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「蕎麦打ち」を自分でしてみませんか?必要な道具・打ち方など料理人が解説

「蕎麦打ち」を自分でしてみませんか?必要な道具・打ち方など料理人が解説

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蕎麦は、日本各地でご当地グルメとして親しまれている馴染み深い食べ物です。特に、打ちたて、茹でたての蕎麦の香りには、なんともいえない美味しさがあります。しかし、蕎麦打ちに興味を持ったとしても、難しそうでなかなか始められないという方も多いのではないでしょうか。

私は蕎麦が大好きで、蕎麦打ちに興味を持っていましたが、自分の不器用さを理由に、蕎麦打ちに対するハードルが高いように感じていました。ある日、友人の一言をきっかけに蕎麦を打つことになり、簡単な道具でチャレンジしましたが、やってみると思っていたよりも手軽にできて面白かったです。

この記事では、不器用な料理人の私でもできた、初心者でも自分でできる蕎麦の打ち方と蕎麦打ち体験、余った蕎麦粉のアレンジレシピなどについてご紹介します。

蕎麦について知ろう!

もり蕎麦
もり蕎麦

普段何気なく食べている蕎麦がどのようなものなのか、まずは蕎麦の基礎知識や歴史、うんちくなどについてご紹介します。

蕎麦の基礎知識

蕎麦(日本そば)の定義は、蕎麦の実を使った蕎麦粉を加工した麺類です。全国製麺協同組合連合会では、蕎麦粉30%以上、小麦粉70%以下の割合で混合された原料を使用したものを蕎麦と呼んでいます。

中華そばや沖縄そばなど、日本にはそばと名のつく料理がいろいろありますが、日本そばには他のものと区別するために明確な定義が定められています。

蕎麦の歴史

蕎麦は、9000年以上前の高知県にある遺跡で蕎麦の花粉が発見されたことから、とても古くから日本にあった穀物だといわれています。奈良時代には、蕎麦の実をそのまま炊いて粥として食べられており、平安時代には飢饉に備えて栽培されていたことも文献などに残されています。

蕎麦は痩せた土地でも育ち、収穫までの期間が短いことから、日本全国で栽培されるようになりました。しかし、江戸時代に蕎麦切りと呼ばれる今の形状になるまでは、蕎麦粉を練った「蕎麦がき」やそのまま焼いた「蕎麦焼き」といった形で食されていました。

このように、当時は味を追求するよりも、お腹を満たすための食べ物だったことが分かります。江戸時代に入り、蕎麦粉を練って包丁で切って麺状にする蕎麦切りという調理法が登場しました。当時の蕎麦切りとは、せいろで蒸し、味噌だれで食べるというスタイルでした。

1751年に発行された『蕎麦全書』に蕎麦の製法の詳細が紹介されると、各地で蕎麦が作られるようになり蕎麦の屋台が流行。上方からうどんと醤油の文化が江戸に伝わると、上方に対抗して江戸独自の蕎麦と醤油味のつゆを合わせ、今に伝わる蕎麦の食べ方が提供されるようになったのです。

蕎麦の栄養

蕎麦とごはんの100グラム当たりの栄養を比較してみましょう。

〈蕎麦〉
・エネルギー:130kcal
・タンパク質 :4.8g
・食物繊維:2.9g
・ビタミンB1:0.05mg
・ビタミンB2:0.02mg
・カリウム:34mg
・マグネシウム:27mg
・鉄:0.8mg

〈ごはん〉
・エネルギー:156kcal
・タンパク質 :2.5g
・食物繊維:1.5g
・ビタミンB1:0.02mg
・ビタミンB2:0.01mg
・カリウム:29mg
・マグネシウム:7mg
・鉄:0.1mg

蕎麦には必須アミノ酸であるリジンが多く含まれていますが、ビタミンB1・B2・ミネラル類(カリウム・マグネシウム・鉄)なども豊富です。蕎麦に多く含まれるルチンは毛細血管を丈夫にし、血液をサラサラにして血圧を下げる効果があります。

蕎麦のうんちく

蕎麦にまつわるうんちくについて、調べてみました。

蕎麦のうんちく(1)引越し蕎麦とは?

