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食べられる春の野草を摘んで調理してみませんか? 和食料理人の旬の楽しみ方
食べられる春の野草を摘んで調理してみませんか? 和食料理人の旬の楽しみ方

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春になると植物は次々と芽を出し、イキイキと成長しはじめます。しかし、何気なく見ている野草の中に、美味しく食べられる植物があることをご存じない人もいらっしゃるでしょう。

実は、可愛らしい花をつけるタンポポやにょきにょき伸びるツクシ、ヨモギやクレソンなどどれも雑草のように見えますが、食べられるのです。私はよく野草で天ぷらやおひたし、サラダなどを作っています。お散歩をしながら食べられる野草を探して日々の息抜きとして楽しんでいます。

この記事では、和食料理屋を営む料理人である私が、食べられる野草の種類や見分け方、おすすめの食べ方レシピについてご紹介します。

食べられる春の野草とは?

まずは春に食べられる野草の種類や見分け方についてご紹介します。

春の食べられる野草とは

道端や川べり、原っぱなどに生えている野草の中には、食べられる品種が多いです。昔から田舎では、旬のごちそうとして山菜やキノコと同様に野草を摘んで食べる習慣がありました。

春の野草には、冬の間に体に蓄積した毒素や老廃物の排出を促進する栄養素が含まれています。そのため、春の野草を食べる習慣は、旬の味を楽しみながらも体に必要な栄養素を取り入れられる、体が喜ぶ習慣でもあったのです。

ただし、野草を採る場所や種類の見分け方には、注意が必要です。個人宅の庭先などの私有地や国立公園、国定公園、都道府県や市町村が管理している自然公園など、自然を特別に保護・管理している場所で野草の採取をすることはできません。

野草を摘むときは自然保護の観点から、すべて摘み取ってしまうのではなく、適量だけを摘むようにしましょう。また、場所によっては除草剤などの農薬が撒かれている可能性があるので、田んぼや畑の脇、すぐ横に他人の庭がある場合などは注意しましょう。

野草の中には、食べられる品種と見間違えやすい、毒性のある草もあります。散策・採取の際には、野草図鑑やアプリ、農林水産省発行のリーフレット(https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/rinsanbutsu/leaflet.html)を参考にするのがおすすめです。

春の食べられる野草の種類

ここからは、雑草の中にひっそりと生えている、食べられる野草の種類と、よく生えている場所や野草の特徴について解説します。

食べられる春の野草(1)ヨモギ
ヨモギは日当たりの良い原っぱや道端に群生しています。ギザギザの葉を持ち、高さは10センチくらいまでの若芽が柔らかく食べやすいです。

天ぷらやおひたし、炊き込みご飯、餅に練り込んで食べるのがおすすめ。葉を干して煎じたお茶は、健胃・整腸・貧血など多くの薬効があり、昔から親しまれています

食べられる春の野草(2)ドクダミ
ドクダミは、湿った陰地に群生しています。葉はハート型で白い花が密集していて、独特の香りが特徴的。

葉は天ぷらにすると美味しく食べられます。葉は乾燥させて、胃腸や血液の調子を整える生薬としてお茶にして飲んだり、揉んで皮膚炎などの薬として使われたりもしています。

食べられる春の野草(3)タンポポ
タンポポは日当たりの良い原っぱなどに生えています。黄色の花とギザギザの葉が特徴です。長い根ごと食用・薬用として食べられる野草です。

食用として楽しむ場合は、アク抜きをしてから天ぷらやおひたしにするのがおすすめ。タンポポは干して健胃・利尿・解毒の漢方薬としても利用されています。

食べられる春の野草(4)ツクシ
ツクシは日当たりの良い原っぱや、田の脇道などに生えています。スギナの胞子茎で、全長は5〜15センチくらいで、ビタミンC・E・カロテンが豊富です。

