色鮮やかで、旬のフルーツを楽しめる果実酒。アルコールが苦手な方でも飲みやすく、意外にも自宅で簡単に作ることができます。
私は、旬のフルーツを使い、通年果実酒作りを自宅で楽しんでいます。作業工程や準備する道具も少ないので、初心者の方でも楽しむことが可能です。
今回は、自家製果実酒の魅力や作り方、失敗しないポイントなどを紹介します。美味しい果実酒を作りたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
- 果実酒の基本情報
- 果実酒とは?
- 果実酒の種類
- シーズン別!果実酒におすすめのフルーツ
- 果実酒を作る私の体験談
- 果実酒を作り始めたきっかけ
- 私が感じる自家製果実酒の魅力
- 果実酒を作ってみよう!
- 果実酒を作る際に必要な材料
- 果実酒を作る際に必要な道具
- 果実酒の基本の作り方
- 果実酒を作る際の注意点
- 果実酒を作る際の注意点(1)新鮮で良質な果実を選ぶ
- 果実酒を作る際の注意点(2)清潔な環境を整える
- 果実酒を作る際の注意点(3)砂糖の量と種類に注意する
- 果実酒を作る際の注意点(4)適切な管理をする
- 自家製果実酒作りを楽しみたい方におすすめの住まい
- カウンターキッチンやシステムキッチンのある住まい
- パントリーのある住まい
- 床下収納のある住まい
- 好きなフルーツで自家製果実酒を楽しもう!
果実酒の基本情報
果実酒とは?
果実酒は、その名の通り果実を主成分としたアルコール飲料です。果実を漬け込んだり、果汁を発酵させたりして作られます。市販されている果実酒の種類はバリエーション豊富で、選ぶのに迷ってしまうほどです。梅酒をはじめ、自分で手軽に作れることから自家製果実酒も人気を集めています。
自家製果実酒を作る際には、重要なルールがあります。ぶどう類や穀類(米・麦・トウモロコシなど)を原料に果実酒を作ることは酒税法で禁止されています。自宅で楽しむことが目的でも、禁止されている原料で果実酒を作ってはいけません。
また、果実を漬け込む酒のアルコール度数は20パーセント以上と決められています。知らないうちに違法行為をしてしまうこともあるので、果実酒を自宅で楽しむ際は、ルールを守ったうえで楽しみましょう。
果実酒の種類
まず、果実酒の製造方法は大きく分けて「発酵」と「混合」の2通りあります。
「発酵」とは酵母を加えることで、原料のそのものに含まれている糖分を、アルコールと二酸化炭素に変えて醸造する方法です。代表例は「ワイン」です。
ワインの原料はいわずと知れたぶどうで、「ぶどう酒」と呼ばれることもあります。甘みが少なく、アルコールを感じやすいので、お酒が好きな方におすすめです。(先述しましたが、ぶどうを原料に果実酒を作ることは酒税法で禁止されており、例外はありません。ワインは購入、または飲食店で楽しみましょう。)
「混合」とは、醸造酒や蒸留酒に糖分を加えて醸造する方法です。代表例として「梅酒」や「リキュール」などが挙げられます。芳醇で濃厚な果物の香りを感じるお酒や、フルーティーでさらっとした口当たりがよいお酒など、さまざまな種類の果実酒があり、お酒が弱い方でも飲みやすいのが特徴です。
今回紹介する自家製果実酒は、混合の方法で作ります。
シーズン別!果実酒におすすめのフルーツ
果実酒は、好きな果物で作ることができます。もし迷ってしまった場合は、旬の果物を使ってみましょう。シーズンごとのおすすめの果物を紹介します。
春:いちご・夏みかん・オレンジ・びわ
夏:梅・さくらんぼ・プラム・もも・ブルーベリー・あんず
秋:梨・りんご・ざくろ・かりん
冬:柚子・みかん・金柑
通年:レモン・バナナ・グレープフルーツ・ライム
柑橘系の果物を漬ける場合、白い皮の部分はしっかり取り除くのがポイントです。残ったままだと、苦みやえぐみが出てしまうので注意しましょう。
漬けた果実を取り出すタイミングは、1~3ヶ月ほどで、果物によって異なります。梅に関しては、早めに取り出したり、ずっと漬けたままにしたりと好みによって分かれるので、正解はありません。取り出した果実は、そのまま食べるのもよし、ジャムなどにアレンジしても美味しいです。
果実酒は適切に保存していれば、賞味期限なく楽しむことができます。熟成期間が長ければ長いほど、果実のうまみが出てまろやかになります。賞味期限はありませんが、味やにおいに異変を感じた場合は、迷わず破棄しましょう。