引越し蕎麦とは、蕎麦(側)に越してきましたので、お蕎麦のように細く・長くよろしくお願いしますという意味を持ち、近所に振る舞われる蕎麦のことです。この風習は江戸時代から始まりました。引越し先で年越しのようにお蕎麦を食べることではありません。

蕎麦のうんちく(2)年越し蕎麦とは?

年越しに蕎麦を食べるのは江戸時代からの風習ですが、地域によって食べる蕎麦の種類や日にちなど、習慣が違います。

諸説ありますが、蕎麦の形状から細く長く幸せにという無病息災や健康祈願を、蕎麦の噛み切りやすさから一年の苦労を翌年に持ち越さずに断つといった意味を持つことが多いです。香川県では讃岐うどん、沖縄県では沖縄そばなど、蕎麦ではなくその地方の麺料理を食べるところもあります。

蕎麦のうんちく(3)南蛮そばとは?

鴨南蛮そばやカレー南蛮そばなど、南蛮そばと呼ばれる蕎麦にはねぎが入っています。諸説ありますが、ねぎの産地の大阪から伝わったため難波(なんば)蕎麦が転じた説や、渡来人(南蛮人)がねぎを好んで食したから、という説があります。

私の蕎麦打ち体験談

私が作った蕎麦
私が作った蕎麦

私が蕎麦を打ってみたきっかけや体験談についてご紹介します。

蕎麦を打ってみようと思ったきっかけ

学生の頃、まだキッチンバイトをしていた私に、友人が「料理人をしているなら引越し祝いにお蕎麦を打ってきてよ」と、無茶なお願いをしてきました。私は断れず、蕎麦打ちに挑戦することに。

当時は今ほどネットも普及していないので、本屋で蕎麦打ちの指南書を買い、見よう見まねでやってみることに。実際にやってみたところ、工程は意外と簡単でした。しかし、均等に混ぜて伸ばし、細く切ることは難しく、何度もやり直した記憶があります。

蕎麦粉やつなぎの割合や出汁にこだわり、より上手により美味しくと思うと、蕎麦打ちはまさに奥深く、果てしない探究の世界でした。

私の蕎麦打ち体験談

蕎麦の打ち方について書いた本を見ると、必要な道具が多いように感じます。しかし私は、「専用の道具でなくてもできるのでは…?」と考え、ほとんどの道具をキッチンにあるもので代用しました。

なお、私はのし棒だけ製菓用品を購入。こね鉢はボウル、のし台はテーブルとビニールシート、まな板と包丁、段ボールの板で挑みました。

元々私はイタリア料理店で働いていたので、粉を使うことや粉を練って伸ばすことには慣れていましたが、蕎麦粉と小麦粉は勝手が違い、やはり均等に伸ばすのは難しかったです。失敗したときのために蕎麦粉を多めに買い、できた蕎麦を茹でて試食しては試行錯誤を繰り返し、何とか4回目くらいには食べられる形になったので、パックに入れて友人の家へ。

引越しの荷解きもままならない部屋で出汁をひき、市販の麺つゆと合わせ、初めて打った蕎麦を茹でて食べました。茹で方もよく分からず、ブツブツと切れた太めの不恰好な麺でしたが、香りと弾力が美味しかったのを覚えています。

その後、料理人の先輩に聞いて賄いで蕎麦打ちを教えてもらったり、蕎麦居酒屋の立ち上げに参加したりしました。蕎麦居酒屋は製麺機を使って作業していましたが、出汁や蕎麦屋料理の勉強は楽しかったです。

