「市販の香水にはあまり好きな香りがない」「香りを使って気分を変えたい」そんな風に思われている方はぜひ、自分で調香する香水作りにチャレンジしてみませんか? 実は、香水作りに必要な材料や道具はそれほど多くなく、意外とチャレンジしやすいものなんです。
この記事では、普段から自分で調香し、オリジナル香水を楽しむ私が、自分でできる香水作りの方法と、おすすめのレシピをご紹介します。
市販品にはない自分だけのオリジナルの香りを作れるほか、香りを使って気分を切り替えるのにもおすすめです。ぜひ自分だけの香り作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
自分だけの香りを楽しむ!手作り香水の魅力
香水は手作りできる
「香水」というと、おしゃれなガラス瓶で売られているイメージが一般的です。香水を作るなんて難しそう、と感じる方もいるでしょう。しかし、実際に試してみると、香水作りは意外と簡単。
市販の香水で好みの香りがなかったり、匂いがキツくて苦手…という方でも手作り香水は楽しんでいただけると思います。
また、柔軟剤のような合成香料の匂いが苦手という方にも、手作り香水はおすすめ。天然のアロマオイルを使うことで、自然由来の香りを楽しむことができます。香りの濃さも調整できるので、利用シーンも広がるでしょう。香水を手作りするのに必要な道具は、簡単に手に入れられるものばかりです。ぜひ、自分だけのオリジナルな香りを楽しんでみませんか。
私が香水を手作りしたきっかけ
私はもともと寝付きが悪く、安眠できるコツや睡眠の質を高める方法をいろいろと試していました。その中のひとつが、香りを使って気分をリラックスさせ、深い睡眠に導くというもの。
リラックス効果があるといわれるラベンダーの香りや、前向きな気持にさせてくれる香り、リフレッシュできる香り、集中力を高める香りなど、香りによって様々な効果があります。最初はさまざまな種類のアロマを単品で使っていましたが、自分で複数の香りを組み合わせて楽しむことができるということを知ったのです。今では複数の香りを組み合わせて調香を楽しんでいます。
また、私は市販の香水の香りが少し苦手。なかなか好みの香水に出会えなかったというのも、手作り香水を始めたきっかけのひとつです。気に入った香りがないのなら、自分で作ってしまおうというわけです。今では手作り香水のコレクションも増え、場面や気分によって使い分けて香りを楽しんでします。
香水を手作りする魅力
私が思う手作り香水の一番の魅力は、自分の好みにぴったりな香りが作れる点です。香りの種類、香りの強さの調整はもちろんのこと、容器にもこだわることができます。スプレータイプや香油、練り香水など、すべて自分でカスタマイズすることができます。また、香りが持つ効果を知ることで、香りを使って自分の気分を切り替えることができるようになりますよ。
香りはとても奥が深いもの。一般的にいわれている香りの効果というものがありますが、香りの感じ方や好みは人によってそれぞれ。組み合わせによっても香りの感じ方は変わってきます。自分がどんな香りでリラックスできるのか、気分が明るくなるかなど、さまざまな香りを試してみるのがおすすめです。
家でできる、手作り香水
どんな香水が作れる?