ツクシにはハカマと呼ばれる茶色い葉のついた茎の上に穂がついているため、食べるときにはハカマを取り除きます。アク抜きをしておひたしで食べることが多いです。

食べられる春の野草(5)フキ(フキノトウ)
フキは日当たりの良い原野などに生息しています。フキの花の部分はフキノトウと呼ばれ、土から出ている緑の花を摘んですぐ、おひたしや天ぷら、味噌と練り込んで食べることが多いです。

フキは、フキノトウが咲いた後の茎と葉が成長した部分のことで、茎の部分を食べます。アクは強いのですが、カリウムや肝機能を強化する苦味成分のアルカノイドを含むため、デトックス効果があるとされています。

食べられる春の野草(6)セリ
セリは、清流の流れる沢や川辺、田の脇に群生しています。30センチくらいの緑の茎と葉を持ち、三つ葉に似ていますが、セリは5枚葉です。

「春の七草」に含まれていて、おひたしや鍋の青味にぴったり。ビタミンや食物繊維が豊富な野草です。

食べられる春の野草(7)ノビル
ノビルは日当たりの良い土手や道端に生えています。地下に鱗茎(玉ねぎのような球状)を持ち、20〜30センチの細長い緑の葉を伸ばす野草です。

香りは「ニラ」に似ており、鱗茎や葉をおひたしや酢味噌和え、味噌汁の具として食べると美味しいです。薬用としては、滋養強壮や喉の不調に利用されています。

食べられる春の野草(8)クレソン(オランダガラシ)
クレソンは、水辺の湿地に群生しています。成長すると15〜50センチほどに成長。固い茎を除き、葉や細い茎を食べます。

独特の辛味と苦味、香りがあるのが特徴。ビタミン・カリウム・鉄分・カルシウムなどを多く含み、栄養価の高い野草です。

私が好きな春の野草

私は家の周りが田んぼと畑という田舎育ちで、文字通り野山を駆け巡って遊んでいました。学区内に小さなお店が2軒くらいしかなく、家からも離れていたので、おやつ代わりに通学路に生えている花の蜜を吸っていました。

私が1番好きな野草は、フキノトウです。春になって雪が解けて暖かくなってくると、フキノトウが土から顔を出します。フキノトウは天ぷらにすると苦いのですが、甘い味噌に練り込んだフキノトウ味噌は、おにぎりに最適で大好きでした。

ヨモギを練り込んだヨモギ餅は、春のごちそうでした。おやつに甘いあんこをのせたヨモギ餅を祖母が作ってくれたのを、今でもよく覚えています。娯楽も遊具もお店もない田舎の村でしたが、野草を摘んで旬を楽しむ食卓は、とても豊かでした。

食べられない野草に注意!

野草を摘んで食べるときに注意したいのが、食べられない品種の見分け方です。摘んだ野草が食べられるものなのか見分けられず、不安に感じるときは食べるのをやめておきましょう。

毒草の中毒で死者が出ることもあるので、紛らわしい植物には注意しなくてはいけません。農林水産省が発行しているリーフレット(https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/rinsanbutsu/leaflet.html)がありますので、参考にしてくださいね。

中毒を起こす食べられない草の一例
食用できる野草と見間違えやすい、毒草には、以下のようなものがあります。

・スイセン(ニラと間違える)
・イヌサフラン(ギョウジャニンニクと間違える)
・ドクゼリ(セリと間違える)
・フクジュソウ(フキノトウと間違える)

中毒を起こしてからでは手遅れになってしまうこともあるので、注意しましょう。

春の野草のおすすめの食べ方・レシピ

ここからは、摘んできた野草の調理方法について解説していきます。アクが強く、アク抜きの必要な野草も多いですが、独特の味や香りを生かした料理はクセになるおいしさです。

春の野草のおすすめの食べ方

春の野草を摘んできたら、まずは泥などをよく洗い流しましょう。水をためて振り洗いし、何度か水を換えて洗います。

アクの強いツクシやフキノトウやフキを茹でたら、何回か水を取り替えながら水にさらすことでアク抜きができます。定番の食べ方はおひたしですが、新鮮なうちに、天ぷらで独特のクセや苦味を味わうのも、旬ならではの食べ方です。