果実酒を作る私の体験談
果実酒を作り始めたきっかけ
私が果実酒を作り始めたきっかけは、「美味しい手作り果実酒を飲んだから」です。バーで飲んだ果実酒があまりにも美味しく、レシピを聞いて作ってみたことがきっかけでした。
そのときに飲んだ果実酒はウォッカに生姜を漬け込んだものでしたが、そこからさまざまな果物を使った果実酒にトライしています。
私が感じる自家製果実酒の魅力
果実酒をはじめ、お酒はとても奥深く、知らないことがたくさんあります。毎回新しい発見があるので、何度作っても飽きません。同じ材料を使っても、砂糖の量や漬け込む期間によって味が変わるのも楽しみのひとつです。
果実酒は簡単に作れる
果実酒は、漬け込んでもすぐに飲めませんが、ひと手間加えるだけでびっくりするほど美味しくなります。
作業工程も少なく、簡単に作れて、完成したときには感動を味わえます。作ったことのない方にこそ、ぜひ作って欲しいです。
好きな果実でバリエーション豊富に楽しめる
自由度が高いのも果実酒作りの魅力のひとつです。果物以外にも、トマトやミント・生姜・コーヒー・紅茶などさまざまな食材を漬け込んで楽しめます。
お酒の種類を変えるとまた違った味わいを楽しめるので、組み合わせは無限大です。オリジナルの果実酒を作って、自宅で楽しみましょう。
私流!果実酒の楽しみ方
私は、同じ材料・分量の果実酒を、時期をずらして作っており、漬け込む期間で変わる味の違いを飲み比べて楽しんでいます。
果実酒作りでは基本のホワイトリカーではなく、違う種類のお酒で漬けて楽しんでいます。昨年は、梅をラムで漬けてみました。ホワイトリカーとはまったく違う味わいで、飲みごたえもあります。気になる方はぜひ試してみてください。
果実酒を作ってみよう!
果実酒を作る際に必要な材料
果実酒を作るのに難しい工程はありません。初心者でも簡単に作れるので、気軽にトライしてみてください。
果実酒を作る際に必要な、基本の材料は以下の通りです。
・アルコール度数20度以上のお酒
・氷砂糖
・お好みの果実
果実酒を作る材料は、とてもシンプルです。果実酒作り初心者の場合、漬けるお酒はホワイトリカーがおすすめです。ホワイトリカーは無味無臭で、素材の味や香りをそのまま生かしてくれます。アルコール度数が35パーセント以上なので、果実のエキスを抽出しやすく保存性にも優れています。
使用する砂糖の種類は、氷砂糖が最適です。氷砂糖はクセがなく、果実そのものの甘みやうまみを引き出してくれます。
果実酒作りには「浸透圧」が関係しています。氷砂糖の結晶がゆっくり溶けることで、瓶の中の砂糖の濃度がゆっくり上がっていくため、果実から無駄な水分が出ずに、じっくりと果実のエキスを引き出すことができるのです。
果実酒を作る際に必要な道具
果実酒を作る際に必ず用意しなくてはいけないものが、「耐熱性があり密閉できるガラス瓶」です。特に中身が見えやすく洗いやすい、広口瓶がおすすめです。
果実酒を保存しておく瓶は、漬け込む前に必ず消毒をしておきましょう。細菌が入ってしまうと、せっかく漬けた果実酒が腐ってしまい台無しになってしまうので注意してください。
瓶の消毒方法はいくつかあります。
【煮沸消毒】
(1)水をたっぷり入れた大きな鍋に瓶を入れ、火にかけます。
(2)沸騰してから5~10分ほどで火を止めてください。
(3)鍋から引き揚げて、自然乾燥させます。
瓶が大きくて、鍋に入らない場合は熱湯をかけましょう。しかし、いきなり熱湯をかけると瓶が温度差に耐えられず、割れてしまう場合があります。非常に危険なので、少し面倒ですが安全のためにも少しずつ温度を上げるようにしましょう。
煮沸消毒のほかには、果実酒に使うホワイトリカーで消毒する方法もあります。ホワイトリカーを瓶に入れて振り、水気を切って自然乾燥させます。市販の消毒アルコールでも代用可能です。大きい瓶の場合は、この方法が手軽かもしれません。
果実酒の基本の作り方
果実酒は、お酒の種類や砂糖を入れる量によって、大きく味が変わります。今回は、ホワイトリカーを使った基本のレシピを紹介します。まずは基本のレシピで作ってみて、慣れてきたらお好みのお酒を使ったり、甘さを調整したりして自由に楽しんでください。
〈材料〉
・ホワイトリカー 1.8L
・お好みの果実 1kg
・氷砂糖200g
※上記の基本レシピの場合、瓶は4Lが適しています。
今回は、私が漬けたプラムの果実酒を紹介します。
〈作り方〉
(1)瓶を消毒する
