兵庫県南部にある加古川市は、神戸市と姫路市の間に位置しています。加古川市は、自然豊かな農地が広がる地域と、ショッピングモールや集合住宅が林立する地域の二面性がある街です。
東京に住んでいたわが家は、家族の仕事の都合で小学生の子どもたちと一緒に加古川市に引越してきました。加古川市で子育てをしていて感じるのは、子育てに関するサポートが非常に充実しているということです。
今回の記事では、実際に住んでみて分かった加古川市の子育てに関する魅力について、住民目線でお伝えします。
加古川市での子育て
まずは、加古川市の概要について紹介します。
加古川市の概要
加古川市は、兵庫県南部に位置する東播磨地域の中核都市です。「加古川市」と聞くと、どことなくヤンチャなイメージや、自然に囲まれたイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。私も加古川市に引越してくるまではそのようなイメージを持っていたのですが、実際に住んでみるとまったく違いました。
市内には家族連れで楽しめる大型のショッピングモールや大きな公園が多数あり、自然と共生しながら都会的な暮らしが楽しめます。特に加古川駅前は再開発が進んでおり、ここ数年の間に暮らしがより便利になりました。
加古川市はJR山陽本線(JR神戸線)、JR加古川線、山陽電鉄本線が通り、交通の便のよさから大阪・神戸・姫路のベッドタウンとして知られています。
加古川駅は、JR山陽本線(JR神戸線)の新快速が停車する駅でもあるので、乗り換えが大変便利です。JR神戸線新快速を利用すれば、新幹線の停車駅の姫路駅までは約10分、神戸市の中心地・三ノ宮駅までは約29分、大阪駅までも約51分。すべて乗り換えなしで移動できます。
その便利さから、加古川駅前ではマンションの建設なども進み、現在加古川市には約26万人が暮らしています。
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わが家が子育てに加古川市を選んだワケ
私はもともと兵庫県の出身ですが、加古川市よりも東側に位置する神戸市と大阪市の間の地域で生まれ育ちました。その後、結婚・出産を経て、転勤族だった夫とともに東京へ。そして夫の転職がきっかけで加古川市に引越してきました。
姫路城で有名な姫路市や、明石焼きで有名な明石市は行ったことがあったものの、加古川市は地名のみを知るまったく行ったことのない土地でした。
わが家は車を持っていないため、自転車中心の生活でも困らない、加古川駅付近の賃貸住宅に住むことにしました。
実際どう?加古川市の子育て
私は加古川駅近くの賃貸マンションで、小学生の子どもたちと夫の家族4人で暮らしています。ここからは、実際に住んでから感じた、加古川市での子育ての魅力についてたっぷりお伝えいたします。
数字で見る加古川市の子育て事情
加古川市の人口は、1980年から2005年までは増加していましたが、その後は横ばい傾向が続いています。
現在加古川の年少人口(0~14歳)は約3万2,000人です(2022年10月時点)。年齢別では全国的な傾向と同じく、高齢者人口(65歳以上)が増加し、年少人口(0~14歳)や生産年齢人口(15~64歳)はゆるやかに減少しています。
加古川市の保育施設数は以下のとおりです(2022年10月03日時点)。
・認可保育所16園
・認定こども園(31園+分園2園)
・小規模保育事業19園
・事業所内保育事業6園
地域型保育所事業所の新設や既存園の定員変更により、定員は昨年と比較して113名増加しました。その結果、2021年4月1日時点の保育所等利用待機児童数は16人で、前年度よりも45人減少しました。この結果から、市としても待機児童数の減少に前向きに取り組んでいることが分かります。
加古川市の市立幼稚園は2022年10月時点で16園。幼稚園によっては3歳児から受け入れ可能です。
加古川市の子育て支援情報
転勤族だったわが家はこれまで3つの地域で子育てをしてきましたが、加古川市は非常に子育てがしやすいと感じています。
ここでは加古川市の子育て支援情報のうち、主なものを5つご紹介します。ただし、ご紹介する内容から今後変更になる可能性もありますので、最新情報は加古川市の公式ホームページを確認ください。
加古川市の子育て支援情報(1)乳幼児等医療費助成
対象者:0歳児から小学3年生まで(所得制限なし)
自己負担金:通院・入院ともに無料
乳幼児期の子どもたちは、風邪をひきやすく、病院にお世話になる機会が多いです。
その他にも「ちょっと目が赤いな…」「虫歯は大丈夫かな」「耳垢がたまっているかも…」と、子どもたちの身体について気になることはたくさん出てくるもの。そのようなときに、所得制限なく、通院が無料になる乳幼児等医療費助成制度は非常にありがたいです。
子どもの身体の状態をいつでも相談できるかかりつけ医を持つことは、子育て中の安心につながります。
加古川市の子育て支援情報(2)こども医療費助成
