神奈川県「南足柄市」の住みやすさは？6年住んだ私が、自然が豊かで魅力あふれる街を紹介

南足柄市は、神奈川県西部の小さな街です。神奈川県といえば横浜や鎌倉、箱根などが有名で、南足柄市を知っている人は多くないかもしれません。

自然豊かな環境や気軽に立ち寄れる観光スポットなど、南足柄市にはたくさんの魅力があります。また、子育て支援も充実しており、ファミリー世帯にもおすすめのエリアです。

南足柄市はどんなところ？基本情報

まずは、南足柄市の基本情報についてお伝えします。交通アクセスやおすすめのスポット、子育て支援など、南足柄市の特徴を見ていきましょう。

南足柄市の概要

南足柄市はアクセス良好な箱根の玄関口

南足柄市は、神奈川県の西端に位置する、人口約4万人の街（2023年8月時点）。市域の約7割が森林に覆われており、自然豊かな環境が特徴です。

南足柄市の東側には市内唯一の鉄道路線である伊豆箱根鉄道大雄山線が通っており、大雄山線周辺を中心に住宅街が広がっています。鉄道路線が1本と聞くと交通利便性が心配になりますが、意外と利便性は悪くありません。

大雄山線の始発駅は、東海道新幹線や東海道線、小田急線が乗り入れる小田原駅。終点の大雄山駅から小田原駅までは約21分で到着でき、神奈川県内や都心へのアクセスも良好です。

また、南足柄市内から東名高速道路大井松田インターチェンジへは約15分でアクセスでき、車でのアクセスも良好。神奈川県内や都心、静岡県方面への移動にも困りません。

2021年4月28日には南足柄市と箱根を結ぶ県道731号、通称「はこね金太郎ライン」が開通。南足柄市は、箱根の新たな玄関口としても注目されています。

南足柄市は身近に自然を感じられる街

南足柄市の西側には、金時山や明神ヶ岳、矢倉岳の「足柄三山」が広がります。南足柄市にはこれらの山を中心としたハイキングコースが数多くあるほか、それぞれの山頂は富士山を望める絶景スポットであるため、週末には多くの登山客でにぎわいます。

また、市内には春めき桜やアジサイ、酔芙蓉やざる菊など、四季を彩る花が豊富。紅葉がキレイなスポットもあり、季節を身近に感じられます。

金太郎ゆかりの地・最乗寺・道の駅が人気のスポット

南足柄市は金太郎のふるさととして有名です。大雄山駅前には金太郎の銅像があり、そのほかにも金太郎の産湯に使われたとされる夕日の滝や、金太郎が動物と一緒に遊んだとされる遊び石など、金太郎ゆかりのスポットが市内各所にあります。

大雄町に位置する「大雄山最乗寺」は、厳かな雰囲気と豊かな自然が魅力のお寺。広い境内を巡るだけでも、心が洗われ有意義な時間を過ごせます。最乗寺は天狗伝説の地としても知られており、天狗の履物とされる巨大な高下駄も見どころです。

また、「道の駅足柄・金太郎のふるさと」も人気のスポットです。地元産の食材を使った美味しい食事や、地域の特産品のお買い物を楽しめ、2020年6月25日のオープン以来、南足柄市の要所として日々にぎわっています。先述したはこね金太郎ラインへ向かう前の中継地点としてもおすすめです。

南足柄市は子育て支援が充実

子育て支援に力を入れている点も南足柄市の特徴です。

0歳～中学3年生までの子どもを対象とした通院・入院にかかる医療費の助成や、出産・子育て応援金、児童手当などの助成金制度が充実。特に医療費については、2022年4月から所得制限が撤廃されたり、2023年11月からは15歳だった年齢制限が18歳にまで引き上げられたりと、年々充実度が増しています（2023年8月27日時点）。

また、産婦人科・小児科のオンライン医療相談や、「南足柄市子育て支援拠点施設 にこっと」など、子育てのサポート体制もバッチリ。2022年4月11日にオープンしたにこっとには、育児・子育ての相談窓口や子どもが遊べるフリースペースなどが設置されており、南足柄市内の子育て支援の拠点となっています。

これらの支援情報は今後見直される可能性がありますので、利用される場合は南足柄市の公式ホームページで最新情報を確認してみてくださいね。

施設情報：南足柄市子育て支援拠点施設 にこっと
所在地：神奈川県南足柄市関本569番地 ヴェルミ2　3階
アクセス：伊豆箱根鉄道大雄山線大雄山駅より徒歩1分
開館時間：8:30～17:00
休館日：12月29日～1月3日

自然豊かでのんびりできる環境がつくる南足柄市の住みやすさ

私が南足柄市に住んだきっかけは転勤であったため、特に決め手となったことはありませんでした。ただ、住み始めてから南足柄市の住みやすさに気づきました。

まず、自然豊かな環境はとても気に入っています。私は南足柄市に引越してから日帰り登山やキャンプなどのアウトドアレジャーを始めましたが、市内にはアウトドアスポット・施設が豊富にあり、さまざまな場所で自然と触れ合えます。

特におすすめのアウトドアスポットは、「sotosotodays CAMPGROUNDS」と「CAMPiece南足柄」の2ヶ所。どちらも大雄山駅前の「関本」バス停からアクセスできるキャンプ場で、車を持っていない人でも気軽にアウトドアを楽しめます。

