暑い夏の日、つるっとしたのど越しが食欲をそそる「そうめん」と「ひやむぎ」。私は夏になると毎日でも食べたくなります。
どちらも見た目が似ていますが、その違いがわからない人は多いかもしれません。実際にわが家でも明確に区別してはいませんでした。
そこでこの記事では、そうめんとひやむぎの違いと、それぞれの特徴を生かしたアレンジレシピをご紹介します。時短レシピばかりなので、夏のお昼ごはんにサクッと作ってみてくださいね。
そうめんとひやむぎの違い
そうめんとひやむぎの見た目はほとんど同じ。メーカーによって材料や調合の比率などは違いますが、一方だけに特別な材料が使われているわけではありません。
そうめんとひやむぎの明確な違いは、「太さ」にあります。日本農林規格では、そうめんとひやむぎの基準が決められており、機械で作る場合の基準は以下のとおりです。
・そうめん……麺の直径が1.3mm未満
・ひやむぎ……麺の直径が1.7mm未満
つまり、原材料が中力粉(小麦粉)で直径が1.3mm未満の麺は、すべてそうめんに分類されるのです。反対に、麺の直径が1.7mm~1.3mmの非常に狭い範囲がひやむぎとして扱われます。この基準から少しでも太くなるとうどんの扱いになり、細くなるとそうめん扱いになります。こうして比較してみると、太さの制限が厳しいひやむぎが、少し気の毒になってきますね。
ちなみに、高級そうめんなどに多い「手延べ」の場合は1.7mm未満の太さも「手延べそうめん」として扱われます。手延べに限っていえば、両者の違いはないということになります。
そうめんとひやむぎの夏レシピ
そうめんとひやむぎの違いは、その「太さ」にあります。
そこでここからは、それぞれの特徴を生かしたレシピをご紹介します。できるだけ飽きないよう、味に変化のあるレシピをまとめたのでぜひ参考にしてみてくださいね。
そうめんおすすめレシピ:塩レモンそうめん
そうめんの味に飽きたけど、攻めすぎた味も苦手。そんな希望に絶妙に応えてくれるのが、こちらのレシピです。シンプルで攻めすぎない味わいながら、レモンのさわやかさに箸が止まらなくなります。
材料<1人前>
・そうめん(1束)
・鶏ガラスープの素(小さじ2杯)
・お湯(150CC)
・ごま油(小さじ1杯)
・レモン汁(大さじ2杯)
・ゆで卵(1個)
・ネギ(お好み)
・白ごま(お好み)
作り方
1. そうめんを、指定の茹で時間どおりに茹でる
2. 沸かしておいた別のお湯に、鶏ガラスープの素・ごま油・レモン汁を入れて、混ぜ合わせる
3. そうめんが茹で上がったら、しっかりぬめりをとり、水気を切る
4. 器に盛りつけて、2を冷まして入れ、ゆで卵・ネギ・白ごまをトッピングしたら完成
そうめんおすすめレシピ:混ぜそうめん
ガッツリ系の味が好みの方におすすめしたいそうめんレシピです。濃い味付けと、にんにくの力強い味わいで疲れを吹き飛ばす、パワー系メニューになっています。
材料<1人前>
・そうめん(1束)
・卵黄(1個)
・海苔・ネギ(お好みで)
・焼肉のタレ(大さじ1杯)
・しょうゆ(大さじ1杯)
・にんにくチューブ(3cm)
・ごま油(大さじ1杯)
作り方
1. そうめんを指定の茹で時間どおりに茹でる
2. 焼肉のタレ・しょうゆ・にんにくチューブ・ごま油を混ぜ合わせる
3. しっかり混ぜ合わせたタレを、器に入れる
4. 茹で上がったそうめんをしっかり洗い、水気を切ったら、3の器に入れる
5. 軽くタレと混ぜ合わせて、上から卵黄・ネギ・海苔を散らして完成
お好みで、お酢を少し入れるとさっぱりした味になります。
ひやむぎおすすめレシピ:サバつけ麺
ひやむぎは麺に太さがあるため、つけ汁と絡みやすいことから、アレンジしたつけ汁との相性がいいです。サバつけ麺は、魚の風味とトマトの酸味がひやむぎの味をさらに引き立ててくれるレシピとなっています。サバ缶1つで2人~3人分まで対応できるので、家族での昼食にもぴったりです。
材料<3人前>
・ひやむぎ(3束)
・めんつゆ(大さじ2杯)
・お湯(250CC)
・サバ缶 水煮(1缶)
・プチトマト(1人1個)
・白ごま(お好みで)
作り方
1. ひやむぎを指定の茹で時間どおりに茹でる
2. めんつゆ・お湯・サバ缶のサバをほぐしながら、混ぜ合わせてつけダレを作る
3. それぞれの器につけダレを入れ、4つ切りにしたプチトマト、白ごまを入れて完成
ひやむぎおすすめレシピ:アジアン風シーフードひやむぎ
食欲をそそる、アジアン風のひやむぎがです。シーフードのごろっとした食感と、オイスターソースの香りが胃袋を刺激する大人のアレンジレシピです。
材料<1人前>
・ひやむぎ(1束)
・シーフード(50g)
・カット野菜(50g)
・ごま油 適量
・オイスターソース(大さじ1杯)
・オイスターソース(小さじ2杯 後がけ用)
・ナンプラー(大さじ1杯)
・しょうゆ(小さじ2杯)
・バター 適量
作り方
1. ひやむぎを、指定の茹で時間どおりに茹でる
2. フライパンにごま油をひいてシーフード・カット野菜を炒める
3. 火が通ってきたら、オイスターソース(大さじ1杯)・ナンプラー(大さじ1杯)・しょうゆ(小さじ2杯)・バターを入れて、さっと炒める
