ダイエットや健康維持のためなどで糖質制限をしている方、意外に多いですよね。私は、カロリーの高い食べ物や甘いデザートを避けているにもかかわらず、じわじわと体重が増え続けたり、風邪を引きやすかったりしたので、さまざまな食事法を試してみました。
その結果、白米やパスタ、麺、ふわふわの食パン、砂糖などを減らし、繊維質の多い野菜やナッツをたくさん食べる方法が、自分には最も効果的だと分かりました。この方法を始めてから、ゆっくりと体重も落ちて理想値になりましたし、新型コロナウイルスにも一度もかかっていません。この3年間は風邪とも無縁です。
日本には糖質ゼロの「こんにゃく」や「しらたき」というすごい食材がありますが、私の住む英国ではとても値段が高く、毎日の食事にはとても使えません。もちろんおからもありません。そこで糖質制限の窮余の策として「野菜を使ったライスやパスタ代用品」に置き換えてみたところ、これがとても良かったので、今回は作り方なども含めてご紹介していきます。実は麺類が大好きな私。最後にこの食事方法を続けられるコツもお伝えしていきます。
まずはパスタに挑戦!主役はスーパーで見かけるあの野菜
きゅうりに似たこのイタリア野菜は、日本のスーパーでも見かけますね。日本での名称はイタリア語からとったズッキーニですが、英国では「クージェット(Courgette)」 といいます。ウリの仲間ですが、見かけが似ているきゅうりと違って、中身は水っぽくないです。とてもマイルドな風味で癖がないことから、日本でも洋風の炒め物などに使われるようになってきました。
この野菜が日本で広く知られるようになったのは、ハリウッドアニメ映画「ラタトゥイユ(邦題:レミーのおいしいレストラン)」からかもしれません。この映画の原題であるラタトゥイユは、薄くスライスしたズッキーニやナス、トマトをきれいに並べてトマトソースをかけて焼いた南仏料理。これ自体も低糖質なレシピです。
置き換えパスタ「クージェッティ」を作ってみよう
ラタトゥイユのように長く火を通すととろとろになり、ピーラーで薄くスライスすればしゃきっとした食感でサラダにも使えるズッキーニ。米国のヘルシー食愛好家の間でさまざまな食材を使った糖質置き換えパスタやライス作りが盛んになると、さっそくこの野菜を使ったスパゲッティが流行りはじめました。英国ではクージェットをもじって「クージェッティ(Courgetti)」と呼ばれています。
英国に上陸したのは7~8年くらい前でしょうか。今では、スパゲッティのようにスライスしてパックされたものをスーパーで買うこともできます。しかし家で作るほうが安上がりですし、切ってすぐに食べる方が栄養も失われずにすみます。
作り方は簡単。スライサーで細長く麺のようにカットしたズッキーニに、塩をぱらぱらとふりかけて10分ほど放置します。包丁で切ってももちろんOKですが、できるだけ同じ太さに切ってください。量の目安としては、ズッキーニ1本〜1.5本で1人分です。
水分が染み出てちょっと”しなっ”としたら、水道水で塩分を洗い流し、ふきんに包むかサラダ用の水切り器にかけてしっかり水気を切ります。
フライパンにオリーブオイルを熱し、ズッキーニを炒めます。加熱しすぎないように。二人分なら2分ほど炒めれば十分です。しんなりはしますが、まだしゃきっと感が残っています。パスタソースをかけるので味付けはしません。
お皿に盛って、お好みのソースをかけるだけ!
私は忙しくて料理の時間がない日のために、シンプルなトマトソースを大量に作って1食分ずつ冷凍してありますが、今日もそれです。ベーコンを加えました。パルメザンチーズをたっぷり振って、いただきます!
作ったら即食べるのが正解です。写真を撮るのにちょっと時間がかかったので、水気が出てしまいました。
タイトル写真のように、生トマト、オリーブとミニモッツアレラチーズを合わせ、塩とガーリックオイルをかけて混ぜ合わせただけというのもとても簡単です。
もう1つお勧めの時短ソースは、ジェノベーゼソースです。正式にはバジルを使いますが、実はサラダに入れる緑色の野菜ならなんでも使えるんですよ。ルッコラ、クレソン、生のブロッコリー、ケール、ベビーほうれん草、小松菜、水菜、パセリ、香菜…と挙げていくとキリがありません。
どれもフードプロセッサーに入れて松の実やカシューナッツなどのナッツ類とにんにく、塩、パルメザンチーズを加え、たっぷりのオリーブ油を注いでブレンドするだけです。5分もかかりません。できたてをクージェッティとあえて、熱々を召し上がれ!
