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【神戸 勝手にまち探訪】第2回 海と山の狭間のまち歩きを楽しむ「滝の茶屋」駅を歩く
【神戸 勝手にまち探訪】第2回 海と山の狭間のまち歩きを楽しむ「滝の茶屋」駅を歩く

【神戸 勝手にまち探訪】第2回 海と山の狭間のまち歩きを楽しむ「滝の茶屋」駅を歩く

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「港町」や「異国情緒あふれるまち」など、独特なイメージのあるまち・神戸。そんな神戸のステレオタイプなイメージは、実は一部だけで、小さな商店街や長屋の趣など、下町情緒あふれるまちの姿も、まだまだたくさん残っています。時に坂道が多く、時に山道のような。そして時には歴史が垣間見える通りを通って、歩けば歩くほど、そのまちならではの魅力に出会えるまち歩き。一見普通の住宅街でもまちを知る喜びが詰まっています。

そんな神戸の小さなまちを“勝手に”散策し、“勝手に”魅力を掘り出すまちあるきイベントが、「勝手にまち探訪」。塩屋のまちでさまざまな遊びを生む「シオヤプロジェクト」が主催しているイベントです。坂と車の入れないような小径が繰り広げられる塩屋を歩く、「勝手に高低差学会」から活動は始まり、その後舞台を塩屋の外に飛び出した「勝手にまち探訪」がスタート。「同じ道を2度通らない、一筆書きのまちあるき」をモットーに、ほぼ毎月小さなまちをみんなで7時間歩き探訪しています。

今回は、第57回「勝手にまち探訪 城が山・王居殿編」に参加。山陽電車「滝の茶屋」駅に集合し、駅周辺から塩屋界隈を散策します。実はこの滝の茶屋、有名なK-popグループもフォトブックの撮影に訪れたそう。駅前の最高なロケーションを望みながら、街歩きのスタートです。
さて、今回はどんな風景に出会えるでしょうか?さっそく歩き始めます!

上って下りて海を望む、まち歩き

山陽電車の滝の茶屋駅に着くと、すでに大勢の人が。以前参加した際は20人程度だった「勝手にまち探訪」ですが、今回はなんと総勢35人!すぐに駅近くのスペース「ちぬの台(うてな)」に移動しました。大阪湾は昔「ちぬ」と呼ばれていたそうで、ちぬを見渡す場として名付けられたそう。

まち歩きの前に、「ちぬの台」のすぐ近くにできたスペース「空と海のあいだ」を特別に見せてもらうことに。実はここ、数年前に「ツタに侵食される3階建RC造」や「絶景ビュー」として売り出されていた物件で、当時は廃墟のようだったそうです。この度、リノベーションを経て、絶景ビューの住居に。2階3階を住まいにし、1階をどう使うかイメージを膨らまし中とのこと。

まずはとにかく使ってみようということで、2023年12月9日(土)から12月17日(日)までの間、シオヤプロジェクト主催で「レディメイド滝の茶屋」という展示を開催。今後も「こんな風に使いたい!」という声を募集しています。

今回の案内人は、まちづくりなどに関わる北岡直子さん。「みなさん、私を楽しませてくださいね!」とみんなでつくりあげる今日だけのまち歩きを率いてくれます。ちなみにこの「空と海のあいだ」は北岡さんもかねてよりのぞいてみたかった場所なのだそう。1階は鉄筋コンクリート造のスケルトン状態で、展示の企画だけでなく「実際にこんなことをしてみたい」という借主さんも募集しています。80平米もあるそうですが、オフィスや物販など我こそは!という夢がある方、どうでしょうか。

さて、ようやくまち歩きのスタートです。駅からすぐの場所にも小さな斜面や階段があり、上ったり下りたり起伏に富んでいます。

上ってすぐ横から降りるという不思議な階段が出現。今日の「勝手にまち探訪」には「神戸高低差学会」を主宰している方も参加しており、さっそくカメラを構えていました。

滝の茶屋という駅名でありながら、駅の近くまで塩屋町6丁目が広がっています。知らずに歩いていた道の周りを見渡すと、右は塩屋町・左は王居殿と二つの住所に挟まれており、勝手に「いまもしかして、ちょうど境界にいる!?」と、ざわざわ(笑)。まるで国境の境にいるかのように胸が熱くなってきました。

歩いているとすぐに海が見えてくるのも、この周辺の良さ
歩いているとすぐに海が見えてくるのも、この周辺の良さ
線路の先に広がる海の光景に、みんな揃ってシャッターを切る
線路の先に広がる海の光景に、みんな揃ってシャッターを切る

歩き進めると、高台にある大きな公園にやってきました。西ノ田公園というここは、グラウンドもあり外遊びをのびのびとできそうです。洋画家小磯良平は戦時中この辺りに疎開しており、垂水の風景を描いていたそうです。

公園を出て今度は小さな路地を突き進みます。細い道を見つけると入ってみたくなるのが人間の性!?

