自分好みのサイズやデザインで家具や小物をハンドメイドできる木工。
木工という言葉を聞くと、日曜大工のような大がかりな作業を想像する方も多いかもしれません。しかし、試してみると案外簡単です。
最近は、木工ハンドメイドを楽しむ方に向けて、カットした木材も売っています。工具もホームセンターなどで簡単に準備できます。木工ハンドメイドの一番の魅力は、好きな場所に好きなものを、置きたい場所にぴったりサイズのものを作れるところです。
今まで私はさまざまな木工作品を作ってきました。この記事では、私がハンドメイドした木工家具についてご紹介します。難しそうに感じている方も、ぜひ一度試してみてくださいね。
木工ハンドメイドなら好みの家具が手に入る
私が木工ハンドメイドを始めたきっかけは、家具の購入費を節約するためでした。新築時、お金がなくて家具や小物に予算を掛けることができず、悩んだ末に興味のあったDIYで何とかしてみようと決意。
まずは小さなスツールから作り始めたのですが、想像していた通りの作品ができ上がりました。テーブル、本棚アイランドキッチンにテレビボード、最終的にはベッドまでDIYできたので、予算がかなり浮きました。それ以降、子どもと一緒に楽しむ木工ハンドメイドの作品作りや、DIYにハマっています。
学生の頃の私は、技術の木工制作の時間が苦手でした。しかし、物の構造や道具の使い方さえ覚えられれば、ベースとなる加工はホームセンターにお任せでき、自分は組み立てるだけだったので予想よりも簡単でした。
木工ハンドメイドに必要な道具と知識
木工ハンドメイドを始める前に、準備しておくと便利な道具や始め方についてお話します。
木工は準備さえ整っていればとても簡単。しかし準備なしに作り始めてしまうと、道具や材料が不足して、作業が中断してしまうことが多々あります。
まずは、「何を作りたいのか?」「何の道具が必要で、どんな材料で作るのか?」など、事前に決めておくことが大切です。
木工ハンドメイドは日本でも人気で挑戦する方も多く、SNSなどでもよく目にします。これから木工ハンドメイドを始めたいとお考えの方がイメージしやすいように、準備するものやコツなどをご紹介していきます。
木工とDIYの違い
木工とは、木材に加工を施す作業、またはその職人さんを指す言葉です。家具製作や木彫り、木を使った美術作品や工作、建築なども木工の部類に入り、幅広い意味を持ちます。
最近では、木工ハンドメイドを自宅で楽しむ方が急増。ペン立てや収納ボックスなどの簡単な小物作りから、家具製作やリノベーションまで幅広い分野の木工にハマる人が続出しています。
DIYは「Do It Yourself」の略語で、「自分でやってしまおう!」という意味です。木工に限らず幅広い意味を持ちます。
海外では家を自分で手直ししながら自分好みの快適な住まいを作る文化があります。壁紙貼りや倉庫建築などの大がかりなものから、お裁縫、お皿やアクセサリー作りなどの木材を使わないハンドメイド作品作りもDIYと呼ばれます。
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準備するもの
まずは、木工ハンドメイドを楽しむために、用意しておくとよいものについてご紹介します。
電動ドライバー
小さな木工小物であれば、釘と金づち、木工用ボンドだけでも簡単に組み立てることが可能です。しかし、家具のようにしっかりと組み立てたい場合はビス止めが必須。
ビスとは木材同士をつなぐ際に使用する留め具のこと。ビスを木材に打つときには、下穴をあける作業が発生するため、電動ドライバーがあると便利です。
電動ドライバーの先をドリルに替えれば下穴開けも簡単ですし、ビス打ちも楽々。大きな家具作りにも挑戦できるようになるので、木工ハンドメイドの幅が広がります。
塗料
昔は木工作品といえば仕上げはニスが定番でしたが、最近ではペンキやステイン、ワックスなどの木目を活かすナチュラルな風合いを活かした仕上がりの塗装が流行っています。
はっきりと色を塗りたい場合はペンキ、木目を活かした塗装に仕上げたい場合はステインやワックス、屋外で使用したい場合は外部塗料など、目的や好みによって使い分けます。