先ほど紹介した、いずれかの消毒方法で瓶を消毒します。果実酒作りにおいて、非常に重要な工程です。消毒を怠ると必ず失敗するので、忘れないように注意してください。
(2)果物の下準備をする
使う果物によって、そのまま漬けたり皮を剥いたりカットしてから漬けたりと、処理方法は変わります。どの果物にも共通しているのは、しっかり洗って水気をふき取ることです。プラムはよく洗い、竹串などでへたを取ります。皮は剥かずに、そのまま漬け込みます。キッチンペーパーなどで水気をしっかりふき取っておきましょう。
(3)果物と氷砂糖を交互に入れる
果物の処理が終わったら、果物と氷砂糖を交互に入れていきます。そこまで神経質になる必要はありませんが、交互に入れることで果実のエキスを効率よく抽出できます。
(4)ホワイトリカーを入れる
最後にホワイトリカーを入れて、蓋をして完成です。
冷暗所に保管して、あとは飲み頃を待つだけです。漬け込んだ日付を忘れないように書いておくとよいでしょう。
ホワイトリカーが余ったので、今回はレモンの果実酒も一緒に漬けました。
果実酒を作る際の注意点
果実酒を作る際の注意点(1)新鮮で良質な果実を選ぶ
〈果実酒に使う果物を選ぶポイント〉
・新鮮
・キズがない
・大きさがそろっている
必ずしも上記のような状態の果実を選ばなければいけないという訳ではありませんが、上記条件の果物を使うと失敗しにくいです。キズがあるものは傷みやすいので、できるだけキズのないものを選ぶようにしましょう。
果実酒を作る際の注意点(2)清潔な環境を整える
清潔な環境とはつまり、瓶の清潔度です。果実酒を作るときの重要なポイントになります。先ほども述べましたが、瓶を消毒しないと失敗してしまいます。果実酒を熟成させるために適した環境を整えてあげましょう。
果実酒を作る際の注意点(3)砂糖の量と種類に注意する
砂糖は氷砂糖が最適ですが、用意できない場合は糖度の高いグラニュー糖がおすすめです。糖度が高いと、果実のエキスが抽出されやすくなります。果実酒作りが初めての場合は、砂糖をやや多めに入れると失敗しにくいです。
甘さを控えめに、果実の風味を強くしたい場合は使用する砂糖の量を少なめにするとよいでしょう。
果実酒を作る際の注意点(4)適切な管理をする
果実酒の適切な保管場所は「冷暗所」です。風通しのよい場所が理想的ではありますが、日が当たらなければ問題ありません。パントリーや床下収納など、温度変化が少ない場所が適しています。
冷蔵庫は冷えすぎてしまうため、保管場所には適していません。温度が低すぎると、果物のエキスの抽出に時間がかかってしまいます。
また、ホワイトリカー1本(1.8L)をすべて使って漬ける場合、4Lの瓶のサイズがぴったりです。しかし瓶のサイズが大きいため、保存する際に広めのスペースが必要になります。十分なスペースが確保できない場合は、サイズの小さい瓶に分けて仕込むのもおすすめです。
実際に私は、2Lの瓶を2本使って保存しています。2本に分ければ、違う種類の果実を使うこともでき、高さのない場所にも保存できるのでおすすめです。
自家製果実酒作りを楽しみたい方におすすめの住まい
果実酒は、適切な環境のもと管理をすることが大切です。ここでは、果実酒作りを楽しみたい方におすすめの住まいを紹介します。
カウンターキッチンやシステムキッチンのある住まい
大きな瓶を乾燥させおくスペースや、果物の仕込みができる十分な広さのあるキッチンのある住まいがおすすめです。広いスペースがあれば一度のさまざまな果物酒を作ることができ、その日の気分で飲み分けたり、飲み比べしたりして楽しめます。
パントリーのある住まい
果実酒を作る際は大きな瓶で作ることが多いため、保存するのに広いスペースが必要です。十分な広さを確保でき、適切な温度管理ができるパントリーのある住まいもおすすめです。
床下収納のある住まい
温度を一定に保ちやすく、日の当たらない床下収納も果実酒の保管場所として適しています。清潔で衛生的な状態を保つようにしましょう。
好きなフルーツで自家製果実酒を楽しもう!
果実酒は、お好みのお酒やフルーツで手軽に作ることができます。大切なのは、果実酒を作る際のルール(酒税法)を守ること、清潔な状態で漬けること、適切な状態で管理することです。これさえ守れば、果実酒作りが初めてでも失敗せずに楽しむことができます。
自由にアレンジを楽しんで、お好みの果実酒を作ってみてくださいね。