4. シーフード・カット野菜を別のお皿に移す
5. 茹で上がったひやむぎを洗い、シーフードなどを炒めたフライパンに入れて、加熱する
6. 後がけ用のオイスターソース、ごま油をそれぞれ加え、さっと炒める
7. シーフード・カット野菜を入れて、軽く混ぜたら完成
意外? そうめん・ひやむぎに合う薬味
さまざまな薬味との組み合わせを楽しめるのも、そうめんやひやむぎのいいところ。続いては、おすすめの薬味をご紹介します。ベースのつけダレは市販のめんつゆを使います。
おすすめ薬味:揚げ玉 つけダレに入れるだけで食感が変わるので、ついつい食べてしまう美味しさです。スーパーで売られているものでも悪くありませんが、天ぷらを揚げている店で売られているものは一味違います。 おすすめ薬味:キムチ シャキッとした食感と辛みが食欲を誘います。漬け始めてから日が浅いキムチのほうが、食感を楽しめます。
おすすめ薬味:お茶漬けの素
余りがちなお茶漬けの素をそうめん・ひやむぎに使います。こちらのレシピには、めんつゆは必要ありません。指定の茹で時間どおりにそうめん・ひやむぎを茹で、お茶漬けの素をかければ完成です。
そうめん・ひやむぎを楽しむ住まい
懐かしいそうめんの味
みなさんも同じかもしれませんが、そうめんを食べると、懐かしい休日の昼食が思い起こされます。
夏の暑い日に、蝉の声を聞きながら祖母と食べていたそうめん。たまに色付きの麺が入っていると、プレミアム感があってうれしかったのを覚えています。
ちなみに色付きのそうめんは、もともとはそうめん・ひやむぎ・うどんが並べて売られることが多く、見分けやすくするために、ひやむぎに入れたものだそうです。それがいつしか、子どもが喜んだり見た目が涼しそうだったりする理由から、そうめんにも入るようになったとされています。
あまり料理が得意でなかった祖母のそうめんは、いつもネギとめんつゆだけのシンプルなものでした。休日のワクワク感と午後からの遊びへの期待感が入り混じった気持ちで食べるそうめんは、当時の私にとって最高のご馳走でした。
しかし、夏も後半になってくると、大量に余ったそうめんが朝食にも出てくることがあります。麺類が好きな私にとっては、ご褒美のような朝食でした。味噌汁の中にそうめんが入るなど、そうめんが昼食以外で登場するようになると、子どもながらに夏の終わりを感じていました。
そんな懐かしさを感じるそうめんやひやむぎ、料理のしやすいキッチン空間でアレンジを楽しみたいですね。
麺類に向いているキッチンの配置
麺類の調理に限りませんが、料理をするときにポイントとなるのは、キッチンのシンク・コンロ・冷蔵庫の3点です。シンク・コンロ・冷蔵庫の3点を使いやすい場所に配置することで、料理中のストレスを減らすことができます。
とくに賃貸物件であれば、キッチンはしっかり見ておきたいポイントです。そうめんやひやむぎは、茹でた麺を冷水で締める必要があります。茹でた麺と熱湯が入った鍋を持ち運ぶ距離は短いほうが安全なため、I型やL型のキッチンを選ぶとよいでしょう。
2口以上のコンロがある物件
麺類の調理はスピードが命。1分から2分で茹で上がるそうめんやひやむぎは、文字通り1分1秒を争います。そのため、コンロが1口しかないと他の食材の調理を済ませてから麺を茹でることになります。せっかく作った料理を避けて、そこから別の鍋でお湯を沸かして、麺を茹でなければいけません。
効率的に料理をして、美味しく食べて、さっと片づけるためにはコンロは2口以上がおすすめです。最低2口あれば、お湯を沸かしながら他の調理を進めることが可能です。
私は1人暮らしを始めたばかりのころ、1口コンロでなんとか調理を頑張っていました。しかし、1口しかないコンロが不便で、徐々に料理する機会が減ってしまった経験があります。自炊を少しでも考えているなら、コンロは2口以上あると便利ですよ。
薬味を育てるところから始める
麺類料理をさらに楽しむために、薬味を自分で育ててみてはいかがでしょうか。三つ葉・葉ネギ・みょうがなどは簡単に育てられますし、他の料理にも使うことができる万能薬味。調理だけではなく、薬味を育てるところから料理を始めると、趣味の幅も広がっていきますよね。
家庭菜園というと一戸建てを思い浮かべる人が多いと思いますが、一戸建てに限らず家庭菜園を楽しむことはできます。たとえばマンションの中には、1階に庭があるタイプの物件もあります。利用規約の範囲であれば自由に使えるので、庭にプランターを並べて即席の家庭菜園を楽しめます。
庭付きの物件が難しければ、広めのベランダでも家庭菜園は可能です。ぜひ、自分なりの小さな農園を持って、美味しい薬味作りにチャレンジしてみてください。
「家庭菜園にチャレンジしたい」人向けの賃貸物件
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夏を涼しく! そうめん・ひやむぎ料理を楽しもう
そうめんとひやむぎの違いは、「太さ」でした。どちらものど越しがよく、夏にぴったりの麺料理を楽しめます。どちらも素材は同じ中力粉で、シンプルな食材だからこそ、幅広いアレンジができます。ぜひ自分なりに好みの味を探して、いろいろなパターンの調理方法を見つけてみてください。