大根を使って、自家製切り干し大根作りにチャレンジしてみませんか?
畑・家庭菜園・植物育成を趣味とする家具コンシェルジュの私は、自分で育てた大根を自家製切り干し大根にしています。切り干し大根の作り方はシンプルですが、意外と奥深い保存食です。
今回は自家製切り干し大根を作るメリットから、作り方のポイント、保存方法やレシピまでたっぷりと紹介します。大根を大量消費したい方や保存食を作ってみたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
- 切り干し大根の基本情報
- 実は種類がさまざまな切り干し大根
- 生の大根を切り干し大根にするメリット
- 私の自家製切り干し大根作り
- 切り干し大根を作り始めたきっかけ
- 作って分かった自家製切り干し大根の魅力
- 自家製切り干し大根を作ってみよう
- 切り干し大根の下準備
- 道具別に見る切り干し大根の作り方
- 切り干し大根を作るときのコツや注意点
- 自家製切り干し大根の保管方法
- 切り干し大根の保管方法(1)冷蔵保存
- 切り干し大根の保管方法(2)冷凍保存
- 切り干し大根の食べ方
- 切り干し大根を水戻しする基本の方法
- 切り干し大根を使ったおすすめ作り置きレシピ
- 切り干し大根を作るときにおすすめの住まい
- 切り干し大根が乾きやすいバルコニー付き物件
- 切り干し大根作り以外にも使えるルーフバルコニー付き物件
- 無農薬大根作りから始める専用庭付き物件
- 自家製切り干し大根はシンプルだからこそ奥が深い
切り干し大根の基本情報
具体的な作り方を知る前に、まずは切り干し大根の基本情報についてご説明します。
実は種類がさまざまな切り干し大根
これまでの私の認識では、”大根を細く切って乾燥させたもの”が切り干し大根という認識でした。しかし改めて調べたところ、切り干し大根とは干した大根の総称を意味していることが分かりました。切り干し大根の種類や呼び名は、実にさまざまです。
例えばよく流通している細切りの切り干し大根は、東日本で”切り干し大根”、西日本の一部地域で”千切り大根”と呼ばれています。また、縦に割って干した”割干し大根”やいちょう切りにした”花切り大根”など、切り方もさまざまです。
地域によって作り方も違い、東北では寒風に当てて乾燥させた”凍み大根”、長崎県や兵庫県には千切り大根を一度茹でてから干した”茹で干し大根”があります。
生の大根を切り干し大根にするメリット
メリット(1)長期保存できる
大根を切り干し大根にする1番のメリットは、長期保存が可能となり、食材が少ないときに役立つところです。大根は90%以上が水分のため、乾燥させることで小さく軽くなり、ストックしても邪魔になりません。
メリット(2)甘味や旨みが増す
太陽に当てて天日干しすると、甘味や旨みが凝縮されて美味しくなるところもメリットです。大根の種類や作り方によって味は変わりますが、中には料理に入れる砂糖を減らしても満足できるほど、甘味が強いものもあります。
メリット(3)栄養価が高くなる
太陽に当てて乾燥させると、甘味だけでなく栄養もギュッと凝縮されます。切り干し大根は食物繊維やカルシウム、カリウム、鉄分などが豊富で、少量でも効率よく栄養を摂取できるところがメリットです。
私の自家製切り干し大根作り
ここでは、私自身の切り干し大根作りの体験についてお話しします。
切り干し大根を作り始めたきっかけ
切り干し大根作りのきっかけは、シェア畑と祖母の思い出です。
私は植物や野菜を育てるのが好きで、週末は夫や姪っ子とシェア畑を楽しんでいます。時々大根も育てていて、あるとき毎週十数本、トータルで80本近くできたことがありました。