「何に塗装したいのか?」「どんな仕上がりにしたいのか?」「どこに設置するのか?」を考えながら選びましょう。使う塗料によって、ハケで塗ったりスポンジや布で塗ったりと、塗り方や使う道具も変わってきますので、注意しましょう。
おすすめの木材
続いては、木工ハンドメイドにおすすめの木材をご紹介します。木材にはさまざまな種類がありますが、ワンバイフォー(1×4材)やツーバイフォー(2×4材)と呼ばれる木材が使いやすいです。加工がしやすく、表面がきれいに仕上げてあるので使いやすいです。ホームセンターで簡単に手に入りやすく値段も手ごろという特徴があります。
そのほかにも、杉・ヒノキ・桐・集成材といった木材もあります。予算や作りたいものの仕上がりイメージ、用途に合わせて木材を選びましょう。
まずは実際にホームセンターの木材コーナーに足を運んでみて、質感などを確認しておくとイメージしやすくなります。足場板やカフェ板などのおしゃれな材料などを使うのもおすすめです。
木材カットはホームセンターで
木材の簡単なカットであれば、のこぎりを使って切ることはできます。しかし、自分でたくさんの木材を切るのは大変ですし、慣れていないと大きな木をまっすぐに切るのは、至難の業です。木材が正確なサイズでカットできていないと、長さが合わず、組み立てられない可能性もあります。
そのため、作りたいものによっては、ホームセンターでカットをお願いするのがおすすめです。ワンカット20~50円ほどで、きれいに素早く正確にカットしてくれます。
工作室を借りてみよう
ホームセンターには、工作室を用意しているところもあります。工作室では、曲面カットや家にない道具が借りられることがあります。電動サンダーなどのあまり家で使わない道具も、工作室で貸してもらえば購入しなくてもいいので経済的。道具をレンタルしているところもあるので、お近くのホームセンターに工作室があるかチェックしてみてくださいね。
作業でわからないことがあるときには、工作室のスタッフに質問をすれば答えてくれるだけでなく、一緒に作業して詳しく教えてくれることも。私の木工技術も、始めはわからないことだらけでしたが、工作室に通い、丁寧に教えてもらったおかげでぐんと上達しました。
木取り図と設計図を作ろう
作りたいものが決まったら、おおまかな設計図を作ってみましょう。
「どんな形で、どんな大きさがいいか?」「色や仕上げはどうするか?」などをイメージしながら、長さを書きこんでいきます。きっちり定規を使って書かなくても、自分さえ理解できれば問題ありません。
使う材料や木材が決まっている場合は、木取り図(材料取り図)を作ってから始めると、材料代やカット代に無駄がなく節約できます。ホームセンターの木材カットは同時に複数の木材を同じ長さに揃えることも
可能なので、1枚の板からどれだけ効率よく取れるか考えながら製作してみましょう。
設計図は木工作品作りで一番大切な作業です。長さが合わないと組み立てることができませんし、どれだけの材料や道具をそろえればよいかの見当をつけることもできません。
始めたばかりの人の場合、「難しい」「苦手」と感じるかもしれません。そのような方におすすめの方法は、木工ハンドメイドのレシピが掲載された本を参考にして、設計図通りに試してみることです。
慣れてくれば構造やコツがわかってくるので、自分好みや希望のサイズを反映した木工作品の設計図を書けるようになってきますよ。
木工ハンドメイド初心者向け
木工ハンドメイドを始めるときは、小さな物から始めましょう。お子さまと夏休みの工作に楽しむときにもおすすめです。小さなものなら設計図がなくても構造をイメージしやすく、挑戦しやすいです。
木製トレイ
カットが難しいという方は、100円ショップの木材やそうめん箱などの木箱を使って簡単な小物を作ってみましょう。こちらはそうめん木箱に100円ショップの取手をつけただけの木のトレイです。お好みでペイントしてみてもいいですね。
飾り棚
飾り棚は、木材を好みの長さにカットしたものを壁に設置するだけです。こちらはワンバイフォーを使っています。壁に穴をあけずに設置できる棚受けを使えば、最小限の穴でおうちの壁に設置できます。ちょっとした飾り棚から、洗面所の化粧水やヘア用品などを置く本格的な棚まで、幅広く活用できるでしょう。