2つのキャンプ場を含め、南足柄市内のアウトドアスポットでは家族連れの姿をよく見かけました。本格的なアウトドア以外にも、川沿いや公園など自然が身近にあります。自然と気軽に触れ合える環境で子育てをしたい人にとっては、南足柄市は理想的な環境かもしれません。

また、のんびりと過ごせるスポットが多いのも、南足柄市の住みやすさのひとつです。

南足柄市広町にある「モダン 湯治おんりーゆー」は、緑に囲まれた温泉施設。日帰り・宿泊のどちらも可能で、川のせせらぎを聞きながら入る露天風呂は癒やし効果抜群です。

私は仕事後によく利用し、心身ともに癒やされていました。大雄山駅発着の無料送迎バス（要予約）があるので、休日のお出かけスポットとしても気軽に利用できます。

南足柄市の住まい事情

実際に住まいを探すとなると、周辺の家賃相場も気になるところです。ここからは、南足柄市の家賃相場を一人暮らし向け・ファミリー向けに分けてご紹介します。

南足柄市の一人暮らし向け物件の家賃相場

まずは、一人暮らし向け物件の家賃相場をご紹介します。南足柄市のワンルーム・1K・1DKの家賃相場は4.81万円。神奈川県内の市ごとの家賃相場でもっともリーズナブルとなっています。

隣接する小田原市のワンルーム・ 1K・1DKの家賃相場5.31万円と比べると約5,000円も差があります。南足柄市の一人暮らし向け物件は、比較的住み替えやすいといえるでしょう。

なお、間取り別の家賃相場は以下のとおりです。

南足柄市のファミリー向け物件の家賃相場

続いて、ファミリー向け物件について紹介します。南足柄市の2LDK・3K・3DKの家賃相場は6.24万円でした。一人暮らし向け物件と同様に、神奈川県内の市ごとの家賃相場でもっともリーズナブルです。

隣接する小田原市の2LDK・3K・3DKの家賃相場は7.81万円。一人暮らし向け物件よりも家賃相場の差が大きく、ファミリー向け物件においても、南足柄市は住み替えやすい街といえるでしょう。

なお、間取り別の家賃相場は以下のとおりです。

南足柄市の住みやすいエリアの特徴と魅力

ここからは、南足柄市の住みやすいエリアをご紹介します。エリアごとに特徴や魅力を紹介しているので、南足柄市への住み替えを検討している人はぜひ参考にしてください。

生活利便性を重視する人には大雄山駅周辺エリア

南足柄市の中心地である大雄山駅周辺は、利便性が高いエリアです。駅周辺にはスーパーやコンビニ、24時間営業のドラッグストアなど、生活に必要な施設は一通りそろっています。

大雄山駅から徒歩６分の場所には南足柄市役所があり、引越し後の手続きなどはスムーズに行えます。大雄山駅前ビルのヴェルミ3内には「大雄山駅前サービスセンター」があり、土日でも住民票や印鑑登録証明書の発行などの手続きが行えて大変便利です。

大雄山駅は、南足柄市内の観光スポットに行くときのアクセスの起点としても機能しています。先述したキャンプ場や温泉施設、最乗寺などへのバスが運行されているため、休日にお出かけするのが好きな人には大雄山駅周辺がおすすめです。

近場でなんでも済ませたい人には壗下・怒田エリア

近場でなんでも済ませたい人には壗下（まました）・怒田（ぬだ）エリアがおすすめです。このエリアにはスーパーやホームセンター、TSUTAYAなどが1ヶ所に集中しており、生活に必要なものの買い出しをスムーズに行えます。

リコリスが咲く南足柄市運動公園やソメイヨシノが咲く大口広場へのアクセスも良く、気軽に自然に触れ合える環境が整っているところはメリットです。南足柄市運動公園・大口広場ともに広々としており、子どもを遊ばせるのにも適しています。

壗下・怒田エリアは鉄道の駅からは離れてしまうため、車を持っている方にとって便利なエリアです。大雄山駅や小田急線新松田駅へのバスが通っているため、車がなくてもそれほど困ることはありません。

静かな暮らしと交通利便性を両立させたい人には岩原・相模沼田エリア

岩原駅や相模沼田駅周辺も注目したいエリアです。

駅周辺は閑静な住宅街で、騒がしさとは無縁のエリア。岩原駅と相模沼田駅の中間付近にはスーパーやコンビニもあるため、生活をするうえで不便を感じることはないでしょう。

また、相模沼田駅周辺は小田原市と隣接しています。小田原駅までは11分で到着できるため、小田原駅へのアクセスを優先したい人にもおすすめできます。

さらに、相模沼田駅から小田原厚木道路の小田原東インターチェンジまでは車で約1３分の距離です。小田原厚木道路は東名高速道路の厚木インターチェンジへと続いているため、車移動の利便性を確保したい人にも適しています。

都心から程よく離れた南足柄市でのんびりとした生活がかなう

南足柄市は自然が豊かでのんびりとした雰囲気が漂う街です。温泉施設やキャンプ場、歴史あるお寺など、日々の生活を彩るスポットも充実しています。

また、神奈川県内や都心へのアクセスの良さも魅力的。都会との程よい距離を保ちながら、仕事とプライベートの両方を充実させたい人にピッタリの街です。

引越しを検討している人は、今回の記事を参考に、ぜひ南足柄市も候補に入れてみてくださいね。