ヨモギ餅やツクシの佃煮やキャラブキ(フキの佃煮)、フキノトウ味噌などの保存食に加工すると長く楽しめます。昔から親しまれているように、ドクダミやタンポポ茶のように葉を干して煎じてお茶にするのもおすすめです。

ヨモギのおすすめレシピ

ヨモギを茹でて刻み、餅をつくときに混ぜ込むヨモギ餅は、和菓子屋の春の定番です。ここでは、沖縄料理のフーチバージューシー(ヨモギの炊き込みご飯)の作り方をご紹介します。

『ヨモギの炊き込みご飯』(フーチバージューシー)

【材料(2人分)】
・ヨモギの葉 50g
・米 2合
・ツナ 1缶
・人参 3センチ
・干し椎茸スライス 5枚
・茹でひじき ひとつまみ(10g)
・乾燥刻み昆布 ひとつまみ(3g)
・食用重曹 小さじ1
・水 300cc(炊き込み用)
※炊き込み用調味料
・顆粒カツオ出汁の素 小さじ2
・醤油 大さじ1と1/2
・みりん 大さじ1と1/2
・塩 小さじ1/2

【作り方】
まずは食材の下準備をします。
・米を研いでザルにあげておく
・干し椎茸と昆布を炊き込み用の水300㏄につけておく
・ツナ缶の汁を切っておく

<炊き込みご飯の手順>
(1)ヨモギはよく洗い、重曹を入れた湯(分量外)で30秒ほど茹で、冷水にさらす。
(2)人参と、下準備で戻しておいた干し椎茸を千切りにする。
(3)炊飯器に米、ツナ、千切りにした人参と椎茸、茹でひじき、昆布、炊き込み用の水300㏄、※炊き込み用調味料の順に入れて炊く。
(4)炊き上がったら、(1)のヨモギを混ぜ込んで完成。

フキノトウのおすすめの食べ方レシピ

フキノトウは天ぷらが美味しいのですが、アクが強いのが難点。そこで甘辛い味噌に練り込み、フキ味噌にすると食べやすくなり、保存性も高くなります。

おにぎりに塗ったり、野菜をつけたり、豆腐にのせたりと、美味しく食べられます。フキノトウは素揚げにすると苦味が和らぐので、ここでご紹介するレシピでは素揚げにしていますが、揚げる代わりに茹でて水にさらすだけでも問題ありません。

『フキ味噌』

【材料(2人分)】
・フキノトウ 5玉(50g)
※合わせ味噌の材料
・田舎味噌 250g
・酒 100cc
・みりん 50cc
・砂糖 大さじ5
・揚げ油

【作り方】
(1)フキノトウは根元を切り落とし、外側の変色した花びらを取り除く。泥がついていたらさっと洗い、水気を拭き取っておきましょう。
(2)揚げ油を熱し、フキノトウを170℃ぐらいで1分素揚げにして油を切り、冷水に落として冷やす。キッチンペーパーで水気と油を吸い取り、みじん切りにする。
(3)※合わせ味噌の材料を合わせてホイッパーで練り混ぜ、小鍋に入れて火をつける。中火で焦げないようにかき混ぜながら熱し、フツフツしてきたら弱火にし、(2)を入れて、5分くらい練ったら完成。

クレソンのおすすめの食べ方レシピ

クレソンはステーキなど、肉料理の付け合わせのイメージが強いかもしれません。独特の香りやピリッとした辛味はサラダに混ぜると味にメリハリがつきます。おひたしやバターソテーにも適しています。