漬物にしたり近所に配ったりしても消費しきれず、どうしようかと考えたとき、思い出したのが亡き祖母のこと。畑を持っていた祖母は、よく大根やさつまいも、しいたけなどを干し野菜にしていました。時々切り干し大根の煮物を作ってくれたのですが、干して旨みが増した大根のあの美味しさは今でも忘れません。
大量の大根を見て祖母との思い出が蘇り、自分でも試してみようと思いました。
作って分かった自家製切り干し大根の魅力
切り干し大根の魅力(1)一気に使い切れる
自家製の切り干し大根の魅力は、大根を一度に大量消費できて食品ロスを減らせるところです。常備菜を作って消費する方法もありますが、たくさんの野菜を一気にまとめて調理するのは大変なので現実的ではありません。干し野菜も準備にある程度の手間がかかりますが、火を使わないことを考えると気軽です。
切り干し大根の魅力(2)無農薬の切り干し大根が手に入る
大根の栽培から始めると、無農薬の切り干し大根が大量に手に入ります。私は食べ物の安全性にこだわりたいタイプですが、市販の無農薬の切り干し大根は高額です。自家製はやや手間はかかりますが、より少ないコストで手に入ります。
切り干し大根の魅力(3)作り方で味が変わる
一番魅力に感じたのが、使う大根や干し方によって味が変わる面白さです。例えば、夏と秋冬の大根を比べると、個人的には夏大根よりも秋冬大根の方が、風味がよくて美味しく感じました。切り方や厚みを変えると、異なる食感になるところも面白いです。
自家製切り干し大根を作ってみよう
ここからは切り干し大根の下準備の仕方や作り方、コツをご紹介していきます。実際に自家製切り干し大根にチャレンジしてみませんか。
切り干し大根の下準備
まず、大根の皮をむき、好みの大きさと切り方でカットします。初めてトライするなら、乾きやすいように繊維に沿って細く切りましょう。じめじめして大根が乾きにくい季節は、ピーラーで薄くすると乾きやすいです。逆に、あえて厚めにカットして歯ごたえを楽しむ方法もあります。
大根の皮は、しっかりめの食感にしたいときは残し、食感を均一にしたいときは外すのがおすすめです。わが家は基本的に自家栽培の大根を使うため、虫食いが多いときは外すことにしています。
道具別に見る切り干し大根の作り方
道具別切り干し大根の作り方(1)ザルを使って天日干しする方法
ザルに、切った大根を重ならないようにして広げ、日光に当てながら乾燥させます。風で飛びそうなときはネットなどで対策しましょう。雨の日や天気が悪い日は避けてください。
道具別切り干し大根の作り方(2)レンジやオーブンを使って乾燥させる方法
短時間で済ませたいなら、レンジやオーブンを使う方法もおすすめです。
レンジの場合、千切り大根を重ならないように皿に並べ、10分ずつ様子を見ながら加熱します。乾燥時間はレンジの機種や切り方によって違いますので、状態を見ながら判断しましょう。
オーブンの場合、キッチンペーパーを敷いた天板に千切り大根を重ならないように広げ、余熱なしで100℃にして乾燥させます。乾燥時間の目安は1〜2時間前後ですが、途中で箸などを使ってかき混ぜ、焦げないようにしましょう。
道具別切り干し大根の作り方(3)ドライネット×サーキュレーターで室内干しする方法
切り干し大根は室内干しでも作れますが、邪魔にならないための置き場の工夫とカビないための風通しの確保が必要です。この2つを満たすために、私はドライネットとサーキュレーターを使っています。ベランダや庭がなくて天日干しができない方におすすめです。
ドライネットは干し野菜専用も売っていますが、私は家にあったアウトドア用ドライネットを使っています。もし湿気が気になるようであれば、除湿機を使うのもおすすめです。
道具がそろったら、窓際などの日当たりがよい場所にドライネットを設置し、日光とサーキュレーターの風に当てながら乾燥させましょう。