その先も「いい道あった〜!」と言いながら、どんどん進んでいきます。左手のお家は、敷地からはみだしながらいろいろ育てている様子に、路地にオリジナリティを生み出す試行錯誤が窺えます。

なんと、二人ぐらいが横並びに通れる道だったのが、出口までくると、一人歩くのがギリギリ状態!ここから出てきたみなさん、ちょっと勝ち誇ったお顔をしているのが印象的でした。

大きめの道に出ると、神戸市営住宅が。入り口には住宅の内観図がありますが、これが銅板で作られているのは今ではなかなかない風景なのだそう。みなさん記念に写真をおさめます。
 

先には、「ジェームス邸」の姿が!神戸市垂水区の青山台から塩屋町にかけて存在するジェームス山というエリアは、1930年代にE・W・ジェームスによって住宅開発が開始された場所。現存するジェームス邸は90年余りの歴史を持つスパニッシュ洋式の迎賓館です。

現在は結婚式場として使われるほか、フランス料理をいただけるレストランとしての営業もしています。

その近くにある古いアパート。近隣に住む人たちの中で、ここは実は狙い目物件なのでは!?と噂になっていた様子。たまたま参加者の中に「昔住んでいた」という人が!3階暮らしで味わえる絶景について語ってくださり、みんな興味津々。

広大なジェームス邸の横を通り進んでいくと、またもや海が…

何度見ても気持ちのいい景色。また駅前へ戻ってきました。

線路を隔てた右側には、アーチを描く窓が特徴的な建物が。中はどうなってるんだろう?と話していると、「マップを見てごらん!」という声が。コの字型に作られた建物であることが判明しました。しかも海側にはプールがあります!側面からだけでなく、気になった建物は地図上で見てみるのも、建物観察のポイントです。

再び住宅街に入ってきました。今日のまちは歩いてみると行く先々に、家主のDIY気質が窺えるお家があり、これもまた特徴か?と思わせてくれます。

駐車場に立つ木まで、なんだか個性を放っている
駐車場に立つ木まで、なんだか個性を放っている

公民館のような開かれた場や個人店が続々と

北岡さんのおすすめスポットである「センターかけはし」にやってきました。ここはもともと幼稚園だった跡地を、地域に役立つ施設として活用したいという地元の人たちの要望に応えて生まれたそう。部屋を借りてヨガ教室が行われたり映画の上映会が行われたことも。もっとミニマムな会で言うと、子どもたちの誕生日会を行う人もいたそうです。誰でも自由に利用することができ、「かけはしあおぞら古本市」や「かけはしクリスマス会」など地域の人が楽しめるイベントも開催されています。

2階のテラススペースは気持ちいい!ここでお弁当を食べながらお昼を過ごすのもいいですね。遠くには明石海峡大橋も望めます。

自由に閲覧できる読書スペース
自由に閲覧できる読書スペース

阿部共実さんの漫画「ちーちゃんはちょっと足りない」(‎ 秋田書店 2014/5/8)にも、ここ「センターかけはし」が登場しています。ちなみに「月曜の友達」という漫画は、お隣りの塩屋が舞台。

続いて、以前はちいさな商店街として賑やかだった辺りへ。

ここ最近、滝の茶屋には若者による新しいお店が増えつつあるという噂があるそうです。「友人がこの辺で店を準備中」というニュースをもとにみんなで足を運んでみると、まさに店内を改装しているところでした。ひょっこり顔を出してくださったお二人は映像作家で、「来週にはオーストラリアに移住する」と言いながら、ペンキを塗り塗り。まち歩きメンバー全員で代わるがわる中を覗かせてもらいました。
「もともといろいろな地に拠点を置く暮らし方をしていた」とのことで、ここは帰国の度に、海外暮らしで出会った雑貨や旅のお土産を披露するようなお店にするそう。今のところ、ヴィンテージのコーヒーミルをメインに販売したい!と話してくれました。

夢が詰まったお店を後に、勝手にまち探訪は続きます。目線を上げて歩くと、かわいいデザインのバルコニーを発見。古めの建物ならではのちょっとしたレトロ加減に心がくすぐられます。

階段があればとにかく下りては上る私たち。今度はどこに出るのでしょうか!?

あんなに入り口は広かったのに、なぜか今回も出口はめちゃくちゃ狭い路地でした。どこに行き着くのかもどんな風に抜けていくのかもわからない道ばかりの滝の茶屋。迷路のような路地が豊富です。

路地を出ては、また路地へ
路地を出ては、また路地へ

路地を抜けると、味のある文化住宅が現れました。今は誰も住んでなさそうですが、ここをリノベーションしたらおもしろそうです。アーティストインレジデンスなんかも、できるのでは?と想像が膨らみます。

道に書かれた「げんき」の文字。この先を進むと元気になれるのか!?それとも元気な人が進めるのか…!?
道に書かれた「げんき」の文字。この先を進むと元気になれるのか!?それとも元気な人が進めるのか…!?
今回歩く中で一番目にするのが柑橘系の木。ここのように庭にみかんが植わっていることもあれば、家の前の小さな植木鉢にレモンがたっぷりなっている姿も。日当たりがいいまちということがよくわかる
今回歩く中で一番目にするのが柑橘系の木。ここのように庭にみかんが植わっていることもあれば、家の前の小さな植木鉢にレモンがたっぷりなっている姿も。日当たりがいいまちということがよくわかる