壁かけフック
洋服やカバンの収納場所として、ドライフラワーやハギングプランターなどを引っ掛けて飾れるおしゃれな壁かけフックも、100円ショップの材料で簡単に作れます。
好みの長さにカットしたワンバイフォーや100円ショップの木材に、フックと三角吊りカンをつけるだけで完成です。いろいろな形のフックがあるので、お好みのものを見つけて挑戦してみてくださいね。
木工ハンドメイド中級者向け
慣れてきたらもっといろいろなものに挑戦してみましょう。欲しい場所に、欲しい用途・見た目で、欲しいサイズの自分が思い描くようなすてきな作品ができたときには、達成感があります。
スツール
子どもの踏み台や遊び用のいすに、小さなスツールを作ってみましょう。脚の長さを変えれば、キッチンカウンター用のいすやガーデンチェアにもなり、実用的です。
こちらの作品は、座面にワンバイフォー、脚にはワンバイワンを使用しており、カットは完全にホームセンターにお任せして組み立てただけです。
スツールとセットのコーヒーテーブル
小さなスツールを作ることができたら、次はセットのテーブル作りに挑戦してみましょう。大きさや木の太さが変わっただけで、基本的な構造はスツールと同じで作りやすいです。
テーブル面はワンバイフォー、脚にはツーバイフォーを使用しています。脚の長さを長くして背の高いスツールと合わせて作り、外部塗料で仕上げれば、ガーデンセットにもなります。
すきま収納棚
冷蔵庫や家具と壁の隙間にぴったりなサイズの可動棚を作って、デッドスペースを活用してみましょう。
このとき、隙間の長さをしっかりと測り、設計図を作ることがコツ。壁際に設置する場合は、床と壁の間の巾木が少し出っ張っているのでその分を計算し忘れないよう注意しましょう。木材のサイズは、隙間の幅に合わせて選んでください。
まずは木材で四角い枠を作り、壊れにくくするため四隅に三角金具をつけて補強しておきます。棚数は用途によってお好みでつけ、床と接する面に車輪をつければ完成です。
木工ハンドメイドを楽しむ住まい
木工ハンドメイドは、自分好みのインテリアや使いやすい収納を作れるので、実用的な趣味として楽しめるでしょう。暮らしを便利にする収納家具やおしゃれな木の小物を作って、木の温もりを感じながら生活できるのってすてきですね。
自宅で木工ハンドメイドを楽しむためには、スペースや作業する場所が必要です。ここからは、木工ハンドメイドを楽しむための住まいのポイントをご紹介します。
作業場を確保しよう
フローリングやテーブルの上で木材を加工したり、釘や金づち、電動ドリルなどを使ったりしていると、傷をつける可能性があります。塗装作業中に出る臭いも周囲に不快感を与えるかもしれません。
そのため作業するときは傷ついても大丈夫なテーブルを使用したり、ベランダやガレージなどの作業をしても問題のない場所を使ったりするのがおすすめ。塗装の際はまわりに塗料がつかないように養生シートを敷きましょう。
DIYがOKの賃貸物件
もっと木工ハンドメイドに挑戦してみたい方は、リノベーションなどの本格的なDIYはいかがでしょうか。最近ではDIYを許可している賃貸物件が増えてきました。ふすまを木の扉に替えたり、押し入れを改造したりしている方の事例を見ていると、私も挑戦してみたくなります。
DIYしてみたい人向けの賃貸物件
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木工ハンドメイドを楽しもう
自分が欲しいテイストやぴったりサイズ、木の温もりがおしゃれな作品作りを楽しめる木工ハンドメイド。設計図や道具の使い方など、最初はわからないことだらけかもしれません。
まずは小さな作品から挑戦して慣れていけば、知らず知らずのうちに木の性質や組み立ての構造などが理解できるようになるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
お店では買えない世界に一つだけのすてきな作品を、自分の手で作ってみましょう。