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塩の種類はどう選ぶ? 料理と暮らしをもっと楽しくする塩の活用法とは
塩の種類はどう選ぶ? 料理と暮らしをもっと楽しくする塩の活用法とは

塩の種類はどう選ぶ? 料理と暮らしをもっと楽しくする塩の活用法とは

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私たちの生命維持に欠かせない、塩。一口に塩といっても、いろいろな種類があります。スーパーマーケットにはいくつもの塩が並んでいるので、違いが分からず悩んでしまう人も多いでしょう。

私は国際薬膳師として食の仕事をしており、4~5種類の塩を常備して体調や好みに合わせて使い分けています。世界35ヶ国以上を旅行する中で、さまざまな地域で出会った塩の種類や使い方に感銘を受けました。

そこで今回の記事では、塩の種類についてお伝えするとともに、料理や暮らしがもっと楽しくなる塩の活用法を紹介します。

塩の種類とは?

塩は製造方法や原材料の違いによって、色や風味が大きく異なります。ここでは、「原材料」と「製造方法」という2つの切り口から、塩の種類と特徴を整理してみましょう。

原材料や製造方法は、塩が入っている袋の裏面に表示されている場合が多いです。ここで紹介する基本的な事項を参考にしながら表示を確認した上で、商品を購入してみてください。

原材料からみる種類と特徴

塩の原材料は主に3種類あり、海塩・岩塩・湖塩と呼ばれています。海に囲まれた日本では「塩といえば海水から作られるもの」というイメージを持っている人もいらっしゃるでしょう。

しかし、世界の人口に対して海塩を食べるのは約2割とされています。湖塩はごくわずかで、その他の多くの人たちは岩塩を食べています。

海塩
海水から作られる塩のことです。一般的に白色のものが大半であり、ミネラルが豊富に含まれています。日本をはじめ、メキシコやオーストラリアなどで生産が盛んです。

岩塩
岩の塩と書いて岩塩ですが、岩から作られるわけではありません。岩塩は、はるか昔に海底の地殻変動により海水が陸上に閉じ込められ、結晶化した塩のこと。固形状で硬さがあるため、料理用だけでなく、装飾品などにも使われます。

白色だけでなく、ピンク色や黒色もあり、黒色のものは硫黄が含まれているため独特の香りがあります。海塩に比べて、まろやかな味わいがあるのが特徴です。

湖塩
湖塩とは、塩の湖「塩湖」から採れる塩のことです。日本には塩湖がないこともあり、海塩や岩塩に比べるとあまり知られていません。世界的に有名な塩湖は、ウユニ湖やデボラ塩湖、死海など。岩塩と同じように陸地が移動する過程で水が閉じ込められて湖になる場合もあります。

湖塩は産地によって味わいが異なっており、ウユニ湖塩の場合は、海塩と岩塩の中間のようなまろやかな味わいで甘味があるのが特徴です。

製造方法からみる種類と特徴

塩の製造方法は大きく2種類あり、精製塩と自然塩(天然塩)に分けられます。

精製塩
精製塩とは、その名前のとおり精製された塩のことです。電気分解、つまり化学反応をさせることによりナトリウムイオンを抽出して作られます。99.5%以上が塩化ナトリウムであるため、少しなめただけでも「しょっぱい」と感じることが多いです。

精製塩は「食塩」「食卓塩」という名前で呼ばれることもあります。製造方法が簡単で大量生産に適しているため、手ごろな価格で購入することができます。塩の袋には、「イオン交換膜法」「立釜」などと表記されています。

自然塩(天然塩)
精製塩の枠に該当しないものは、自然塩や天然塩と呼ばれます。精製塩との大きな違いは、塩化ナトリウムだけでなく塩化マグネシウムや硫酸カルシウムなどのミネラルが含まれているところです。そのため、塩味だけでなく、旨味や甘味などの奥深い味わいを楽しめます。

自然塩には特に決まった定義はなく、さまざまな種類があります。たとえば、煮詰めて製造する「自然海塩」や、天日で乾燥させて作る「天日塩」などです。精製塩に比べて手間がかかることから、自然塩は価格が高くなる傾向があります。

天然の海塩の場合、塩の袋には「天日」「平釜」などの表記があります。ちなみに塩を販売する際に、食用塩公正取引協議会の規定で自然塩や天日塩という言葉を使うことはできません。

精製塩と自然塩の中間的な存在「再製加工塩」

精製塩と自然塩のほかに、もうひとつ「再製加工塩(または再製自然塩)」というものがあります。これは、作り方や価格の面からみて、精製塩と自然塩の中間的な存在です。

再製加工塩は、いったん塩になったものににがりを加えて作られます。再加工を行うことで、比較的手ごろな価格を保ちながら、精製塩にはないミネラルバランスを実現できます。

料理に合わせた塩の選び方とは?

