ウォークインクローゼットがあると作品や道具もたくさん収納できる
リメイク作品を作るのであれば、収納スペースも気になるものですよね。ウォークインクローゼットがあらかじめ設けられている物件なら、リメイク前のデニム用品はもちろんリメイク後の作品もたっぷり収納できます。ソーイングボックスやミシン、糸類もまとめて収納しておけば、作るときにスムーズに準備できることでしょう。
ウォークインクローゼットは、比較的築年数の浅い築10年以内の物件に設けられていることが多いようです。
ミシンの音を気にすることなくデニムリメイク作品を作ろう
最近のミシンは一昔前のものに比べると静音性が高くなってきたとはいえ、それでもやはりある程度の音は出てしまうものです。電子音や振動などが原因で、思わぬ近所トラブルに発展してしまうこともありえます。
ミシンの操作音を気にせずに住むためには、遮音性の高い、他の部屋と距離が取れる「最上階」または「角部屋」の物件がおすすめです。更にミシン台の下には防音マットや振動マットを敷いてくとなお安心して作業ができます。ミシンの下に直接敷くゴムシートやコルクシートも販売されているので、チェックしてみてください。
特に夜間に制作することが多い方は、こういった工夫もぜひ取り入れてみてくださいね。
防音性能を重視した住まいを探そう
エリア別に住まいを見る
デニムリメイクでハンドメイドを楽しみましょう
小物類やエプロン、衣類へのリメイクなど、さまざまな用途に使えるのがデニムの魅力ですよね。デニムの衣類にはポケットやリベット、ファスナーなども付いているので、どこのパーツを使ってリメイクするのか考えるだけでも楽しいものです。
デニムの頑丈さを活かし、日常的に使用頻度の高いアイテムに作り変えるのがおすすめですよ。汎用性抜群のデニム生地を使って、ぜひ思う存分リメイクを楽しんでみてくださいね。