完成までの日数は環境によってさまざまで、わが家は比較的乾燥しているため、夏でも数日でカラカラになります。湿度が高い住環境だともう少し時間がかかりますので、カビに気をつけながら様子を見てください。
なお、この方法は屋外干しよりも手軽ですが、大根の匂いが部屋にこもるところがデメリットです。多少サーキュレーターの風で緩和されますが、匂いは部屋の中に溜まったままですので、換気をお忘れなく。
切り干し大根を作るときのコツや注意点
コツや注意点(1)できれば湿度が低い秋冬がおすすめ
自家製の切り干し大根は夏でも作れますが、湿気が多い環境だとなかなか乾きません。そのため、夏より乾燥している秋冬の方が切り干し大根作りに適しています。
コツや注意点(2)なるべく重ならないように並べる
ザルやドライネットでの乾かし方も重要で、大根が重なるように並べるとなかなか乾かず、ときにはカビが生えることもあります。特に乾かし始めは水分をたっぷりと含んでいますので注意しましょう。
コツや注意点(2)なるべく重ならないように並べる
ザルやドライネットでの乾かし方も重要で、大根が重なるように並べるとなかなか乾かず、ときにはカビが生えることもあります。特に乾かし始めは水分をたっぷりと含んでいますので注意しましょう。
コツや注意点(3)夜は室内へ取り込んだ方がいい
屋外で天日干しする場合、夜になって急に雨が降ったり夜露の湿気が発生したりすることがあります。せっかく昼間に乾いた切り干し大根が水分を含まないように、夜は室内へ取り込みましょう。
ただし、乾燥した冬に屋根のある場所で乾かすなど、置きっぱなしにしても大丈夫な場合もあります。湿気や水分を吸わないかどうかを基準に判断してみてください。
自家製切り干し大根の保管方法
完成した自家製切り干し大根は、次のような方法で保存できます。
切り干し大根の保管方法(1)冷蔵保存
市販の切り干し大根は常温で販売されていますが、自家製を常温保存すると変色したりきつい匂いが発生したりすることがあります。すぐに消費する分は密閉容器に乾燥剤と一緒に入れて常温保存できますが、長期保存するならジッパー付き保存袋に乾燥剤とともに入れ、冷蔵保存しましょう。
切り干し大根の保管方法(2)冷凍保存
切り干し大根は冷凍保存も可能で、あらかじめ水で戻してから冷凍庫に入れるため、必要なときにさっと使えるのが便利です。まず、水戻しした切り干し大根を絞り、食べやすい大きさに切ります。小分けにしてラップに包んだら、ジッパー付きの冷凍用保存袋に入れて空気を抜きながら閉じ、冷凍庫に入れましょう。
切り干し大根の食べ方
切り干し大根を水戻しする基本の方法
ここでは水戻しの方法を紹介しますが、レシピによって最適な戻し時間が変わりますのであくまでも基本の方法と考えてください。
(1)ボウルにたっぷりの水と切り干し大根を入れ、もみ洗いして汚れを取り除く。(水に浸ける時間が短いレシピでも、この過程は省かない)
(2)ザルにあげて水気を切る。
(3)ボウルに切り干し大根の3倍ほどの水を入れ、約10~20分浸ける。風味や食感が損なわれないよう浸けすぎに注意。
(4)ザルにあげて水気を切り、よく絞って料理に使う。栄養を逃したくないなら、戻し汁も料理に活用する。
切り干し大根を使ったおすすめ作り置きレシピ
切り干し大根はサラダや味噌汁などさまざまな料理に使えますが、その中でも私は次の2つの作り置きレシピがお気に入りです。なお、分量はおおよそのものですので、味見をしながら調節してください。
レシピ(1)戻さない切り干し大根の煮物
一般的に切り干し大根は水戻しして使いますが、煮物に関しては戻さない使い方もあります。水戻ししないことで切り干し大根の栄養や旨みを逃さず、時短で簡単に作れるところがメリットです。