蕎麦の勉強を進めていくと、手順に慣れ、慎重に薄く伸ばして均等に細く長く切ることが美味しい蕎麦打ちの秘訣であり、ここが1番の難関であることを実感しました。

蕎麦打ちの注意点

蕎麦打ちは楽しいのですが、蕎麦にアレルギーがある方もいるので、辺りに舞う粉や使う道具の後始末にも注意が必要です。わが家には、重篤ではありませんが蕎麦アレルギーを持つ身内がいるため、家で蕎麦を作るときは蕎麦粉が混入したり残ったりしないよう、道具や鍋などの管理に気をつけています。

また、高温の直射日光の当たるところで打たない、打った蕎麦は低温保存してできるだけ早く茹でて食べるなど、食中毒や衛生管理への注意が必要です。

茹で蕎麦が市販されているからといって、茹でた手打ち蕎麦を長時間保存するのは危険です。なぜなら、人の手が触れた食べ物は何らかの食中毒菌などに汚染されやすくなっているからです。蕎麦打ちを自分でやってみるなら、打ちたて、茹でたてを食べ、長期保存はやめましょう。

残った蕎麦は生のまま冷凍保存できますが、一人前ずつに分け、『長くても2週間くらいで食べること、茹でるときは冷凍から』を忘れないようにしてください。

自分で蕎麦を打ってみよう!

蕎麦粉
蕎麦粉

それでは、実際に蕎麦を自分で打ってみましょう。次項から、蕎麦打ちに必要な道具や作り方、アレンジレシピなどをご紹介します。

蕎麦打ちに必要な道具

私が実際に使用している蕎麦作りの道具
私が実際に使用している蕎麦作りの道具

蕎麦打ちを始めるために道具をそろえたいなら、蕎麦打ち入門セットを買うのが簡単ですが、専用の道具をそろえなくても、おうちにある調理器具でも代用できます。必要な道具、と自宅で代用する場合の道具について説明します。

〈蕎麦打ちに必要な道具〉
・こね鉢…家庭用の大きめのボウルで代用できます。
・打ち台…平らで広い食卓やテーブル、作業台を使います。私は製パン用のシリコンマットを引いています。
・のし棒(麺棒)…製菓・調理器具コーナーにあるもので十分ですが、40センチ以上の長いものがあれば伸ばしやすいです。100円ショップなどで売っている麺棒や、ローリングピンと呼ばれる取手付きの麺棒などでも代用できます。
・包丁…菜切り包丁のような、刃が真っ直ぐなものがおすすめですが、家庭用の三徳包丁でも構いません。刃渡りは長い方が切りやすいです。
・計量カップ
・キッチンスケール(はかり)
・まな板…家庭用の大きめのまな板で十分です。
・こま板…真っ直ぐ切りそろえるために、こま板を端材などで手作りしたり、段ボールや小さいカットボードなどを使ったりする人もいます。私は大きめのプラスチック製の食品保存容器の蓋で代用しています。

蕎麦の打ち方

実際に自分で蕎麦を打ってみましょう。少しずつ作れば失敗してもやり直せます。最初から完璧を目指すのではなく、おおらかな気持ちで始めてみてください。

ここでは、二八蕎麦と呼ばれる、基本的な割(蕎麦粉8割:つなぎ粉2割の配合)で打つ蕎麦打ちをご紹介します。

◎材料 (2人前)
・蕎麦粉 160g
・小麦粉(薄力粉・つなぎ粉として) 40g
・水 90〜100cc
・打ち粉(同じ蕎麦粉) 適宜

すべての材料を計量し、道具を用意してから蕎麦打ちに取り掛かりましよう。

蕎麦の作り方(1)水回し

ボウルに蕎麦粉、小麦粉を入れてぐるぐるかき回す
ボウルに蕎麦粉、小麦粉を入れてぐるぐるかき回す

(1)乾いたボウルに蕎麦粉と小麦粉を入れて、両手でぐるぐるかき回し、蕎麦粉とつなぎ粉をまんべんなく混ぜます。

水を入れてポロポロとしたそぼろのような粒状になった様子
水を入れてポロポロとしたそぼろのような粒状になった様子

(2)1回目は、水を半分くらい加えます。両手で水と粉を練らないように混ぜます。ポロポロとしたそぼろのような粒状に作るイメージです。水の多いところに粉をかけ、ほぐしながら混ぜます。両手の指先を使って素早く行いましょう。