香水作りを楽しむなら、アロマオイルを使う方法が手軽です。天然香料がやさしく香る香水ができます。アロマの種類によって癒し効果やリフレッシュ効果も期待できますよ。使用するアロマオイルは、雑貨店などで販売されている市販のもので問題ありません。
まずは、自分が好きだと思う香りをいくつか選び、そこからブレンドしてみましょう。また、液状の香水のほか、作り方によっては香油や練り香水にすることもできます。
手作り香水に必要なもの、用意するもの
基本の材料
・お好みの香料…20滴
・無水エタノール…10ml
・保存容器
あると便利な物
・ビーカー
・ガラス棒(撹拌用)
・ガラスフロート、スポイト
アロマオイルは、植物の香り成分をギュッと濃縮させたものなので、そのままでは成分が強すぎて肌に直接つけることができません。そのため、肌につけて楽しむ香水にする場合は、必ず無水エタノールなどで希釈する必要があります。
香油にしたい場合
香油にしたい場合は、「基本の材料」の、無水エタノールをキャリアオイルに変更します。キャリアオイルとは、ホホバオイルのように皮膚に直接使用することができるオイルのこと。アロマオイルとブレンドしてマッサージオイルとしても使われています。
アルコールが苦手な方やアレルギーがある方は無水エタノールではなくキャリアオイルを使って希釈するとよいでしょう。キャリアオイルとして私がおすすめしたいのはホホバオイル。入手しやすく酸化しにくいため、香水作りに適していますよ。
<その他、キャリアオイルとして使うことができるオイル>
・グレープシードオイル
・ココナッツオイル
・アーモンドオイル
など
練香水にしたい場合
練り香水にしたい場合は、無水エタノールの代わりにみつろうとキャリアオイル、またはワセリンを使います。練り香水は香りがゆるやかで、つける量を調節しやすいというメリットがあります。強い香りが苦手な方や、仕事中に使いたいけど香りが気になるという方におすすめです。
香水の基本の作り方
では、基本の香水の作り方をご紹介します。
(1)ビーカーに無水エタノールを入れる(ビーカーがない場合は、直接保存容器に入れても大丈夫です)
(2)無水エタノールに香料を1滴ずつ入れる
(3)ガラス棒で撹拌する
(4)ガラスフロートやスポイトで保存容器にうつす
手作り香水のポイント
完成した香水は基本的にすぐ使用できますが、数日置くとエタノールが飛んで香りが馴染みます。香料は直接肌につけても安全な濃度にするために、無水エタノール10mlに対して“必ず20滴以下”と覚えましょう。この20滴の香料をどのような配合にするかで、香りが変わってきます。この調香の部分が、一番重要で楽しい部分になります。
香油や練り香水にアレンジする方法
香油にする場合は、無水エタノールの代わりにキャリアオイル10mlを使います。練り香水にする場合は、キャリアオイル15mlに溶かしたみつろう5gを足し、香料は15滴程度加えましょう。ワセリンを使えば香料を混ぜるだけなのでより簡単に作ることができますよ。
手作り香水を保存する容器の選び方
手作り香水は、あまり長く保管するのはおすすめできません。香りが飛び、日光や酸素などによって少しずつ劣化してしまいます。そのため手作り香水の入れ物は小さめのボトルがおすすめです。ボトルの種類は、作った香水の種類によって選びましょう。
・液状の香水の容器
無水エタノールを使った香水なら、スプレータイプやロールオンタイプのアトマイザーがおすすめ。プラスチック製のボトルはエタノールに対応していないことがあるため、エタノールを使った香水の場合は必ずガラス製のボトルを選ぶようにしましょう。
・香油の容器
香油であれば、塗りやすいロールオンタイプがおすすめです。スプレータイプとは違い空中に広がらないので、手首や耳の後ろにサッと塗ることができます。
・練り香水の容器
練り香水の場合は、プラスチック製のケースが使えます。アルミ缶でも良いでしょう。こういった入れ物は、ネットでたくさんの種類が売られているほか、100円ショップなどでも手軽に手に入ります。
香水作りするなら知っておきたい香りの基本
香水には3つのノートがあります。市販の香水でも、トップノート、ミドルノートなどと書かれているのを見たことがあるかもしれません。ノートの違いは香り成分の揮発速度の違いで、揮発速度が早いもの、中間のもの、遅いものの3つに分けられます。この揮発速度の違いによって、最初に感じる香り、後から感じる香り、最後まで残る香りと香りが変化していきますよ。調香の際には、このノートを意識して、バランス良くブレンドするのがコツです。
香りのノート(1)トップノート