料理をもっと楽しくおいしいものにするためには、どのような塩を選ぶのかが大切です。ここでは、私が塩を選ぶときに注意しているポイントをお伝えします。

味の好みや予算などもあるとは思いますが、個人的には「天日」「平釜」と書かれた自然塩を選ぶのがおすすめです。食品添加物が入っているものは、避けるようにすると良いでしょう。減塩をアピールしている塩などの場合、添加物が含まれていることもありますので、塩の袋に記載されている原材料名をしっかりと確認して選んでみてください。


和食や野菜料理には天日塩

天日塩はまろやかな味わいでどの料理にも使えますが、繊細な味わいを引き出したいときに最適です。塩むすび(塩おにぎり)を作るときに、天日塩を使うとそのシンプルなおいしさに驚くでしょう。余計な味付けをする必要がなく、素材そのものの味を楽しむことができます。


肉料理やエスニック料理には岩塩

岩塩は肉の臭みを消す効果もあるため、肉料理に向いています。エスニック料理など、パンチのある味に仕上げたいときにもおすすめです。岩塩の種類によっては硫黄などの香りがあるものもあり、スパイスのような感覚で使うこともできます。


魚料理にはにがりの多い塩

にがりは海塩を製造する途中でできる液体のこと。マグネシウムやカリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。にがりが多い塩は、旨味やコクがあり奥深い味わいになる傾向があります。さんまの塩焼きなどの魚料理を作るときには、にがりの多い塩を使うのもおすすめです。

ワンランク上の塩の使い方

塩にはいろいろな種類や使い方があり、知れば知るほど興味深い存在であることが分かります。塩に関心を持ち始めた方の中には、「もっと変わった使い方が知りたい!」という人もいるかもしれません。ここでは、私が気に入っている塩の使い方を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

自家製ハーブソルトとして使う

ハーブソルトとは、塩にハーブやスパイスなどを加えたもののこと。サラダやスープ、パスタなどの仕上げにひと振りするだけでなく、肉料理や魚料理の味付け、揚げ物のつけ塩としても活用できる便利な調味料です。

市販品もありますが、自宅でも気軽に手作りできます。材料は、好みのハーブやスパイスと塩だけ。生のハーブを使う場合は、乾燥後にミキサーなどで細かく粉砕したものを用意しましょう。ハーブやスパイスと塩を混ぜ合わせて、清潔な保存容器に入れればできあがりです。

私が好きなのは、セロリの葉やローズマリーを乾燥させたものを自然塩とブレンドしたハーブソルトです。市販品のように数種類のハーブやスパイスを組み合わせた複雑な香りもいいですが、シンプルな香りが楽しめるのも手作りならでは。 好みに合わせて使用するハーブやスパイスの量を調節できるのも魅力のひとつ。自家製ハーブソルトを試作して、お気に入りを見つけてみてくださいね。

自家製の干物(一夜干し)に使う

数年前から気に入って作り続けている、自家製の干物があります。気温が下がり空気が乾燥し始める秋~冬頃は、干物づくりのベストシーズン。梅雨~夏など高温多湿になる時期は、乾燥しづらく腐敗しやすいため、干物づくりには向いていません。

干物の材料は、新鮮な魚と塩だけ。魚を開いてひとつまみ~ふたつまみ程度の塩を振り、しばらく置いて表面に出てきた水分をふき取ります。ザルや干し網などに重ならないように並べて、風通しの良い場所に半日~一日程度置けばできあがり。干すことで水分が蒸発して魚の身が締まり、旨味がギュッと凝縮します。

食べ方は、通常の干物と同じようにグリルやフライパンなどで焼くだけです。できあがった干物は冷蔵庫で保管して早めに食べ切るようにしましょう。干物づくりにおすすめしたい魚は、アジやカマス、サバ、ホッケなど。新鮮な魚が手に入ったら、ぜひ試してみてください。