さらに水を加えてゴロゴロの塊ができた様子
さらに水を加えてゴロゴロの塊ができた様子

(3)残りの水を加えてざっくり混ぜていくと、さらに大きいゴロゴロの塊になっていきます。この後、ひとまとめにしていくのですが、ここまでの工程を水回しといいます。

蕎麦の作り方(2)こね

水回しが終わり1つにまとまった様子
水回しが終わり1つにまとまった様子

(1)水と粉が混ざってひとまとまりにしたものを、さらにこねていきます。うどんのように足で踏む必要はありませんが、混ぜ方にムラがあると切れたりボソボソになったりと仕上がりに影響が出ますので、しっかり2分弱(100回くらい)こねましょう。

成形して円錐状にした様子
成形して円錐状にした様子

(2)シワを一点に集め、空気を抜きながら、ボウルの側面を使って整形し、蕎麦玉を円錐状にします。

円形にした様子
円形にした様子

(3)円錐の天をギューっと真っ直ぐ下に押し、円形にします。

蕎麦の作り方(3)のし

打ち粉を振って蕎麦玉を手のひらで押す
打ち粉を振って蕎麦玉を手のひらで押す

(1)必ず綺麗に拭いて、乾かした台の上で行います。打ち粉(蕎麦粉)を振って、蕎麦玉をのせ、まずは手のひらで押しながら、直径20センチくらいまで均等に伸ばします。

麺棒を使って伸ばしている様子
麺棒を使って伸ばしている様子

(2)20センチくらいになったら、麺棒を使って伸ばします。楕円状に上下5センチくらい伸ばしたら、蕎麦玉の向きを45度くらいずらして、また前後に広げていきます。

麺棒に巻きつけた様子
麺棒に巻きつけた様子

(3)直径30センチくらいに伸ばせたら、打ち粉を振って麺棒に端からくるくると蕎麦を巻きつけ、巻いた生地の上からさらに薄くしていきます。広げて、角度を45〜90度変えながら、巻きつけて伸ばす動作を2~3回繰り返しましょう。

角だし
角だし

(4)角だしといい、40センチ四方くらいに四角く成形します。(生地の厚さは1〜1.5ミリを目指しましょう。)
重ねる前に生地と生地の間に打ち粉をたっぷり振り、生地を折りたたみます。上の辺を下に持ってきて二つ折りにし、さらに両サイドの辺を持ってきて、三つが折りになるように真ん中に重ねます。(このたたみ方は一例です。)

蕎麦の作り方(4)蕎麦切り

蕎麦切りの様子
蕎麦切りの様子

(1)まな板に打ち粉を振り、短い辺の折り目が右に来るように生地を乗せます。上からも打ち粉を振り、こま板を乗せます。こま板に包丁を当てながら、1ミリぐらいの幅のイメージで包丁を真っ直ぐ押して生地を切っていきます。
(写真では、こま板代わりにプラスチック製の食品保存容器の蓋、シリコンマットの上でそのまま切っています。)

(2)切り終えたものはバットなどに移しておきます。

蕎麦の作り方(5)茹で方

沸騰したお湯に蕎麦を入れていく
沸騰したお湯に蕎麦を入れていく

(1)鍋で沸騰させた、たっぷりのお湯の中に打った蕎麦をほぐしながら入れます。すぐかき混ぜると蕎麦が切れてしまうので、蕎麦が浮いてきて30秒くらい経ってから、ざっくりと箸で混ぜ、トータル1~2分ほど茹でてザルにあけます。