トップノートは揮発速度が早い香りで、香水をつけた際に最初に香るノートです。香りが消えるのが早く、およそ20分で消えてしまいます。トップノートにはオレンジやレモン、グレープフルーツ等の柑橘系の香り、セージやタイム、ベルガモットなどのハーブ系の香りがあります。
香りのノート(2)ミドルノート
ミドルノートはトップノートが消えたあとに香るノートで、約4時間持続し、香りの軸となります。ローズやラベンダー、ゼラニウム、ジャスミンなどのフローラル系の香り、クラリセージなどハーブ系の香り、カルダモンやシナモンなどスパイス系の香りがあります。
香りのノート(3)ベースノート
ベースノートは一番揮発速度が遅く、6時間以上香りが残るノートです。ブレンド全体をまとめ、安定させる役割があります。ベースノートとなる香りにはサンダルウッドやシダーウッドなどの樹木系、パチュリやフランキンセンス、タイムなどがあります。
調香の際には、トップノート・ミドルノート・ベースノートの割合を4:4:2、もしくは3:5:2にすると良いとされています。3つのノートをバランスよく調香することで、すぐに香りが消えることなく、香りの変化を楽しめます。ですが、必ずしもこの通りに配合しなければいけないわけではありません。たとえば、あまり香りを残したくないという場合には、長続きするベースノートとなる香りを配合しないという方法もあります。あまり神経質にならずに、自分が好きだと思う香りを組み合わせてみるようにしましょう。
手作り香水のレシピ
次に、手作り香水のおすすめレシピをご紹介します。手作り香水は自分の好きなようにブレンドできるのがいいところ。今回ご紹介しているのは基本的なブレンドになるので、慣れてきたらぜひ自分なりにアレンジしてみてくださいね。
香水のレシピ(1)フローラルな香り
ベルガモット…4~8滴
ローズ…2~4滴
ゼラニウム…2~4滴
フランキンセンス…2~4滴
フローラル系の香りは、華やかな女性らしさを演出してくれます。こちらのレシピはローズやゼラニウムの華やかで甘い香りに、ベルガモットを加えることで柑橘系のさわやかな香りがプラスされます。そしてベースノートにフランキンセンスを配合することで香りが引き締まり、甘すぎない香りとなります。1滴ずつ調合し、自分の好みの割合にしてみてくださいね。
よりフローラルな香りが好みという方はローズやゼラニウムの割合を増やしてみてはいかがでしょうか。ジャスミンやラベンダーの香りを足してもよいでしょう。少し香りに深みを出したい場合は、イランイランやサンダルウッドなどのエキゾチックな香りを少し足してみるのもおすすめ。
香水のレシピ(2)リラックスできる香り
ラベンダー…2~4滴
ベルガモット…4~8滴
オレンジ…4~8滴
リラックスして過ごす時間や、緊張をほぐしたいときにおすすめの香りです。ラベンダーの香りにはリラックス効果があるとされています。また、オレンジやベルガモットの香りには、心を解きほぐして前向きにさせてくれる効果も。他にはネロリやゼラニウムの香りをブレンドして試してみてはいかがでしょうか。
香水のレシピ(3)ユニセックスな香り
グレープフルーツ…4~8滴
ペパーミント…2~4滴
ユーカリ…2~4滴
ヒノキ…2~4滴
このレシピは、トップノートにグレープフルーツとペパーミンのシトラス調が香り、徐々にウッド調に変化する香りを楽しめるブレンドです。ユーカリやヒノキなどのウッド系の香りは、ユニセックスな香りで普段使いにおすすめです。甘すぎる香りが苦手という方も使いやすいでしょう。また、ウッド系の香りはフローラルや柑橘系の香りにくらべ持続性が高いのが特徴。長く香りを楽しむことができます。
私は、最近特にこのレシピで作った香水がお気に入り。オレンジやマンダリン、ベルガモット、ネロリといった柑橘系の香りを足して楽しむこともあります。
手作り香水を楽しみやすい住まい
ワークスペースのあるお部屋なら香水作りを楽しみやすい
香水を作るのにはたくさんの道具が必要なわけではないため、どこでも楽しむことはできます。ただ、趣味のためのスペースがあるお部屋なら、さらに気分を高めて香水作りを楽しむことができるでしょう。種類は少なくても、アロマオイルの瓶を並べておくだけでも気分がわくわくするスペースになりそうです。香水作りを趣味として楽しみたいなら、ワークスペースのあるお部屋がおすすめです。
手作りのオリジナル香水を楽しもう
自分好みの香りを楽しむことができる手作り香水。数種類作っておくと、仕事やデートなど場面によって使い分けることもできますね。目覚ましにはこの香り、寝る前にはこの香り、集中したいときはこの香りなど、香りによって気分を変えるのも楽しいものです。
また、友達などへのプレゼントに、その人をイメージした香水を作ってプレゼントしてみてもよいでしょう。手作り香水で世界にひとつのだけの香りを楽しんでみませんか。