〈材料〉
・切り干し大根 30g
・にんじん 30g
・薄あげ 1枚
・醤油 大1
・砂糖、みりん 各大1/2
・めんつゆ 大1
・ごま油 少々
・水 400cc
〈作り方〉
(1)切り干し大根はさっと洗って食べやすいサイズに切り、にんじんやうす揚げは千切りにする。
(2)鍋またはフライパンにごま油を敷き、にんじんと薄あげを炒める。
(3)水、切り干し大根、残りの調味料を加え、中火で煮る。
(4)時々様子を見て箸で混ぜ、煮汁が少なくなるまで煮る。
レシピ(2)切り干し大根入りミートソース
切り干し大根は歯ごたえがあり、よく噛むと満腹感を得られます。その性質を活かして細かく刻んだ切り干し大根をミートソースに入れたところ、少量のパスタでも満足できるようになりました。わが家では食事量を調整したいときや、お肉が少ないときに作っています。
ポイントは食感に違和感がないように、切り干し大根を柔らかく戻し、野菜はいつものミートソースよりやや大きめに切って食感を残すこと。作り置きすれば、パスタ以外にも使えて便利です。
〈材料〉
・切り干し大根 30g
・合い挽き肉 200g
・玉ねぎ 1個
・にんじん 1本
・えのき 1株
・トマト缶 1缶
・塩、こしょう 少々
・オリーブオイル 少々
・顆粒コンソメ 5g
・ウスターソース 大1
〈作り方〉
(1)切り干し大根をたっぷりの水で洗った後、20分くらい水に浸けて柔らかく戻し、細かくみじん切りにする。
(2)玉ねぎとにんじんとえのきはざっくりとしたみじん切りにする。
(3)フライパンにオリーブオイルを入れて火にかけ、玉ねぎとにんじんを中火で5分ほど炒める。
(4)挽き肉と塩こしょうを入れ、そぼろ状になるまで炒める。
(5)切り干し大根とえのきも加えて、よく炒める。
(6)トマト缶、顆粒コンソメ、ウスターソースを加え、水分を飛ばしながら弱火で20分ほど煮込む。
切り干し大根を作るときにおすすめの住まい
切り干し大根やその他の干し野菜を定期的に作るなら、次のような住まいを検討してはいかがでしょうか。
切り干し大根が乾きやすいバルコニー付き物件
バルコニーとは外に張り出した2階以上のスペースのことで、ベランダと違って屋根がありません。したがって、日当たりがよいことが多く、天日干しした切り干し大根がよく乾きます。
切り干し大根作り以外にも使えるルーフバルコニー付き物件
ルーフバルコニーとは下の階のルーフ(屋根)を利用した屋外スペースのことで、一般的なベランダやバルコニーよりも広くなりやすいのがメリットです。日光がよく当たって切り干し大根作りにぴったりなのはもちろん、広いスペースを活かしてガーデニングや家庭菜園なども楽しめます。
無農薬大根作りから始める専用庭付き物件
1階に専用庭がある住まいなら、切り干し大根を庭で干せるだけでなく、ゆとりあるスペースで大根の栽培にもチャレンジできます。無農薬の安全な大根を作り、それを切り干し大根にするのもおすすめです。
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自家製切り干し大根はシンプルだからこそ奥が深い
切り干し大根は切って干すというとてもシンプルな保存食ですが、その中にもさまざまな種類や作り方があり、味や風味、食感を左右します。シンプルだからこそ、手順のちょっとした違いや材料となる大根の味の違い、季節の違いなどが、大きく影響するのでしょう。そう考えると、とても奥が深くて好奇心をそそられる文化です。
これからも、試行錯誤しながら自分なりの味や風味を追求し、切り干し大根を含めた干し野菜ライフを楽しんでいきたいと思います。ぜひ、みなさんも自分に合った切り干し大根の作り方を探求してみてくださいね。