流水で蕎麦をしめる様子
流水で蕎麦をしめる様子
でき上がった蕎麦
でき上がった蕎麦

(2)蕎麦を流水で優しく洗ってしめます。ざるやお椀に盛り、お好みの麺つゆと薬味を添えるか、上からかけます。

蕎麦生地の端のかけらで作ったスープ
蕎麦生地の端のかけらで作ったスープ

余った打ち粉は集めてふるっておけば、再利用することが可能です。蕎麦の茹で湯は蕎麦湯として楽しめます。

ブツブツと切れてしまった蕎麦、作り損じた蕎麦や生地の端のかけらは、はかけ蕎麦やスープを入れて食べたり、サラダにしたりすると食べやすいです。(写真は蕎麦生地の端のかけらで作った、落とし卵とわかめの和風スープです)

出汁とかえしの作り方

出汁やかえしを手作りすると、オリジナルの味が楽しめますね。続いて、家庭で簡単にできる出汁の引き方、かえし(麺つゆ)の作り方もご紹介します。

〈出汁の作り方〉
いわゆる1番だしと呼ばれるカツオと昆布の出汁の作り方です。

(1)水600ccに、15センチくらいの昆布を入れて弱火にかけます。
(2)10分くらい煮出したら、鰹節を10gくらい加えて中火にします。
(3)出汁が煮たってきたら、吹きこぼれる前に火を止め、鰹節が沈んだらペーパーで漉すと完成です。

〈かえしの作り方〉
かえしとは、煮かえしの略で、蕎麦つゆの素のことです。これを出汁で割って、蕎麦つゆを作ります。
(1)濃口醤油360cc、みりん大さじ3、砂糖大さじ2を合わせたら、砂糖をよくかき混ぜて溶かしましょう。
(2)(1)を小鍋に入れ中火で加熱し、沸き上がってきたら火を止めます。
(3)(2)が冷めたら、清潔な瓶やタッパーに入れて冷蔵保存すると、2週間くらいもちます。

〈出汁とかえしの合わせ方〉
出汁とかえしを合わせるときは、お玉で測って合わせるのが和食流です。
・つけつゆ出汁5〜6に対して、かえし1の割合で合わせて冷やします。
・かけつゆ出汁8に対して、かえし1の割合で合わせて温めます。

蕎麦粉のアレンジレシピ

ここからは、余った蕎麦粉を活用するレシピをご紹介します。

蕎麦粉のガレット
蕎麦粉のガレット

◎蕎麦粉のガレット(6枚分)
ガレットとは、フランスブルターニュ地方の伝統料理で、蕎麦粉を使ったクレープです。

〈材料〉
・蕎麦粉150g
・水240cc
・卵1個
・塩ひとつまみ
トッピング
・ベーコン3枚
・卵6個
・とろけるチーズ90g
・ほうれん草1/2束
・オリーブオイルかバター、塩、胡椒 適宜

〈作り方〉
(1)ベーコンは短冊切り、ほうれん草はざく切りにしてよく洗い、軽く塩胡椒を振ってソテーしておきます。
(2)ボウルに蕎麦粉を入れ、水の半量を加えて、ダマにならないようにゴムベラや木ベラで練り混ぜます。ある程度混ざったら、卵を入れてよく混ぜます。泡立て器に持ち替え、さらに水を少しずつ入れてかき混ぜて生地を作り、1時間くらい冷蔵庫で寝かせましょう。
(3)フライパンに油を馴染ませたら、余分な油をペーパーで抑えます。中火にして、(2)の生地をお玉一杯分流し入れて薄く伸ばしましょう。真ん中にチーズで土手を作ったら、卵をのせてベーコンとほうれん草を散らします。
(4)端がカリッと焼けてきたら、周りから2センチくらい、四角くなるように内側にターナーで折り込みます。
(5)弱火で蓋をして、卵に火が通るまで焼いたら完成です。