使用する魚の種類や気候によっても仕上がりの状態が変わるので、「今回の干物はどんな味になっているのだろう」と待つ時間も楽しみのひとつです。塩加減を調整したり、好みの塩を使ったりすることで味わいの変化も楽しめます。

大粒の塩を使ってみる

塩の味は、原材料や製造方法だけでなく、粒の大きさによっても変化します。一般的に、大粒のものは時間をかけて作られたものが多く、まろやかな味わいがあります。細かいタイプの塩は塩味をすぐに感じるのに対して、大粒のものは噛んでいるうちに味が出てくるため、少し時間を置いてからしょっぱさを感じます。

ここでは、大粒の塩の使い方をいくつかご紹介します。まずは、ポトフなどの煮込み料理に使う方法です。ゆっくりと加熱する煮込み料理に使うと、じわじわと塩味が引き出されて奥行きのある味わいに仕上がります。

イカやタコなどの噛み応えのある淡泊な味の素材にも、大粒の塩がよく合います。細かい粒子の塩よりも塩味が少しずつ出てくるので、最後まで飽きることなく料理を楽しめます。

個人的に気に入っている手軽な使い方としては、「疲れを感じたときに一粒なめる」というもの。夏など暑い時期にたくさん汗をかいたあとの塩分補給として活用するのもおすすめです。

料理以外にも! 塩は足湯やバスソルトとして活用

いろいろな種類の塩を試していると、中には「好みのものではなくて余ってしまった」ということもあるでしょう。そのようなときには、足湯や入浴の際に「バスソルト」として活用してみましょう。

使い方は、湯船にひとつかみの塩を加えるだけです。塩に含まれるミネラルなどの作用で、全身がぽかぽかと温まります。お好みのハーブや精油などを加えて、オリジナルのバスソルトを作ってみるのもおすすめです。

塩をもっと楽しみたい人におすすめの住まいや地域

塩は身近な存在でありながら、とても奥深い魅力があります。ここでは「塩をもっと楽しみたい」という人に、おすすめの住まいや地域をご提案します。

床下収納やパントリーなど収納設備が多い住宅

いろいろな種類の塩を常備したり、塩を使った保存食を作ったりしたいという場合には、保管するためのスペースが必要です。床下収納やパントリーなどの収納設備が多い住宅を選ぶことで、収納場所を気にせずに保存食づくりを楽しめるでしょう。

塩を小瓶などに入れてキッチンに飾る“見せる収納”がしたい人には、オープンキッチンのある住宅がおすすめです。

百貨店の近くや塩の生産地に住む

塩はコンビニエンスストアやインターネット通販などでも購入できますが、実際に手に取って選びたい人には、百貨店や大きめのスーパーマーケット、輸入食材店などがおすすめ。塩のラインナップが豊富なお店が多いので、お店の近くに住むことで、いろいろな塩を気軽に試すことが可能です。

究極の選択肢になってしまうかもしれませんが、“塩の生産地の近くに住む”というのもひとつのアイデアです。私の経験では、その土地の料理にはその地域で作られた塩を使うと、もっとおいしくなります。生産地付近で暮らすことで、塩の世界にどっぷりと浸かってみるのはいかがでしょうか。

塩の種類を知って、料理と暮らしをもっと楽しもう

塩には原材料や製造方法の違いによって、さまざまな種類があることが分かりました。スーパーなどで塩を購入する際には、袋の表示をよく確認してから購入するようにしましょう。

数種類の塩を上手に使い分けることで、ワンランク上の料理と暮らしを楽しむことができます。いろいろな塩を試してみて、ぜひお気に入りの塩を見つけてくださいね。

塩をもっと楽しみたいという人には、住宅の収納設備や居住する地域にこだわってみるのもおすすめです。私たちが生きていく上で欠かせない存在である塩についてしっかりと認識して、健やかに過ごしてください。

松橋かなこエシカルフードライター(国際薬膳師、登録ランドスケープアーキテクト(RLA))

神奈川県生まれ、愛知県在住。企業・NPOにて10年以上まちづくりの活動に携わった後、2014年より薬膳とおばあちゃんの知恵をベースに「養生キッチンふうど」を立ち上げる。現在は、風土食をのこす・つくる・伝える活動をしている。大手webメディアなどで連載記事を執筆中。元バックパッカーであり、散歩や旅行が大好き。

※掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください

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