『ウニクレソン バターソテー』

【材料(2人分)】
・クレソン 10本程度
・ウニ 100g
・バター 20g
・塩、胡椒少々
・醤油 少々
・バゲット 適量

【作り方】
(1)クレソンはさっと洗い太い茎から細い茎をちぎって分ける。太い茎は千切りにする。
(2)フライパンにバターを入れ、(1)を入れてソテーし、しんなりしたら、塩胡椒、醤油で味をつける。
(3)ウニを入れてさっと絡めて出来上がり!バゲットにのせてどうぞ。

野草を美味しく食べる暮らし

自然が豊かな場所で春の野草を摘み、広いキッチンで野草の調理を楽しむような休日の過ごし方に憧れたことはありませんか。

普段仕事をして疲れていても、休日にのんびり野草を探しながら散歩すると、良い気分転換になります。料理を工夫して集中することで、心と体の元気を取り戻すこともできるでしょう。

ここからは、春の野草を楽しむ暮らしにおすすめの物件についてご紹介します。ここで紹介するポイントを意識して物件を選べば、理想の暮らしに近づけますよ。

料理を楽しめるキッチン

料理を楽しみたいなら、キッチンの環境はとても大切です。採ってきた野草を選別したり洗ったりするのに、広いシンクや作業スペースがあると便利です。

作業台を広く使うにはものがあふれないようにスッキリとさせておく必要なので、十分な収納スペースがあると良いでしょう。調理作業をスムーズに進めるためには、動線の工夫も必要です。完成した料理をすぐに配膳するためには、カウンターやテーブルまでの距離が近いと運ぶ手間を省きやすいです。

自然あふれる専用庭付きの家

小さな庭付きの家は、自然が好きな人にとっては理想的な物件といえるでしょう。自然の中に虫はつきものなので、夏場の虫には悩まされるかもしれません。しかし家庭菜園を作ってみたり、気に入った草花を植えて育ててみたりすると、目の保養にも心の安らぎにもなります。

外で野草を採ってくるよりも、自宅で育てた方が食用としても安心です。専用庭付きの物件であれば、縁側から庭をのんびり眺めるような穏やかな暮らしも楽しめるでしょう。

自給自足の暮らしをしてみよう

食べられる野草を摘んで調理するメリットは、タダで栄養豊富な旬のおいしい野草を食べられるところです。大量消費する暮らしに疲れてくると、「自然の中で自給自足の生活がしたい!」と感じたり、環境保護や健康のために「大自然でひっそりと暮らしたい!」と考えるようになったりするかもしれません。

春の野草を摘んで食べてみよう!

今回の記事では春の野草についての解説や調理方法、野草を存分に楽しむような暮らしについて解説してきました。何気なく歩いている散歩道の中に、食べられる野草が生えていると思うと、散歩の時間が新しい楽しみになりそうですよね。

ハイキングやアウトドアのときに、食べられる野草を摘んで持ち帰り、自宅で自然の香りを味わうというのも素敵です。春の野草の独特な香りは、ハマると病みつきになりますし、ご紹介した他にもいろいろな調理法があるので、食卓が賑わいますよ。

ただし、食べられない品種にはくれぐれもご注意ください。野草を摘むときはよく調べて、欲張りすぎず適量を。自然に親しみ、春の野草を摘んで料理にチャレンジするような、暮らしの新しい楽しみ方を見つけてみてくださいね。

鈴木茉子料理人歴20年以上・ライター

東北の米農家に生まれ、今は料理人として和食屋を営んでなおります。季節の移り変わりを食卓にお届けしたい、と旬の食材を献立に組み込んでお出ししています。料理上手の祖母の元で、季節の野草の田舎料理に親しんで育ちました。Noteにレシピブログをかいています。二十四節気や和の薬膳や禅、神社仏閣巡り、郷土芸能など、日本の伝統文化も勉強中! 休日は、日本全国の食材や郷土料理を探し、生産者さんに会いに行く旅をしたり、地方のローカル線に乗ったり、一人でフェスに行ったり、料理と哲学と好奇心と多趣味をもとに、皆様の心地よい暮らしのお役に立てる記事を書いていければと思っております。

※掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください

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