対象者:小学4年生から18歳まで(所得制限なし)
自己負担金:通院・入院ともに無料
乳幼児期を過ぎても、子育てをしていると頻繁に医療機関にお世話になります。加古川市では2022年7月1日以降から、小学4年生以降も無料で医療を受けられるようになりました。
わが家にも小学校高学年の子どもがいます。乳幼児期のように風邪をひくことは減っていきましたが、活動量が増えて整形外科などにお世話になる機会が増えました。18歳まで所得制限なしで医療機関を受診できるので、大変心強いです。
加古川市の子育て支援情報(3)子育てプラザの設置
加古川市には主に就学前の子どもたちが安心して遊べる子育てプラザが2ヶ所あります。加古川駅南子育てプラザと、東加古川子育てプラザです。
どちらの施設も、室内の遊び場に木製遊具や絵本、珍しいおもちゃなどがあり、自由に遊べます。職員さんが常駐しているので、子育てに悩んだときなどにはいつでも相談できます。
私は県外から引越してきたばかりの頃に、知り合いが誰もいなかったので子どもを連れて子育てプラザへ通っていました。そこで職員さんにイベントやサークルを教えていただき、少しずつ地域に慣れることができたのです。
子育てプラザでは、各種お楽しみ会、赤ちゃん広場・身長体重測定等なども開催されています。
加古川市の子育て支援情報(4)市内すべての中学校で給食が提供
加古川市では2015年に中学校給食の実施が決定され、給食センターを設立。2021年9月3日からは、市内12の市立中学校で給食が完全実施されました。
食べ盛りの中学生のお弁当を毎日作るのは楽しくも少し大変なもの。完全給食・全員喫食の中学校給食は非常にありがたいです。
加古川市の子育て支援情報(5)市内に約1500台の見守りカメラを設置
加古川市では、小学校の通学路や学校周辺を中心に見守りカメラが設置されています。見守りカメラには「ビーコンタグ(BLEタグ)検知器」が内蔵されていて、子どもにビーコンタグを持たせておくと、位置情報履歴を保護者に通知することができます。
わが子の小学校入学式では「ビーコンタグ」が配られました。設定したメールアドレスに毎日「〇〇小学校南門を通過しました」「〇〇交差点を通過しました」とメールが届くので、登下校時も安心して送り出すことができます。
加古川市での子育て体験談
ここからは、実際に加古川市で子育て中のわが家が感じた加古川市の魅力についてお伝えいたします。
加古川市で子育てをする魅力
加古川市で生活をしていて感じるのが、子育てのしやすさです。
加古川駅付近に住んでいるわが家。予定のない子どもと2人きりの日に、子育てプラザにふらっと出かけると、職員さんが笑顔で話しかけてくれたので、子どもだけでなく私もリラックスした時間を過ごせました。子育てサークルが複数あったため、同世代の友人も自然にできたので嬉しかったです。
2021年10月には、JR加古川駅前のカピル21ビル6階に加古川市立加古川図書館が移転し、リニューアルオープンしました。
小さなお子さま向けの「おはなしのへや」や授乳室がそろっているので、同じ建物内にある子育てプラザ帰りに立ち寄りやすかったです。学習・ワークスペース、読書スペース、セミナールーム、多目的スペースがあり、公衆無線LANや自動貸し出し機などの最新設備が整っていて、老若男女多くの人で賑わっています。
施設名:加古川図書館
所在地:兵庫県加古川市加古川町篠原町21-8カピル21ビル6階
アクセス:JR加古川駅より徒歩すぐ
開館時間:月曜日~土曜日10:00~20:00、日曜日・祝日・休日10:00~19:00
休館日:毎月第4月曜日(祝日・休日と重なるときは開館し、翌日が休館)・カピル21ビルの休館日(年2回)・年末年始・資料整理期間・システムメンテナンス日
加古川駅から少し離れると、緑が豊かな土地が広がっています。広い草原で子どもたちと思いきり遊んだり、親子で魚釣りを楽しんだりすることも可能です。
高いビルが少ないので、都心と比較すると空が広く感じられて、感動しました。朝焼けや夕焼け、綺麗な星空など、体全体で自然を感じられます。
加古川市の子育て環境
全国的に少子高齢化が進んでいる日本ですが、加古川市も例外ではありません。しかし、加古川駅付近に限っていえば近所にも子どもは多いです。加古川市には、子ども連れに便利な大型のショッピングモールがいくつかあります。
ニッケパークタウンは加古川駅から徒歩圏内にあり、食料品や日用品だけでなく、ファッション・グルメ・おもちゃ・本など、話題のお店が多数そろっています。屋内で遊べる有料施設もありますので、雨の日でも遊ぶ場所に困りません。
加古川市内外から車で訪れる人も多く、休日は駐車場待ちができるほど。イベントなども頻繁に開催されているため、一日中楽しめるショッピングモールです。
施設名:ニッケパークタウン
所在地:兵庫県加古川市加古川町寺家町173-1
アクセス:JR加古川駅より徒歩8分