上ることで感じる、城が山・王居殿の魅力

高台にある公園に着くと、何棟もの住宅が層になっているような街並みが目の前に広がり、いろいろな住宅をコラージュしたような景色に圧巻。高台であることや山沿いの地形であるおもしろさを感じます。

左側に見える、神戸の街並みも素敵です。小さな家がぎっしりと並んでいて、高層マンションが増える大阪とはまた一味違った景色。

ここから下に降りるには、入り組んだ斜面や階段を下りていきます。シオヤプロジェクトのメンバーイチ押しの市営住宅を目指します。

まるで探検隊かのように、階段を下りていくと突然現れた市営住宅。ラビリンスのような造りが気になる物件です。

ピンクの外観に緑のドアというのもかわいらしいデザイン。道の延長に部屋があるような構造がおもしろく、ずらっと戸数が並ぶような団地や市営住宅のイメージとはまた違って新鮮さまで感じます。

いろいろなところに階段が点在しており、まさに高台のラビリンス
いろいろなところに階段が点在しており、まさに高台のラビリンス
棟の目印である数字の飾りが、人の目線の高さに位置しているのも珍しい。思わず手を伸ばすと、タッチすることに成功!
棟の目印である数字の飾りが、人の目線の高さに位置しているのも珍しい。思わず手を伸ばすと、タッチすることに成功!

ちょっとしたアトラクション感まで味わえる市営住宅でした。歩き終わった後には「かっこいい〜!住んでみたい」という声が。

市営住宅の前の通りは、川を思わせるようなカーブ
市営住宅の前の通りは、川を思わせるようなカーブ

「勝手にまち探訪」は、そろそろ終盤へ。この辺りは坂道や階段が多く、剥き出しの道をぐるぐると回るように上へ上へ進んでいきます。この剥き出し感も、ワイルドです。

沈みそうな太陽を背に、最後に目指したのは…

三洋電機の創業時からこれまでの歴史や、創業者・井植歳男さんの業績やエピソードを展示する「井植記念館」でした。

記念館はこちら。コンサートなども行なっているそう
記念館はこちら。コンサートなども行なっているそう

記念館の前には、芝生と不思議なデザインのベンチが。ふかふかの芝生を踏みながら先へ進むと…

明石海峡大橋と淡路島を一望!今回歩く中で、さまざまな地点で目にした淡路島ですが、この場所が一番抜群の眺めでした。

今回の「勝手にまち探訪」はこちらで終了。iPhoneの歩数計を見ると、今日も順調に2万5千歩も歩いていました。
前回参加した長楽とは近いエリアであるにもかかわらず、全く違った景色が望めた城が山・王居殿編。とにかく「この先はどうなってるんだろう?」という気持ちで練り歩き、先へ先へと進むことで、自分の心に響くような景色に出会え、今回もたっぷり楽しむことができました。毎回参加されている方に話を聞いてみると、こんな声がありました。
「このまち歩きは、なんかようわからんけどダラダラみんなで歩き回って、ところどころ不思議な説明が。それがおもしろくて毎回参加するようになったんです。知らない視点でまちを見て、今まで自分自身でも気づかなかったような、自分の中にあるオタク的な部分をくすぐられるんですよね」
まちを歩くことは、まだ自分でも知らない新たな自分の顔に出会えるチャンスなのかもしれません。

間近に海が広がる絶景ビューが心地いい・滝の茶屋

今回「勝手にまち探訪」で歩いた城山・王居殿エリアは、山陽電車滝の茶屋駅から広がる地域。神戸の中心地である神戸三宮駅までは、約25分で行くことができます。お隣りの塩屋駅には若者たちの新たなお店が続々と増えていますが、それを受け、最近滝の茶屋にも若い店主の個人店が少しずつ開き始めているそう。これからまちの様子が変わっていく今だからこそ、新たな住まいに滝の茶屋を選ぶのは、その移り変わりを感じられておもしろそうです。
家賃平均は4.67万円と比較的安価なので、好きな間取りや広さの物件を探しやすいのもポイント。駅の近くに住めば、目前に海が広がるという最高のロケーションも。ここ滝の茶屋で新たな暮らしを始めてみてはいかがでしょうか。

◆本記事の担当者
取材・文:小島知世

IN/SECTS編集部

プロフィール:大阪という物理的なローカリティと、感性や共感といった同時代性的ローカリティを軸に、ローカル・カルチャーマガジン「IN/SECTS」を発行。現在、大阪の京町堀を拠点に、「IN/SECTS」のほか、書籍の出版も行う。年に一度、イラストレーターや飲食店、作家、アーティストと、アジアの出版社を集めたイベント「KITAKAGAYA FLEA & ASIA BOOK MARKET」を、北加賀屋にて開催。LIFE LISTでは、個の視点を通して見えてくる街や人の姿を紹介する。

※掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください

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