蕎麦がき
蕎麦がき

◎蕎麦がき
蕎麦がきは、元祖蕎麦料理ともいえる蕎麦粉をお湯で練っただけのお餅のような食感の団子です。お酒が好きな方は、ぜひおつまみとして作ってみてください。

〈材料〉
・蕎麦粉50g
・水150cc
・麺つゆ、わさび、薬味

〈作り方〉
(1)小鍋に蕎麦粉を入れ、少しずつ水を加えて、泡立て器でよく混ぜます。
(2)火をつけ、弱火で熱しながら、もったりしてくるまで絶えず底からかき混ぜます。
(3)もったりとまとまってきたら、そこからさらに1~2分木べらに持ち替えて練ったら完成です。
(4)器に盛り、麺つゆをかけるか、つけながら食べます。私は、辛味おろしや納豆、とろろなどをトッピングして、海苔で巻いて食べるのが好きです。

蕎麦打ちを自宅で楽しむのにおすすめの住まいは?

カウンターキッチンのある住まい
カウンターキッチンのある住まい

ここからは、実際に蕎麦打ちを自分でやってみたいという方におすすめの住まいをご紹介します。住まい探しの参考にしてください。

カウンターキッチンのある住まい

蕎麦打ちには広い作業スペースが必要です。カウンターキッチンがある住まいは、作業をしたり作った料理を並べたりすることができます。
また、打った蕎麦を茹でて出汁をひき、麺つゆを作るときには同時調理できるよう、コンロが何個も必要です。コンロが3口以上あるシステムキッチンなら、ストレスフリーで料理を楽しめます。

広いキッチンのある住まい

蕎麦打ちを家族や友人とみんなで楽しみたいなら、広いキッチンが必要です。そもそも蕎麦を伸ばすときは大きな台やテーブルで伸ばさなければならず、広いスペースが確保できないと作業が大変です。

私は一人暮らしのキッチンで蕎麦打ちに挑戦したときに、不便で大変な思いをしました。その後、狭いながらも業務用の調理場や田舎の家の広いキッチンで蕎麦打ちを教えてもらったところ、やはり広いスペースのあるキッチンは大切だと思いました。

みんなで調理台を取り囲めるアイランドキッチンタイプであれば、お子さんや家族、友人同士で蕎麦打ち体験ができて、さらに楽しいですよ。

蕎麦打ちを自宅で楽しみましょう!

蕎麦生地を延ばす様子
蕎麦生地を延ばす様子

今回は、初心者でも楽しめる、自分で作る蕎麦打ちと、アレンジレシピについてご紹介しました。蕎麦打ちは意外と気軽に始められる反面、完成度を求めると中々難しく、奥が深い世界です。蕎麦粉や粉の割合、打つ幅や出汁などにこだわりだすと、一生の趣味としても楽しめます。

蕎麦打ちを自分でするためには、やはり広いキッチンと作業スペースが欠かせません。昔、私が一人暮らしの家で蕎麦を打ったときは、スペースがとても狭くて四苦八苦しました。そのため、蕎麦打ちに興味がある方には、住まい探しのタイミングで、広いキッチンや便利なシステムキッチンを基準として選ぶという選択肢がおすすめです。

ぜひ、今回の記事を参考に、一生モノの蕎麦打ちという趣味に挑戦してみませんか?

鈴木茉子料理人歴20年以上・ライター

東北の米農家に生まれ、今は料理人として和食屋を営んでなおります。季節の移り変わりを食卓にお届けしたい、と旬の食材を献立に組み込んでお出ししています。料理上手の祖母の元で、季節の野草の田舎料理に親しんで育ちました。Noteにレシピブログをかいています。二十四節気や和の薬膳や禅、神社仏閣巡り、郷土芸能など、日本の伝統文化も勉強中! 休日は、日本全国の食材や郷土料理を探し、生産者さんに会いに行く旅をしたり、地方のローカル線に乗ったり、一人でフェスに行ったり、料理と哲学と好奇心と多趣味をもとに、皆様の心地よい暮らしのお役に立てる記事を書いていければと思っております。

※掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください

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