営業時間: 10:00~20:00(レストラン・スーパーマーケットは営業時間が異なります)
2022年3月には、アリオ加古川がグランドオープンしました。70以上もの店舗が連なる、大型ショッピングモールです。
授乳室・おむつ交換台・調乳専用温水器・乳幼児の計測器などがそろう赤ちゃん休憩室や、助産師によるマタニティや育児に関するアドバイスが無料で受けられる相談室があります。
男性が利用できるベビーケアに対応した可動式完全個室のベビーケアルームも設備されています。親子連れに嬉しい設備が整っているので、ゆっくりとお買い物を楽しめますよ。
アリオ加古川は山陽電鉄別府駅から南へ徒歩5分ほどの場所にありますが、休日は周辺道路が大変混雑しますので、車を使うときは注意してください。
店舗名:アリオ加古川
所在地:兵庫県加古川市別府町緑町2
アクセス:山陽電鉄別府駅から南へ徒歩5分
営業時間:10:00~20:00(フードコート・スーパーマーケットは営業時間が異なります)
加古川市の住まい事情
実際に住むとなったら、家賃などの住まい事情も気になるもの。わが家は加古川に引越しをする前の数年間、東京都内に住んでいました。
そのときも賃貸マンションで、現在加古川市で住んでいる賃貸マンションとほぼ同じ広さの部屋を借りていました。しかし、家賃は東京都内の方が高く、価格差に驚きました。なお、2LDK・3K・3DKの加古川市の家賃相場は6.56万円で、東京都世田谷区の家賃相場は21.15万円です。
ここからは、加古川市と近隣地域の家賃相場を見ていきましょう。加古川市の1LDK・2K・2DKの家賃相場は、7.33万円です。お隣の姫路市は6.57万円、明石市は6.95万円でした。落ち着いた住環境である加古川市はやはり近隣地域の中では人気の地域のようです。
加古川市の2LDK・3K・3DKの家賃相場は、6.56万円。お隣の姫路市は6.83万円、明石市は8.48万円です。子育て施策に早くから力を入れている明石市は、ファミリー層が多く集まるため、家賃相場が高い傾向にあります。
加古川市はここ数年で子育て施策が充実してきているので、今まさに子育てしやすい街へと変化しているように感じます。
加古川市の子育て世帯におすすめエリア
これまでお伝えしてきたように、加古川市は全体的に子育てがしやすい街です。ここでは、その中でも特に子育てがしやすいエリアをお伝えします。
加古川市の子育て世帯におすすめのエリア(1)JR加古川駅周辺
最初におすすめしたいのは、わが家が現在住んでいるJR加古川駅周辺です。加古川駅付近には百貨店‘‘ヤマトヤシキ‘‘があります。
建物の中には、図書館や子育てプラザ、マイナンバーカードセンターなどの市の施設が入っていて大変便利です。加古川駅周辺にはニッケパークタウンもあるので、生活がしやすいです。
店舗名:加古川ヤマトヤシキ
所在地:兵庫県加古川市加古川町篠原町21-8
アクセス:JR加古川駅徒歩1分
営業時間:10:00~19:00(店舗・施設により営業時間が異なります)
加古川駅の住まいを探そう
加古川駅から徒歩15分ほどのところには河川敷公園が広がります。ゆったりと流れる加古川の河川敷は、居心地のいい場所です。広大な景色の中で飲食が楽しめるイベントが頻繁に開催され、週末は多くの家族連れで賑わっています。
加古川市の子育て世帯におすすめのエリア(2)JR東加古川駅周辺
JR東加古川駅周辺にも子育てに嬉しい施設がたくさんそろっています。
東加古川駅付近には、加古川総合文化センターがあり、博物館やプラネタリウム・宇宙科学館などが併設。プラネタリウムにはキッズプログラムもあるため、子どもでも安心して楽しめます。
隣には加古川市立中央図書館や広い芝生があり、幅広い世代の方で賑わっています。
施設名:加古川総合文化センター
所在地:兵庫県加古川市平岡町新在家1224-6,7
アクセス:JR東加古川駅北口 北へ徒歩約10分
2022年4月に、複合施設「かこてらす」がオープンしました。「かこてらす」には、東加古川公民館と東加古川子育てプラザが入っています。
子育てプラザには、就学前の子どもと親が安心して過ごせるこども広場や子育てサークル活動に利用できるプレイルーム、芝生広場、デッキ広場などがあります。イベントも多数開催されていて、子育てにはぴったりの施設です。
施設名:かこてらす
所在地:兵庫県加古川市平岡町一色 797-295(加古川東郵便局東隣)
アクセス:JR東加古川駅から徒歩約16分
開館時間:9:00~17:00
東加古川駅の住まいを探そう
加古川市はさらに子育てしやすい街へ
加古川市で子育てしていて感じるのは、子育てしやすい環境へとまさに今変わっているということ。「こんな制度があったらいいな」「あんなサポートがあればより安心して子育てできるな」ということが、日々実現している印象です。
これからも加古川市はますます子育てしやすい街へと変化していくでしょう。関西への引越しを検討中の方は、ぜひ加古川市も候補に入れて検討してみてくださいね。