スパイラライザーを使っても楽しい
野菜でスパゲッティを作るための専用のスライサーもあります。らせん状(スパイラル)にスライスしていくことから、「スパイラライザー(Spiralizer)」と呼ばれています。ハンドルがついた手動のものから、スイッチを入れるとあっというまにスライスができる電動までさまざま。
私が持っているのは手動でコンパクトのものです。ズッキーニだけでなく、にんじんやだいこんなどを使ってスパゲッティを作ることもできます。太さを変えたり、フリルのような形にスライスしたりと、パスタの代わりとしてだけでなくサラダに使っても楽しいです。ちなみに、にんじんをスパイラライザーでらせん状にスライスし卵を混ぜて揚げると、かき揚げのようになっておいしいです。
便利で楽しい調理器具ではあるのですが、とりわけクージェッティに関してはふつうのスライサーがいちばん上手にできると思っています。また、いろいろな野菜でスパゲッティを作ってみたところ、ズッキーニよりもスパゲッティに近い食感が得られる野菜はまだ見つかっていません。
お米の代わりは、手軽に作れるカリフラワーライス
さまざまな民族が住む英国には、本格的なインドカレーやタイカレーのお店もたくさんあります。ひとくちにインドカレーといっても地方によって食材や料理法などがまったく違い、食べ歩きには事欠きません。日本にいた頃からスパイシーなエスニック料理が大好きだった自分にとっては天国です。
外食だけでなく、肉や野菜を加えるだけでできるカレーキットもスーパーなどで簡単に手に入るので、家でもよくいろいろな国のレシピを使ってカレーを作ります。時間がある時は、自分でスパイスをいったり、しょうがやにんにくをすり鉢でつぶし、1から作ってみることもあります。とっておきのレシピはまたの機会ということで、ここからはカレーには欠かせないライス。それも低糖質食を心掛ける人にお勧めのカリフラワーを使った野菜ライスをご紹介していきます。
カリフラワーライスを作ろう
カリフラワーはブロッコリーやキャベツなどの仲間で、野菜の中では糖質が根菜に次いで多い部類に入ります(100gあたり3.2g)が、100gあたり糖質83.1gという白米とは比べ物になりません。さらに、同時に食物繊維をたっぷり摂取することになるので、血糖値が急に上がり下がりする危険なスパイク現象が起こりにくく、ご飯を食べたときのような満足感を得ることができます。
カリフラワーライスも作り方は簡単です。なにしろチーズおろしでがりがりとカリフラワーをおろすだけ。茎もいっしょにがりがりどうぞ。
目安量は、大きめのカリフラワー1株の1/4が1人分です。フードプロセッサーを使ってもいいのですが、個人的には粒が細かくなりすぎるので手でおろすほうがベターだと思います。
お好みのオイルをフライパンに熱し、おろしたカリフラワーを2、3分、水気を飛ばすように炒めます。スパイスやハーブを加えてもいいです。インドカレーに合わせるなら、ココナッツオイルで炒めてターメリックを入れると黄色いカリフラワーライスになります。
いろいろに使えるカリフラワーライス
今日はひよこ豆とトマトの野菜カレーとこのカリフラワーライスを合わせてみました。とってもヘルシーでおいしい夕食です。
チャーハンにもぴったりです。カリフラワーにはうま味成分のグルタミンが多く、シーフードやひき肉、干しシイタケなどグルタミン以外のうま味成分を含む食材と合わせると、相乗効果によってうま味度が8倍にも増幅されるそうです。ごま油で炒めたカリフラワーライスに、オイスターソースとしょうゆを垂らしたシンプルなチャーハンは、中華料理にぴったり。天津丼やマーボー豆腐、エビチリソースなどいろいろいっしょに食べて試してみてください。
カリフラワーライスの食感はパラパラなので、おいしく炊けた日本産の白米が主役となるいわゆる一汁三菜スタイルの和食には残念ながら合いません。すし飯も無理ですね。しかし、ハンバーグやポーク生姜焼きのようなカジュアルなメニューでならほとんど問題なくいただけます。
ライスの置き換えではない使い方としては、中東料理のタブーレがおすすめです。本来はクスクスという粗挽き小麦でできた食材を使うのですが、カリフラワーライスを使えば低糖質バージョンができます。おろしたカリフラワーを炒めずに、オリーブオイルとレモンをかけます。小さいサイコロ状に切ったきゅうり、トマト、紫玉ねぎとパセリをたっぷり加え、塩コショウで調味したらできあがり。とてもさっぱりとしたエスニックなサラダです。
ヘルシーな食事を続けるコツは?
私は自分が口にする食べ物すべてに含まれている糖質の量を気にしているわけではありません。日本で「主食」と呼ばれる食べ物のうち、特に白米、麺、パスタ、白いパン、それに白砂糖をできるだけ食べないようにしているだけです。
ホワイト・カーブ(白い炭水化物)と英語であだ名される糖質を多く含むこうした加工品類は、血糖値を急激に上げる効果が高いので、私の場合は、食べたいときはここで紹介した野菜で作った代用品と置き換えたり、できるだけ玄米や全粒粉を使ったものをいただいています。
食べたいときは食べてしまう!80/20で無理なく減量
長続きのコツは、低糖質で繊維質やたんぱく質の豊富な食事が8割できているなら、あとの2割は何を食べてもOKにすることです。
例えば、たまに外食するときは、みんなに合わせてピザでもお寿司でもおいしくいただく。あるいは、週のうち1日、1~2食は何も気にせず食べる日にする。こうして「息抜き」をしながらだと、「ごはんはダメ!」「ビールはダメ!」「ラーメンはダメ!」とかたくなに食べてはいけないものを並べて苦しい思いをせずに、ヘルシーな食事を続けることができます。
これは「80/20ダイエット」と呼ばれています。ご飯よりも好きな麺をやめるのは辛い!と思った私は、このルールを利用して好きなものは食べながら半年で4キロ痩せ、体調もすっきりしました。
いろいろな食材を試してクリエイティブに
ズッキーニやカリフラワーを使って糖質を減らすレシピをお伝えしましたが、他の野菜や低糖質な食材を使って満足できる食感を備えた主食を、とキッチンであれやこれや試行錯誤してみるのも楽しみの一つです。
今挑戦しているのは、小麦粉の代わりにナッツを細かくひいた「粉」を使ったパン作りです。アーモンドやヘーゼルナッツをひいたものと卵を合わせて焼くと、スポンジ状の食感になります。まだまだ満足な仕上がりにはなっていませんが、成功したらまた新しい記事でご紹介します。
私のような料理好きには、広めのキッチンがあるお部屋が理想的です。ダイニングと一体化したオープンキッチンなら、調理エリアそのものは狭くても、必要な時にはダイニングテーブルも作業台にできるので便利です。広いキッチンやオープンキッチンのある物件はこちらから探してみてくださいね。